今から20年以上も前に将来の世界的なIT人材不足を予見し、1999年からベトナムでのオフショア開発をスタートさせたNashTech。その日本法人であるNashTech Japanの代表でカントリー マネージャーである詹 家楡(ビッキー・チャン)氏に、高品質なオフショア開発を提供できる理由を伺いました。
■人材が圧倒的に不足する日本市場に、高品質なオフショア開発を提供します
―― グローバル企業を対象に、ベトナムのオフショア拠点で高品質のシステム開発を提供していたNashTechの日本法人です。
NashTech Japan ビッキー氏 NashTech Japanは、ベトナムのホーチミン市とハノイ市にオフショアでの開発拠点を持つシステム開発会社です。世界的なIT関連企業であるHarvey Nashのシステム開発会社・NashTechの日本法人として設立されました。
ホーチミンの拠点には約1500人、ハノイの拠点には約500人、あわせて2000人を超えるエンジニアがいます。ベトナムでオフショア開発を手がけるシステム開発会社は数多くありますが、当社には他社にはない「強み」があります。
まず、ベトナムにオフショア開発で、いち早く進出したパイオニアであること。これが第一の強みです。母体となるイギリスのHarvey Nashは1988年の創業で、ロンドン証券取引所に上場してから25年目という歴史と実績のある会社です。もともとは、CTOやCIOなどのエグゼクティブをヘッドハンティングして、企業にマッチングする事業を展開していました。そうしたハイレベル人材のマネジメント事業を展開するなかで、欧米で徐々にITエンジニアが不足し始めたこともあり、「世界的にITエンジニアが不足する時代が来る」と予見し、今から20年前の1999年にベトナムでオフショア開発を開始しました。ベトナムでの外資系企業進出の第一号はHarvey Nashグループです。
―― 今から20年前ですか。その時代、中国でもインドでもなく、なぜベトナムでオフショア開発に着手したのでしょうか。
ビッキー氏 当時からベトナムは教育水準が高く、誠実で考え方が柔軟な国民性を持っていることがわかっていました。ようするに非常に大きな可能性を秘めた国でした。現在でも国民の平均年齢は30歳未満と若く、当社の技術者も平均年齢が27歳程度です。そのエンジニアたちがみな、新しい技術の習得にも積極的に取り組んでいます。この若く、優秀なベトナム人エンジニアが2000名規模でいることも当社の強みといえます。
その技術力をベースに高品質なオフショア開発を日本のさまざまな企業向けに提供できます。当社が日本市場に進出した理由は、まず、日本でIT人材が大きく不足することが予測されるからです。現在、日本国内には98万人ぐらいのIT人材がいるとされていますが、これでは足りない。2019年ですら30万~40万人程度が不足するといわれています。さらに、2030年には国内でIT人材が150万人必要とされていますが、その時点で供給できるIT人材は85万人程度と考えられています。圧倒的に足りません。
一方で、ベトナムでは現在22万人ぐらいのIT人材がいますが、毎年、大学でITを学び卒業する人材が約2万人にも達します。毎年2万人のIT人材が増え続けているのです。この優秀で豊富なIT人材のリソースを、日本市場向けに活用するために当社は日本に進出しました。当社では主に業務システム開発、ソフトウェア開発、BPO、ラボ型開発などを提供します。こうした業務で、日本、米国、欧州、東南アジア、オーストラリアとグローバルな企業のシステム開発で、豊富な実績があるのも当社の強みです。
■システム開発の工程管理と品質の高さは世界水準
「CMMIレベル5」を取得
―― 優秀なエンジニアによる「技術力の高さ」が強みですね。それをアピールするオフショア開発会社は多くあります。他社との違いを、日本の企業の方々にどう具体的に説明し、理解してもらうのでしょうか。
ビッキー氏 当社は、システム開発におけるプロセス管理のレベルを評価するモデルであるCMMI(Capability Maturity Model Integration)で、最も高いレベル5を獲得しています。ベトナムでレベル5の評価を得ているのは、当社を含め4社だけ。そのうち2社は日本企業です。CMMIでは、システム開発におけるプロセス管理と品質管理、期日通りの納品などが厳しくチェックされるので、発注企業様は安心してお任せいただけます。
あわせて、当社が特に日本企業向けに気を付けているのは「納期厳守」です。これは、日本の企業、日本のお客様が、最も重視することではないでしょうか。当社にご発注をいただいている日本企業は、サービス業、製造業、ファイナンスなどの金融系といったお客様が多くいらっしゃいます。システムの稼働が遅れて、お客様の新規サービスの開始が遅れたり、メーカーで作った品物の納品が間に合わかったりといったことが起きてしまっては大変なことになります。納期厳守を実現するために開発工程の管理を徹底しています。当社が、日本市場で本格的にオフショアでの受託開発を始めてから、これまでにお客様と約束した納期が遅れたことは一度もありません。「期日通りに必ず納品する」オフショア開発会社なのです。
もう一つ、当社が徹底していることは、「開発プロジェクトを止めない」ということです。オフショア開発では、例えば、あるプロジェクトに10名のエンジニアを割り当てても、そのエンジニアのうち3名がプロジェクトの途中で退職したり転職したりしてしまうことが良くあります。特にベトナムのように優秀なエンジニアの獲得競争が激しい市場では、ハイレベルなエンジニアはすぐにヘッドハントの誘いがきます。多くのオフショア開発会社は、エンジニアが辞めてしまうと、「今、人員を補充しているので、当初よりも少し開発期間がかかってしまう」とったことになってしまいます。
当社ではそのようなことは、決してありません。退職・転職するエンジニアはもちろんいますが、プロジェクトを離れる日までの日数を計算し、別のエンジニアをプロジェクトの引き継ぎのためにアサインします。これにより、エンジニアが辞めた日から、すぐに次のエンジニアがそれまでと同等かそれ以上のレベルでシステム開発を継続できるようなフォロー体制を確立しています。NashTech Japanは、高い品質を維持し、納期を「絶対に守る」ために、このような工夫をいくつもしているのです。
■日本語も堪能で技術にも精通していないと
ブリッジエンジニアにはなれません
―― お話をお聞きしていると、優秀なエンジニアが多数在籍していることが、技術力・開発力の根幹にあるように思います。どのように、それだけの人材を育成しているのですか。
ビッキー氏 ベトナムに進出した20年前から人材育成には力を入れています。「NashTechパスポート」という制度を設け、新人をこのパスポート制度に沿って教育しています。勉強した内容や取得した資格、身につけたスキルなどの「履歴」をパスポートに記録し、全ての段階をパスしていく制度です。全てのレベルをパスしてからでないとプロジェクトにはアサインされません。
この「NashTechパスポート」はベトナムのシステム開発業界では「スタンダード」になりつつあり、システム開発会社の中には「NashTechパスポートの取得者は面接なしで採用します」というところもあるほどです(笑)。
また、実際のプロジェクトにアサインをしてからでも、エンジニアたちをしっかりとマネジメントしていて、例えば.NETのスキルを持ったエンジニアにはセカンドランゲージのように、「次はJavaを学習しないさい」とアドバイスし、そのエンジニアがきちんとキャリアパスを描けるようにしています。上司や先輩が思いつきでアドバイスするのではなく、社内システムがエンジニアに、次に何を身につけるべきかを、それぞれのエンジニアに個別に推薦し、提案しているのです。ここまで合理的にシステム化した仕組みで、エンジニアを育成しているオフショア開発会社は少ないと思います。
もう一つ、当社はブリッジエンジニアのレベルの高さにも定評があります。というのも、当社ではいくら日本語が流暢でも、技術のバックグラウンドがないと決してブリッジエンジニアになれないからです。言語、言葉が得意な人材で、技術のバックグラウンドがない場合、コミュニケーターにはなれても、ブリッジエンジニアにはなれません。ここは徹底的にこだわっています。
私が、日本の企業を何社も訪問し、オフショア開発に満足いただいているかといったお話をしたとき、多くの日本企業がブリッジエンジニアに不満を抱いていることがわかりました。「日本語は話せるが技術のことは深くは知らない」「日本語を上手に話す人だったが、できるといったことが結果的にはできなかった」などといった不満を耳にしましたが、これは、ブリッジエンジニアに技術的なバックグラウンドがないからです。ここは、オフショア開発会社にとっては非常に重要なポイントです。
■2~3名の開発チームを作り、
お客様とスモールスタートで開発するのが一番好きです(笑)
―― 日本の企業は、日本語での確実なコミュニケーション、そして、技術に対する深い知識、さらにもう一つ、提案力も求めるでしょう。オフショア開発会社の中には、開発は得意だが、発注側企業の業務課題をシステムで解決するような「提案が苦手」というところもあります。
ビッキー氏 当社は提案力にも自信があります。それは、世界中のお客様の事例があってナレッジを蓄積しているからです。しかも、当社では、エンジニアたちが「日本の企業のシステム開発を担当したら、次はヨーロッパの企業を担当させる」というように、グローバルに技術やノウハウを身につけられるようにしています。日本の企業向けの開発チームはずっと日本企業のみ担当というのではなく、例えば、日本の企業向けにJavaでの開発が終わったら、次はアメリカの企業向けのJavaでの開発案件にアサインするというようにしています。エリアを変えてグローバルで経験させることでエンジニアには、非常に多くのノウハウが蓄積されていきます。これが、提案力のベースになるのです。
実際、お客様からは「NashTech Japanのエンジニアは、システムを開発するだけではなく、提案力とレビュー力が高い」と評判です。しかも、提案しておしまいではなく、例えば、2~3名の開発チームを当社で用意し、お客様と一緒にPoC(実証実験)的にプロジェクトをスタートさせることが得意です。「NashTech Japanは大きな案件しか興味ないでしょう」とよく言われますが、そんなことまったくありません。2~3名の当社のエンジニアチームとお客様とで一緒にスモールスタートするのが、私は一番好きです(笑)。
さらに、当社には、AI(人工知能)やブロックチェーンなどの先端技術を活用した開発実績も多数あります。当社はオフショアで、ブロックチェーンを活用した人材採用システムなど、仮想通貨にこだわらずに新しいユースケースをいくつも提案できます。
グローバルに事業を展開するなかで積み重ねた実績と、高い技術力を持つベトナム人エンジニアによるオフショア開発が強みの当社に、ぜひお問い合わせください。
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