
NISAが牽引役となり、国内の株の売買は活発化し、日経平均の株価も高値で安定、個人投資家の株主も増えつつある。そのような中、いかに自社の株主が離れていかないようにするか、あるいは、いかに新たな株主を増やしていくかについては、多くの企業が頭を悩ませています。その解決策として株主優待制度の導入を推進している企業も少なくありません。しかし、株主優待業務は年に1回から数回程度しか発生しないにもかかわらず、株主への案内通知から優待の実施まで、広範囲な業務が短期間に大量に発生するため、業務の効率化を図りにくいという側面があります。
そんな悩みをDX推進によるデジタル化と、アナログ作業のBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)により解決してくれる企業が、ナカバヤシ株式会社です。同社の強みは、デジタルとアナログの連携をバランス良く提供できる総合力にあります。株主優待業務の効率化は、まさに同社の得意分野と言えるでしょう。 ナカバヤシ株式会社のご担当者に、同社が提供する「上場企業様の株主優待の受付管理システム」およびBPOも含めた株主優待業務のためのトータルソリューションについて詳しい内容を伺いました。
効率化を進めにくい株主優待業務にフォーカスした、ナカバヤシならではのソリューションをご提供!
―― 御社の「上場企業様の株主優待の受付管理システム」について教えてください。
昨今の投資ブームも手伝って、株主優待制度を導入する企業が一頃に比べて増えつつあります。一方で、株主優待制度のための業務は、年間1回から数回程度しか発生しないにもかかわらず、業務範囲は事務作業から実際の優待品発送・発行まで非常に多岐にわたっており、企業側の負荷は大きなものとなります。こうした業務に専任のスタッフを配置するのは難しいので、結局、総務部やIR事業部など、どこかの部署のメンバーが兼務することになります。
こうしたお悩みを解決するため、当社では、お客様企業の株主優待業務のBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)サービスをご提供しています。案内ハガキの印刷、発送から、返信ハガキのデータ入力、電話による問い合わせ対応まで、株主優待に関わる幅広い業務を一括でお任せいただけます。
そのソリューションの一環として、当社では、株主優待の受付けから始まる各種事務処理を行うためのWEBシステムのご提供をはじめました。株主優待サービスの申込み受付サイト構築から、内部の事務処理やプロセス管理を行うシステムの開発・導入・運用までをしっかりとサポートします。これまで当社がさまざまなお客様企業の株主優待業務を支援しながら蓄積してきたノウハウをフィードバックしたWEBシステムが、今回ご案内する「上場企業様の株主優待の受付管理システム」です。
―― 株主優待用に特化したシステムというのはあまり聞きません。なぜ、ここにフォーカスしたのですか。
はい。株主優待制度は重要な業務でありながら、なかなか効率化が進まない領域の一つです。パソコンやスマホから申し込めるようにし、すべてを電子化してしまえれば良いのですが、個人投資家には高齢者層も多く、どうしてもハガキでのやりとりや電話での問い合わせ対応(コールセンター業務)が必要になります。たとえシステムを導入したとしても、そうしたアナログ作業と連動させなければならず、どうしても煩わしさが残ってしまいます。その点、当社ならばシステムとアナログ業務のBPOをセットにして、一元的にご提供することができます。
―― なるほど、確かにハガキの読み取りや電話での問い合わせ対応もお金をかければ電子化できるかもしれませんが、他の業務で使いまわしができないようであれば、年に1回から数回の業務のためにそこまで予算はかけられません。アナログ業務の併用もワンストップで対応してもらえるのは、ありがたいですね。そうしたアナログ作業の代行サービスというのは、以前から手がけていたのですか。
当社の事業は大きく文具事務用品の製造販売と、印刷に分かれています。ロゴ入れなど、オリジナルデザインの印刷も手がけるようになり、その延長上でクオカードなど、オリジナルデザインのプリペイドカード印刷サービスを展開していました。この企業ロゴ入りカードが株主優待に使われ始め、そうしたお取引が増えていきました。そのうちに、印刷だけでなく発送業務もお願いできないかというご要望をいただき、案内ハガキの印刷や発送、優待品発送の宛名ラベル印刷、コールセンター設置による電話受付けや問い合わせ対応など、どんどんサービスを広げていき、現在に至っています。

システムはシンプルに、そしてサービス内容は手厚く! システム化とアナログ作業のBPOを連携させることで、使いやすく柔軟なソリューションの構築をご提案。
―― 具体的な導入実績はありますか。
はい。それでは青果物加工大手のお客様での事例をご紹介しましょう。
同社では、株主優待のWeb申込みを弊社ではないベンダーを通じて、既存のECシステムを改良して対応していました。しかし一定の機能は備えていたものの運用を続ける中で改善の余地も見えてきたといいます。
例えば、既存のECシステムをベースにしていたため、利用のために会員登録が必要など、手間や問い合わせが増える要因となっていたそうです。
また、このサイトは年に一度しか運用しないため、お客様にとっても株主にとっても、より直感的で使いやすいシステムが求められていました。ちょうどシステムの更新が必要となったタイミングで、優待品のご用意で取引させて頂いていた弊社にご相談が寄せられました。
―― お客様から新たなシステム構築に対するご要望などはありましたか。
はい。それまでお客様の株主優待品は2種類だったのですが、今後は優待品の内容を変更したり、種類を増やしたりする可能性があるため、社内で優待品の設定や画像の入れ替えなど編集対応ができるようにしてほしいということでした。また今回、システムを一から構築するということで、できるだけ長く運用できるシステムにしたい、というお申し出がありました。
―― どのようなシステムを構築したのですか。
今回はシステムを一新するということでしたので、クラウド環境の用意からアプリケーション開発まで一気通貫で構築しました。大きくは株主様がアクセス・優待品の選択を行う「申込サイト」と、お客様が優待品の設定と申込状況の確認を行う「管理画面」を用意しています。申込サイトでは、これまで課題であった会員登録からはじまる申込完了までのステップを改善し、スムーズに優待品を申し込めるようになりました。以前は「申込み方法が分からない、できない」といった問い合わせが多くあり、担当者だけでは対応しきれないほどの状況だったそうですが、今回の改善によりそういった問い合わせは2~3件にまで減少したと伺っています。
また、優待制度や優待品の変更など、お客様が社内で申込サイトの編集を行えるよう、シンプルで扱いやすい仕様にこだわりました。新しいシステムを構築させて頂くにあたり、現在の要件を満たしながら、将来的な制度の変更に対応できる拡張性を同時に実現しています。更に内容と開発コストにもご納得頂き、ご好評をいただけました。
お客様のニーズに合わせた仕様にできるのは、一からシステムを構築できる当社の強みだと考えております。
当社のBPOサービスも組み合わせて、Webでのお申込みとハガキでのお申込みによる情報を一元管理できるようにし、重複データの削除や個人情報の加工、優待品を発送する際の配送ラベル作成も行います。準備段階から発送まで、全ての工程を一貫して対応・サポートする姿勢にご好評をいただいております。
―― 使いやすさを重視して必要な機能を絞り込めるのは、やはり経験やノウハウを蓄積している御社ならではですね。
ありがとうございます。この事例に限らず、各種BPOとセットでご提案できるからこそ、業務の役割分担を押し進め、お客様の実情に合わせた本当に使いやすいシステムに仕上げることができるものと考えています。
既存の株主優待業務の効率化はもちろん、新規に株主優待制度の導入を検討しているお客様にもお勧め! 自社商品や自社サービスを持たない企業には優待品の調達もご相談に乗ります。
―― どのような企業にお勧めですか。
まずは、株主優待を導入している企業は上場企業の3~4割と言われています。そうした企業の中でも、年1回の業務を効率化したいと考えていらっしゃるお客様にお勧めします。
一方で、残る6割の企業はまだ株主優待を導入していません。株主優待を導入することで株主を増やすチャンスが生まれます。これから株主優待の導入を検討されている企業にもお勧めしたいと考えています。
―― 株主優待を導入したくても、自社製品や自社サービスを持たず、株主への優待利用を提供できない業種もあります。
そこは心配ありません。自社製品や自社サービスをお持ちでないお客様でも、クオカードなどの金券やギフトカタログをご用意させて頂きます。カードタイプの金券でしたら、オリジナルのデザインを作成することも可能です。また、印刷や郵送のコストを鑑みて、金券を電子化したいというご相談が増えております。当社では電子ギフト事業者の代理販売も行っており、システム連携も進んでおりますので、当社を窓口にして電子ギフトもご用意させて頂きます。
なお、飲食店や居酒屋チェーンを展開される企業では、お食事券を紙で配布するケースがありますが、印刷のコストは勿論、最近では偽造されるリスクに悩んでいるというお話も耳にします。こちらについても当社は、デジタルマネー、ハウスマネーを扱う事業者と連携できるため、デジタル化したお食事券や優待利用券をご用意し、WEB受付と同時にメールで株主様にお配りすることが可能です。
―― 例えばECやネットサービスを展開しているお客様などで、自社ビジネスから株主優待を提供する場合に、既存のシステムと株主優待システムとをつなぎこむようなことはできますか。
お客様が持つ自社システムとの連携、既存システムへのつなぎこみについても承ります。まだ実績はありませんが、既存システムの持つAPI(アプリケーションプログラムインターフェイス)を介して連携したいというご要望にもご対応できるものと考えています。ただしコストはかかりますので、どこまで予算をかけられるかということになるでしょう。
そこまでしなくても、株主優待の受付データをCVS(カンマセパレートバリュー:カンマ区切りのテキストデータ)で、既存システムに受け渡すという簡易的な連携も可能です。私たちも自社のEC・Webサービスを内製化して運用しておりますので、お客様の要件・業務概要をお伺いしながら、適切な連携方法を一緒に考えさせて頂きます。また、当社はプライバシーマークも取得済みで社内のコンプライアンスも徹底していますので、個人情報を含むデータの取り扱いも安心してお任せいただけます。
―― 現状の株主優待を効率化、あるいは株主優待をこれから導入しようという企業は、一度御社に相談してみるべきですね。
ありがとうございます。当社ならば、お客様の目指す株主優待制度を実現するために、どのようなシステムが必要か、各種BPOをどう組み合わせるのがベストか、さまざまなご提案を差し上げられると思います。ぜひ、ご相談ください。
