オフショア開発会社というと「安い・早い」が魅力、でも「言葉の壁」があり、出来上がるシステムは「今イチ」、そんなイメージを持ってはいませんか。その認識はもう過去のものかもしれません。
ボルデックス株式会社はフィリピン・セブ島に開発拠点を持つハイレベルなオフショア開発会社です。日本・福岡の本社が提供する高品質なITコンサルティングサービスとセブ島開発拠点の高い開発力・技術力の両輪で、日本のお客様向けにファイナンス系システム、人材マッチングシステム、テレマーケティングやコールセンター向けシステムなど、数多くのシステムを開発してきた実績と経験があります。最新技術に対応する同社のオフショア開発の強みについて、営業部の下村 仁氏とキム・イファン氏にお話を伺いました。
お客様の「こうしたい」をスクラッチ開発で実現する、フィリピン・セブ島に拠点を持つオフショア開発会
―― 今、数多くのオフショア開発会社が日本企業向けのシステム開発に取り組んでいます。御社もフィリピンのセブ島にシステム開発の拠点があると伺いました。
下村氏: ボルデックス株式会社は、フィリピンのセブ島に子会社となるシステム開発拠点を持つオフショア開発会社です。日本側の拠点は、本社がある福岡県福岡市にあります。現在の従業員数は約50名で、福岡本社に15名、フィリピンの子会社に35名が在籍しています。フィリピンの子会社は「ボルデックス・テクノロジーズ」といい、セブ島のITビジネスパーク内に拠点を構えています。
通常、オフショア開発会社といえば、「安く・早く」システムを開発できることを強みとしているところが多いと思いますが、当社はそうした一般的なオフショア開発会社とは一線を画しています。当社は、お客様の「こんなものがあればいいな」、「こういったシステムを作りたいな」といったイメージを、スクラッチ開発によって一から形にしていくことができるオフショア開発会社といえます。
―― お客様のご要望をシステムに落とし込み、スクラッチ開発で形にする。なるほど、具体的にはどのようなやり方で実現していくのですか。
下村氏: まずは、お客様へのヒアリングを徹底しています。日本側の拠点、つまり福岡の本社の日本人メンバーがお客様の課題、ご要望、システム開発で実現したいことなどを詳細にお聞きします。ここでポイントとなるのが、「ただお客様から一方的に聞くだけではない」ということ。イメージとしては、コンサルテーションに近いと言えるかもしれません。
お客様へのヒアリングを通じて、お客様が思い描く事業、ビジネスのあるべき姿などを話し合い、そのビジョンを共有し、クリアすべき課題と、それをシステムでどう解決するかについて合意します。その後、当社内で解決手段を策定、ようはどのようなシステムにするのかの要件を定義し、全体設計をして、お客様の合意を得たうえで、フィリピンの開発拠点で具体的な開発を進めます。
ヒアリングのときに特に心がけているのは、お客様が実現したいことを根本から丁寧にお伺いするということです。本来、お客様の「作りたいシステム」は「何をやりたいのか」という業務上のニーズに基づいて決まるものです。しかし実際には、お客様の「やりたいこと」と「作りたいシステム」が必ずしも直結していないケースが少なくありません。ヒアリングを進めていく中で、「こうしたいのであれば、別のアプローチでこういうシステムを作ることもできます」とご提案すると、「そんな方法もあったのですね」とお客様に驚かれることもあります。
日本のお客様向けのシステム開発を考慮しながらエンジニアの採用と育成にも注力
―― 日本側には高いヒアリング力・企画力・提案力を備えたメンバーが在籍していて、フィリピン・セブ島の開発拠点には技術力の高いエンジニアがいる。この両輪がうまくかみ合うことで強みを発揮しているのですね。
下村氏: はい。フルスクラッチでお客様の細かなニーズにも対応できること、技術力の高いフィリピンのエンジニアが開発することで高品質なシステムをリーズナブルな費用で開発してご提供できること、これらが強みですね。こうした強みを発揮するのにベースとなるのは、やはり、技術力・開発力だと思います。
―― 確かにその源泉となるのがフィリピン・セブ島の開発拠点なのですね。
キム氏: まさに、その通りです。開発拠点について、私から簡単にご紹介します。フィリピンは国を挙げてエンジニア育成に力を入れており、毎年約5万人の新たなエンジニアが輩出されています。理数系に重点を置いた実践的な教育プログラムにより、高い技術力を有するエンジニアが数多く育成されています。こうした背景があることも、当社の開発拠点が高い開発力・技術力を維持していることの理由の一つです。
また、当社が拠点を置くフィリピン・セブ島のITビジネスパークは、首都マニラと比べて物価水準が低く、開発コストを抑えることができます。日本との時差が1時間なので、日本のお客様とリアルタイムでのやり取りが可能です。親日的でオープンかつ温厚な国民性により、日本のお客様とも円滑なコミュニケーションが図れます。さらに、英語が公用語の一つであるため、フィリピンのエンジニアは、英語以外を公用語とするベトナムやタイのエンジニアに比べると、意思疎通が比較的容易という声もよく耳にします。さらに、ICTに関する最新技術は英語で情報発信されることが多いので、そうした最新技術情報をほぼリアルタイムで取得できることも強みの一つといえるでしょう。
―― フィリピンが国を挙げてITエンジニアの育成に注力していることからも、基礎的な技量が高いエンジニアが揃っていることがわかりますね。そのうえで、やはり日本のお客様向けシステムの開発経験をどれだけ積んでいるか、ようはエンジニアの育成をどのように図っているのかが大切になってくると思います。
下村氏: ご指摘の通りです。当社ではオフショア開発拠点でのエンジニア育成にも注力しています。ここも当社ならではの特徴、強みです。多くのオフショア開発会社は、例えばベトナムやタイの現地のシステム開発会社をパートナーや協力会社として、日本のお客様から受注した案件の開発を委託しています。いわば「再委託」のかたちですね。日本側の拠点とベトナムやタイの拠点との関係は、あくまでもパートナーや協力会社で、ようは別会社なのでエンジニアの採用や育成に日本側の意向が反映されることはあまりないでしょう。
それに対し、当社のフィリピン・セブ島の開発拠点は当社の子会社です。日本側が日本のお客様のシステムを開発することを考慮しながら、開発拠点でのエンジニアの採用や育成についても検討し、その意向を話し合いながら実践しています。具体的には、エンジニアのスキルをジュニア・ミドル・シニアの3段階に大別し、それぞれをAとBに分類して、合計6段階に区分しています。
ジュニアのAとBは、新入社員向けのトレーニングを終えて現場に配属されたばかりのメンバーで、実務経験はおおむね2年以下です。ミドルは、入社後3〜6年程度の実務経験を持ち、現場に慣れてきたメンバーです。シニアはベテラン層で、ミドルやジュニアが開発したシステムのコードレビューや作業チェック、セキュリティチェックなどを通じて、最終的な品質に責任を持つ役割を担っています。
フィリピンのエンジニアは、仕事の幅を広げることに非常に意欲的です。日本では、職種を限定せずに入社し、会社からITエンジニアの仕事を割り当てられることが一般的ですが、フィリピンでは、ITエンジニアとして職種を限定したうえで雇用契約を結びます。自ら希望してその職種に就いているため、自分の時間を使って新しいプログラミング言語を習得したり、プロトタイプを作成したりするなど、主体的にスキル向上に取り組んでいます。そのため、当社にはさまざまなプログラミング言語に関する知見が蓄積されており、お客様の課題やご要望に応じて最適な言語を選定し、高品質な製品・サービスの開発を行っています。
ビジネスアイデアを最新技術で形にします、ぜひ当社にご相談ください。
―― オフショアで受託開発をするだけではなく、SESやラボ型開発にも対応しているとお聞きしました。
下村氏: はい。日本のお客様との契約形態としては、
請負型では、仕様・納期・金額を確定させたうえで契約を結び、当社は成果物、つまりシステムの完成責任を負います。一方、ラボ型では、当社は基本的には成果物の完成責任を負うものではなく、「作業の遂行義務」を負うという契約になります。お客様から頂く費用は、作業時間や内容に応じて発生します。
お客様によって、例えば発注のときに仕様や納期・金額を確定しなければ予算を確保できないというお客様には、請負型契約をご提案しています。一方、まだシステムの要件など詳細が決まっている段階ではなく、契約締結後に仕様変更を希望されるお客様には、柔軟な対応が可能な準委任契約をお選びいただくようにお話をすることが多いですね。
―― 最近ではオフショア開発の技術レベルが年々向上しており、例えばAIに代表される最新技術を取り入れたシステム開発を得意とするところも増えてきました。最新技術への対応という視点で、御社にはどのような強みがありますか。
キム氏: AIに関する技術力が高いことは当社の最大の強みです。その他にも、当社は以前からブロックチェーン、ビッグデータに関連してシステムやソリューションの開発も手がけており、そうした分野にも実績・経験が豊富にあります。
最近ではAIの技術進化にともない、AI関連の開発にも力を入れており、チャットボットやAIを活用したシステムの開発にも取り組んでいます。例えば、AIによる文字起こしと翻訳を組み合わせた仕組みを構築したほか、当社のホームページ内の検索機能にAIを活用したチャットボットを導入しています。他にもお客様が求める情報を瞬時にAIを活用して抽出・提示するようなシステムの開発実績もあります。
―― 今後、発注ナビを活用し、フィリピン・セブ島のオフショア開発を全面的に打ち出していくことで、どのようなお客様から、どのような案件を獲得していきたいとお考えですか。
下村氏: 高い技術力が必要でありながら、コストを抑えたいというお客様のご要望には、当社のオフショア開発がよくマッチすると考えています。システムの具体的な内容がまだ明確でない場合でも、収益構造や事業の進め方など、新規事業やビジネスモデルについての構想をお持ちであれば、ぜひ当社にご相談ください。お客様のビジネスイメージをもとに、最適なシステムをご提案いたします。
最近、お客様から「アプリを開発したいが、まだ要件が固まっていない」といったご相談をいただくケースが増えております。 当社では、このような初期段階からお客様をサポートし、各種ご提案や具体的なシステム要件の定義を行ったうえで、ご承認をいただいてから開発に着手する、エンドツーエンドのサービスをご提供しております。
日本側の拠点では、お客様とともに、業界における満たされていないニーズを見つけ出し、そのニーズに適したシステムやサービスを企画・提案できます。その仕様・設計内容をフィリピン・セブ島の高い技術力によって実現するのが、当社のオフショア開発の特徴です。ぜひ、お気軽にお声がけください。