自社の抱えるIT課題が単純なものならば、解決してくれる発注先はすぐに見つかるかもしれない。しかしその課題が複雑だったり、高度な技術を必要とするものだったりすると、そう簡単に発注先を見つけることはできない。
株式会社キュリオスの代表である長塚昌親氏は、自身でEC-CUBEやWordPressを使って園芸用植物の種子の通販サイトを構築・運営していたが、新たなニーズに対応するため発注先を探すことにした。長塚氏曰く、岐阜でビジネスを展開する同社がEC-CUBEに精通した東京の会社と巡り会えたのは「発注ナビがあったからこそ」だという。詳しい経緯を長塚氏に伺った。
園芸用植物の種子の通販サイト2つを運営していたが、ポイントをどちらのサイトでも使えるようにしたいという新たなニーズが！
――キュリオス様のビジネスについて教えてください。
キュリオス 長塚氏：当社は岐阜県にあり、もともとは個人事業主として「SeedStock」というブランドで園芸用植物の種子の販売を手掛けていました。会社を設立したのは2021年11月になります。
個人事業主として活動していた当初から、ネット通販のみでビジネスを展開しています。現在700種以上の種子を取り扱う多品種展開が当社の特徴でして、30代から40代の園芸を趣味とされるお客様はもちろん、園芸サービス業、庭師の方といった法人のお客様にもご利用いただいています。
――既存の通販サイトはどのようにして開設したのでしょうか。
長塚氏：既存サイトの構築はすべて自分で行っていました。最初はEC-CUBEを使って通販サイトを運営していたのですが、そのサイトでは仕様上出来なかったことを実現するため、WordPressをベースにしたサイトを新規作成しまして、EC-CUBEとWordPress両方のサイトで通販を展開していました。
――EC-CUBEのサイトで実現出来なかったこととは、どのようなものだったのですか。
長塚氏：販売だけでなくお客様同士の情報共有を促そうと考え、その仕組みを実現したいと思いました。具体的には、当店で購入した商品が発芽した状態をお客様が写真に撮影した後にサイトへ投稿していただき、ユーザー同士でシェアをしてもらえる投稿機能を実装しました。
加えて、投稿や購買を促進するためにポイント付与機能も実装しています。今回の発注をする前の段階から投稿が既に数千件ありまして、この機能を実装するためにWordPressで新たなサイトを立ち上げました。
――今回、発注ナビのご利用に至った背景を教えてください。
長塚氏：WordPressでサイトを立ち上げたのはよかったのですが、新たな課題が発生しました。WordPressのサイトで付与されたポイントは、そのサイト内でのショッピングには使えるのですが、EC-CUBEのサイトでのショッピングには使えず、お客様からも2つのサイト間でポイントが共有できなくて不便とのご指摘をいただいていました。日頃の業務があり自分では解決できないため、制作会社に発注することにしました。
発注ナビのほうが、他のマッチングサービスよりもレスポンスが早かった
――最初から発注ナビのご利用を検討されたのでしょうか。
長塚氏：最初は自分で制作会社を探しました。地元でも何社かの制作会社が見つかったのですが、EC-CUBEを得意としている会社はなかなか見つかりませんでした。「EC-CUBEを扱ったことはあっても、専門的なところまでは難しい」というところが多かったですね。
インターネットでマッチングサービスがあることを知り、発注ナビともう1社の2つのサービスを試してみようと問い合わせました。ところが発注ナビに問い合わせを入れてからその日中に連絡がきて、とてもレスポンスが早かったのが印象に残ったため、こちらで会社を探してもらうことに決めました。
――発注時の要件は、ポイントの共有以外にもありましたか。
長塚氏：はい。発注ナビに対して、次のような要件をまとめて提出しました。
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ポイント機能の拡張
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レビューなどの投稿に対しポイントを付与
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アフィリエイト機能の追加
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在庫管理の簡素化
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在庫切れ商品の再入荷時に希望者への自動通知
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メール配信システム（現在は送信先リストをCSVで書き出し、ファイルメーカーからAWS経由で送信）
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運用するサーバーについてアドバイスをいただきたい（AWSを検討）
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掲示板・フォーラム機能
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Facebook、Instagram、Twitterとの連携
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予算200万円程度
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納期2022年10月
サーバーの移行は、既存のレンタルサーバーだと1度に送れるデータの量に制限があり、環境をAWSに移したかったという経緯がありました。その他にも、既存サイトでEC-CUBE3を使っていたものをEC-CUBE4に移行することや、過去の注文履歴や投稿データを新システムに移行することを要望として出しています。補助金を利用しようと思っていたので、納期も条件に加えました。
押しの強さとEC-CUBEに精通している点が発注先を選んだ決め手！
――発注ナビからは制作会社を3社紹介させていただきました。その中からRegit様を選ばれた決め手はどこだったのでしょうか。
長塚氏：3社の中でレスポンスが最も早かったのがRegitさんだったため、選びました。Regitさんは東京、当社は岐阜の会社なので、対面で打ち合わせをせずお話を進めることについて最初は不安もあったのですが、それもあまり気にはなりませんでした。
また、代表の身近な方が、EC-CUBEを用いてビジネス展開をされたご経験があるとのことで、ご相談したい内容に精通されているなと感じたのが何よりの決め手になりました。
――商談や実際の開発に進んでからはいかがでしたか。
長塚氏：Regitさんは、他の2社も含めた商談を進めている中でも一番こまめに連絡をくれました。「他社から見積りの返事はありましたか？」、「機能面のオファーはありましたか？」、「ウチもこういうのはできますよ」という感じで、きちんとフォローをしてくれているなという印象を持ちました。
開発で特に大きな問題はありませんでしたが、過去のユーザーデータがインポートできなかったのが原因で納期が間に合わなくなる可能性が出たことや、サーバー負荷の大きさが読めずダウンしてしまい、テストリリースに時間がかかったという事態はありました。
補助金の関係があったので納期は少し不安になりましたが、もともと10月末の予定が11月末になったということで、補助金の申請にはギリギリ間に合いました。
――すでに新しいサイトも稼働していますが、出来はいかがでしたか。
長塚氏：多くのお客様から2つのサイトでポイントが使えるようになったことへの喜びの声をいただいています。それだけでなく、サイトが分かりやすくなったとの声もいただきました。
想定外だったのは、思った以上にAWSのコストがかかっていることでしょうか。メールサーバーだけならプラス1万円ぐらい、Webサーバーでプラス1～2万円ぐらいと言われていたのですが、実際にはプラス5万円ほどかかっています。データ転送の課金なので画像が多いサイトは不利なのかもと思い、現在は画像の解像度を落として掲載しています。
――今回の発注を振り返って、もっとこうすれば良かったということはありましたか。
長塚氏：2つのサイトのユーザー情報を統合する際、メール情報も一緒に統合しなければならないことが分かり、時間と手間がかかる手作業が発生しました。事前に見込んでおく必要があったかもしれません。
自分で探していたら出会えなかった。事前ヒアリングや紹介後のサポートも発注ナビの魅力
――今回、発注ナビを使ってみた感想はいかがでしたか。
長塚氏：発注ナビを通して出会えたRegitさんはとても良い開発会社さんでした。もしも自分で探していたら絶対にたどり着けなかったと思います。利用して良かったですね。
発注する際に悩ましいのは、どういったサイトにしたいか、どんな機能が必要か、という説明を考える点です。ぼんやりとしたイメージは浮かんでいても、具体的にどう説明をしたらいいか考えてしまいます。
本来ならば機能の大枠だけでなく詳細まで洗い出したほうが良いのでしょうが、最初の段階では難しいですよね。しかし問い合わせ時に担当の方がいろいろとヒアリングしてくれるので、自分の中である程度イメージできていれば、あとは任せて大丈夫かもしれません。
それから、サポートがとても手厚いなと感じました。商談中も担当者が定期的に電話をくださり、「今はどのような状況ですか」というフォローがありました。そういった連絡を何回かいただけると、何かあったときに相談ができるので安心できますね。
――キュリオス様のビジネスは今後どのように展開していくご予定でしょうか。
長塚氏：弊社で取り扱う種子の品種を増やしつつ、植木鉢などの栽培に必要な周辺商材も今後取り扱っていきたいと考えています。種子は季節もので冬場はあまり売れないので、季節に関係なく扱える商材を増やしていきたいと考えています。
幸い、岐阜は地元に陶磁器屋さんも多い土地柄です。若い陶芸家さんから仕入れて、販売していくということもできるのではないかと考えています。ある程度安定して売れるようになったら、デザイナーさんに発注して作ってもらった植木鉢なんかも売れたらいいなと考えています。
集客については、お友達の紹介でポイントを付与することもしており、じわじわと広げていければと考えています。実は知らない間に自社サイトがYoutuberの方に紹介されていて、アクセス数が急増したこともありました。趣味性の高い商材なので、SNSの活用なども展開していきたいですね。
また、お客様から直接「こういう商品が欲しい」というご要望もいただいております。コロナ禍も一段落して海外にも行けるようになったので、そろそろ以前のように直接買い付けにいけるようにしていきたいと考えています。
――ありがとうございました。
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