業務用家具メーカーである株式会社キノシタは、自社のWebサイトをWordPressで制作している。WordPressはCMSとして便利なツールではあるが、数十点に及ぶ新商品をリリースに合わせて登録する作業には、かなりの手間がかかってしまう。この業務をどうにか効率化したいと、一括登録機能の開発を検討していた。
そこで発注ナビを利用し、複数の開発会社の紹介を受けた同社。短期間で集中してやり取りすることで、プロジェクトの精度を高め、予算内で要望を実現できる会社への発注に成功したという。どのように選定したのか、プロジェクトを担当した株式会社キノシタ MD本部 OMO部 部長 池田直樹氏にお話を伺った。
業務用家具メーカーとして、木のあたたかみを活かしたプロダクトを提供
●株式会社キノシタの大阪ショールーム

株式会社キノシタ
MD本部 OMO部 部長 池田直樹氏
―― キノシタ様の事業について教えてください。
株式会社キノシタ 池田氏:当社は飲食店、オフィス、商業施設、ホテルなどで利用する業務用家具の企画・製造・販売を手掛ける家具メーカーです。当社の商品は木製家具を多く取り揃えており、モダンなデザインで、非日常感に包まれる空間をつくる「ABORD」、カフェのようなぬくもりある空間をつくる「Coccole」、キッズ向けの「BAOBAB LAND」と商空間のシーンに合わせて選べる3つのオリジナルブランドを展開しております。
商品は主に島根県出雲市にある自社工場で製造しており、お客様のニーズにも柔軟に対応しながら、コンセプトに寄り添った家具を提供します。
Webサイトへの商品追加は一つずつ手作業。2~3週間かかり大きな負担に
―― 今回、発注ナビへはどのようなご相談でしたか。
池田氏:毎年、新商品を50~60点ほどリリースするのに伴い、年に1~2回、カタログの刷新を行っています。クライアントである店舗を手掛ける設計事務所などに紙カタログを配布するのと合わせて、Webサイトの商品ページを更新するのですが、この更新作業が大きな負担になっていました。
WebサイトはWordPressで制作しており、管理画面から一つずつ手作業で入力するしかありません。更新完了まで1商品につき30分ほどかかり、画像を作る人、管理画面で情報を入力・更新する人などに作業を分担しても、2~3週間ほどかかっていました。年に1〜2回、いずれかのブランドのカタログを更新しており、カタログ発刊と同時にWebサイトも更新するため、限られた時間内での作業が必要です。この負担を解消するために、CSVなどで商品情報を一括登録できる機能を開発できないかと考えました。
―― 最初にWebサイトを制作した際に、一括更新などの機能は実装しなかったのですか。
池田氏:以前はカタログの発刊が2年に1度程度だったため、作業負担はそれほど大きくありませんでした。
しかし現在は、お客様との接触頻度を増やすために、年1回のペースでカタログを更新する方針に転換しています。その結果、限られた時間内での対応やリソースの確保といった課題が顕在化してきました。
また、生産性を高め、限られたリソースでも収益を生み出す体制を構築するために、会社全体でDXを積極的に推進する動きが強まっています。
こうした流れを受けて、Webサイトの更新業務においても効率化を図りたいと考えています。
「複数の開発会社から、一気に提案してほしい」という要望を叶えた発注ナビ
―― WordPress環境を構築した制作会社には、改修を依頼できなかったのですか。
池田氏:今回の要望を叶えるにはシステム開発が必要になります。WordPress構築を依頼した会社にも声はかけましたが、同社はWeb制作を得意としており、今回のようなシステム開発を伴う要望は、専門領域の範囲外とのことでした。ほかの会社とも付き合いはありますが、いずれもクリエイティブやマーケティングを得意としている会社で、システム開発に強い会社との付き合いはありません。
そこで、「WordPress システム 構築」「WordPress 実装 強い」といったキーワードで検索して探していたときに、リスティング広告で上位に掲載されたのが発注ナビでした。複数の会社を比較検討したいという想いもあり、発注ナビならそれも叶えられると思いました。マッチングサービスはいくつか検討しましたが、発注ナビはアイティメディアが母体で、しっかりしていそうだと好印象だったのを覚えています。
実は発注ナビを利用する前に、直接問い合わせて、提案いただいた会社も1社あったのですが、相性が合わず、発注には至りませんでした。ゼロベースから1対1でやり取りするのは時間がかかりますし、複数社を比較検討するには、何社かまとめて紹介してもらえる発注ナビのようなサービスを使った方がよいと考え、登録しました。
―― 発注ナビをご利用された印象はいかがでしたか。
池田氏:ストレスを感じずスムーズに利用できるサイトのUIが印象的でした。また、案件を登録した翌日には3社ほど紹介いただき、打ち合わせがスピーディに進んだことも好印象でした。
個人的には、1日に3社など集中的にオリエンテーションをした方がよいと考えています。「こういう説明は分かりにくかったかもしれない」「こういう質問が来たということは、この情報が不足していたんだ」などの気づきがあれば、すぐに次の打ち合わせに活かせるメリットもあります。発注ナビは紹介も早かったので、2~3日で一気にオリエンテーションを進められたのもよかったです。
複数社から提案を受けることで、オリエンテーションでの質問やフィードバックを通して要件や課題も明確になってきます。以前、別件でいろいろな会社から違う観点での質問を受けることで、プロジェクトの精度が上がったと感じたことがありましたが、今回もそのときと同じように進められたと思います。
初回提案の完成度が決め手に。「一緒にプロジェクトを進めたい」と思える会社に発注
―― 最終的に発注ナビからは6社紹介しました。
池田氏:やりたいことは一つなのですが、「ゼロからシステム構築する」「既存フローをベースに作り込む」など幅広い提案がありました。最終的には、WordPressへの機能追加という形でご提案いただいた1社に発注を決めました。
―― 選定の決め手を伺えますか。
池田氏:提案内容が丁寧で分かりやすく、要望に対して柔軟に対応してもらえそうだと感じたことです。
私が提案してもらうときには、しっかりしたオリエンテーション用の資料を提示したうえで打ち合わせに臨むようにしています。この情報を踏まえて、「課題をどう解決するか」や「なにができるか」といったポイントをどこまで整えて提案いただけるのか、その完成度の高さを重視します。そこに会社のスタンスや誠意が垣間見えると思うので……。発注を決めた会社は、その点がすごくしっかりしており、一緒にプロジェクトを進めたいと感じました。
また、あらかじめ要件定義はしていましたが、すべての機能が前もって確定していたわけではありません。各社と詳細を詰める中で、場合によっては追加費用がかかるという会社もありましたが、発注を決めた会社からは「予算内でできることを話し合っていきましょう」というスタンスが見えたのもよかったです。
今回は業務効率化に関する機能の開発で、予算にも限りがあります。効率化による工数削減を試算し、人件費削減で開発費用を何年で回収できるかを考慮すると、あまり予算はかけられません。2~3年後にサイトそのものを改修する可能性もふまえ、想定した予算内で開発できるかどうかも重要でした。
次回カタログ改訂に間に合うよう、開発を進める
―― 今後の予定をお聞かせください。
池田氏:開発はスタートしており、2025年7月中には実装が完了する予定です。それから1ヶ月ほどテストを行い8月中にはローンチと、次回のカタログ改訂には間に合いそうなスケジュールで進めています。
私のミッションは「自社商品の売れる仕組みづくりを最大化すること」です。
店舗設計に携わる設計士・デザイナーをターゲットに、メール、SEO、SNS、紙のDM、デジタル広告といった施策を展開し、Web問い合わせの獲得につなげています。
今後はデータ活用による施策の高度化も進めていく予定ですので、発注ナビではそうした取り組みに強みを持つ企業をご紹介いただけると嬉しいです。
―― ありがとうございました。
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