日報やタイムカードなどの業務プロセスをデジタル化したいとお考えの建設会社様へ、建設会社向けの勤怠管理システムとはどのようなものか、基礎情報や主な機能、導入するメリットをまとめました。自社に合った勤怠管理システムを選ぶポイントについても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
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建設会社に適した勤怠管理システムとは?
建設会社における勤怠管理システムとは、建設現場の従業員の出退勤や労働時間を正確に管理するためのツールです。
厚生労働省は2019年4月、「働き方改革」の実現に向けて労働安全衛生法を改正しました。これにより、すべての企業が従業員の労働時間を「客観的に把握しておくこと」が義務付けられました。労働時間の未把握は法令違反となり、是正勧告の対象となります。
しかし、建設業界では、現在でも勤怠管理を手書きのタイムシートや日報で行っている企業が多くあります。それに加え、現場に直行・直帰する従業員が多い、現場ごとに勤務時間や勤務形態が異なるといった建設業特有の業務習慣が、一元的な勤怠管理を困難にしていました。
勤怠管理システムを導入すれば、勤務形態や働く場所が違っても、従業員の労働時間を正確かつ客観的に把握できるようになります。また、属人的でアナログな業務から脱却することによって、業務効率化やコスト削減につながります。
建設会社の勤怠管理システムの主な機能
建設会社向けの勤怠管理システムは、働く従業員の場所や時間が分散していても、全員の労働時間を正確に把握する機能が充実しています。具体的に備わっているのは、以下のような機能です。
●GPS打刻
現場に直行・直帰する従業員が多い建設業界では、GPS機能による正確な出退勤記録が有効です。従業員の位置情報をリアルタイムに把握できるため、どこからでも打刻ができ労働時間の管理が容易になります。タイムカードや日報から手動で時間を集計する手間がなくなるため、業務の効率が向上します。
また、ほかの従業員に代わりに打刻させたり、打刻を忘れたふりをして後で時間を手書きして補ったりするような不正を防ぐことができます。
●モバイル対応
スマートフォンやタブレットで専用のアプリやブラウザから出勤・退勤の打刻ができる機能です。建設現場の従業員は、パソコンや紙の書類で勤怠を報告するのが難しいため、スマートフォンやタブレットが主なコミュニケーション手段となっています。モバイル対応の勤怠管理システムなら、建設現場などPCにアクセスできない事務所外の環境でも簡単に管理ができます。従業員がリアルタイムで出退勤を記録できるため、タイムリーなデータ管理が実現します。
●シフト管理
建設業の中には、シフト制を採用している現場もあります。シフト管理機能は、複雑なシフトを効率的に管理し、従業員の労働時間を最適化できる機能です。シフト管理機能が備わっている勤怠管理は、シフトの作成や変更が簡単にでき、従業員への通知も自動で行ってくれます。週休2日制の導入やシフト変更にも柔軟に対応できるため、労働環境の改善にも有効です。
●有給休暇管理
従業員の有給休暇取得状況をシステム上で見える化する機能です。取得日数が把握できるため、計画的な休暇取得を促し、法令に基づく適切な休暇管理が行えます。また、有給休暇の申請・承認プロセスを自動化することで、管理者の負担も軽減します。
●労働時間の自動集計
複数の建設現場を持つ企業の場合、現場ごとに労働時間を分けて集計することが難しく、従業員の労働時間を管理しにくい課題があります。また、残業時間が上限規制を超えないように管理するのも、アナログだと大きな手間です。
勤怠管理システムでは、労働時間を自動的に集計するため、正確な勤怠データを把握できます。管理者の負担も軽減されるほか、アナログ集計で起こりやすいミスも防止。また、自動集計機能は給与計算の効率化につながります。
●工数管理
勤怠管理システムは、従業員の労働時間管理だけでなく工数管理にも役立ちます。勤怠管理システムの中には工数管理が実装されているものもありますが、工数管理機能が備わっていなくても勤怠データをもとに工数を管理できるためです。
結果、プロジェクトごとのコスト管理がしやすくなり、予算の見直しや効率的なリソース配分ができるようになります。
●法令遵守機能
企業にとって、コンプライアンスを遵守しているかは世間へのイメージのみならず今後の経営にも大きくかかわる問題です。
働き方改革関連法や労働基準法に対応した機能を備えている勤怠管理システムなら、法改正に伴う対応がスムーズに行えます。勤怠管理システムの中には、労働時間の上限規制や有給休暇の管理など、法令に基づく適切な労務管理を、社会保険労務士がサポートするものもあります。
建設会社で勤怠管理システムを導入するメリット
勤怠管理システムは、現場が複数に分散していても従業員が正確に打刻でき、勤務状況を自動で集計してくれます。建設会社で勤怠管理システムを導入すると、ほかにも以下のようなメリットを得られます。
●労働時間の正確な把握
勤怠管理システムを導入すると、従業員がスマートフォンやタブレットを使ってリアルタイムに出退勤を記録できるため、集計ミスやタイムカードの回収漏れ、不正打刻を防ぐことができます。手書きやタイムカードによる管理に比べて、正確な労働時間の把握が可能です。
また、時間外労働や深夜労務・休日業務が発生すると割増賃金を支払う必要がありますが、勤怠管理システムなら労働時間の計算を自動で行えるため、別途集計する手間がかかりません。
●業務効率の向上
勤怠データの自動集計やシフト管理機能により、手書きによるデータの再入力や転送などの手間を省けます。自動で労働時間を集計でき、残業時間や有給休暇の取得状況もリアルタイムで可視化できるため、管理者の業務負担が大幅に軽減されるのがメリットです。
さらに、会計システムや原価管理システムと連携させれば、賃金の計算や原価計算の自動化も可能です。管理業務全体が効率化し、生産性の向上が期待できます。
●コスト削減
勤怠管理システムを利用すると、これまで紙や手作業で行っていた管理にかかるコストを削減できます。勤怠データの自動集計や残業時間の管理が効率的に行われるため、過剰労働によるコストの増加も防げるでしょう。また、残業が多い現場や部署がどこかも把握しやすくなるため、対象を絞って効果的に作業工程の見直しや職場環境の改善が行えます。
●不正防止とデータの透明性向上
勤怠管理システムは、従業員による手書きや自己申告による不正打刻を防ぎます。GPS機能やスマホアプリによって現場の従業員1人ひとりがリアルタイムに打刻できるため、同僚による代理打刻や不正入力を防止できるためです。
これにより、正確な労働時間の把握が可能となり、信頼性の高い勤怠管理が実現します。データの透明性が保てることで、企業の法令遵守にもつながります。
●法改正への対応
勤怠管理システムは、働き方改革関連法や労働基準法の改正に対応した機能を備えています。特にクラウド型の勤怠管理システムの場合、時流や法改正にあわせてその都度アップデートされるため、いつでも労働時間の上限規制や有給休暇の管理を適切に行える点がメリットです。タイムリーな法改正への対応によって法令違反のリスクを軽減し、企業のコンプライアンスが強化されます。
●工数管理の効率化
工数管理機能を利用することで、プロジェクトごとの労働時間やコストを正確に把握できます。工数管理機能が備わっていない勤怠管理システムであっても、給与計算用に集計する労働日数や労働時間の管理から工数管理につなげることが可能です。これにより、予算管理やリソースの最適化ができ、プロジェクトや現場ごとの進捗管理を効率的に行えるようになります。
建設会社の勤怠管理システムの選び方
建設会社が勤怠管理システムを導入する際、どのような点に注意して選ぶべきかをまとめました。どの勤怠管理システムにすべきか悩んでいる方は、以下のポイントを参考にしてみてください。
●必要な機能の確認
自社の業務や現場に必要な機能が搭載されているかを確認します。特に重要なのは、GPS打刻やモバイル対応、シフト管理など、建設業に特化した機能です。
これらの機能は、現場での勤務状況を正確に把握し、打刻ミスや不正打刻を防止するために欠かせません。また、労働時間の管理だけでなく管理業務の効率化も目指すのであれば、労働時間の自動集計や工数管理機能も大切です。システムの機能が多岐にわたることで、現場での労務管理が大幅に効率化されます。
●操作の簡便さ
せっかく便利な機能を導入しても、現場で働く従業員がうまく使いこなせないと定着しない可能性があります。勤怠管理システムは、現場の従業員が使いやすいシステムを選びましょう。シンプルで直感的なUIデザインや操作が簡単なもの、スマホやタブレットなどのデバイスを選ばず利用できる、マルチデバイスに対応したシステムがおすすめです。
勤怠管理システムにはアプリやブラウザから打刻ができるタイプのほか、音声ガイダンスに従えばスマートフォンの通話機能で打刻ができるものもあります。ITに不慣れな従業員も簡単に利用できるシステムを選ぶと、スムーズな導入と運用につながります。
●コストパフォーマンス
勤怠管理システムの導入や運用には、当然コストがかかります。システムの初期費用や月額料金を考慮して、自社の規模や予算に合ったシステムを選びましょう。多額のコストをかけて導入したにもかかわらず「使いにくくて定着しない」といったことが起きないためにも、無料トライアルを利用して使用感を確認することもおすすめです。
費用対効果を見極めるためにも、複数の勤怠管理システムで機能やサポート体制を比較したうえで検討すると良いでしょう。
●法令対応
働き方改革関連法や労働安全衛生法などの法令に対応しているシステムを選ぶことが重要です。建設業は現場によって長時間労働になりやすいケースがあるため、システムで時間外労働の上限規制や有給休暇取得の管理が適切に行えるかを確認しましょう。法改正に伴う機能のアップデートが迅速に行われるクラウド型の勤怠管理システムを選ぶと、法令違反のリスクを最小限に抑えられます。
中には、社会保険労務士が複数在籍し、コンプライアンス遵守の勤怠管理をサポートしてくれるシステムもあります。自社の課題に合わせたサポートやサービスが備わっている勤怠管理システムを選ぶようにしましょう。
●導入後のサポート
勤怠管理システムは、メーカーやベンダーによってサポート内容や料金が異なります。サポート体制が整っていると、スムーズな運用がしやすく導入効果も最大限に引き出すことができます。
トラブル時の迅速な対応や操作方法のアドバイスなど、導入後もサポートが充実しているシステムを選びましょう。困った時にはメールや電話、チャットなどでいつでも相談できる環境が整っていると、運用中の急なトラブル時も安心です。
また、システムの導入後に会社の規模や就業ルールなどが変わる可能性もあります。就業規則や雇用形態の変更も想定したうえで、可能な限りサポート体制が手厚いシステムを選ぶようにしましょう。
建設会社に最適な勤怠管理システムを探す
勤怠管理システムは、従業員の出退勤や労働時間を正確に管理するためのツールです。現場への直行・直帰や長時間労働の多い建設業の現場では、リアルタイムに打刻や管理ができる勤怠管理システムが現場の業務効率を大幅に向上します。打刻ミスや不正打刻も防げるため、従業員の勤怠管理に課題を抱えている建設会社におすすめです。
従業員の労働時間を正確かつ客観的に把握できるため、働き方改革関連法も遵守できます。労働時間の上限規制や有給休暇の管理など、法令に基づいた適切な労務管理ができるため、企業のコンプライアンス強化にもつながるでしょう。
スムーズな運用を実現するためにも、現場の従業員が簡単に操作できる使いやすいものを選ぶことが大切です。無料トライアル期間を活用すると、機能や使いやすさから自社に合ったシステムかどうかを把握できます。勤怠管理システムの選び方に困っているなら、まずは複数のシステムを使い比べてみるのもおすすめです。
とはいえ、国内では多数のメーカーやベンダーが勤怠管理システム開発を行っており、膨大な数から自社に最適なシステムを選び出すには、時間も手間もかかります。
自社にとってベストな勤怠管理システムがわからない時には、システムに詳しいプロの手を借りて選んでもらうのも1つの手です。発注ナビでは、建設会社向け勤怠管理システムの開発実績を持つメーカーやベンダーの選定サービスを行っています。「自社に合った開発会社がわからない」「選定にできるだけ時間をかけずにスムーズに導入したい」とお考えのご担当者様はぜひ一度ご検討してみてはいかがでしょうか。
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