2014年12月に設立した株式会社ソースリンクは、2018年8月から発注ナビを利用開始し、2023年6月に5回目の更新をした。その5年間に13件、総額約3000万円の開発案件を受注している。長きにわたり発注ナビを利用してきた同社だが、実は毎年「今年限りで解約」と思ってきたそうだ。そんな同社がなぜ利用を継続し、どうやって獲得案件を増やしてきたのか。代表取締役社長である渡邊新治氏にお話しをお伺いした。
社名 | 株式会社ソースリンク |
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所在地 | 東京都渋谷区道玄坂1-12-1 渋谷マークシティW22F |
従業員数 | 1 – 30名 |
事業内容 | ソフトウェア開発、導入コンサルティング、サポート・メンテナンス、ソフトウェア製品販売 |
掲載カテゴリ |
- 導入前の課題
マイクロソフトのパートナー企業である同社は、マイクロソフトからの紹介案件だけでは自社の技術力や企画・設計力をフルに活かせる開発案件を受注できるチャンスが少ないと感じていた。コストパフォーマンスの高いシステムを構築できるという強みが発揮できる新規顧客の案件獲得方法を模索していた。
- 導入後の効果
発注ナビを利用開始しても当初はなかなか獲得できなかったが、エントリー時の自社推薦介文や紹介案件に対する提案の仕方を徹底的に工夫。受注か失注か確定しないうちはあきらめずに発注者とコミュニケーションをとるなど粘り強いアプローチを展開。失注後に同じ発注者の別案件の受注につながるなど、発注ナビ利用の派生効果もでてきた。結果的に利用開始から5年間で13件、合計約3000万円の受注に成功。
新規顧客の獲得方法を検討していたところ、発注ナビを知る
クラウドをベースにしたシステム構築を得意としている株式会社ソースリンクは、2021年11月にGold コンピテンシーを取得したマイクロソフトのパートナー企業だ。同社ではマイクロソフトが提供する開発プラットフォーム『Power Platform』を利用したローコード開発やノーコード開発を得意としており、コストパフォーマンスが高いシステム開発を強みとしている。
Microsoft 365、Teams、Dynamics 365といったビジネスアプリケーションの導入はもちろん、その他のさまざまなアプリケーションとPower Platformとの連携についても、最新の製品・機能を検証してソリューション提案している。
創業当時はSES事業が中心だった同社がマイクロソフト製品を組み合わせた開発を手がけるようになったのは、実績のある渡邊氏が2017年7月に同社の代表へ就任したことがきっかけだった。
「マイクロソフトのパートナーにもなったことで、開発案件を紹介してもらえるようにはなったものの、いずれも他社とのコンペで、しかも競合相手もパートナーだけに大手SIerばかり。なかなか受注できずに頭を悩めていました。そこで、他の新規顧客の獲得方法を検討していたところ、インターネット検索で発注ナビの存在を知ったのです」(渡邊氏)。
こうして同社は発注ナビの利用を具体的に検討開始した。
暗中模索で利用開始したもののあるときから『手応え』を感じた、その理由とは
そんな同社が、発注ナビの利用を決めた具体的な理由はどのようなことだったのだろうか。
当時のビジネスアプリケーションはDynamics 365が主流で、Salesforceなどと競合していた。これらのアプリケーションは中小企業にとっては高額だが、同社ではビジネスアプリケーションを自社開発のオリジナルに入れ替えて、より安価にソリューションを提供することもできる。そこで、オリジナルを作り上げるだけの『技術力』、それらを組み合わせてお客様のご要望に合ったソリューションに仕立て上げることができる『企画・設計力』、これらをフルに活かせる新規の開発案件に巡り会いたいと考えたのだ。
実際に発注ナビの利用開始を決定する前に、どのような案件が紹介されるのかを確認してみたところ、Microsoft製品が提案できそうな案件も多くある印象を持った。そこで、「暗中模索ではありましたが、とにかく発注ナビを利用してみることにしました」と渡邊氏は振り返る。利用開始の経緯は、渡邊氏の言葉を借りれば『暗中模索』だったようだが、冒頭で説明している通り、同社は2018年8月から現在まで5年間にもわたって利用し続けている。その間に不満を感じたり、利用を中止しようと思ったりしたことはなかったのだろうか。
そのことを渡邊氏に聞いてみると、「毎年のように『今年限りで契約解消しよう』と思ってきていました」という答えが返ってきた。ところが、不思議なことに使い続けてきたら、だんだんとその良さがわかってきたのだという。
どういうことか。同社は発注ナビの利用を開始した当初、なかなか案件を獲得できず、期待が大きかっただけに『谷底に突き落とされたような気分でした』という。しかも、2018年当時は現在ほどクラウドが浸透していなかったこともあり、『そもそもクラウドシステムは認めない』という発注者もいた。その風向きが徐々に変わり始め、クラウドファーストという追い風が吹きだしたこともあって、少しずつ案件を獲得できる感触がわかってきたのだ。
そしてターミングポイントとなったのは、『お客様の課題』に対して、正々堂々と同社の考える解決方法を提案として表現するようになったことなのだという。
「例えば、クラウドについて反対意見もあることを考慮して、堂々とメリットを説明できるようになりました。また、発注ナビからの案件にエントリーする際に、短時間でソリューションを提供可能かの判断ができるのは、長い間発注ナビを利用して培われたスキルともいえます。なので、同社がエントリーした案件のうち一定の件数を紹介してもらえるという仕組みを理解してから、その確率的なところを意識してエントリーをする事と相まって、受注率が最近向上してきたと考えています」(渡邊氏)。
失注した発注者から別案件で依頼が。発注ナビ利用の派生効果も
それ以降、同社ではエントリーの自社推薦文や提案の内容をもっと丁寧に『自分たちらしさ』が伝わるように工夫して記載するように変えていったという。その背景には、受注ができない場合でも提案したという爪痕が残せるようにしたかった気持ちがある。
さらに、同時に紹介された案件に提案した後、受注か失注かが確定しない期間にもできることを考えて実践するようにした。
「発注ナビ利用開始当時は、受注できなかった案件は『仕方ない』とすぐにあきらめてしまうことが多くありました。ですが、これを改めて、明確に結論が出ないうちは諦めず、発注者に対してこちらから積極的にコミュニケーションを続けて取っていく『追客』の取り組みを重視して進めるようにしました」(渡邊氏)。
営業の姿勢を変えていくことで、紹介された案件で受注ができなくても、後日別案件での受注につながったケースも増えてきた。発注ナビを利用したことによる派生効果にも手応えが出てきたことで、同社の発注ナビ利用のモードは確実に変わっていったようだ。
その後、同社の提案内容も確実に変化していった。例えば、紹介を受けた発注者が『スクラッチでシステムを作りたい』という要望だった場合、これまでなら『スクラッチの経験は多くはありませんが対応できます』といった、いわば受け身で消極的な提案に終始していたが、現在では自社の強みを全面に押し出したような提案を心がけている。スクラッチかパッケージかといった二者択一ではなく、『スクラッチの柔軟性とパッケージのコストの優位性の良いとこどりで、コストパフォーマンスの高いシステムを当社なら作れます』という第三の選択肢を提示するような提案だ。
このように同社がモードを切り替え、発注者へのアプローチの方法を変え、発注ナビを使いこなすにいたったのは、発注ナビ担当者からのサポートがあった。
ソースリンクならではの強みを発揮できる案件を獲得できるように
渡邊氏は「発注ナビの専任アドバイザーとは契約してから継続的に話をしていて、『最近、エントリーが減っている』、『モチベーションが下がっているのではないでしょか』など、手厳しい意見をもらっています」と説明する。
2023年の春先、5回目の契約更新の直前だった。『以前と比べると案件へのエントリーのペースが落ちていますよね』と指摘されたという。「言われてみて気がついたのですが、簡単に言うと『守り』に入るというか、取れる案件は取るけど取れない案件は無理しないという安全志向が確かにありました。発注ナビの専任アドバイザーからの『ソースリンクさんのアグレッシブさはどこに?』という言葉で、はっとしたのを覚えています」(渡邊氏)。
発注ナビを利用開始してから13件、約3000万円の開発案件を受注しており、今でも進行中の案件を持つ同社。利用を継続してきた中で、「案件を受注できなかった場合でも、その『負けの内容』が次につながるように確実に変わってきています。そして、獲得できた案件については、たとえそれが小規模だったとしても『ソースリンクならではの良さを発揮できる案件』を受注できるようになっています」と渡邉氏は語る。
最後に渡邊氏は、ソースリンクの今後の予定を話してくれた。
「関西に拠点があることが条件の案件もあります。そこで今後は、できるだけ早く関西に拠点を開設する方向で検討しています」(渡邊氏)。
東京と大阪、拠点の拡充でソースリンクの『アグレッシブさ』にさらに拍車がかかりそうだ。
新規案件開拓の課題は「発注ナビ」で解決!システム開発に特化したビジネスマッチング
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