こんにちは、2017年で6周年を迎えた発注ナビです。発注ナビがはじまった2011年、問い合わせが特に多かったカテゴリーといえば「アプリ開発」。スマホアプリがまだ目新しかった当時、「何か新しいことをやってみたい」という企業が多く、アプリ開発はブームというか、バブルの様相でした。
その後ブームは落ち着き、「アプリは本当に必要か?」「これまでどおりWebサイトではダメなのか?」というネガティブな意見も出てきたものの、今改めてアプリ開発のニーズが高まっているのを実感します。
人気有名アプリの実績も豊富なアプリプロデューサー・勝野 成基さん(株式会社セットアップ 代表取締役COO)のインタビュー、今回は第2回目です。「企業にとってアプリが今後欠かせないマーケティングツールになる」というお話、さらに詳しく聞きます。
↓↓第1回目はこちらから↓↓
対象顧客を「セグメント」するだけでは、もう物足りない。
勝野さん:
企業が商品やサービスを売るためには、顧客情報をもとにしたマーケティング活動を行う必要があります。しかしその情報を得ることは、決して簡単ではありません。
発注ナビ:
確かにそうですね。「無料でアンケートに答えてください」と紙を渡したところで、最近は個人情報の提供するのを嫌がる人が多いですし、そもそも何か特典をつけないと、普通なら誰も応えてくれません。
勝野さん:
たとえば、経済的に余裕のある40代の男性に、クルマや不動産などの高額商品を売りたいとします。そういう男性をターゲットにした雑誌やWebサイトなどに広告を出すというのが、従来からあるマーケティング手法です。
発注ナビ:
そういったマーケティング手法もいまだ効果はあるものの、もっと高い費用対効果を求める企業が増えていますね。
勝野さん:
経済的に余裕のある40代の男性、といったように、一般消費者の中から対象となる人をざっくり「セグメント」するだけでは物足りません。マーケティングの技術と手法が革新を続けるなか、競合企業に勝って業績をあげるには、さらに精度の高いマーケティングを行う必要があります。
発注ナビ:
そのマーケティングとは何ですか?
勝野さん:
ターゲティングです。「経済的に余裕のある40代の男性」といっても、実際には本当に様々なタイプの人がいます。40代前半か、後半かだけでも随分違ってきます。
あとはどんな趣味嗜好の人なのか、どこに住んでいてどんな購買行動をする人なのかなど、定量・定性を問わずあらゆるデータを総合し、実在するかのような人物像、いわゆる「ペルソナ」を想定してマーケティングを行う。それが成功を決める大きなポイントです。
アプリを使えば、自社の顧客を正確に「ターゲティング」できる。
発注ナビ:
アンケートのような従来のマーケティングツールだと、本人の趣味嗜好や購買行動の情報を引き出すのはなかなか困難です。しかしアプリをダウンロードしてもらえば、そのユーザーの個人特定情報を取得することなく、居住エリアや趣味嗜好、購買情報などマーケティングに必要となる貴重なデータをたくさん得ることができますね。
勝野さん:
企業にとって、アプリが今後欠かせないマーケティングツールになるというのは、まさにそういうことです。アプリを活用することによって様々なデータを顧客からダイレクトに収集でき、それらを分析し活用することによって、マーケティング業務を自社で完結できるようになります。
発注ナビ:
企業にとってアプリとは、自社の大事な顧客を深く知るためのマーケティングツールになるということですね。
勝野さん:
企業は、顧客の細かなニーズに素早く応えていく必要があります。顧客に関するあらゆる情報を自社で収集し、それらを積極的にサービスや事業に生かしていくことは、企業の責務だとも言えるのです。
実はスマホアプリは、自社の大切な顧客情報を大量に収集できる優れたマーケティングツールになり得るという勝野さん。インタビューは、さらに次回へ続きます。