本業務では、ソラコムのD2D(Device to Device)通信機能を活用し、セルラー回線を介したデバイス間のセキュアな通信環境の構築を支援しました。D2D機能は、閉域網を利用してデバイス同士をインターネットを介さずに直接接続できるため、セキュリティ性と応答性の両立が可能です。
この仕組みを適切に運用するためには、対応ルーターの設定が非常に重要です。弊社では、対象ルーターの初期セットアップから、D2D通信用のポート開放・ファイアウォール設定など、セキュアな通信を実現するための一連の設定作業を代行しました。
さらに、運用開始後のメンテナンスや設定変更をお客様自身でも行えるよう、設定手順を網羅したマニュアルを作成・提供。現場での安定運用と将来的な拡張を見据えた支援を行いました。
本業務では、ソラコムが提供するD2D(Device to Device)通信機能を活用し、セルラー回線経由でのデバイス間セキュア通信の実現に向けた技術支援を行いました。D2D機能は、SORACOM Air for セルラーを通じて閉域網を構成し、インターネットを介さずにデバイス同士を直接接続できる点が特徴であり、IoTシステムにおけるセキュリティ性・低遅延性・信頼性の向上に寄与します。
技術的対応内容
■ D2D接続の構築支援とルーター設定代行
SORACOM D2D通信を利用するには、通信機能に対応したルーターやIoTゲートウェイの詳細な設定が必要です。弊社では、以下の作業を中心に設定を代行しました:
-
ルーター側でのポートフォワーディング設定:D2D接続先デバイスが特定のポートで通信を受けられるようルールを構築
-
ファイアウォールルールの調整:不要な外部通信を遮断し、セキュアな状態でD2D通信を可能に
-
ルーティングおよびDNSの最適化:デバイス間の通信が最短経路で行われるようネットワーク設計
これらの設定により、D2D通信が意図した通りに動作し、安定したピア・ツー・ピア接続が可能となりました。
■ D2D通信の動作確認および障害対応体制の整備
設定完了後には、実際に複数のデバイス間でD2D通信が正常に行われるかを検証し、以下の点を確認しました:
- デバイス間のMODBUS TCP通信疎通確認
- 通信遅延およびパケットロスの有無
■ 運用マニュアルの作成とユーザー支援体制の構築
導入後のトラブルを最小限に抑えるためのマニュアルを作成しました。内容は以下の通りです:
- 各種設定手順(画面キャプチャ付き)
- セキュリティ対策チェックリスト
これにより、お客様ご自身による設定変更が可能となり、将来的な拡張や構成変更にも柔軟に対応できる運用体制が整いました。
このように、弊社ではSORACOM D2Dの機能を最大限に活かすための設計・構築・運用支援を一貫して提供し、安全性と拡張性の高いIoT通信環境の実現に貢献しました。