社長がチャットで「各国の今月の売上は?」などの筆問を聞くだけで、海外グループ会社の報告書から数字を取り出し、表・グラフ・根拠の資料つきで答えるAIアシスタントです。AIに計算をさせない仕組みで、報告書と食い違わない正確な回答を実現しました。
■ 背景:社長の「ちょっと聞きたい」が、現場の手を止めていた
海外に約30のグループ会社を持つメーカー様では、毎月、各国から営業報告書(Excel)が届きます。
ただ、ファイルは重く、知りたい数字を探すのは大変です。そのため社長は各国の責任者にメールや電話で問い合わせることになり、一言聞くだけで現地の担当者が作業を止めて調べ、返事が来るのは数日後、という状況でした。
■ 解決:チャットで聞けば、その場で答えが返ってくる
「韓国の売上はどんな感じ?」「台湾が伸びている理由は?」とチャットで聞くだけで、システムが報告書から必要な数字を取り出し、すぐに答えます。
・合計と、予算を上回った会社・下回った会社がひと目で分かる表とグラフ
・答えに使った報告書へのリンクつき。押すと原本がそのまま開きます
・売上が増えた・減った理由は、各国の責任者が報告書に書いた文章をそのまま表示
・日本語・英語・中国語に対応し、パソコンでもスマートフォンでも利用可能
■ 工夫した点:数字を絶対に間違えない仕組み
経営判断に使う数字は、桁や通貨を一つ間違えるだけで大きな問題になります。そこで本システムでは、AIには「質問の意味を読み取ること」と「答えを文章にすること」だけを任せ、数字の取り出しや計算はすべてシステム側で行う設計にしました。
また、報告書に載っていない数字(例:受注残)を聞かれた場合は、それらしい数字を作らず「報告書にはありません」と正直に答えます。
公開前には想定質問100問を用意し、答えの数字が報告書と一致するかを1件ずつ確かめる検証を行います。
■ 使うほど賢くなる仕組み
答えられなかった質問は、理由とともに「よく聞かれる順」に管理画面へ記録されます。毎月の保守でこれをもとに言い回しや取り込む項目を追加し、答えられる範囲を広げていきます。経営層が何を知りたがっているかが見えるため、報告書の様式を見直す材料にもなります。
■ 開発規模
要件定義から公開まで約12週間。データはお客様専用のクラウド環境(国内)に保管し、AIの学習には使われない構成としています。