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システム開発における業務フローとは?作成の手順やポイントまで徹底解説!

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システム開発における業務フローのイメージの図

近年DXが推進されている背景から、業務の効率化や生産性の向上を目指し、システム開発を検討している企業のご担当者もいらっしゃるのではないでしょうか。システム開発のポイントは数多くありますが、「業務フロー」の有無もシステム開発の成功を左右する重要なポイントです。本記事では業務フローの種類や作成方法、システム開発において業務フローを作る目的、業務フローの構築手順や注意点について解説します。

システム開発でなぜ業務フローが必要になるのか」「どのように書けばいいのか」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

 

目次

 

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業務フローとは

まず、システム開発における業務フローについてご紹介する前に、一般的な業務フローについて理解を深めましょう。

そもそも業務フローとは、業務のプロセスをわかりやすく示した図のことです。業務をスムーズに進めていくためには、作業の具体的な流れや誰がどの工程を担当するのかを明確にしておく必要があります。その理解を助けてくれるのが業務フローです。

業務フローを作成する主な目的は、以下の3つが挙げられます。

  • 業務プロセスを可視化する

  • 業務の問題点を把握し、改善する

  • 各業務の担当部署・担当者を把握し、部署間の相互理解を深める

 

文章や口頭の説明だと複雑に感じてしまう業務プロセスも、矢印や図形を使って一連の流れを可視化することで、直感的に理解しやすくなります。そのため、新入社員や部署異動してきた社員の研修資料としても活用できます。

また、現状の業務フローにおける問題点にも気づきやすくなります。無駄な作業はないか、遅れが発生しやすいポイントはどこか、必要以上にプロセスが煩雑になっている箇所はないかなどボトルネックになっている部分を洗い出し、根本的な改善が可能です。

また、それぞれの作業の担当者がお互いを認識し、理解し合うことによって協力体制がより強固になります。

 

●業務フローの種類と分類

業務フローの表記方法にはさまざまな種類があります。代表的なものとして、以下の4つが挙げられます。

  • JIS(日本工業規格)X0121 情報処理用流れ図

  • DFD(データフロー図)

  • UMLアクティビティ図

  • BPMN(ビジネスプロセスモデリング表記法)

 

それぞれの特徴を以下の表にまとめました。

業務フローの表記方法 特徴
JIS(日本工業規格)X0121 情報処理用流れ図 JIS(X 0121)で定められている記号と、『情報処理用流れ図・プログラム網図・システム資源図記号 JIS X 0121-1986』で規格化されている工程のパーツを使った図。形式が厳格に決まっているため、誰が見てもわかりやすいのが特徴。
DFD(データフロー図) データの入力元と出力先・格納先を視覚的に表す図表。処理の順序やタイミングではなく、データ処理の流れのみを図示しているのが特徴。
UMLアクティビティ図 統一モデリング言語を用いて、プロセスに含まれる手順と流れを視覚的に表す図表。システムのプログラムの流れを表すためによく使用されるが、業務フロー図にも応用可能。
BPMN(ビジネスプロセスモデリング表記法) 業務のスタートから完了までの手順をモデル化するフローチャート手法。UMLアクティビティ図に似ているが、BPMNのほうが業務プロセスを正確に表現しやすい。

 

●業務フロー図の作成方法

業務フロー図を作成する際は、まず「いつ・何をきっかけに」「誰が」「どんな作業を」「どういう場合に」を明確にすることが大切です。これらが明確になっていないと、現状に則さない業務フロー図になってしまい、せっかく作ったのに使われない、実際とは異なるフローを新人に共有してしまう、誤った課題を設定してしまい本来解決すべき問題が見過ごされてしまうといったことが起こり得ます。

具体的な業務フロー図の作成方法は、以下の5つのステップで行います。

  1. 業務フローを作成する目的を明確にする
  2. 縦軸に部門・関係者を設定する
  3. 横軸に作業の大まかな分類を設定する
  4. 必要な作業を洗い出し、「いつするのか」「誰がやるのか」を考えて配置する
  5. 処理同士の関係を線で結ぶ

 

システム開発における業務フローとは

システム開発における業務フローは、要件定義を行う時の重要なツールです。業務の流れをフロー図で示したものであり、前項で説明した一般的な業務フローと相違はありません。

業務フローの有無はシステム開発の成否にかかわる重要な要素の1つです。ここでは、システム開発における業務フローの作成目的、要件定義でのフローの位置づけについてご紹介します。

 

●業務フローを作る目的

システム開発において業務フローを作る目的は、開発担当者や外注先に自社の業務プロセスを理解してもらうことです。業務プロセスを理解しないまま開発が進むと、現場での使い勝手が悪い、必要な機能が足りない、改善したかった課題が解決できない……などの事態に陥るかもしれません。

しかし、自社の業務プロセスを正しく、スムーズに理解してもらうのは手間がかかります。文章や口頭で説明したとしても、認識に齟齬が出る可能性は否めません。だからこそ、業務プロセスを視覚的に理解しやすい業務フロー図の作成が必要なのです。

 

●要件定義でのフローの位置づけ

システム開発において、業務フローは要件定義の時に必要になります。

要件定義は、以下の流れで行われます。

  1. 解決したい問題の洗い出し
  2. システム全体の構成を決定する
  3. 機能要件や非機能要件を定義する
  4. 予算や開発スケジュールなどを決める
  5. 要件定義書を作成する

 

システム開発を行う目的や現状の問題・課題の洗い出しを行う際に、既存の業務フロー図(As-Is:現状の姿)を作成します。課題を解決する方法や手段が決定した後に新規の業務フロー図(To-Be:あるべき姿)を作成します。

 

システム開発の業務フローの構築手順

業務フローの重要性について理解できたところで、実際の構築手順についても理解を深めましょう。適切な業務フローを作成するには、手順に則って構築していくことが大切です。実際に業務フローを作る際には、以下の手順で行います。

  1. 業務フローを作成する目的を整理する
  2. ノートやホワイトボードなどにざっくりとした全体像を書き出す
  3. ルールを設定する
  4. 業務フローの詳細を作成する
  5. 抜け漏れがないかチェックする

 

●1.業務フローを作成する目的を整理する

業務フローを作成する目的や用途を明確にしておくことで、手順の粒度や落とし込む内容が決まります。目的が不明確な場合、使えない業務フロー図ができてしまったり作り直しが必要になったりするため、必ず目的を整理しましょう。

 

●2.ノートやホワイトボードなどにざっくりとした全体像を書き出す

細かいフロー図をいきなり書き出すのではなく、まずは全体の流れを大まかにまとめましょう。

一連の流れにかかわる担当者や部署を整理し、必要な業務をざっくりと書き出していきます。この時、起点・終点に誤りがないか、担当者や組織に抜けがないか、必要な工程が漏れていないかを注意します。

ざっくりと全体像が描けたら、作業の詳細を1つひとつ洗い出し、業務フロー図に組み込む内容を整理します。

 

●3.ルールを設定する

フロー図は、作業内容を箱(記号)で説明し、業務の流れる方向を矢印で表現するのが一般的です。JIS規格で定められている代表的な記号を5つご紹介します。

名称 説明
端子 業務フローの開始・終了に配置する記号です。角の丸い四角形の中に業務を始める、もしくは終えるきっかけとなる内容を、「誰が」「いつ、何をきっかけに」「どんな場合に」のように記述します。
処理 1つのステップの処理や作業を表す四角形の記号です。「どんな作業を行うか」を簡潔に記述します。
判断 フローが分岐する判断ポイントを表すひし形の記号です。記号の中に「分岐条件」を記述します。
記憶データ 記憶されているデータを表す記号です。システム上のデータなどに用います。
書類 人間が物理的に読めるデータを表す記号です。紙の文書や帳票などに用います。

 

●4.業務フローの詳細を作成する

ルールを設定したら、業務風呂の詳細を詰めていきます。

業務フローでは、「誰が」「いつ、何をきっかけに」「どんな場合に」「どんな作業を行う」を表します。

「誰が」は、「スイムレーン」で表します。スイムレーンとは、業務フローにおいて誰がその業務を行うのか示すものです。業務フローを1つのプールだと考え、仕切り線で区切ります。それぞれの関係者を各レーンに割り当て、業務がどのように動いていくのかを可視化します。

3のステップで設定したルールをもとに、1つひとつの作業をExcelやPowerPointで落とし込みましょう。

 

●5.抜け漏れがないかチェックする

業務フローが作成できたら、抜け漏れがないかチェックしましょう。

 

システム開発の業務フロー構築時の注意点

システム開発をスムーズに進行するためにも、業務フローを構築する際には注意しておきたいポイントがあります。業務フロー構築時の注意点として、以下の4点が挙げられます。

  • 現状を正しく把握する

  • フロー作成の目的をはっきりさせる

  • 関係者の協力を取り付ける

  • 業務フローを漏れなく記載する

 

●現状を正しく把握する

システム開発における業務フローの作成は、開発担当者や外注先に自社の業務プロセスを理解してもらうことを目的にしています。作成した業務フローに間違いがあった場合、誤った情報をもとに開発が進んでしまい、現場で使えないシステムが納品されかねません。

作業の抜け漏れや現状との乖離を防ぐために、まずは現在の業務の流れを正しく把握しましょう。

 

●フロー作成の目的をはっきりさせる

フローを作成する目的が明確でないと、使えない業務フロー図になってしまい、作り直しが必要になる可能性があります。フロー図を作るステップ1において、必ず作成の目的をはっきりさせましょう。

 

●関係者の協力を取り付ける

関係者に協力を依頼するのも重要なポイントです。現行の業務プロセスに1番詳しいのは、実際に業務を行っている担当者です。業務を担当しているメンバーに参加してもらうことで、間違いのない業務フロー図を作成できます。

また、1人で作ると抜け漏れが発生しやすいため、複数人で確認するのがおすすめです。

 

●業務フローを漏れなく記載する

作業の抜け漏れがあると、必要な機能が抜けてしまったり、手順にそぐわないシステムになってしまったり、システム開発が失敗に終わりかねません。修正が必要になると想定していた予算以上にコストがかかったり、開発期間が長引いたりしてしまいます。

抜け漏れを防ぐためには、具体的に作業工程をシミュレーションしながら、フローを徹底して洗い出すことが必要です。また、実際に業務を担当しているメンバーに抜け漏れがないかを確認してもらいましょう。

 

わかりやすいシステム開発の業務フローを作るポイント

業務フローを作っても、社外の人間に伝わらない書き方になっていては、共通認識を持つことはできません。わかりやすいシステム開発の業務フローを作るポイントは、以下の4つが挙げられます。

  • 前提を共有する

  • 時系列や分岐を明確にする

  • フローの粒度を揃える

  • ほかの資料と参照しやすくする

 

●前提を共有する

業務フローの作成において、見やすさは重要なポイントの1つです。記載のルールやフォーマット、使う図形などについて共有しておきましょう。

特に、業務フローを分担して作成する際は、複数の書式や記法が混在している読みづらさや、後々揃えるための手戻りが発生するなどといったリスクを減らすことが大切です。

複雑になり過ぎないように、使用する記号の種類を絞ることも効果的です。記号の種類を最小限にすることによって、作業の簡素化にもつながります。

 

●時系列や分岐を明確にする

業務の開始と終了を明確に記しましょう。開始と終了の場所がわかりにくいと、作業の流れが追いにくくなります。開始と終了の記述は1つに絞り、視覚的にわかりやすい位置に配置するのがポイントです。開始する条件が複数存在している場合は、フローを分けて作成するのがおすすめです。

時系列を表す矢印の方向は上から下、もしくは左から右に統一します。時系列がわかりにくいと業務の流れを把握するのが困難になるため、矢印を交差させたり、逆行させたりするのは避けましょう。

処理が分岐する際は、わかりやすく条件を記述することが大切です。分岐条件が明確に表されていないと、どちらに進めばいいのかわかりづらくなってしまいます。分岐が多すぎると複雑になってしまうため、なるべく少なくなるよう意識することもポイントです。

 

●フローの粒度を揃える

フローの粒度がバラバラだと、読みにくくなってしまいます。適切な粒度で揃えることを意識しましょう。

全体像を把握するために、各ステップを細かく区切り過ぎないのがポイントです。作業の詳細を把握することは大切ですが、記述が細かすぎるとフローが膨大になってしまうため、全体の流れが不明確になりかねません。細かい手順を記載する必要がある場合は、該当する箇所を別途サブステップとしてフローを作成するのがおすすめです。

1つのステップの粒度は「どのように作業・操作するか」ではなく「何をするのか」を目安にします。

カップラーメンの作り方を例にすると、「フタを半分まで剥がす→中に入っている粉末スープとかやくを取り出す→粉末スープとかやくを開けて麺の上に入れる→こぼさないように慎重にお湯を入れる→フタをして3分待つ」ではなく「フタを開ける→粉末スープとかやくを入れる→お湯を入れる→3分待つ」といった粒度が適切です。

また、業務フローは可能な限り1ページで完結させるのがおすすめです。複数のページに分かれると、前の作業とのつながりや全体の中でのポジションがわかりにくくなってしまいます。

 

●ほかの資料と参照しやすくする

ほかの作業用の資料や手順書と相互に参照できるようにしておくことも重要です。業務フローに記載した作業の説明やシステム名などの記述は、要件定義で作成する画面遷移図やDFDなどそのほかのドキュメントと揃えるようにしましょう。

最終成果物としてすべての資料をまとめた際に、相互参照がしやすくなります。

また、前項で触れたとおり、業務フローは1ページにまとめることが大切です。特定の視点でどのような作業を実施するのか説明や補足をしたい場合は、別途シナリオや手順書を作成しましょう。そのうえで、補足資料があることとその格納場所を業務フローに記載するのがおすすめです。

 

正しく業務フローを作成し、システム開発を成功させよう

要件定義は、システム開発において最も重要な工程です。効率化したい業務の内容を正しく把握できていなかったり、抜け漏れが生じたりしたままシステム開発を進めてしまうと、最終段階で手戻りが発生したり、場合によっては使われないシステムが完成したりすることにつながりかねません。

それらを防ぐためには、要件定義の段階で正しく業務フローを作成することが大切です。

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