Wur株式会社は、東京都渋谷区に本社を置く「クリエイティブカンパニー」です。システムやアプリの開発はもちろん、「新規事業、新規サービスの立ち上げ」への支援に特に注力する同社は、ビジネス設計からシステムの企画、設計、デザイン、開発のすべてを担い、お客様の事業成長をパートナーとして伴走します。今回は代表取締役の閏間 莉央氏に、お客様の新規事業や新規サービスの立ち上げ支援で心がけていること、Wurの強みや特長などについてお話を伺いました。
ゼロから始まったご相談でも事業やサービスとして成り立つように、入念にリサーチしお客様と一緒に考えて設計していく
―― システム開発だけでなく、お客様の新規事業やサービスの立ち上げ支援を得意としているのが御社の特長です。他のシステム開発会社とは違う御社の強み、差別化のポイントですね。
Wur 閏間氏 はい、今では「こんな感じの新規事業を作りたい」とぼんやりしたイメージを持ってご相談いただくケースもだいぶ増えてきました。そういったお客様に対しては、「それはどんな人たちに向けたサービスですか」といった本当にゼロのところからお話を始めて、事業として形になるようにご支援していきます。当社で事業のシナリオをある程度作り、「こういう課題を解決していきましょう」とか、「こういったシステムが必要ではないでしょうか」とご提案をしていきます。
―― ぼんやりとしたところからでは、必要なシステムを開発してビジネスをかたちにしていくのが大変なのではないかと思いますが、どのように進めていくのでしょうか。
閏間氏 大きく分けてユーザー視点とビジネス視点という2つのアプローチがあります。
まずはヒアリングをする中で「現状の企業課題とプロジェクトの目的、ターゲット」を明確にしていきます。
「既存ユーザーに使われるサービスを作り、メイン事業の〇〇購買に繋げたい」など目的があったとしても、ソリューション案がなかったり、あったとしても実際にユーザーに使われるのか?というところの検証が必要なことがあります。
実際にターゲットとなりうるユーザーにアンケートや1対1のインタビューをしながら、どのようなソリューションを提供すれば、ビジネスの成功確率を上げることができるのかを検証していくような形です。
これらの調査から行う場合、1ヶ月〜2ヶ月半程度かかり、その後ワイヤーやデザインに落とし込んでシステム開発に入っていくような流れとなります。
お客様との意識合わせを徹底。「使ってもらえるシステム」を作るために、設計をしっかり行ってから開発に着手
―― 「ビジネス設計」「UIデザイン」「システム開発」のステップがあるのですね。それぞれのステップでは、どんなことを重視されていますか。
閏間氏 新規事業を成功させるためには、どんな技術を使うかよりも、何の課題を解決するかが大事になってきます。このため、上流の「ビジネス設計」ではお客様と課題の認識合わせをして、納得できるものをちゃんと作れるように設計することを大切にしています。
「ユーザーに本当に使われるもの」を考える上でも、上流の認識合わせは大事だと考えます。そして、次のステップは画面の使いやすさ、「UIデザイン」です。ビジネス的にはユーザーの課題に合う優れたサービスだとしても、見た目が悪く使い勝手も悪ければ、使ってもらえないことになります。当社は、UI/UXデザインをしっかり吟味して作れることも強みです。それから本格的に開発に入っていきます。
当社のメインの事業はシステム開発ですが、制作したシステムやアプリの満足度が低いとせっかく作っても使われないことになります。そうならないためにも、しっかりとした設計とデザインをすることを心がけています。
もうひとつ心がけていることは、お客様と一緒に伴走型、並走型で取り組んでいくということです。実際、お客様からは「企画を具体的に詰めていく人材が社内にいないので、その部分を一緒にやってほしい」というご依頼も多くあります。
―― お客様の会社の一員のようになって、ご一緒にペルソナやカスタマージャーニーを考えていくこともできるのですね。その視点ではシステム開発会社というより、コンサルティング会社が競合になるのではないかと思います。競合他社と比べたときに差別化できるポイントは、どんなところでしょうか。
閏間氏 新規事業立ち上げに伴うご相談には、いわゆる経営コンサルや戦略コンサルがマーケット視点から「この領域が開いている、ここからやっていきませんか」といったアプローチをすることが多いと思います。一方、当社のやり方は戦略コンサルとは異なります。当社は「定性調査」を大事にしていて、実際にユーザーの話を聞いたりアンケートを取ったりします。実際にユーザーが業務などで使っている姿を見ながら、デザインもユーザー視点で考えていきます。そのデザイン設計とビジネス設計の両方ができるのは当社の強み、差別化ポイントです 。
「ビジネス」と「デザイン」と「システム」、3つを掛け合わせて考えることができる強み
―― ユーザー視点のデザイン設計と、マネタイズできるビジネス視点との融合。もう少し詳しく教えていただけますか。
閏間氏 まずは、ユーザーに使われることが大事ですからデザイン視点は重要です。とはいえ、事業としてはただ使われるだけではダメです。利益を出して事業として成長させることが重要ですから、マネタイズもビジネスモデルも、市場のリサーチも重要です。当社では、デザイン視点とマーケティング視点両方を踏まえて、上流からのコンサルを行っています。加えて、テクノロジー視点。この3つをちゃんと持っている会社は、意外に少ないと思います。
―― テクノロジーは開発パートナーが担当するコンサル会社もありますが、1社で全て提供できるところは、確かに少ないかもしれないです。それが御社の強みなのでしょうね。
閏間氏 ビジネスが成功するサービスにすることを提案できる点は、評価いただいていると思います。発注ナビのお客様からも「ヒアリングで話したことをしっかり汲み取って、ビジネスのところも考えてくれた」とお褒めの言葉をいただきました。「『クレカの決済システムで安いところありますか?』と聞いても、他社は何も提案してくれなかった。御社だけが提案してくれた」とも言われました。
課題が何かを見出し、どんな業種・業態にも対応が可能。初めてのことでも難しいことでも積極的にチャレンジ!
―― 御社としては、新規事業や立ち上げ支援のようなきっかけから、お客様のお話を聞いて必要なシステムを作る展開を理想とされているのですか。
閏間氏 そうですね。当社の強みが活かせるのはそのような部分だと考えています。
―― 新規事業の立ち上げ支援として、得意な業種・業態はありますか。
閏間氏 ヒアリングする中で課題を見出せれば、どんな業種・業態向けのシステムでも、toBやtoCにもかかわらず開発できます。過去に対応した不動産業のシステムも、当社は経験がなかったところから、業務知識や専門的な計算も学ばせていただきながら、お客様と一緒に進めて実装していきました。難しいことにも積極的にチャレンジする姿勢が大事です。
ただ、ご依頼はtoBのケースが多いので、当社の実績を活かしたアドバイスができる幅が広いのはtoBです。ビジネス設計も含めてご支援させていただくケースが多いです。
―― 新規事業やサービスを立ち上げるときに、御社にご相談いただくお客様のよくある課題はどのようなものですか。
閏間氏 「作りたいものはあるけれど、何をどのように進めて行ったらいいか分からない」という声が多いですね。
「他の開発会社に相談したけど、言われたことしかやってくれない、もう少し一緒にビジネスを考えながら作ってほしい」と不満や失敗があったことで、当社に相談が流れてくることもあります。
―― こういう会社は成功する、こんな考えの会社は難しい、のような傾向はありますか。
閏間氏 特に上流部分に関しては当社に丸投げするのではなく、パートナーとして一緒にディスカッションしながら作り、併走することを希望されているお客様だと、うまくいくと感じています。
―― 業種・業態こだわらないということでしたが、最近多いご相談の傾向があればお聞かせいただけますか。
閏間氏 マッチングサービスや、複雑な業務設計・担当者の体験が重要になってくる業務システムを依頼いただくことが多いです 。
機能が複雑で多くなるようなシステムやサービスは特に、情報設計やUIデザインが重要になってくるため、弊社の強みが重要になり、選ばれることが多いのではないかと思います。
企業にもよりますが、既存のユーザー様へかゆいところに手が届くサービスを提供しながら、ユーザー様の行動データを取得して、アップセルを狙っていくようなものも増えている印象です。業務上のマーケティングツールになり、ユーザー様への価値提供にもなるものですね。
AI系も増えています。不動産のシミュレーションではAIを使いました。カテゴリーとしてもAIを活用したビジネスは増えてきています。
―― 御社は開発工程に、オフショア拠点もお使いであるとお聞きしました。新規事業の支援に関しても、リーズナブルに開発できることになりますか。
閏間氏 一般的なシステム開発のような「1回3ヶ月で作って、リリースして終了」ではなく、新規事業のシステムは、リリース後も継続してブラッシュアップしていくことで価値が高まり、新たな価値も生まれていくと考えています。この過程で、金額がネックになって断念する企業様が多かった経験上、当社はオフショア開発の選択肢を見つけたという背景があります。高品質をリーズナブルに、パートナーとして継続してご支援できることが、オフショア開発を提供するメリットとなると考えています。
―― 事業を立ち上げておしまいではなく、継続的なフォローアップができるのですね。
閏間氏 サービスをリリースしたあと、別途LPを作成してマーケティング支援するケースもあります。Googleアナリティクスを導入してユーザーの行動を計測しながら改善していくご提案もできます。社内にエンジニアを抱えなければできないこと、外部だけれどパートナーとして一緒に成長していける、そんな存在でありたいと思います。
―― 今後ターゲットにしたい分野、攻めていきたい方向性など、今後の展望をお聞かせください。
閏間氏 このサービスがあると世の中が良くなるだろうな、使う人たちの業務がラクになるだろうなと思えるプロジェクトに参画したいですね。それから私自身は、世の中を変えていきたい人やチャレンジする人を支援するのが好きなので、ビジョンがあって何かを実現していくためにサービスを作りたい人に、いいものを作って提供していきたいです。
当社は、指示されたものをただ開発するだけの開発会社ではありません。お客様のビジネスをできるだけ成功させる、「パートナーとして一緒にやっていきます」というのが当社の強みです。
ビジネスとデザインとテクノロジー3つの融合があることが強みであり、そこが他社とは大きく違う点です。そこをどんどんアピールしていきたいですね。