こんにちは!発注ナビ編集部です。
2015年、日本のIT業界における最大の話題のひとつは、マイナンバー導入でしょうか?(2015年12月記事作成)数字による個人認証によって世の中がますます便利になる一方、これまで同様まだまだ不安なのは個人情報のセキュリティ問題です。
IDやパスワードは本当に面倒…。すべてのパスワードを共通にするというタブーを犯してしまっている方も、まだまだ多いことでしょう…。個人情報漏洩への終わらない恐怖感、なんとかならないものでしょうか?
そこで今回は、ある最新の個人認証技術の研究開発に取り組むワコムアイティ(島根県松江市本社・東京都港区東京支社)の代表・福光さんにお話を聞きました!
指紋認証なら絶対安全と思っていたら、実は…
発注ナビ:
確かにパスワードを自分の誕生日にしたり、全部のパスワードを共通にしたりするのはリスクが高いと思います。バレやすいし、紛失したら大変です。でもたとえば指紋認証なら安心ではないでしょうか?失くしたり見破られたりする心配はありませんから。
福光さん:
確かに指紋認証は、簡単に推測されたり、自分自身がそれを忘れてしまったりというリスクがありません。しかしパスワードと同様、他人の手に渡って悪用されるリスクはあります。悪意ある人によって指紋の偽造をされたり、極端な話、寝ている間に指紋をとられたりすることがないとも限りません。
発注ナビ:
確かに…。一般的には安全性が高いというイメージが強い指紋認証も、決して万全ではないということでしょうか。
手書きサインが結局、一番信頼できるかも?
福光さん:
どんな個人認証も、100%安全とは言えません。しかし、より安全性の高い個人認証というは常に存在します。次世代のセキュリティとして、当社では以前より手書きサイン認証の分野を研究しています。
発注ナビ:
手書きサインですか?まだまだ普及していませんね。何が良いのですか?
福光さん:
まず、忘れるリスクがありません。長いパスワードはどうしても忘れがちですが、だからといってメモや付箋に残しておくのも怖いですね。またパスワードの場合、ネット上でハッキングされて盗まれる可能性もあります。すでに普及しているカードやUSBキーも、紛失や盗難の危険が高いと言えます。手書き認証であれば、そういった盗難の危険性がないです。
発注ナビ:
先ほど出た指紋認証や、そのほか顔認識などのいわゆる生体認証は、一般的に安全性が高いというイメージがあります。生体認証と比較したメリットは?
福光さん:
生体認証は、世界に一つしかない自分のカラダの一部で認証を行うため、確かに安全だというイメージが強いですね。とはいえ、先にお伝えしたように手形をとられたり、写真をとられたりして偽装される危険があります。さらに最近ではスマホの普及によって、人の写真や映像をいつでもどこでも簡単に、かつ精度高く撮影できるようになっているため、偽装の危険性も高まっています。
発注ナビ:
手書きサインの認証に関しても、偽装のリスクがあるように思います。そういえば昔の有名な映画「太陽がいっぱい」で、殺人犯の主人公が隠蔽工作のために殺した相手の手書きサインを必死に真似して練習していました。
福光さん:
通常の手書きサインなら、確かに偽装のリスクはあります。しかし私たちの研究している手書きサイン認証の技術は、単に文字の形だけをあてにするものではありません。書き順や書くスピード、筆圧といった要素もすべて加味して本人かどうかを判断します。
発注ナビ:
紙にサインされた筆跡で個人認証するのとは違うということですね。しかしそもそも、コンピュータが人間の手書きサインを識別できるのですか?本人の筆跡かどうかを、コンピュータが正しく認識できるのでしょうか?
福光さん:
確かに、この点はまだまだ研究開発を進める必要があります。しかし今、ビッグデータ解析や人工知能の技術が急速に発達していることもあり、コンピュータが人間の筆跡を読みとる精度が飛躍的に高まっています。私たちの生活の様々なシーンで手書きサイン認証が実用化できる時代は近づいているのです。
手書き入力技術のワコム。島根大学との共同研究成果にも注目。2020年頃には…
福光さん:
手書きサインによる個人認証は、まさに今発展途上の成長分野です。すでに実用化できるレベルには近づきつつあるものの、いっそう精度を上げるために地元・島根大学の教授や学生さんたちと一緒になって研究を続行しています。
発注ナビ:
ワコムアイティさんは以前、手書き入力タブレットの開発で世界を代表するワコムグループのIT企業でした(今も資本関係あり)。当時から培ってきた世界トップクラスの手書き入力技術を生かして、個人認証テクノロジーの進化と普及に取り組んでいるのですね。
福光さん:
手書きサイン認証の技術を、一般の方にもっと知っていただくため、当社では先日、パスワード管理アプリ「Lafcadio Pass」をリリースしました。また、詳しくはまだお伝えできないのですが、他の企業や団体と共同して手書きサイン認証に関する新サービスの企画開発を行っています。2020年までには、当社の手書きサイン認証技術を一般に広く普及させようという計画です。
発注ナビ:
それは楽しみですね!個人情報管理などセキュリティの問題は、現代人が生きる上で避けては通れないもの。もっとカンタン、しかも確実に自分の安全を守れる技術として、手書きサイン認証に発注ナビも注目したいと思います。
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