発注ナビは、一度の相談登録で複数の開発会社を無料で探すことができるBtoBマッチングサービスだが、追加依頼などの便利な機能を使いこなせていない企業は意外に多い。たとえば、最初に5社の紹介を依頼し、さらに追加で5社の紹介を依頼する……といったことも可能だ。追加の紹介依頼を含めたこれらの機能は、相談登録後に開設されるマイページ上で簡単に使うことができる。
より多くの会社を比較検討して候補を選定するには時間と手間がかかるが、ポイントを押さえることで無駄を省き効率的に選定できる。発注ナビの利用は今回で4回目という在宅医療com株式会社の出塚豪記氏に、過去の経験から導いた発注ナビの”使いこなし術”について聞いた。
個人ではなく企業との取引を前提に、BtoBの発注ナビを選択
―― どのような経緯で在宅医療の分野に関わるようになったのでしょうか。
在宅医療com株式会社 出塚氏:地元北海道の医療機関で11年間放射線技師を務めたのち、SEを目指して医療系IT業界に飛び込み、20年近く、医学書の電子配信サービス立ち上げとその事業化に取り組んできました。その後、一般生活者向けの医療系メディア企業で、在宅医療に関する記事を任されたのがきっかけです。複数の先駆者的なドクターにインタビューを重ねる中で、在宅医療については『高齢者のニーズや関心が高い一方で、医療機関や自治体からの情報提供・発信が極めて少なく、サービスの存在自体知らない人が多い』という現状を知りました。こうした情報のギャップを埋めて、ユーザー(患者)が気軽に在宅医療を利用できるようにしたいと考え、医療系メディア企業を2024年7月に退職し、自身での創業(在宅医療com株式会社)に向けて動き出しました。
―― 今回発注ナビを利用した目的や理由について教えてください。
出塚氏:先ほどの課題に対するソリューションとして『おうちde医療』を2024年9月にローンチしましたが、これは、届け出のある約1万7000の在宅療養支援診療所・病院をWeb上で検索できるサービスとしてスモールスタートしたMVP(※1)です。最終的には、診療所・病院と患者だけでなく、訪問看護ステーション、訪問歯科や訪問薬局、ケアプランセンターなど在宅医療に関わるすべての関係者をつなぐプラットフォームを目指しており、今回はその目標に向けた次のステップとして、発注ナビで開発会社を探してサービスの機能を拡張することにしました。MVPのサイトは、クラウドソーシングサービスを利用し、個人のエンジニアに依頼してオフショア開発したのですが、スムーズなコミュニケーションが難しかったり、突然、追加開発依頼時にエンジニアと連絡が取れなくなってしまい、別のエンジニアを探してお願いせざるを得なくなったりし大変苦労しました。その経験から、今回は個人ではなく企業に依頼したいと考え、BtoBのマッチングサービスである発注ナビを利用することにしました。
※1……Minimum Viable Productの略で顧客に価値を提供できる最小限のプロダクトのこと
追加紹介依頼で10社を対象にじっくり比較検討し、理想のパートナーを選定
―― 発注ナビについては過去に利用実績があったとのことですが……。
出塚氏:はい、10年ほど前、前々職で医学書の電子配信サービスを立ち上げる際に利用したのが最初です。当初、電子書籍の配信サービスで実績のある開発会社を手当たり次第検索したのですが、時間も手間もかかって大変でした。そんななかで発注ナビの存在を知り、手詰まりかと思いつつも利用したところ、複数の開発会社を紹介いただき、そのなかの1社にお願いしました。福井県の会社なのですが、スムーズに開発が進み本当に助かりました。以降、開発会社を探すならまずは発注ナビで探すようにしており、これまで3回ほど利用していて今回が4回目になります。
―― 今回の利用ではどのような成果が得られましたか。
出塚氏:法人登記を終えた11月初旬にWebフォームから相談登録をして、翌営業日に5社を紹介いただきました。それぞれとコミュニケーションをとったものの決め手に欠けたのと、予定していた年末までの業者選定まで時間的に余裕があり、もう少し対象を拡大してじっくり比較検討したいという理由から、追加で5社を紹介いただき計10社から選定を進めました。その際も管理画面(マイページ)から簡単に追加依頼ができたので非常に便利でした。最終的に、最初に紹介いただいた5社のなかの1社に決めたのが12月29日でした。決め手はレスポンスの良さとスムーズなコミュニケーションです。20名くらいのSIerで、最初の打ち合わせには社長さんとエンジニアが参加され、契約後は年末年始にもかかわらずすぐにサーバを用意いただくなど、あうんの呼吸でサクサクと進みました。今回依頼した会社は宮城県にあるのですが、ニアショア開発ならではの費用感も決め手となったポイントのひとつです。開発会社を全国規模でネットワークする発注ナビだからこそ、こうした発注を実現できたと思っています。
発注内容や予算を具体的に提示したうえで、コミュニケーションを重ねるのがポイント
―― 発注ナビを利用するうえでのコツなどあれば教えてください。
出塚氏:まずは、基本的なことですが発注内容をできるだけ明確化して提示することです。そうすることによって、よりイメージに近い開発会社のエントリーにつながります。私の場合、過去のキャリアを通じてRFP(※2)を作成することができたので、開発会社の方はどういうスキルや経験が必要なのかイメージしやすかったのではないでしょうか。RFPが書けない場合も予算感については提示するべきで、発注者と開発会社の間で認識のギャップが減り、手間を省くことができますから、その分対象を拡大してじっくり比較検討することで、理想の業者選定ができるようになります。今回も、多い会社とは3~4回ほどコミュニケーションを重ねて、レスポンスや当方との相性、熱量の変化などをじっくり見極めて選定しました。実際、コミュニケーションを重ねるほど”ツボどころ”が見えてきて、コミュニケーションの精度が向上していく感覚もあり、欠かせないプロセスだったと思います。
※2……Request for Proposalの略で、システムの目的や概要、要件や制約条件などを記述した提案依頼書のこと
―― 最後に、今後の計画やビジョンなどあれば教えてください。
出塚氏:情報プラットフォームという意味では、在宅医療に関するお悩み相談サービスやクチコミのデータベースなどにより、在宅医療を必要とする高齢者の“?”を解決するサービスで世の中に貢献していきたいと思います。今回つながった開発会社さんとのパートナーシップを深め、引き続き機能拡張を進める計画ですが、将来的に会員のデータベースを持ったり、掲載する記事や施設の数が拡大したりといったことを想定すると、現状のWordPressでは荷が重く、スクラッチ開発が必要になる可能性があります。それにともない、新たにパートナーを探さなければいけなくなった場合は、また発注ナビを利用したいと思います。
――ありがとうございました。
使ってみてわかった、発注ナビの便利なポイント
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追加の会社紹介を受けたい場合、管理画面から簡単に依頼できる
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全国規模のネットワークを活かして、費用感の良い会社やコミュニケーション能力の高い会社を紹介してもらえる
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