株式会社ジーニアスは、東京都新宿区のシステム開発会社です。会社設立より30年以上「少数精鋭」で、技術的な難易度の高いシステムの開発に取り組んできました。銀行や証券会社などの金融分野を中心に、製薬、流通、製造、不動産などさまざまな業種の開発案件を手がけ、証券取引所、製薬会社、大手シンクタンクなどと直接取引してきた実績も豊富です。「誤差率10%未満」の来客・需要予測システムや、数十TB(テラバイト)という膨大なデータから必要な情報だけを数時間で取り出せるデータベースチューニングなど、「大手システム開発会社でも難しい仕組みを、大手の数分の1のコストで作る」と語る代表取締役の田中 博生氏にお話を伺いました。
大手スーパー様向けの来客・需要予測システムでは、当社だけが「誤差率10%未満」を実現しました
―― 1991年設立で、創業以来、じつにさまざまな開発案件を手がけてきています。御社の実績を拝見して、金融分野での不正検知や流通分野での来客・需要予測など、極めて高い技術力が求められる開発案件が多いのに驚きました。
ジーニアス 田中氏 はい。ひたすら「技術特化」で、大手のシステム開発会社が対応できないような案件にも対応するというスタンスで取り組んできました。当社の特長を端的に表すと「新しいものを率先して作ることで、世の中での存在感を確立してきた会社」「人がなかなかできないようなサービスを作り、提供している会社」と言えると思います。
金融分野では、シンジケートローン管理システム、SOX法対応のMBSシステム、融資案件や外貨建て有価証券の管理システム、証券業界向けには不正取引調査システムなどの実績があります。金融や証券業界の開発案件が多いのですが、それ以外の分野の開発案件にも対応しています。例えば、流通分野ではSolarisとJavaによる貨物流通基盤を構築したり、在庫管理システムでCOBOLとJava、EJB、CORBAの連携技術ができるかどうかの調査をしたり、製造業向けの受発注管理システム、製薬会社向けのMR営業支援システムなども手がけました。
先ほどのお話をいただいた来客予測・需要予測のシステムは、大手スーパーのお客様向けで来客数予想のPoC(Proof of Concept:概念実証)を実施しましたが、流通だけではなく全業種向けのシステムに仕上がっています。大手スーパー様のPoCでは、複数のシステム開発会社との競合の中、当社のシステムだけが誤差率10%未満を達成しました。他の大手システム開発会社のステムでは15%程度だったそうです。お客様には、とてもお喜びいただきました。
―― 来客予測・需要予測で誤差率10%未満とはすごいですね。スーパーなどでは商品のロス率をどう改善するかに日々頭を悩ませていると聞いたことがあります。まさに「技術力」が評価された事例ですね。
田中氏 システムを作るだけの技術に特化しているのが当社の強みではありません。大手スーパー様のPoCで誤差率10%未満を達成できたのは、当社が開発技術に長けているだけではなく、「お客様のターゲット層はどこか」、「商品にはどのようなものがあるのか」といったことも総合的に分析して、お客様へのコンサルティングも含めて作り上げたからです。
先ほど「来客予測・需要予測システムは全業種向け」と説明したのは、流通以外のお客様に向けても、ビジネスモデルやターゲットとする顧客層、扱う商品、お客様の特性を分析し、理解したうえで精度の高いシステムを開発できるからです。技術力にプラスしてお客様のビジネスモデルの分析やコンサルティングができること、そのノウハウがあることが当社の強みと言えると思います。
「お互いの時間を大切にする」、そんなお客様と仕事を通じてともに成長したい
―― これだけの実績をお持ちの御社ですが、実際にシステム開発をするときに大切にされていること、お客様との信頼関係など関係性の構築で重視されていることは、どのようなことでしょうか。
田中氏 お客様と相対するときには、「お互いの時間を大切にすること」を第一に考えています。お客様は、当社への発注を通じて、開発期間という時間を当社と共有することになりますよね。その時間がお客様にとって有意義というか意味あるものであって欲しいと考えています。同時に、それは当社にとっても「このお客様と一緒に仕事ができてよかった」と思えるようにしたいですね。裏を返すと、「お互いの時間を大切にしない」ようなお客様からのご依頼は、お受けしないようにしています。
もうひとつ、「これは当社でなければできない開発か」にはこだわりますね。当社でなくてもできる開発案件であれば、「なぜうちに依頼をしたいとお考えになったのですか」を確認させていただくことが多いですね。そうしたやり取りを通じて、このお客様はお互いの時間を大切にしてくださるのか、など価値観がお互いにマッチするかどうかもわかると考えています。
―― 「お互いの時間を大切にする」というのは、システム開発において大切なことだと思います。「とにかく、納期までに作って」と言いながら、その途中で「仕様が変わったのでやり直して」では、それまでに費やした時間が無駄になってしまいます。
田中氏 やはり、お客様に向上心があり、成長しようとされているなということがわかると、こちらも「ぜひ、ご一緒にお仕事をさせていただきたい」となるんですよね(笑)。当社が作ったシステムでお客様のビジネスがうまくいき、お客様が大きく成長したら、素直にとても嬉しいです。「お互いの時間を大切にする」お客様というのは、言葉を変えれば向上心があり、成長を強く望んでいるお客様ということかもしれません。
このように当社が、ぜひやってみたいなという開発は、お客様によるところも大きいのです。何も「先端技術をふんだんに使う案件だから」といったことではないのです。例えば、ある不動産会社様では、何年も前に構築した基幹システムのリプレースをお考えでした。他のシステム開発会社がクラウド化を提案して、リプレースを進めたのですが、途中でうまくいかなくなってしまいました。
いわゆる「炎上案件」なのですが、当社に火消しの依頼が来て、お客様からよくよく話を聞くと、(クラウドでなくていいから)「現行のシステムを復活させてほしい」とのこと。「オンプレミスで運用したい、元に戻したい」というお話しでした。クラウドに比べるとオンプレミスのサーバーは高価です。そこで、当社は中古のサーバーをキッティングして使えるようにして、通常の5分の1くらいのコストで他のハードウェアを揃え、古いミドルウェアを仮想化して、オンプレミスのシステムを復活させたのです。中古サーバーを使っていますがもう2年以上、安定稼働しています。
この案件からも当社が最先端な技術ばかりを追いかけているのではないことがおわかりいただけるでしょう。お客様との関係性も重視しているのです。
コンサルティングとシステム開発を、「足して2で割ったような」サービスを
―― 御社は、業務コンサルタントもされているのですね。こちらも、幅広い業種に対応されているのでしょうか。対応事例などありましたらご紹介いただけますか。
田中氏 当社は単なるシステムや業務のコンサルティングサービスを提供するだけではなく、コンサルティングとシステム開発を「足して2で割ったようなサービス」を提供していきたいと考えています。当社が提供している業務分析やコンサルティング、データベースのチューニングなど、いわゆるシステム開発以外のサービスについては、当社のホームページのサービスのカテゴリでも紹介しています。ぜひ、ご覧いただければと思います。
そこでも紹介していますが、例えば、コンサルティングのサービスでは、当社では30年前から、技術をベースにした業務ドメインの分析と提案・実現を続けています。一般的なコンサルティング会社のように「提案するだけ」ではありません。コンサルティングで明確になったお客様の課題に対し、それを解決するシステムと費用をご提示し、もちろん当社がシステム開発を担当します。つまり、お話しをお聞きし、課題解決の方法をご提案し、その方法を実際に作って、その結果がどうなったのかまで検証します。
他にもホームページで紹介しているサービスについて説明すると、例えば、当社は「電子国家」として注目を集めるエストニアを支える技術「X-Road」や「UXP」を国内に広く紹介したのですが、この技術を活用して実際にお客様のDX(デジタルトランスフォーメーション)をご支援した実績もあります。
また、データベースのチューニングでは、数TB(テラバイト)の膨大なデータを、ノートPCレベルの小型サーバーのCPUの能力だけで高速に処理できるようにした実績もあります。RDB(リレーショナルデータベース)よりも高速な、マルチバリューデータベース技術を開発するアメリカの会社と直接ライセンス契約を結んでおり、当社なら、Oracle社のSQL Serverの5倍の性能を3分の1以下のコストで実現できます。この技術を扱ってデータベースの設計やチューニングができる開発会社、エンジニアは国内ではまだまだ少ないでしょう。
データベースに関して当社の実績を少し紹介します。ある証券取引所の売買取引データは、1日分で8ギガバイトにもなりますが、この膨大なデータからドル円相場に影響がある株価データを短時間で抽出して欲しいという依頼がありました。通常は1千万円規模の費用のかかる案件と思われるでしょうが、当社は、わずか50万円ほどのサーバーを使って、しかも「1時間で抽出できる」ようにしました。この技術は他社にはないものだと自負しています。
このように、当社には「当社にしかできない開発」を手がけてきた実績が豊富にあります。大手のシステム開発会社でも難しいと思われる案件、他のシステム開発会社に相談したら断られた案件、そんな案件をお抱えのお客様は、ぜひお問い合わせください。解決策をご一緒に考えましょう。