近年、ITエンジニアの不足が深刻化し、事業を円滑に進めるためには他社との協力がますます重要になっています。SESビジネスパートナーシップは、IT企業同士が人材や案件を柔軟に融通し合う仕組みであり、安定したエンジニア稼働や営業の効率化、事業の拡大を目指すうえで不可欠な戦略となっています。本記事では、SESビジネスパートナーの基本的な仕組みやメリット、協業先選びのポイント、実際にパートナーを見つける方法まで、分かりやすく丁寧にご紹介します。これから協業を検討する方にも、すでにパートナーシップを活用している方にも役立つ情報をお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
新規案件開拓の課題は「発注ナビ」で解決システム開発に特化したビジネスマッチング
まずは理解したい:SESビジネスパートナーとは
SESビジネスパートナーの仕組みは、日本のIT業界で広く活用されている、企業同士の協力体制です。人材や案件を単独で抱えることが難しい時代に入り、エンジニア不足が常態化する中、SES企業は他社とパートナーシップを結ぶことで、必要な技術者や案件を融通し合い、互いの成長につなげています。
特に、システム開発やインフラ構築といった特定分野で強みを持つ企業同士が、案件や人材情報を共有し合うことで、リソースの過不足を調整しやすくなります。こうした連携は、IT業界全体の活性化にもつながる重要な仕組みといえるでしょう。
●SESビジネスパートナーとは
SESビジネスパートナーとは、システムエンジニアリングサービス(SES)企業同士が、お互いにエンジニアの稼働先や案件情報を紹介し合い、協力する関係を指します。たとえば、自社でエンジニアを多く抱えているが案件が足りない場合、パートナー企業から新しいプロジェクト情報を受け取ることで、エンジニアを待機させずに済みます。逆に案件はあるけれど、社内で人手が足りないときは、パートナー企業の技術者をアサインすることで業務を円滑に進めることができます。
このような協力体制があることで、事業拡大や安定したリソース確保が実現しやすくなり、IT業界の競争力向上にもつながります。
●なぜ今、パートナー探しが重要なのか
近年、IT人材の需要が高まる一方で、エンジニアの確保はますます難しくなっています。その背景には、DX(デジタルトランスフォーメーション)やAI、クラウド活用の広がりがあり、多様な技術分野で専門性が求められているためです。また、プロジェクトの規模や内容も多様化し、社内のリソースだけでは柔軟な対応が難しくなっています。
そのため、大手企業も積極的にパートナー募集を行い、協業体制を強化しています。新しいクライアントを開拓するための営業活動は負担が大きいため、パートナー企業からの案件情報や人材紹介を活用することは、営業負担の軽減にも役立ちます。今後、こうしたパートナー探しはますます重要になり、企業の成長戦略に欠かせないものとなるでしょう。
SESビジネスパートナーを持つメリット
SESビジネスパートナーを持つことは、企業のリソース運用や営業活動に多くのメリットをもたらします。ここでは、主な利点について具体的に解説します。
●稼働率の向上につながる
パートナーシップを活用すると、エンジニアの稼働が一時的に途切れた場合でも、他社案件にスムーズにアサインすることができ、待機期間の発生を抑えることができます。大規模なプロジェクトが終了した直後や、自社案件が減少したタイミングでも、パートナー企業から紹介された案件に参画することで、安定した稼働率を維持しやすくなります。
逆に、自社が新たな案件を受注した際には、他社からエンジニアを確保できるため、業務量の増減にも柔軟に対応できる体制が整います。
●営業負担の軽減が可能
SESパートナーから案件情報を受け取ることで、自社で新規開拓や営業活動に費やす時間や手間を大幅に減らせます。案件獲得までのリードタイムが短縮されるだけでなく、再度依頼や紹介による受注も増えやすくなり、営業効率も向上します。
こうした協業体制は、急な案件対応や大口クライアントからの受注にも迅速に対応できる力を企業にもたらします。
●幅広い案件に携われる
パートナー企業との連携によって、自社だけでは対応できない異業種の案件や、新しい開発環境のプロジェクトに参画するチャンスが広がります。その結果、エンジニアはさまざまな経験を積むことができ、スキルアップやキャリア形成にもつながります。
また、新しい分野や技術領域への参入も進みやすくなり、企業の成長機会をさらに拡大できます。パートナーとの協業は、企業全体の競争力強化にも寄与します。
協業先選びの成功ポイント
SESパートナー選びは、単なる取引先を増やすだけではなく、事業成長やエンジニアの満足度に直結する重要なステップです。協業先を選ぶ際のポイントを解説します。
●スキルマッチ・領域の補完性を重視
パートナー候補となる企業は、自社と同じ技術領域(たとえばJava、PHP、AWSなど)に強みがある企業を優先すると、協業がスムーズになります。また、自社だけではカバーできない分野や業界案件を手掛ける企業を選ぶことで、より多様な案件に対応できるようになります。
案件ごとの規模や難易度も事前に確認し、自社にとって適切な案件かどうかを見極めることが大切です。
●案件数と安定性を見極める
協業先がどの程度の頻度で案件を紹介してくれるか、定期的な受注実績があるかどうかを確認することも重要です。直請け案件を保有する企業は、報酬や条件面でも透明性が高く、安心して協業を進められる傾向があります。
安定した案件供給力のあるパートナーと組むことで、自社エンジニアの稼働を維持しやすくなります。
●レスポンスや交渉姿勢にも注目
案件紹介までのスピードや、連絡時の丁寧さ、条件交渉への柔軟さもチェックポイントです。トラブルが発生した際に迅速かつ適切に対応してくれる企業は、長期的な信頼関係を築くうえで大きな強みとなります。
単価や契約条件についても、柔軟な対応ができるパートナーは、さまざまな案件に対応しやすくなります。
SESパートナーを見つける具体的な方法
SESパートナーを探す際には、さまざまな情報源やアプローチを活用すると効率的です。ここでは実践的な方法を紹介します。
●業界特化型メディアの活用
インターネット上には、SES企業向けのまとめサイトや、パートナー募集情報を一覧で比較できるプラットフォームが多数あります。こうした媒体を利用すると、複数の企業を効率的に比較でき、自社のニーズに合ったパートナー候補を絞り込みやすくなります。多くの場合、問い合わせフォームも設置されており、すぐに連絡できるので、パートナー探しの第一歩としておすすめです。
●業界イベント・セミナーでの情報収集
オンライン・オフラインを問わず、IT業界のイベントや勉強会、セミナーなどに参加することで、直接パートナー候補と出会える機会が広がります。名刺交換や情報交換を通じて、信頼できる企業とつながるきっかけになります。
こうした場では、実際に業界で活躍している担当者や意思決定者と話すことができるため、商談や協業につながる情報も入手しやすくなります。営業活動の一環として積極的に活用しましょう。
●自社と親和性のある企業からの紹介
既存の取引先や、過去に信頼関係のある企業に相談し、推薦してもらう方法も効果的です。紹介を通じて出会うパートナーは、既に一定の評価がなされているため、協業のリスクを抑えられる点が特徴です。また、共通の取引先があることで、初対面でもスムーズに信頼関係を築くことができます。
●企業のホームページから直接連絡する
多くのSES企業は自社のホームページ上にパートナー募集専用ページを設けています。必須項目を入力して送信するだけで、簡単に営業のきっかけを作ることができます。
また、案件実績や支払い条件が掲載されている場合は、あらかじめ内容をよく確認してから連絡することで、ミスマッチのリスクを減らすことができます。
SESビジネスパートナー制度は成長の原動力に
SESビジネスパートナーシップは、企業のリソース不足や案件対応力の強化に大きく貢献します。単独でリソースを抱え込むのではなく、信頼できる企業と協力し合うことで、安定したエンジニアの稼働や営業効率の向上を同時に目指せます。
また、長期的に信頼関係を築くことで、単なる取引先を超えたパートナーとして事業全体を底上げする力になります。パートナー探しは一度きりではなく、継続的に行うことが重要です。
一緒に成長を目指す仲間として、単なる一時的な取引に終わらない協業体制を築いていきましょう。
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