既存のパッケージシステムを利用すれば短納期・低コストでシステム導入を実現できると飛びついたものの「自社の業務とは合わなかった」という話は珍しくありません。そんな悩みを抱えているお客様にこそ、一度相談してみて欲しい開発会社があります。それは、九州は福岡に本社を構え、東京営業所も構える株式会社くじらシステム開発です。
同社の強みは、その課題解決力と提案力にあります。身構えることなく、ほんのちょっと相談するだけでも、同社ならば、価値ある答えが返ってくることは間違いありません。「悩みを気軽に相談できる会社」を持つことで、システム発注の可能性を広げてみてはいかがでしょうか。
代表取締役である池村 健一氏と、営業を担当する永田 佳奈恵氏に、同社のパッケージシステム開発の経緯や受注に対する姿勢などについて、詳しくお話を伺いました。
多くの会社の悩みに接し、共通する課題を解決するために生まれたパッケージシステム『モノドン』と『ぷらろぐ』
―― 御社はこれまでいくつかのパッケージシステムをリリースしています。どのような経緯で開発に至ったのでしょうか。
くじらシステム開発 池村氏: 業務に関する悩みは各社各様で、お客様ごとに悩まれているポイントは違い、そのソリューションも異なります。当社がシステムの開発を通じて、さまざまなお客様の悩みに接していくうちに、いくつかの共通項も浮かび上がってきました。そうした多くの会社に共通の課題を解決するために生まれたのが、当社のWeb人事考課システム『モノドン』であり、社内情報共有システム『ぷらろぐ』です。
経理や営業支援などのパッケージシステムは数多く見かけますが、『モノドン』は人事考課のパッケージシステムです。どのような会社でも組織がある以上、必ず上長は部下を評価しなければなりません。したがって、たとえば、経理部門や営業部門の中でも人事考課が行われます。
―― たしかに経理部は経理部長が、営業部は営業部長が人事考課を行い、最終的に人事部門や経営層に送られるというケースが多いかもしれません。
池村氏: 人事考課はあらゆる部署で必要になるのですが、そのため、画一的なシステムでは通用しません。たとえば営業部門と製造部門では、組織運営上において共通の要素もあるかもしれませんが、現場の職能については評価軸も評価手法も異なります。
さらに人事考課は、現場で長年にわたって行ってきた独自のやり方が踏襲されていることも多く、一律にこういう手法で、というわけにいかないこともあります。
―― 部署や会社によって大きく異なる業務をパッケージで、というのは難しそうですね。
池村氏: はい、そのためカスタマイズの自由度が決め手になります。
くじらシステム開発 永田氏: 『モノドン』は基本的な人事考課の機能は備えていますが、運用に合わせたカスタマイズの余地を大きくしています。いくつかのパラメーターを変更できるといったレベルでなく、個社対応に向けた作り込みが行えるセミオーダー式のシステムとして作られています。
パッケージシステムの導入で課題となるのが、パッケージシステム側で想定されている業務と自社の業務とでワークフローが異なり、自社業務をシステムに合わせなければならないというケースが生じる点です。
こうすることで、独自の人事考課を行っていらっしゃるお客様も、従来業務そのままにシステムを導入していただけます。
池村氏: 当社はそもそも受託開発を数多く手掛けていますから、お客様の業務に合わせたカタチでシステムを作り込むことにかけては、多くの技術と豊富なノウハウを持ち合わせています。
せっかく年月をかけて築いてきた会社の財産や文化を、画一的なシステムに合わせて捨てるのはナンセンス
―― 自社の人事考課の実務とシステムとが合わないケースというのは、どのようなものが考えられますか。
永田氏: よくあるのが人事考課のテーブルが独特というケースです。これは技術系や製造系の職場に多く見られます。たとえば食品製造会社では、加工スキルのレベルを評価しますが、その技能には関連項目が多く、これを単純な評価テーブルに置き替えることができず、既存のパッケージシステムが使えないという例が実際にありました。
池村氏: このようなケースでは、汎用のパッケージシステムを使う場合、考課と別にスキル管理をしなければなりません。Excelワークシートでスキルを別管理している企業もありましたし、別表から導き出したデータをRPA(ロボティクスプロセスオートメーション)を追加導入して、自動入力させているという企業もありました。これらは、画一的な仕様のシステムに、従来業務の方を変更して合わせざるを得なかったという残念な事例です。
しかし『モノドン』ならば、そうした複雑なテーブルであっても、人事考課とスキルレベルの評価をシステム中で一元処理できるように作り込むことができます。現場でどのような処理をしているのかを丁寧にヒアリングし、従来業務そのままに利用できるよう、システムをカスタマイズしていきます。
―― 従来の業務をシステムに合わせるというのは、現場の負荷も大きいですね。
池村氏: それだけではありません。各社の組織体系や業務フローは、それぞれの企業が年月をかけて築き上げてきた財産であり文化です。そこに他社との差別化要素があることも珍しくないでしょう。システム導入にとらわれて、せっかく築いてきた優位性を捨ててしまうのは得策ではありません。まして、そこに余計なコストをかけるべきではない、と当社は考えます。従来業務を、システムの導入により、どう効率化できるのか、という点に目を向けることが大切です。
手元の業務に汎用的な表計算やワープロを利用するのは構いません。しかし基幹業務に汎用的なツールを用いるのはいただけません。差別化ポイントを捨てるのはナンセンスでしょう。ピッタリ合うシステムがあるなら、それを使うべきでしょう。
―― 従来業務を変える必要がないというのはメリットが大きいですね。他にもカスタマイズの余地が大きいことによるメリットはありますか。
永田氏: 最近の傾向としてはコミュニケーションの強化が挙げられます。これは社員間の、というのではなく、システムと社員の間でのコミュニケーションです。たとえば、システム上でイレギュラーな処理が発生した場合に誰に伝えるべきなのか? 誰も操作をしていない時に何らかのエラーが生じた際、ログを記録して、しかるべき担当者に連絡メールが飛ぶようにする、といったことも、必要に応じてご提案しています。
池村氏: ほかにもAI対応があります。当然ですが、システムに任せられる部分は任せてしまったほうが業務効率は向上します。『モノドン』で言えば上司が部下にコメントを書く部分でしょうか。箇条書きにまとめた断片的な情報を文書化するという“作業”も、部下の人数が増えていくと、かなりの時間を取られてしまいます。もし、そこが課題となるようであれば「それChatGPTで、できますよ」とご提案しています。もちろん、連携部分は当社で作り込んでいきます。
頼れる会社、気軽に相談できる会社として、長くお付き合いしていきたい
―― 多くのノウハウを蓄積しているからこそ、さまざまな提案ができるのですね。
永田氏: こうしたノウハウの多くは、お客様とお話する中で気づかされたものです。当社は、常に社内のメンバーで組織した固定のチームで開発を行っていますから、ノウハウが社内にしっかりと溜まっていきます。
―― そうでない開発会社もあるということでしょうか。
永田氏: 中には、外部のエンジニアを中心にチームを組成する開発会社もあります。その場合、開発終了と同時にチームが解散してしまい、メンバーは散り散りになり、システムの中身について相談できる相手がいなくなってしまう、といったケースもあります。
業務システムは、開発が完了した後も組織の改編や法令改正などで、業務フローが変更され、システムの改修が必要になることが少なくありません。どのような開発会社でもドキュメントは残しているでしょうから、改修が必要になったら、それを参照しても良いかもしれません。
しかし、改修に至らないまでも、気軽に相談したいということはあると思います。そんなとき、システムの中身を熟知している開発メンバーがいつでも対応できるのは、当社の強みだと思います。
池村氏: そもそも、そういうことを気軽に相談できる会社があるということを知らないお客様も多いですよね。当社はいつもお客様と、気軽に質問できる関係を構築しています。
永田氏: そうですね。受注しに行くというよりは、お客様の悩みをヒアリングした上で、当社からの最適解をご提案する、というスタンスで臨んでいます。提案が気に入っていただけなかった場合は、ご縁がなかったものと、あきらめています。
池村氏: 何が何でもシステム開発に結び付けようというつもりはありません。お客様の課題を検討した結果として「紙のままでも良いのでは?」となることもあります。
ですから、あまり身構えずに悩みをお聞かせください。「どんなシステムが欲しいのか」よりも「どんなことで悩んでいるのか」をお聞かせいただいた方が、当社がお役に立てるシーンが増えるのではないかと思います。
永田氏: 業務課題だけでなく、たとえば予算も。助成金や補助金の利用について、システム導入後の運用にかかるコストなど、あらゆる相談を承ります。どうぞお気軽にご相談ください。
―― 最後に、今後の展開についてもお聞かせください。
池村氏: 現在、ISO活用支援のパッケージシステムを開発中です。こちらはISO認証取得に向けた社内へのルールの周知、運用を徹底するための支援システムです。2024年秋にはリリース予定なので、ご興味のあるお客様は、ぜひお問い合わせください。
―― ありがとうございました。
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