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システム開発を通してお客様に「価値」を届ける――HapInS株式会社

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HapInS株式会社の扉画像

2021年の創業から、システムエンジニアリングサービス事業(SES)と受託開発事業に注力してきたHapInS株式会社。お客様に寄り添い、お客様のご要望や目的をお聞きして必要なシステムの全体像を考える上流工程を得意としています。現在は、「ユーザー目線での開発」をさらに徹底することで、受託開発事業をさらに進化させようとしています。同社の代表取締役である渡邉 亮介氏と営業担当の山崎 奈緒氏に、同社が掲げる「ユーザー目線での開発」と、その実践についてお話を伺いました。

 

エンジニアが「職人」になってしまっては、システムばかりに目が向いてしまう

―― 御社は2022年4月から、それまでの主力であったSES事業に加えて、受託開発にも本格的に取り組んでおられますが、現在の状況はいかがでしょうか。

HapInS株式会社の渡邉 亮介氏

代表取締役 渡邉 亮介氏

HapInS 渡邉氏: ようやく軌道に乗り始めたといったところです。受託開発事業を立ち上げた2022年は、なかなか思うように新規の開発案件を獲得できませんでしたが、2023年に入ってからは少しずつ受注できるようになりました。新規の開発案件だけでなく、獲得したお客様から追加での発注を頂いたり他の発注者様をご紹介していただいたりと、良いサイクルができてきたと感じています。

受託開発事業が軌道に乗り始めてきた理由は、「ユーザー目線での開発」という考え方を改めて見直し、より徹底したことにあると思っています。もともと、当社ではお客様に「価値を届けること」を重視していました。我々の第一目的はシステム開発をすることではなく、システム開発を通して「お客様にビジネス上の価値を届けること」であるという考えです。

ところが、実際に受託開発事業に取り組み始めてみて気がついたのですが、当社がお客様に伝えていたのは「こういうシステムなら安価に早くできます」、あるいは「最新技術を活用したシステムを作れます」というように、コストやデリバリー、技術の優位性といったことばかりでした。これでは「ユーザー目線の開発」とは言えません。

お客様の目線に立てば、「システムを導入して得られる価値は何か?」が大切で、そこを知りたいはずなのに、それをきちんとお伝えすることができていませんでした。エンジニアが「ものづくりの職人」になってしまっては、システムを作ることばかりに目が向いて、「お客様に届けるべき価値は何か」ということを忘れがちになってしまいます。そこで、もう一度、我々が重視すべきは「ユーザー目線の開発」であるという考えを徹底しました。その取り組みが少しずつ結実してきている感触です。

 

「ユーザー目線」を持つための第一歩は、お客様を深く理解すること

―― 確かにお客様は「システムが欲しい」のではなく、システムを導入・活用して得られる業務効率化や売上拡大といった「ベネフィットが欲しい」はずです。その「お客様が得られる価値」に目を向けることが「ユーザー目線の開発」であるということですね。具体的にはどのように実践しているのですか。

渡邉氏: 一般的にシステム開発は、お客様のお困りごとやご要望をお聞きするヒアリングから始まり、要件定義やシステムの設計を経て、開発、実装というように進みます。「ユーザー目線での開発」を進めるにあたっては、まず、お客様の情報を徹底的に収集するところから始めます。お客様のホームページの情報をもとに、お客様が属する業界の状況、お客様が提供している製品・サービスの市場動向、競合の動きなども調べて、お客様へのヒアリングの前には我々なりに「こんなことにお困りではないか」、「こういう課題を解決するシステムを要望されているのではないか」など仮説を立てます。そして、適切な質問をあらかじめ準備してから、お客様のお困りごとをヒアリングして、こんな解決方法がありますよとご提案できるようにしています。

 

HapInS 山崎氏: あらかじめ「こういったシステムを導入したい」というような開発案件に関する情報をいただいている場合もあります。そのときは、お客様がなぜそのシステムを必要としているのか、本当はこういったシステムのほうが適しているのではないかといったことを自分の中で想像して、それが本当に合っているのかを打ち合わせでしっかり確認できるようにメモを作り、それをメンバーで共有してお客様との打ち合わせに臨みます。

お客様によっては、ご要望がまだもやっとした状態で、どんなシステムを導入したいのかがまとまっていないということも良くあります。そこを明確にするためにも、事前に質問を吟味しておくことが重要です。

私は「ユーザー目線での開発」には、何よりも「お客様と同じ目線に立つこと」が大切だと考えています。事前にお客様のことを調べるのも、お客様のことを深く知ることでお客様の立場を理解し、お客様と同じ立場、同じ目線でシステムのことを考えられるようにするためです。

ベネフィットをよりわかりやすくお伝えするために、お客様のご予算や要件に合わせて複数のシステム構成のパターンを用意し、それぞれのメリットとデメリットを説明するようにもしています。例えば、フルスクラッチで作ると機能は充実するが費用がかさむ、ノーコード/ローコードツールを使って作ると比較的安価にできるが機能が制限されることもある、などとメリットとデメリットをきちんとお伝えすると、お客様は比較検討しやすくなるでしょう。お客様にとって最善な提案ができるよう柔軟に対応させていただくことで、「ユーザー目線での開発」ができるようにしています。

 

「ユーザー目線での開発」=「お客様に価値を届ける」、コミュニケーションを重ねることで信頼関係を構築

―― なるほど、「ユーザー目線での開発」の実践では、まず、お客様にヒアリングをする以前の準備、例えば、情報収集や質問の吟味などが大切になるのですね。実際にシステムを作り始める段階では、どのようなことに留意しているのですか。

渡邉氏: 我々はシステムという、お客様にとって「目に見えないもの」を作っているということです。多くのシステム開発の場合、お客様は発注してから最後の納品の段階になるまで、何ができているか見ることも触ることもできません。そうなるとお客様が本当に欲しかったシステムと開発側が実際に作っているものとの間にギャップが生じる可能性があります。

そこで、定期的にミーティングをして、実際に開発途中のシステムの画面をお見せしたり、開発途中のシステムに実際に触れていただいたりして、お客様と当社との間に作ろうとしているシステムについての認識のずれ、齟齬がないかを確認しています。

「ユーザー目線での開発」とは、「お客様に価値を届ける」ことです。お客様が得られる価値はどのようなものかをお伝えすることが大切です。同じ目線でしっかりとお客様とコミュニケーションを取り、お客様がどのようなベネフィットを享受できるようになるのかをお伝えしています。

システムですから作っているものは見えないのですが、だからこそ「この人とだったらうまくコミュニケーションを取りながらプロジェクトを進められそうだ」と思ってもらえることに重きを置いてお話しをするようにしています。

 

―― 「ユーザー目線での開発」では、お客様のお困りごとに寄り添ってお客様に信頼してもらえる関係性を築くことも大切なのですね。

渡邉氏: そこは、とても大事にしています。例えば、今はオンラインでの打ち合わせが主流になっていますが、こちらから直接訪問させていただいて、工場の様子などを見せていただくこともしています。

お客様によっては、「システム部が開発・導入を主導して、使うのは生産管理部」というように、システムの開発・導入を担当する部署と実際にシステムを使う部署が異なるケースもあります。

そのようなケースでは、実際にシステムを使う部署の現場に行ってみると、担当者から聞いていたのとは違うところに困っているのだなと新たな発見をすることもあります。こうした一つひとつの取り組みが「お客様に寄り添う」ことで、こうした取り組みでお客様との信頼関係がより強固なものになり、「ユーザー目線での開発」につながっていくと考えています。

 

中長期的な視点でも「ユーザー目線での開発」を実践

―― システム開発とは「導入したらおしまい」ではなく、中長期的にお客様と信頼関係を作り、お客様と一緒にシステムを育てていくような視点も大切だと思います。そういった視点で考えたとき、「ユーザー目線での開発」をどう実践していきますか。

渡邉氏: お客様にどのような価値を届けるかという視点から、システムの全体像を描いたうえで開発の中長期的なロードマップを作り、優先順位をつけながら作り込んでいくことは、すでに実践しています。システム開発は、最初に思い描いた構想の通りに全部がうまく進むとは限りません。そこで、まずは最も重要なところから作り、使ってみて効果が出たら機能拡張していきましょうといったことをお話ししています。

システム開発会社によっては、全体像の最初から最後までを一括で受注して作るところもありますが、それでは完成までに数年かかることもあります。スクラッチで作ることを想定していた機能が、数年が経過する中でSaaSでも提供されるようになり、「作る必要がなくなる」ことすらあり得ます。将来を見据えたロードマップを作り、今、必要なところから作り、実際に活用してもらうことでお客様に価値を届け、さらに追加の開発を進める、ユーザー目線での開発ではそういった取り組みも実践しています。

「お客様に価値を届ける」ということを具体的に表現すると、「投資いただいたお金以上の価値を返す」ということだと言えるでしょう。新規のサービスであれば、投資以上の売上や利益を作るということです。スモールスタートでシステムを作っていくことで、その時点で投資した金額以上の売上や利益などの価値をお客様には得ていただき、次のシステム開発に進んでいただく、そういったかたちで中長期的な「ユーザー目線での開発」を進めています。

 

―― お話を伺っていて、今後の御社の事業拡大においても「ユーザー目線での開発」がとても重要な意味を持つと感じました。今後の展望としてはどのようなことを考えていますか。

渡邉氏: 理想的には、システム開発の工程で超上流といわれるところから実際のリリース、運用・保守にいたるまで全て我々の会社内で完結するようにしたいと考えています。今は中小規模のお客様から受託開発の案件をいただくことが多いのですが、より大規模なエンタープライズレベルのお客様からの受託開発案件となると、抱えている課題も相当に大きいものになっていくでしょう。そういった大きな案件にも「ユーザー目線での開発」を実践していけるように、社内にコンサルティングチームを立ち上げたいと考えています。

また、海外の開発拠点の拡充も進めます。現在、フィリピンのセブ島で動いていますが、同じように英語圏のなかでいくつか拠点を構えたいと考えています。地理的に地球を一周するような形で海外拠点を点在させることができれば、ある拠点が夜で稼働休止のときはある拠点が日中で稼働しているというように、開発から保守・運用までを24時間365日の体制で回していくことができます。お客様にノンストップで開発から運用・保守までのサービスを提供できるようにしていくことも「ユーザー目線での開発」においては重要なことだと考えています。

こうした体制を作りあげることで、日本のITが世界No.1と呼ばれるように業界を盛り上げていきたい、当社がその一助になれば理想的です。5年後から7年後くらいには実現したいと考え、今、取り組んでいるところです。

 

―― ありがとうございました。

 

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