こんにちは、発注ナビです。これまで様々なアプリ開発プロジェクトを成功させ、人気有名アプリを数多く手がけてきたアプリプロデューサー・勝野 成基さん(株式会社セットアップ 代表取締役COO)へのインタビュー、今回が最終回です。
自社のマーケティング活動のなかで、アプリを有効活用しているスルガ銀行さんの事例も登場。デジタルマーケティングに取組む企業・団体の担当者様必見の情報です。
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②アプリは今後、企業にとって欠かせないマーティングツールになる。
従来のプッシュ通知のデメリットを解消した「Funnel Push」
発注ナビ:
アプリを利用した集客・販促手段として、多くの人が今思い浮かべるものに「プッシュ通知」があります。ユーザーの立場からすると、プッシュ通知は便利だと思う反面、「配信の内容やタイミングが合っていない」と感じることがあるのも事実です。
勝野さん:
プッシュ通知は、自社の見込み客に対して非常に良いレスポンスが得られる効果を期待できます。しかも、ダイレクトメール(DM)と違ってユーザーの住所や名前などの個人情報を取得する必要がなく、メッセージの配信コストも格段に低いです。とはいえ、スマホのプッシュ通知にはユーザーが敏感に反応するため、メッセージを送る回数やタイミングに配慮しないと、ストレスを与えてしまいダイレクトメール(DM)以上にユーザーから敬遠されてしまいます。
発注ナビ:
実際に何かのアプリをダウンロードしてプッシュ通知を許可すると、タイムリーにお得な情報を得られることもよくありますが、興味のないメッセージがやたら送られてくると感じることも正直ありますね。
勝野さん:
アプリのプッシュ通知は本来、ユーザーに対して有益なメッセージを適切なタイミングで送るためのもの。プッシュ通知を利用している企業からは、「ユーザーを絞り込んで、通知の内容やタイミングを選んで配信できるようにして欲しい」という要望が以前から非常に多く出ています。
発注ナビ:
それぞれのユーザーに合わせてプッシュ通知の内容とタイミングを厳選する仕組みが必要です。勝野さんが代表取締役COOを務めるセットアップ(東京都港区本社)が提供中の「Funnel Push」は、まさにそのためのサービスですね。
勝野さん:
マーケティングツールとして高いポテンシャルを持つプッシュ通知機能を、企業の皆様にもっと有効活用していただきたいと思い、企画開発したのがこのサービス「Funnel Push」です。
最大の特徴は、デバイスではなくユーザーを母数にして情報収集し、メッセージ配信を行えること。現在は1人でデバイスを複数所有している人が少なくありません。デバイスを集計母数としてユーザー情報を収集すると正確なデータにならないのです。そこで「Funnel Push」は、デバイスではなくユーザーごとに情報を収集してメッセージ配信できる独自の技術を開発しました。
発注ナビ:
ということは、「プッシュ通知の内容が自分の欲しい情報とは違う」「プッシュ通知の送られてくるタイミングが悪い」といったこれまでの問題を解決できますね。
勝野さん:
そのとおりです。「Funnel Push」では、アプリのユーザーを5つの切り口から解析します。まず性別や生年月日、国などによる「属性解析」。アプリをいつ利用しているかという履歴による「活動解析」。通知メッセージへの開封率や反応率による「反応解析」。位置情報による「拠点解析」。そして最後に、購買行動にもとづく「購買解析」です。
その結果、ユーザーをきめ細かくターゲティングしてメッセージ配信できるため、「欲しい情報と違う」「配信タイミングが悪い」といったユーザーの不満を解消でき、それと同時にメッセージへのレスポンスも格段に向上します。
「お客様に関する興味深いビッグデータが集まった」との声
発注ナビ:
実際に「Funnel Push」を導入している企業のなかで、どのような成功事例がありますか?
勝野さん:
以前からデジタルマーケティングに対して先進的な取組みをしているスルガ銀行様が、「d-wallet(未来設計、資産・家計管理アプリ)」に「Funnel Push」を導入しています。
同行を長年利用されている重要顧客に対して、内容とタイミングに十分配慮したていねいなメッセージ配信ができているほか、「お客様に関する興味深いビッグデータが集まった」という声をいただいています。
従来の銀行業務においては、個人のお客様に関する情報を得られる場といえば窓口の対面接客などが中心でした。しかしアプリをリリースし、「Funnel Push」を活用したことにより、「従来の接客では得られなかった貴重な情報が得られている」と大きな可能性を実感していただいていいます。
【スルガ銀行「d-wallet」】
http://www.d-laboweb.jp/d-wallet/
昨年、「ビッグデータ」と「AI(人工知能)」はIT業界注目の2大キーワードとなりました。スマートデバイスとスマホアプリの普及によって今では企業が自社の顧客に関する貴重なビッグデータを、以前より簡単に低コストで収集できる時代になりました。
今年以降、さらにAI(人工知能)の技術が発達することにより、それらのデータをスピーディに高い精度で解析し、その結果を集客や販促に活かせる時代となります。
たとえば3年後、5年後に自社の売上で大きな成果を出すため、マーケティングツールとして高いポテンシャルを秘めたアプリの活用を今改めて考えたいものです。