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システム開発の勘定科目とは?主な項目例や注意点なども解説

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システム開発の勘定科目のイメージ図

「システム開発の業務は会計処理上どのように仕訳されているのか」「そもそも勘定科目とは何か」と疑問に思う担当者は多いのではないでしょうか。システムはWeb上やサーバ上にあり無形なことからイメージがしづらく、多くの方が会計処理に悩んでしまうものです。

この記事では、勘定科目の基本から、システム開発における項目例や注意点までを詳しく解説します。

 

目次

 

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システム/ソフトウェアの勘定科目

勘定科目とは、企業の取引内容を整理し、会計記録に反映するための「見出し」です。この見出しを使って、取引の性質や金額を簿記に記録します。財務会計で用いられる「表示科目」とは異なり、勘定科目は主に社内の管理会計で利用され、企業によって柔軟に設定できます。勘定科目の役割は、取引を日々記録し、それを財務諸表にまとめるために不可欠です。具体的には、仕訳を通じて、各取引の借方と貸方に適切な科目と金額を割り当て、期末にはこれらの記録が貸借対照表や損益計算書に反映されます。財務諸表に記載される勘定科目の総額は、会社内での分析はもちろん、法人税や消費税の申告資料としても活用されます。

勘定科目の主な科目は、以下の5つに分けられます。

勘定科目の主な科目 説明
資産 企業が管理する経済的資源。所有権がなくても、利益を得ている場合には含まれる。例:現金、売掛金、建物、土地、投資有価証券
負債 企業が経済的資源を手放す、または提供する義務。例:買掛金、支払手形、借入金
純資産 企業の総資産から総負債を引いた残りの額。例:資本金、新株予約権
収益 企業が取引から得る金額。例:売上、受取利息、雑収入
費用 取引によって発生した費用。例:仕入、水道光熱費、給料

 

決算書は、主に「貸借対照表」と「損益計算書」の2つの主要な部分で構成されます。貸借対照表では、資産、負債、純資産の3つのカテゴリーに分けられた科目が含まれます。これらは、会社の財務状況を示すためのものです。

一方、損益計算書は、収益と費用の2つのグループに分類して、会社の利益や損失を示します。これらのグループは、会社の経済活動を明確に理解するために必要な区分です。

 

●ソフトウェアは資産に含まれる

ソフトウェアは、市販品の購入であれ、自社での開発作成であれ、無形固定資産として会社の「資産」に計上されるのが一般的な会計処理です。資本金1,000万円の会社の場合、30万円未満のソフトウェアは短期間の費用として扱うことが可能ですが、例えば500万円といったような高額なソフトウェアは、無形固定資産として資産計上しなければなりません。

 

●ソフトウェアの償却期間と価格の関係

資産計上する場合は、会社は取得時にこれを資産に加え、決算時には減価償却を行います。無形固定資産として扱われるソフトウェアは、5年間の耐用年数で減価償却するのが通常です。しかし、10万円以下のような比較的小額のシステム購入の場合は、消耗品費として経費計上し、減価償却の必要はありません。このように、ソフトウェアの会計処理は価格によって異なり、適切な処理が求められます。

 

●使用目的による償却期間の違い

ソフトウェアの会計処理においては、使用目的に応じて減価償却の償却年数が異なります。具体的には、自社で使用するソフトウェアの場合、償却年数は5年が一般的です。一方、販売を目的とするソフトウェアは、その償却年数が3年となります。さらに、固定資産に関しては、特定の条件を満たす場合、特例を活用して経費で計上することが可能です。これには「一括償却資産の特例」や「中小企業の特例」があり、これらを利用することで減価償却の必要がなくなることもあります。そのため、会社の財務状況や戦略に応じて、これらの特例の活用を検討することが重要です。これにより、より経済的で効率的な会計処理を行えます。

 

●システム開発費用の主な項目例

会計処理について理解したあとは、システム開発費用に関する具体的な項目例にも目を向けることが重要です。

それぞれ詳しくみていきましょう。

 

・要件定義費用

システムが持つべき機能についての定義を行うコストです。これにはクライアントとの打ち合わせや機能要件の詳細な洗い出しの作業が含まれます。

 

・設計費用

開発の基礎となるアーキテクチャの構築にかかわるコストです。基本設計、データベース構築、ユーザーインターフェースの設計など、各開発プロセスで必要とされる費用です。

 

・開発/実装費用

設計書に基づき、システムをプログラミングするコストです。ここでは、実装する各機能や設定に関する費用が考慮されます。

 

・テスト費用

システムが適切に機能するかを検証するためのコストです。テスト計画の作成や実際のテスト実施にかかる工数も含まれます。

 

・スケジュール管理費用

プロジェクトの全体的な進行を調整し、管理するためのコストです。これは一般的に「管理費用」として記載されることが多い項目です。

 

・導入サポート費用

クライアントがシステムを導入し、実際に使用するまでのサポートにかかわるコストです。トレーニングや初期設定などが含まれます。

 

・運用保守費用

システムの継続的な運用と保守に必要なコストです。メンテナンスやトラブル対応もこの項目に含まれます。

 

・機材や設備に対する費用

主に「管理費」として考慮されるコストです。必要に応じて設備の購入やアップグレードにかかわる費用も含まれます。

これらの項目を表にまとめると、以下のようになります。

項目 説明
要件定義費用 システムの必要機能に関する定義とクライアントとの調整に関連するコスト
設計費用 アーキテクチャ構築、データベース設計、UI設計など開発の基礎となるコスト
開発/実装費用 設計書に基づいたシステムのプログラミングにかかるコスト
テスト費用 システムの機能検証とテスト計画作成に関連するコスト
スケジュール管理費用 プロジェクト全体の進行管理に関連するコスト
導入サポート費用 システム導入後のクライアントサポートに関連するコスト
運用保守費用 システムの継続的な運用と保守に関連するコスト
機材や設備に対する費用 管理、設備購入として考慮されるコスト

 

システム開発における仕訳のポイントは開発・契約形態により異なる

システム開発の会計処理は、開発形態や契約の内容に大きく左右されます。特に、受託開発、SES、自社開発という主要な3つのケースでは、それぞれの仕訳方法が異なるため、この違いを理解することが重要です。3つのケースにおける仕訳のポイントは以下のとおりです。

  • 受託開発の仕訳方法は請負工事に類似

  • SESは役務収益と役務原価で仕訳をする

  • 自社開発は成果物の扱いがカギ

 

それぞれ詳しく解説します。

 

●受託開発の仕訳方法は請負工事に類似

他社からの依頼に基づいてシステム開発を行う受託開発では、建設業界の請負工事に似た会計処理が用いられるのが一般的です。

売上や費用の計上時期に関しては「工事進行基準」と「工事完成基準」の2つの方法が存在し、システム開発の場合、多くは納品して顧客からの検収を受けたあとに請求を行います。そのため、プロジェクトの完了時に売上と費用を一括で計上する「工事完成基準」が主に採用されるのです。これにより、プロジェクトの進捗に応じた途中計上ではなく、完成と同時に経済的な成果が反映されます。

プロジェクトの検収時には、顧客による受け入れが行われた後、会計上の処理が進められます。この段階で、将来の収入を示す売掛金が借方に計上され、対応する貸方には受け入れられたプロジェクトからの売上が認識されます。さらに、プロジェクトを完成させるために直接的に発生したコスト、すなわち人件費、水道・光熱費、オフィス家賃などの費用が、売上原価として借方に計上されます。これらの費用は、プロジェクトの収益性を評価するうえで重要であり、プロジェクトの経済的成果を正確に反映させるために不可欠です。

事前に費用を計上する必要がある場合、または決算期を越える受託開発プロジェクトの際には、これらの費用は「仕掛品」という会計勘定で記録されます。受託開発プロジェクトにおいて、費用が事前に発生する場合やプロジェクトが決算期を越える場合には、これらの費用は「仕掛品」として会計記録に計上されます。仕掛品とは、製造中の製品や未完のサービスに関連する費用を一時的に記録する勘定科目です。

プロジェクトが決算期を越える際には、発生した費用、例えば人件費、水道光熱費、オフィス家賃など―は仕掛品の借方に計上されます。これにより、これらの費用がプロジェクトの成果物に関連していることが会計上明確になります。

決算期を越えて検収が行われた場合、プロジェクトから得られる収益は売掛金として借方に計上され、対応する貸方に売上が認識されます。さらに、売上原価として、以前に仕掛品として計上された費用と当期に発生した費用も計上されます。この仕組みにより、プロジェクトにかかった総費用とプロジェクトから得られた総収益が、適切に会計記録に反映されます。仕掛品から売上原価への転記は、プロジェクトの経済的成果を正確に捉えるために重要です。

 

●SESは役務収益と役務原価で仕訳をする

SES(システムエンジニアリングサービス)形式で行われる委託契約では、労働力の提供が主なサービスです。この種の契約では、会計処理において「役務収益」と「役務原価」という勘定科目が特に重要になります。

プロジェクトの進行に伴って発生した費用は、仕掛品として一時的に計上されます。プロジェクトが進行し、費用が事前に発生した場合、これらの費用(例えば人件費など)は仕掛品の借方に計上されます。この方法により、プロジェクトに関連する費用を適切に追跡し、管理することが可能です。

サービス提供が完了した時点で、プロジェクトから得られる収益は売掛金として借方に計上され、これに対応する貸方として役務収益が認識されます。一方、プロジェクト進行中に仕掛品として計上されていた費用は、役務原価として仕掛品の貸方から振り替えられます。この処理を通じて、SES契約に基づくサービスの提供から生じる経済的成果が、会計記録に正確に反映されることになります。

 

●自社開発は成果物の扱いがカギ

自社でシステム開発を行う場合、開発した成果物が資産として計上されるかどうかが重要です。成果物が資産となる場合とならない場合をそれぞれみていきましょう。

 

成果物が資産となる場合

開発中のソフトウェアが将来的に企業へ利益や費用削減をもたらす見込みがある場合は、資産として計上します。開発費用は「ソフトウェア仮勘定」として初期に記録され、完成後は「ソフトウェア」の資産勘定へ振り替えられてから、正式に資産と認識されます。これらのソフトウェアは、経済的な利用可能期間を考慮して3年または5年で減価償却され、その価値が時間とともに分配されます。除却や減損の必要が生じた場合、それに応じた会計処理が行います。

 

成果物が資産とならない場合

開発した成果物が資産として認識されない場合、例えば日常の保守作業や不具合修正に関連する費用は、直接的な費用として会計上計上されます。これらの費用は、プロジェクトの進行状況にかかわらず、発生した時点で経費として記録され、即時に費用として反映されます。

具体的には、人件費や水道・光熱費、オフィス家賃などの費用が発生すると、これらは借方に計上されます。対応する貸方としては、支払いが行われる際に「現金など」が計上されます。このような会計処理により、資産として認識されない開発活動に関連する費用が、適切に経費として会計記録に反映されることになります。

 

勘定科目の分類時に注意すべきこと

システム開発を外注する時には、その会社と長い付き合いになることが一般的です。そのような状況を考慮して、勘定科目や会計処理をスムーズにするための注意点を押さえておきましょう。以下では、特に注意すべき点について解説します。

  • できるかぎり一般的な勘定科目を使う

  • 同じ勘定科目を継続使用する

 

●できるかぎり一般的な勘定科目を使う

勘定科目の選択は原則として自由ですが、客観的にも明確さや見やすさが非常に重要です。システム開発の外注費用を計上する際には、社外の税理士や会計事務所も帳簿を閲覧することがあります。そのため、誰が見ても仕訳の基準や金額の推移が理解しやすいように、一般的な名称の勘定科目を使用することが望ましいとされています。

 

●同じ勘定科目を継続使用する

一度決定した勘定科目は、可能なかぎり継続して使用することが推奨されます。また、科目を統一することで、経費の流れが一貫して追跡でき、企業の経営状態を的確に分析できるためです。特に、外注先と長期にわたる関係を持つ場合、一貫した勘定科目を使用することで、財務状況の変化も正確に把握しやすくなるでしょう。

 

システム開発の勘定科目について解説しましたが、システム開発が外注したいと考えている方も多いのではないでしょうか。

「社内に開発スキルを持つエンジニアがいないが、ITを導入したい」というニーズや、「システム開発のために新たに人材を雇用し、組織を構築するのが重荷である」という問題に対する解決策として、システム開発やソフトウェア開発の外注は多くの企業にとって魅力的な選択肢といえます。

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