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不確実な時代、どうすればお客様の課題を解決できるのか。出した答えは「ITは、ひとの中にある」――株式会社クラスフォックス

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クラスフォックス社のロゴとイメージ画像

設立10期目となる節目の2022年、株式会社クラスフォックスは自社の「リブランディング」に取り組みました。これまでも「斜め上にある、モノづくりを」というユニークなスローガンを掲げられていた同社が、新たに打ち出したのは「ITは、ひとの中にある」。このスローガンのもと、10年先、20年先を見据えた新たな一歩を踏み出した同社の代表取締役 西川 慎吾氏にリブランディングに取り組んだ背景、そして、今後の取り組みについてお話を伺いました。

 

ますます不確実になっていく社会、「このままでいいのか?」がリブランディングのきっかけ

―― 御社は2013年設立ですね。設立10期目となる節目の今年(2022年)、自社の「リブランディング」に取り組んだと伺いました。

クラスフォックス 西川氏 はい。この10年を振り返ると、あっという間だったと感じる一方で、ここ数年は会社を立ち上げた頃と比べて、自社を取り巻く環境やお客様企業のニーズなどが大きく変化してきたと感じていました。当社のお客様には法人(システム開発やDX支援、プロマネ、組織に対する教育、メンタリング)、または個人(個人に対する教育、メンタリング)の方々がいらっしゃいます。VUCAの時代や不確実性の時代などと言われて久しいですが、その変化のスピードやインパクトの大きさが、自社にとってもそうしたお客様にとっても、以前とは比べものにならないほど速く、大きい。例えば、新型コロナウイルス感染症が感染拡大し、それが収まらないうちにロシアのウクライナ侵攻があり、さらには世界各地で経済に大打撃を与えるほどの自然災害が頻発しています。

想像できなかったことが次々に起こり、それが遠い世界のことではなく、身近なところに影響を与えています。不確実性の度合がどんどん大きくなっている現状に、当社のスタッフ一人ひとりが、危機感や不安を覚えたというのがリブランディングの背景にはあります。

 

―― 急激かつ揺れ幅の大きな変化に、迅速に対応しないと企業は生き残れない、ということでしょうか。

西川 慎吾氏の写真

代表取締役
西川 慎吾氏

西川氏 それもありますが、率直に自分たちの事業を見つめ直したときに「このままでいいのだろうか」と感じたのです。これまでの10年間と同じことを繰り返していて、果たしてこの先の10年間、20年間、クラスフォックスは存在し続けられるのだろうか。そのことを真剣に考えたのです。

当社は「モノづくり」、ようは「システム開発」を頑張ってきた会社だといえます。システム開発を通じてお客様に貢献したいという思いで事業に取り組んできました。ITとは、「ひとのために役に立つものでなければならない」という考えのもと、ITで課題を解決することを目指していたのです。実際に、当社が開発・構築したシステムがうまく機能して課題を解決したという事例は数多くあり、私たちも大きな喜びとやりがいを感じてきました。

しかし、一方でそうならないケースもありました。これから先のこと、つまり、さまざまな変化が急速かつより大きくなっていくことを考えると、ITだけで課題を解決できないことがますます多くなっていくと感じたのです。そこで、自社のミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を本質から見つめ直したのです。

 

―― これまで御社は「斜め上にあるモノづくりを」「斜め上をいくモノを創造する」というユニークなスローガンを掲げていらっしゃいました。今回のリブランディングでどう変わりましたか。

西川氏 これまでのスローガンに込めた「斜め上いくモノ」とは、ベクトルで考えていただくとわかりやすいと思います。お客様からのリクエストを縦軸、当社が持っている技術やノウハウを活かしたご提案を横軸とすると、その間に斜め右上方向にベクトルが伸びていきますよね。その斜め上の方向に調和のとれた最適なシステムの姿があり、それを実現しようという意味合いのあるスローガンでした。これが、さまざまな環境変化によって社会課題も複雑化・多様化し、お客様が直面する課題も変わってきたことで、単純に「システムだけを作れば良い」のではなくなってきています。

そこで、リブランディングにともなって当社が新たに掲げたスローガンが「ITは、ひとの中にある」です。「HITO(ひと)」 という字の中には「IT」がありますよね。これまで以上にひとに寄り添って、ひとの支えとなるITをつくりあげることが当社の使命である、そんな強い思いをスローガンに込めました。当社がこの先の10年、20年を歩むために必要なステートメントです。

 

モノ・コト・ひとが大きく変容している今、システムだけでは課題を解決できない

―― リブランディング、そして、新しいスローガンと、いわば新たな10年、20年に向かっての第一歩を踏み出す方向が定まったということですね。具体的には、まず、どんなことに着手しますか。

西川氏 これまでに以上にお客様により添い、社会的な課題を含めて本質的な課題を見つけ、ビジネスとデジタルの両面から解決に向けてサポートしていきます。お客様のITリテラシーはひと昔前より格段に上がっていますし、ITに求めるものも大きく変わっています。これまでのように導入したITを「どう活用し」「どういう効果を得るのか」だけではなく、ITを活用して「変革」に取り組むことで、急激かつ大きな変化にも迅速かつ柔軟に対応することが求められます。我々は、その支援をします。

つまり、ITだけ、技術だけ、システムだけを考えていてはできないのです。簡潔な言葉で表現するなら、お客様のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援するということになります。

DXは、「IT」と「ひと」と「組織」のすべてが一緒になって連動して動かないと成し遂げられないと考えています。ITは現在でもものすごいスピードで成長しながら進化していますが、それを使うひとや組織は、このスピードについていけないことがあります。そこで当社は、ひとに対する教育にも注力していきたいと考えています。自社の人材育成はもちろん、システムを提供し、そのシステムを上手に使いこなしていただいて、ひとも組織もビジネスも変容していけるようにフォローしていくことも、これからの当社の使命のひとつであると考えます。

 

―― なるほど、DX支援と、そのためのひとの育成にも注力するという方向ですね。これまでのように「モノづくり」や「システム開発」は大切にしながらも、そこからさらに一歩先にまで踏み込んでいく感じでしょうか。

西川氏 たしかに「モノづくり」から逸脱しているのではとお感じになるかもしれませんが、モノづくりもしっかり続けていきます。ただし「モノづくりが最終ゴールではない」ということです。システムを作りDXを支援する「モノづくり」とあわせて、ビジネスを変革(BX:ビジネストランスフォーメーション)して企業としての新たな体験を得る「コトづくり」も大切です。それを組み合わせていきながら、DXとBXを実際に推進する「ひと」をも変革する人財育成(HX:ヒューマントランスフォーメーション)にも注力していかなければならないと考えています。当社が真にやらなければいけないことは、モノづくり(DX)もコトづくり(BX)もしていきながら、その先にあるひとの変容(HX)を推進していくことなのです。

よく言われていることですが、これからは「変容の時代」になると感じています。モノの変容、コトの変容、ひとの変容、それら全て合わさった結果、この先の10年、もっと先の未来が生み出されていくイメージがあります。そこに向けて、これまでとは異なるMVVを整理したというところです。

 

「ITは、ひとの中にある」、お客様とそこで働くひとたちのために

―― 御社は、ローコード開発ツールを自社で開発するなど、さまざまな技術的な強みをお持ちです。リブランディングにともない、御社が提供する技術、サービス、自社開発のツールなどプロダクトはバージョンアップされるのですか。

西川氏 当社がご提供する技術、サービス、プロダクトなどについては、これまでと同じように常に進化させていきます。特に注力しているのは「Davix」というローコードでシステムを開発できるツールです。ノーコードやローコードでのシステム開発は今後もニーズが高まっていくでしょう。システムの設計や開発の工程を短縮できるので、これまでシステムの開発に半年~1年かかっていたところを短期間で作り上げることができます。それによって生み出された時間を有効活用できれば、例えば、新規事業の取り組みを一緒に考えて実行するといった、新たな取り組みもできるでしょう。まさに、当社のMVVを実現するためのひとつの強力なツールとして機能を追加してブラッシュアップしています。

リブランディング前から行っている社内の技術調査、勉強会といってもいいかもしれませんがラボ活動の「CROW DIGITAL」も続けていきます。毎年1~2つ大きなラボ活動を行っていて、直近では「Web3.0」がキーワードのシステム言語、フレームワーク、ライブラリなど技術的な調査を行っています。クラウド最新技術に注目し、調査して創りあげていくこともしています。

 

―― 人材育成にも注力していくとのお話がありました。システム開発ではなく「人材育成をして欲しい」というようなご希望にも対応していくのですか。

西川氏 はい。実際にそのような取り組みもしています。お客様の社員の方々のIT教育を進めていたら、新たな課題が見えてきて、「こんなシステムを導入したらいかがでしょう」とご提案して、実際に開発したこともありました。

当社は、お客様との対話を通じて、モノ(システム)もつくり、ひとも育て、その取り組みから本質的な課題に迫り、それを解決していく、それが当社の伴走型課題解決のアプローチです。

 

―― まさに、モノづくりだけでもないし、ひとを育てるだけでもないのですね。すべてが連動してPDCAのサイクルのように周りながら螺旋状にブラッシュアップされていくイメージですね。

西川氏 まさに、螺旋ですね。お客様と当社の間でさまざまなことをやり取りし、課題と解決策が行ったり来たりしながら、どんどん上に登っていく感じです。それが成長モデルとしてのイメージと近いかもしれません。

ただし、その時々で「できることをする」のではなく、これからは10年先や20年先を見据えて企業戦略を立て、活動していかなければならないと思っています。その中で何にフォーカスするのか。DX推進の支援ひとつとっても、医療や介護のDX、物流のDX、教育DX、飲食DXなど、さまざまな業界で求められるDXがあり、その実現に向けた支援があります。それぞれの業界で抱える課題も複雑になっていますが、当社はそれぞれの課題に対して解決の道筋を示し、ソリューションをご提案し作り上げていきます。

最近、ITと関連がない業種や事業をされている方々とお話する機会がありました。どんな企業にも課題があることを改めて感じたのですが、それ以上に刺激になったのは、ITから縁遠いと思われがちな業種・業界の方々でさえ、今では「これがデジタルでできたら便利になる」というニーズやアイデアをお持ちだということ。私たちシステム開発会社が気づいていない課題、ニーズがたくさんあるのです。

リブランディングにともなって、そういったこれまで当社がアプローチできていなかった分野にも歩み寄り、つながっていきたいと思っています。もっとニッチな世界もあるかもしれませんね。お客様には、そのお客様のDX、そのお客様にとって必要なDXがあるのです。「ITは、ひとの中にある」という理念のもと、お客様とそこで働くひとたちのためになるDXの推進をご支援していければと考えています。

 

■関連リンク

株式会社クラスフォックス

株式会社クラスフォックスの実績・特徴・費用例

 

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