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主力のシステム開発に加えてパッケージソフト開発と教育・研修事業の相乗効果で事業拡大に注力――株式会社データープロセスサービス

データープロセスサービスの扉絵

創業1974年と長い歴史を持つ独立系システム開発会社の株式会社データープロセスサービス。これまで同社は、制御システムと業務システムのシステム開発を主軸に事業を展開してきました。そんな骨太のシステム会社という一面を持つ一方、2014年頃からはパッケージソフトの開発や、教育・研修事業にも力を注ぎ始めました。同社の営業部ソリューショングループの中山 喜一氏に、事業を拡大した背景や、事業を拡大したことでどのようなメリットがあったかについてお話を伺いました。

 

システム開発に加えてパッケージソフト開発と教育・研修事業にも注力

―― 御社は、独立系システム開発会社として長い歴史を持つ会社です。50年近い歩みを支えてきた理念とはどのようなものですか。

データープロセスサービス 中山氏 デザインに大切なのは細かな手法やテクニックではなくマインドだと考えています。そのマインドとは「使っていただく方々に、どうすれば喜んでいただけるのか」あるいは「どうすればお客様の課題を解決できるのか」ということ。言い換えるなら「ユーザーファースト」という考え方です。そこをきちんと押さえておくことで、ブレのない一貫したデザインが行えるようになります。

 

―― パッケージソフトの開発や教育・研修事業を含むITソリューション事業に注力していったのは近年のことですか。

中山氏 創業当初から制御システム開発と業務システムをメインに事業を展開してきましたが、2014年ごろからパッケージソフトの開発と教育・研修事業に力を入れ始めました。

ITの歴史、ICTが進展してきた流れを見ると、以前はコンピュータやシステムといった、いわゆるITはいわば「特別なもの」で会社に導入されても、それを使う人たちは限られていました。それが、近年、ずっと身近になり、今ではICTなしでは会社の業務が立ち行かない企業がほとんどでしょう。それだけ身近になったことで、純粋にスクラッチでがっちりとしたシステムを開発するという案件が将来的に増え続けるとは考えにくいと感じていました。

今後は、もっと簡単にシステムを作れるようになり、場合によってはお客様企業がSaaSで提供されているサービスを組み合わせるだけで、大半の業務のICT化が済んでしまうようになるかもしれません。そんなことを考えたとき、システム開発一本では当社の事業を拡大していくのは難しいかもしれないと思ったというのがあります。

そこで、これまでのシステム開発の実績、経験、蓄積した技術力をベースにパッケージシステムを開発し、それを広くさまざまな業種・業態のお客様に購入・導入していただけるようにしたらどうかと思い、パッケージシステム・ソフトの開発に踏み出しました。すでに、勤怠管理ソフトや運送会社向け運送・倉庫管理システム「Mercury(マーキュリー)」を開発しています。

勤怠管理のソフトは、社内で使うために作ったものですが、使い勝手が良かったので一般販売を始めました。最初は一般企業向けにと考えていたので、機能としてはタイムカードを記録するだけ、いわば9時~5時までの勤務時間内での出退勤を管理する機能だけだったのです。ところが、教育委員会や学校から「教職員の勤怠管理ソフトとして使えないか」という相談が増えてきました。近年、学校の先生たちの残業時間の多さが問題になってきていますよね。教育委員会からは、通常の勤務時間外にどれだけ働いているのか、その時間を集計したいという要望が強く、その機能を追加したバージョンを開発して売り出しました。カスタマイズで個別に対応することも考えましたが、それでは導入費用が高くなってしまいます。最初からパッケージソフトの機能として組み込んでしまうことで、導入する学校などの費用負担を最小限に抑えられます。そんな点もご評価いただき、現在、さまざまな教育機関で使われています。

 

―― 最初は社内向けに作り、使い勝手がいいので市場に出してみたら、学校向けという当初は想定していなかったところからの引き合いが増えた、と。ヒット商品が生まれる理想的なパターンともいえるような気がします。運送会社向け運送・倉庫管理システムも同じ流れでしたか。

中山氏 「Mercury」は、また別の流れで商品化しました。ある物流業のお客様から、その企業向けに運送や倉庫管理のシステム開発のご相談をいただき、いざシステムを作ろうとなったのですが、専用のシステムを開発すると費用が高額になってしまうという課題がでてきたのです。

そこで、「出来上がったシステムを一般販売させていただけませんか」と持ち掛けました。当社にしてみれば、作ったシステムを他社にも販売できるなら、そちらで開発にかかるコストを回収することもできるので、お客様にご負担いただく開発費用を抑えることができます。お客様にとってもメリットがありますよね。そうして完成したのが「Mercury」です。

 

有志の若手エンジニアがパッケージソフトのアイデアを出し合う

―― 最初にある特定のお客様向けに開発しようとしていたものが、開発費用などを理由にパッケージソフトとして開発することになる、というパターンもあるのですね。システムを導入したいがスクラッチでは費用がかかる、コストを抑えたいからパッケージソフト化を見据えて開発して欲しいといったリクエストにも応じているのでしょうか。

中山氏 応じたいとは思うところですが、実際にパッケージソフトとしたときに売れるかどうかの判断は当社ですることになります。お客様がパッケージソフト化を見越して、とおっしゃっても、当社が実際にはそう簡単に売れないなと判断したら、なかなか簡単には受けられるものではありません。ただ、ご相談をいただければお話は伺います。その結果、その会社専用のシステムになってしまう場合もありますが。ともかくご相談いただければ業界問わず対応できます。受託開発は広げていきたいと考えているので、ご相談は積極的に受けたいと考えています。

 

―― パッケージソフトをどうやって作るのか、そのあたりを伺います。まずは、「当社には、こういう技術があるからこの技術を生かした製品を作ろう」というシーズからの発想が多いのか、「お客様とのやり取りのなかでこれはいける」というニーズから出発するパターンが多いのか、傾向はどちらですか。

中山氏 傾向としては、お客様から相談があって「これはいける」と思って開発するのが多いですね。この技術があるから作ろうというよりは、お客様からの相談や要望があって開発する、やはりニーズ型です。

 

―― 社内で次の製品についてアイデアを出す会議のようなものはないのですか。

中山氏 当社には年に2回ほど全社員が集まって経営方針などを発表する場がありますが、そこで有志が集まって企画したパッケージソフトのアイデアを発表して、コンテスト形式で競うという取り組みが2021年から始まっています。上位3チームには賞を出しているので、モチベーションのアップにもなっていると思います。

直近のコンテストで上位だったのは、毎日の仕事終わりにその日の業務がうまくいったか、気分はどうだったか、目標通りに業務ができたかなど仕事とか生活面、メンタル的な部分も含めて10項目くらいの質問を出して、それに5段階で答えることでその日のメンタルをトータルに表すアプリです。

自分でコメントも書けて、他の人がそのコメントを見て返事をできるようにして、今、社内で試験的に使っています。ゆくゆくは製品化できればいいと思っています。製品化できるアイデアを募るというのが、コンテストを始めたきっかけです。

 

教育・研修事業ではプログラミング言語研修に注力

―― 御社のもうひとつのユニークな取り組みが、教育や研修の分野にも注力していることです。いつ頃から取り組んできましたか。

中山氏 これも2014年くらいから取り組んでいます。研修を実施している企業に当社の技術者を派遣することから始めて、今はIT業界の新人向け研修などを行っています。プログラミング研修をメインに、要望に応じてオーダーメードの研修も行っています。

 

―― 最近、リスキリングといった言葉をよく耳にするなど、従業員の研修や再教育、学び直しが注目されていますね。ニーズも増えているのではないでしょうか。

中山氏 新人研修に講師を派遣している会社で、研修が終わった後も引き続き新入社員向けのレベルを上げた研修をしてほしいとか、中途社員向けに研修をしてほしいというニーズがあります。あとは、社員がある案件に参加することが分かっているけれど、案件で使うプログラミング言語の知識がないという場合に、事前準備の研修という形で利用してもらうこともありますね。

 

―― プログラミング言語の研修のほかに、新入社員向け、中途社員向けなどの研修メニューはありますか。

中山氏 プログラミング言語の研修が多いです。お客様からは、こういった言語の研修をやってほしいと要望を受けることがありますが、実績としてはJAVAやC言語が多いです。

 

―― 教育・研修事業を展開したことで、御社が感じているメリットはありますか。

中山氏 研修事業を始める前は、当社の新入社員は社内で研修を受けていましたが、コンピュータやIT業界の基本的なところと、C言語の研修がメインでした。社内で独自にやってきた部分がありましたが、他社に講師を派遣することで研修が体系的な内容になったと思います。研修事業で取り組んだことが、自社の研修にも生かされています。

 

データープロセスサービス講師による研修開始時の場面

データープロセスサービス社講師による研修風景

 

システム開発で培った経験やノウハウをパッケージ開発や研修事業に活用

―― パッケージソフトと教育事業を始めて8年から9年経ちますが、これまでの歩みは順調でしたか。あるいは、やってみて新たな課題が見えてそこを改善したいと考えているとか。どんな感触をお持ちですか。

中山氏 まずは、パッケージソフトの事業ですが、勤怠管理については学校の先生の超過勤務という社会問題が重なったというタイミングもあり、売れ行きはよかったです。「Mercury」に関しては、運送会社限定のシステムということで、なかなか厳しいところもあったというのが正直なところです。勤怠管理は、どこの会社でも使えますからね。とはいえ、汎用性のあるものを作ればいいのかというと、当然、競合も多くなるのでそう簡単には言い切れません。汎用性のあるものにするか、業種・業界を限定していくか、パッケージソフトのビジネスは、そこの見極めが難しいと感じています。

教育事業ですが、当社の場合はIT企業向けの研修なので広がるには厳しい部分もありますが、講師の社員が頑張ってくれていることもあって、新入社員研修を受けた会社が次の年も受けてくれるなどリピーターになってもらえるという傾向があります。研修を受けてもらっている会社との繋がりは強くなっていると思っています。

 

―― パッケージソフトや教育事業は、御社の主力事業でもあるシステム開発と有機的に融合していく可能性が多いにあるなとお話を伺って感じました。今後は、研修や教育で繋がりができた企業からシステム開発の依頼をいただいたり、パッケージソフトを導入してもらったお客様に、その使い方とプログラミングの基礎をあわせて教育したり、そんなことも考えられると思います。相乗効果に期待ですよね。

中山氏 はい。そうですね。もう一つ、当社にはベテランのエンジニアが多数在籍しているのですが、そういった経験豊富なエンジニアのシステム開発の知見をパッケージソフトの開発に生かしたり、研修の講師をしてもらったりすることも相乗効果のひとつです。当社のエンジニアたちが長くやりがいをもって勤められる環境を作るという意味でもパッケージソフトの開発や研修・教育の事業をさらに広められたらと思っています。

 

―― 主力事業のシステム開発も含めて、今後、パッケージソフトの開発や教育・研修事業など、御社の事業をどのように発展させていきたいというお考えですか。

中山氏 当社はやはりシステム開発会社なので、まだまだ受託開発の案件を増やしていきたいですね。じつは、これまではいわゆるSESで当社のエンジニアをシステム開発プロジェクトやお客様先に派遣することが多かったのです。大規模で高度なプロジェクトも多く、エンジニアたちの技術の蓄積、経験を積み上げるという意味ではとても有益でしたが、システムのエンドユーザーとなるお客様と直接にやり取りして、ご要望をシステムに反映させたり、当社から技術的なご提案をする機会はそれほど多いとは言えませんでした。

しかし、当社はお客様のご要望をお聞きし、それを踏まえたシステムを開発すること、つまり一次請けの受託開発をするのに十分な実績・経験・技術力を備えているのです。これは間違いないことで、自信を持って言えます。

同時に、本日、お話しをしたようにパッケージソフトの開発や教育・研修事業にも注力しています。今後は、システムの受託開発、パッケージソフトの開発、教育・研修の3つの領域をより拡充し、3つが有機的につながって相乗効果を発揮しながら事業を展開していきたいと考えています。そして、そうした事業展開の中でも、その根幹には「一に人格、二に技術」という企業理念を忘れずに、独立系のシステム会社として、さまざまな業界のお客様からご相談いただければ、幅広く対応していきたいと思っています。

 

■関連リンク

株式会社データープロセスサービス

株式会社データープロセスサービスの実績・特徴・費用例

 

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