こんにちは、発注ナビです。「アプリを開発してみたが、思った効果が得られない」というご相談は発注ナビにも多数寄せられます。様々なアプリ開発プロジェクトを成功させ、人気有名アプリを数多く手がけてきたアプリプロデューサー・勝野 成基さん(株式会社セットアップ 代表取締役COO)へのインタビュー、3回目となる今回は、アプリ開発の発注に悩む企業の担当者さんが参考になる話が登場します。アプリ開発を成功させるために押さえるべき大切なポイントとは?以下をお読みください。
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②アプリは今後、企業にとって欠かせないマーティングツールになる。
ベネフィットを実感できるアプリでないと、使ってもらえない。
発注ナビ:
企業がなぜアプリを持つべきか。それは、自社の顧客から貴重なマーケティング情報を収集できるツールになるからだ、というのが前回のお話でした。「スマホが普及したから」「他社がやっているから」「流行っているから何となく」という受け身な理由ではなく、「アプリを活用してこれまでになく精度の高いマーケティングをする」と考えればアプリ開発が有益なものになります。
勝野さん:
アプリをうまく活用すれば、それぞれのユーザーの年齢や性別、居住エリアや趣味嗜好、購買情報など貴重なカスタマー情報をたくさん得られます。とはいえ、従来のアンケート形式で「質問に答えてください」という安易な聞き方にしてしまうとうまくいきません。答えるユーザーは10%にも満たないでしょう。
発注ナビ:
ユーザーが自発的に情報を提供したくなるような仕組みをアプリに持たせることが重要ですね。たとえば、金融・証券系のアプリによくある「ライフシミュレーション」。自分の年齢や家族構成などを入力していくと、自らの人生設計にぴったりの資産運用プランを提案してくれる機能です。「アプリがライフシミレーションをしてくれる」という利益、いわゆるベネフィットがあるからこそユーザーは自分の情報を入力してくれるわけで、何もベネフィットを提供してくれないアプリを利用しようとは思えません。
勝野さん:
ユーザーが満足できるベネフィットを提供できるかどうかは、アプリを成功させるうえで非常に重要なポイントです。アプリユーザーが得だと感じることがなく、一方的に情報を入力させるアプリは使ってもらえません。
アプリを運営する企業は、自分たちがどんな顧客情報を欲しいのかに合わせてアプリのコンテンツや機能を考えていく必要があります。たとえば自社のユーザーの趣味嗜好が知りたいのであれば、そういった情報を引き出せるアプリにしなければならないということです。
ユーザーにとっては「楽しい」「面白い」「便利」なアプリでも、カスタマーマーケティングの観点からきちんと計算してコンテンツや機能を設計していなければ、単にそれだけのアプリに終わってしまい、マーケティングツールとして機能しません。
アプリ開発を成功させるために必要な「マーケティングノウハウ」。
発注ナビ:
そう考えると、カスタマーマーケティングの視点でコンテンツや機能の設計ができるアプリ開発会社に依頼したいですね。
勝野さん:
単にユーザーに楽しんでもらおう、満足してもらおうという「プロダクト・アウト」の発想だけでは不十分なのです。「このアプリは、自社のマーケティング活動にとって本当に有益か」という「マーケット・アウト」の視点からも、機能やサービスを考える必要があります。(上図参照)
発注ナビ:
アプリは自社のマーケティングツールだという認識が大切ですね。そうなると、アプリ開発を発注する企業側、受注するアプリ開発会社側、そのどちらにもマーケティングに詳しい人がいないという状況はよくないです。「アプリは完成し、ユーザー評価は良いものの、思った効果が得られない」となるかもしれません。
アプリは自社の顧客をマーケティングできるツールとして非常に有益です。しかしただつくればよいわけではなく、成功させるならやはり、アプリを活用したマーケティングを専門とするプロや開発会社に相談したいものですね。
実はスマホアプリは、自社の大切な顧客情報を大量に収集できる優れたマーケティングツールになり得るという勝野さん。インタビューは、さらに次回へ続きます。