データベースは、ほとんどのITシステムに導入されているシステムです。上手に活用すれば、データ管理をさらに安全で効率的に行うことができます。
今回はデータベースの概要からメリット、データベース管理システムの機能についてご紹介します。
目次
データベースの基礎知識
データベース(database)とは、複数のデータの追加・削除・検索・更新・加工がしやすく、まとめて管理できるシステムです。データベースという言葉通り「データの集合体」を指し、「DB」と略されることも多くあります。
●「データベース」と「ファイル」の違い
名前と電話番号が複数件記述されたWordの連絡帳ファイル「連絡帳.doc」は、データを集めて管理しているものですが、これはデータベースと呼べるのでしょうか?
答えは「No」です。これが、混同しやすい「データベース」と「ファイル」の違いです。
データベースもファイルも同じデータの集合体であることに変わりはありませんが、Wordで作られた場合のファイルは「.doc」など特定の拡張子が付いたファイルになります。そのため、「連絡帳.doc」はExcelでは開くことができず、Wordを含む特定のプログラムやツールでしか編集する事ができません。特定のプログラムやツールしか活用できないファイルは、データベースとはいえません。
●データベースの役割
ビジネスでは多くのデータ情報を取り扱っています。この情報価値を活かすためのツールとしてデータベースは重要な役割を果たします。システムが情報を取り扱うためにはデータベースが必要です。そのため、データベースはインフラの基盤を支えているシステムでもあるといえるのです。
データベースの必要性とメリット
企業やビジネスの規模が大きくなるほど、それに比例して管理すべきデータの量も増えていきます。Excelを使用したデータ管理は1人で管理するには問題ありませんが、複数人で管理するとデータに統一性がなく、必要なデータがどこにあるのか探す手間も発生します。また、複数人それぞれがローカルに情報を保存しているときなど、最新データの所在がわからなくなってしまう危険性も伴います。こうした問題点を解決できるのが、データベースの魅力です。
<メリット1. 簡単にデータ編集が可能>
データベースでは、どこにどのデータが存在するのか覚えておく必要はありません。データベースに登録、読み出し、更新、削除などの命令を出すだけで、データの場所を知らなくてもその中から目的のデータを簡単に見つけられ、操作することが可能です。
<メリット2. 同時アクセスが可能>
Excelには、標準で排他制御が設定されています。そのため、共有サーバーにあるファイルでも、誰かが編集状態のときに別のユーザーがアクセスし、同時に編集することは基本的にできません。しかし、データベースなら同時アクセスによる編集ができ、データを壊してしまう心配もありません。複数人で同時に活用できるため、高い作業効率を得ることができます。
<メリット3. バックアップ機能>
ファイルのバックアップを取得する際には、手動で対象ファイルをコピーする必要があります。しかし、データベースを活用すれば、自動で定期的にバックアップを行うことが可能です。また、スケジュール機能によって、バックアップの日付や頻度を設定でき、万が一データの破損や消失があったときに備えて、安全なデータ運用を実現できます。
データベース管理システムとは?
データベースを管理する専用のソフトウェアを「データベース管理システム」と呼びます。データベース管理システムの機能や特徴について見ていきましょう。
●データベース管理システムの特徴
「DBMS(DataBase Management System)」と略されるデータベース管理システムは、データベースを円滑に管理するためのソフトウェアです。ユーザーとデータベースの間に介入し、ユーザーからの検索や抽出、加工といった要求を適切に処理します。
データベース管理システムはデータベース本体からプログラムが独立しており、データを一元管理できるという特徴があります。一元管理しているためデータの重複がなく、複数のユーザーが同じデータベースを活用しても、データの整合性を保障してくれます。また、ユーザーごとにアクセス権限を設定することも可能なので、「読み取りのみ」や「更新可能」など個別に設定すれば、高い機密性も実現できます。
●データベース管理システムの種類
現在は「リレーショナルデータベース」が主流ですが、データベース管理システムには、いくつかの種類が存在します。ここでは主な4つの特徴を簡単に見ておきましょう。
<リレーショナルデータベース>
現在、最も主流となっているデータベースです。データは、テーブル(表)と呼ばれるいくつかの表にまとめられ、それぞれにリレーション(関係・つながり)を持たせることで、複数のテーブルで構成される一つのデータベースを構築しています。
<階層型データベース>
古いデータベース管理システムで、ツリー型データベースとも呼ばれています。ディレクトリ構造でデータを管理するデータベースで、データを親と子の関係に表します。子データから見て親データは一つのみです。親から子に広がっていく形で、デメリットとしては下層階でデータが重複してしまう可能性があります。
<ネットワーク型データベース>
こちらも階層型と同じく古いデータベース管理システムで、データとデータが網目状に複雑に結びつくシステムです。あらゆるデータと結びついているため、複数の親データ・子データへアクセスすることができます。しかし、複雑に結びついているため、データベース構造の修正が発生する度に、プログラム側の複雑な変更も同時に必要となります。
<分散型データベース>
複数のコンピュータにデータベースを分散させて、一つのデータベースを作るシステムです。複数のコンピュータが必要でデータも分散されるため、セキュリティ管理が複雑になります。また、コンピュータごとに同じデータを持つため、データ重複などの問題点があります。
DBMSの基本!「リレーショナルデータベース」
データベース管理システムの基本となっている「リレーショナルデータベース」についてご紹介します。
リレーショナルデータベース(RDB)は関係データベースとも呼ばれ、最も一般的に利用されています。テーブルと呼ばれる二次元の表で、列には情報の種類を示すフィールド名を設定し、行にあたる部分のデータをレコードといいます。
例えば、「会員テーブル」というテーブルには「会員ID」「名前」「電話番号」という3つの列があるとすると、会員ID:1、名前:山田太郎、電話番号:000-0000-0000という3つのデータのまとまりが1レコードとなります。
テーブルが複数存在するリレーショナルデータベースでは、その一つ一つのテーブルが関係を持っています。このリレーショナルデータベースを管理するためのシステムを、「リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)」と呼び、Microsoftの「SQL Server」やオープンソースでは「MySQL」などがシステムとして有名です。
ITシステムにデータベースは必要不可欠
保管している情報価値を最大限に活かして作業を効率化するためにも、データベースは重要な役割を果たしています。
また、ビジネスなど大量のデータを扱う場合、データベースなしのデータ管理は非常に複雑です。
人為的ミスや安全性の視点から見ても、ITシステムにはデータベースが必須なツールといえるでしょう。
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