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キーワードは「地方創生」。全国にラボを展開し、お客様の身近で「顔が見える」開発を実践するBTMの目指すもの

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代表取締役社長 兼 CEO 田口雅教氏(左) BTM東京本社(右)

受託開発、SES、自社メディアの運営と事業を幅広く展開する株式会社BTM。「日本の全世代を活性化する」というミッションを掲げ、全国に開発拠点(ラボ)を展開する同社の視線の先には、どんなゴールが見えているのでしょうか。同社の代表取締役社長兼CEOの田口 雅教氏と、ITService事業本部Webシステム局ISWSグループ長向井 勇喜氏にお話を伺いました。

 

全国にラボを展開し地方と、地方のエンジニアを活性化する

―― 受託開発、SES、メディア事業の3つを柱に事業を展開していますね。まずは、BTMの特長や強みについて、お聞かせください。

BTM 田口氏 はい。受託開発とSESで考えると、社内のエンジニアの稼働率は半々くらい。どちらも伸ばしていきたいと考えています。メディア事業は、「ジョブリーフリーランス」というサービスを中心に展開しています。これはITフリーランスと求人のマッチングサイトです。当社が持つマッチングシステムの開発ノウハウを活用しています。

また、インフラを手がけているのも特長です。当社には、要件定義から基本設計、詳細設計、プログラミング、実装、そしてインフラまで、ようはシステム開発の全工程に精通したフルスタックエンジニアがいるので、インフラからシステム開発まで一気通貫で請け負うこともできます。

 

―― 「日本の全世代を活性化する」というミッションを掲げていることもユニークです。システム開発を手がけながら、どう「日本の全世代を活性化する」のか気になるところです。

田口氏 当社は、「地方創生」をキーワードにIT事業を展開しているシステム開発会社なのです。じつは3年以上前から東京、大阪、福岡の3拠点を繋いでリモートでのシステム開発を展開し、リモートでのシステム開発のノウハウやスキル、経験値を蓄積してきました。そこで、昨年から全国に「ラボ開発の拠点」を7拠点立ち上げました。

そのラボをベースに、地方に眠っているポテンシャルの高いエンジニアを発掘し、システム開発の機会を提供しています。これが、当社がシステム開発会社として考える「日本の全世代を活性化する」ひとつの手段です。言い換えれば、「地方の優秀なエンジニアを活性化する」取り組みです。

実際に全国で採用活動を行いましたが、地方には本当に優秀な人材、エンジニアが「眠って」います。東京・大阪・福岡など大都市圏で受注したシステム開発の案件に、地方のエンジニアにもラボで開発に参加してもらったり、リモートで参加してもらったりすることで、その地方と、その地方に在住するエンジニアも活性化したいのです。

そうした当社の考え方に共感して入社したいという人がとても多くいることにも驚きました。ある求人・就職関連のメディアでは、昨年のエントリー数が日本一になったほどです。それだけ多くの地方の人材に、当社のミッションの重要性をご理解いただき、共感いただき、「一緒に働きたい」という意思を表明していただいたのだと思っています。その意味では、当社の地方戦略は間違っていなかったと再確認しています。

社内イベント

社内イベントの様子

 

ラボの全国展開は、地方のお客様のニーズにもマッチ

―― 「地方創生」をキーワードにしたシステム開発は、お客様のニーズにもマッチしていると感じます。地方のお客様にとっては、身近で「顔が見える」システム開発会社にシステムを任せたいという要望も多いのではないでしょうか。

田口氏 確かにそのニーズも強いですね。地方のエンジニアを活性化することは、お客様にも喜んでいただけていると感じています。そのことを端的に示す事例として、もともと当社が二次請けで参画していたシステム開発プロジェクトで、お客様が当社を一次請けに指名してくださる案件が増えてきました。

お客様の身近で、しかもしっかりとした技術力を持つエンジニアをアサインして開発にあたってきた当社の姿勢が、お客様から信頼いただけたものと自負しています。それまで一次請けだったSIerなどシステム開発会社からも、「BTMに任せたほうがお客様のためになる」と、ご判断をしていただきました。とてもありがたいことです。

当社は以前から、お客様の要望をユーザー目線で徹底的に考えて、お客様の立場になって開発することにこだわってきました。二次請けであってもお客様とのミーティングには必ず参加させていただき、直接に話す機会を作るように努力してきました。そういった、当社の姿勢や思いが伝わってきているのかもしれません。

 

―― 地方創生という視点をさらに広げて海外への展開はどうお考えですか。BTMは「アジアの注目企業100」に選ばれています。ラボ開発の拠点を海外にも展開するのでしょうか。

田口氏 海外にラボを立ち上げることも考えています。ただし、オフショア開発の拠点を作るのではありません。根底には、あくまでも日本を元気にするために海外をうまく活用しようという考え方があります。海外にラボを立ち上げて、海外で経験を積みたい日本のエンジニアを送り、技術や語学力を修得してもらう。そういう拠点としてのラボを作ろうと考えています。

当社がラボを展開する目的の第一は、まず、国内での展開のように、地方の現地で優秀なエンジニアが生き生きと活躍できるようにすること、それで地方と地方のエンジニアを活性化します。それが当社のラボ事業の第一段階。

第二段階は、国内の地方でも海外でも、現地のラボが地域に根付いた活動をすることです。その地域で、その地域のためになるシステム開発を手がける、その地域の活性化に必要なシステムを開発する、その地域の活性化にITで貢献する、など可能性はさまざまです。

それを実現するために、まず必要となるのは情報収集です。国内の地方でも海外でも、現地を活性化させるために必要な取り組みは何なのかといった情報をきちんと収集して、それに対して、システム開発で貢献していくのが第二段階の目的です。

 

リモート開発だからこそ、エンジニアの自発的なコミュニケーションが重要

―― なるほど、現時点では第一段階の地方と地方のエンジニアの活性化が進行中といったところですね。第二段階にステップアップしていくにも、やはり、根底には技術力がないとなりません。BTMの技術力、システム開発の強みについてお聞かせください。

田口氏 先にもお話をしましたが、東京・大阪・福岡など大都市圏で受注したシステム開発案件に地方の優秀なエンジニアにリモートで参画してもらうことは良くあります。その際、忘れてはならないことは、お互いの顔が見えないままで、チャットのやり取りだけでは相手が何を考えているか分からず、お客様が不安を覚えることになりかねないということ。

こうした不安感を払拭するためには、「エンジニアが自発的にお客様とコミュニケーションをとること」が大切です。具体的には、メールやチャットだけでのやり取りに不安を覚えるケースでも、ひとこと電話をかけるだけでお客様は安心します。そういう意味では、ITにもアナログな部分は多分にあると感じています。

また、SES事業を展開している多くのシステム開発会社では、受け身のエンジニアが多い。良い意味で使い勝手の良いエンジニアは大切かもしれませんが、待っているだけでは、けっして良いシステムは構築できません。お客様のITリテラシーがそれほど高くない場合には、明確な要望をいただけないケースもあるでしょう。そうなると、「常駐していても、仕事がないから何もしない」エンジニアが増えてしまいます。実際、当社にも「あるシステム開発会社のSESを受け入れたが、何もしてくれない」といったお悩みをお話しになるお客様も多くいらっしゃいます。

大切なのはエンジニアの自発的なコミュニケーション能力です。自ら「あれをやろう」、「これをやりませんか」とお客様に発信して、現場を拡大・成長・発展させていく力です。当社では、エンジニアに、こうしたコミュニケーション力や発信力を養うことを重視した教育を実践しています。

 

―― コミュニケーションの力は、システム開発における要件定義、いわゆるお客様とのファーストコンタクトのときに、いかにお客様の課題やご要望を聞き出せるか、にも直結すると思います。

BTM 向井氏 はい。コミュニケーション力はシステム開発のすべてにおいてとても重要です。一般的にシステム開発の現場では、納期通りにシステムが完成しなかったり、納品できてもお客様のご要望を満たしていなかったりといったトラブルの発生を耳にします。その多くは、お客様とのコミュニケーション不足に起因しています。

また、そういったトラブルが発生した際に、社内でリカバーできる体制がないことも、多くのシステム開発会社が抱えている問題です。その点、BTMは、東京・大阪・福岡の主要拠点をはじめ、全国のラボに優秀なエンジニアがいます。拠点間で支援したり、カバーしたりできるようになっているので、最終的にお客様に迷惑をかけることはありません。これまでもそうした問題は殆どありませんでした。技術と品質には自信と責任を持っています。

お客様の中には、地方に拠点があり、そこで開発しているとご説明すると「ニアショア=安価なシステム開発会社」と思われてしまうこともあります。しかし、弊社は一般的なニアショアの開発会社とは、スタンスが異なっています。

BTMの地方のラボには、プロジェクトリーダー経験者をはじめ非常に高い技術力を持つエンジニアがいて、一定以上の品質とお客様の要望を満たしたシステムを納品しています。そこが強みです。

複数の拠点が遠隔でチームを作って、プロジェクトを回していくことも日常的にやっています。例えば、札幌や水戸、甲府など東日本のラボが東京の受託チームと連携して一緒に仕事を進めるなどです。週に1回の受託会議では、全員が繋がって密にやり取りをしています。距離は離れていますが、あたかもワンチームのように機能していて、人手が足りないとか技術的に分からないことがあれば、互いに支援し合える体制ができています。

拠点を跨いだリモート会議

拠点を跨いだリモート会議

 

ラボを拠点に、今後は現地に特化したサービス展開を目指す

―― 各エンジニアの技術力が高いのはもちろんですが、拠点が連携することによって生まれる総合力も高いということですね。

向井氏 単に技術が優れているだけではなく、お客様の業務やビジネスの目的についてしっかり考えた上で、必要とされるシステムはどういったものなのか、要件を整理できるレベルのエンジニアがいるのが強みです。言われた事だけをやるというマインドは持っておりません。

いいものを作りたいからこちらも積極的に意見を出しますし、お客様に対しても率直な意見も述べさせていただきます。それは、お客様の利益を考えてのことなので、そこを理解していただいて一緒にいいものを作ろうというスタンスの方が合っていると思います。

そのためまずは、このサービスをなぜ作りたいのか、このサービスを作ることによって社会にどのようなインパクトがあるかなど背景を聞いてキックオフします。お客様のビジョンを大切にし、ビジョンに共感できるかも重視しています。そうすることでエンジニアも、自分の仕事が世の中にどのような貢献ができるかわかり、やりがいやモチベーションに繋がります。

 

―― 各ラボで、コミュニケーション力と技術力に優れたエンジニアを育てている御社ですが、今後はどのような事業展開を考えていますか。

田口氏 まずは、冒頭にもお話したように、ラボで日本全国を活性化する取り組みを徹底します。地方に対して東京の最新技術を使った開発を紹介することで、現地の人たちがエンジニアって面白いと感じ、現地のエンジニアが自立するようになる、そんなプラットフォーム作りが第一弾です。

そして、第二弾は「アウトプット」です。地方の現地の学校、教育機関、企業に向けて、当社がこれまでに培ってきたITに関する知見をアウトプットすることを考えています。小中学校でもプログラミング教育の必修化となったので、ティーチングアシスタントを派遣してプログラミング事業をサポートすることなども考えています。

こうした取り組みが地方の活性化に結びつくと考えています。そして最終的には、現地のラボが現地に根付いたサービスを提供するのが目標です。

 

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