たとえば、日常生活に欠かせない様々な家電製品やコンピュータ。その中には、重要な部品として「半導体」が組み込まれています。各メーカーは、これらの半導体を、専用のツールを駆使して設計を行います。つまり半導体設計ツールは、一般に広く知られることはないものの、私たちが便利な生活を営むうえで、実はなくてはならないものです。
国内、海外を問わず、すでに優れた半導体設計ツールが数多く普及しています。しかしそれらは通常、非常に高価なもの。高額な料金を払って、各メーカーはライセンスを取得しています。年間億単位の利用コストが発生する場合も、決して珍しくありません。このような半導体設計ツールを、たとえば資金力が不足しているベンチャーの半導体メーカーであっても、気軽に利用できるよう、私たちがSaaS型の新サービス開発に取り組みました。それが、ここで紹介する「Wappli」です。
このサービスを企画したのは、財団法人日本半導体ベンチャー協会(JASVA)です。元NEC中央研究所のエンジニアであり、半導体設計にも詳しい当社代表のもとへ、システムの開発依頼が寄せられました。そして、協力会社からの力添えを受けながら、私たちがこのプロジェクトを推し進め、完成へとこぎつけました。
前述のとおり、この「Wappli」の特色は、様々な半導体設計ツールを安価に利用できること。いろいろなツールを利用することで発生する複雑な料金支払のしくみも、体系的に整理し、ユーザが利用しやすい課金システムを実現しました。また、セキュリティ対策も万全に行ない、世界のどこでも安心して使えるシステムになっています。
さらに私たちは、独自の強みである「見やすく使いやすいインターフェイス設計」のノウハウを活かし、設計者の方に喜ばれる、ユーザビリティの高い操作画面を完成させることができました。現在、この「Wappli」はすでに実用化され、様々な半導体設計者の方にお使いいただいています。