
新規にシステム開発会社を立ち上げたときや、自社システムの内製という経験を活かして受託開発という事業に本格的に着手したときなどは、どうやって新規顧客を獲得するかという課題に直面しやすいだろう。システム開発の実績がないと、どこからの紹介も受けられないばかりか、せっかく出会えた顧客からの信頼を得ることも難しい。株式会社インターリユースもそんな課題を抱えていた。フォーム営業やGoogle広告なども試したが、本気度の高い発注者に出会うことはできなかった。そこで発注ナビを利用したところ、発注ナビからの紹介ということで実績がなくても発注者と出会うことができ、同社の強みである課題解決に繋がる提案で信頼を得ることに成功。結果、小規模なシステム開発会社ながらトータルで約5000万円の受注を獲得する成果を上げることができた。同社の取り組みについて、代表の井上 圭一氏と阿野 弥生氏にお話を伺った。
| 社名 | 株式会社インターリユース |
|---|---|
| 所在地 | 神奈川県横浜市都筑区茅ヶ崎中央7-19 |
| 従業員数 | 1 – 30名 |
| 事業内容 | システム開発 |
| 掲載カテゴリ |
- 導入前の課題
中古ブランド品を売買する古物商としてスタートし、EC販売システムを作るようになった。その流れでシステムの受託開発を事業の新しい柱にしようと考えたが、以前の知り合いからの紹介だけでは新規の顧客を獲得することができなかった。フォーム営業やGoogle広告なども試したが、費用感を知りたいという顧客ばかりで、本気度の高い発注者に効率的に出会える方法を模索していた。
- 導入後の効果
中古ブランド品の売買という他の業種からシステム開発に舵を切ったため、当初は実績や紹介がなく新規顧客の開拓が難しかった。しかし発注ナビからの紹介ということでハードルが一つ下がり、実績がなくても発注者と会って話すことができた。ヒアリングではどんな課題を解決したいのか明確にし、それをプレゼンや提案書に落とし込むことで発注者の信頼を得た。結果、受注率は高くなり、1000万円オーバーの大型案件も含めトータルで6件、総額約5000万円もの新規案件を獲得した。
受託開発を事業の柱にしたいと考えたが新規顧客開拓で壁に

代表 井上圭一氏(左)
阿野弥生氏(右)
株式会社インターリユースは、2009年創業の横浜市に本社を構えるシステム開発会社だ。元々、中古ブランド品をインターネットで通信販売する事業を手掛けていたが、当時は、現在のようにShopify(ショッピファイ)やBASE、EC-CUBEなどのプラットフォームで誰も簡単にECを始められる環境ではなかった。特に同社の場合は、『中古ブランド品を扱う』というのが重要なポイントだった。一般的なECでは同じメーカーの同じ型番であれば同じ商品として扱うが、中古品は使用感や痛み具合などコンディションが違えば違う商品となる。つまりは全てが『一点もの』であるために商品情報が膨大となり、商品管理が複雑になりやすいのだ。井上氏は、「当初はExcelで管理していましたが、すぐに管理しきれなくなり、自社内でシステムを開発しました。あくまで自社で管理するために作ったシステムでしたが、当時はネット通販やECが浸透・拡大していく時期でもあったことから同業他社向けにシステムを構築するようになり、そこから『ECに強いシステム開発会社』へと舵を切りました」と説明する。
こうして培ってきた技術力やECに関するノウハウをベースに、同社は現在、ワークスモバイルジャパンやLINEヤフーの提携パートナーとして、LINEの機能を活用した新しいサービスの開発にも取り組んでいる。また、中古品売買に新規参入を検討している企業へのコンサルティングやシステム開発、中古品売買やECショップ立ち上げ支援など、幅広く事業を展開している。しかも同社には、大手システム開発会社で技術責任者や開発責任者を歴任し、大企業向けのシステムのセキュリティやインフラ構築についても経験やノウハウ、技術力を持つエンジニアが多数在籍しているのも強みの一つ。複雑で特殊な仕組みの業務アプリケーションや基幹システムの受託開発にも対応することが可能だ。
こうした特徴を持つ同社だが、上述したようにネット通販事業者や中古品を扱う古物商向けのシステム開発からスタートしている。その頃は知り合いからの紹介(リファラル案件)を中心に事業を軌道に乗せることに注力していたが、井上氏は徐々に、それだけでは新規の顧客が増えないという課題を感じ始めたのだという。新規の顧客を開拓するためにはECの領域に限定せず、もっと幅広い業種・業態のお客様向けのシステム開発にも注力していく必要がある。しかし、どうやって幅広い業種・業態のお客様と接点を持てばいいのか。井上氏は「当時は、そのノウハウがなかったのです」と振り返る。
マッチング方法と成約手数料が発生しない料金体系が選定のポイント
新規の顧客と出会うために、同社はさまざまな営業活動に取り組んだ。自社のホームページに設置した問い合わせフォームに誘導する営業メールを大量に送るフォーム営業をはじめ、Googleにリスティング広告を出してLP(ランディングページ)に誘導する方法も実践したが、新規顧客と出会うことは難しかった。まれにアポイントが取れたとしても、「システム開発の相場感が知りたい」「見積もりだけほしい」などリサーチ目的の顧客がほとんどで、真剣にシステムやECサイトを作りたいという企業とは出会えなかった。「当社はEC関連のシステムを手掛けていた頃から、お客様の業務のどこに課題があり、その解消のためにはどのような機能が必要なのかをお客様と一緒に考え、提案する形でシステムを作ってきました。ヒアリングをして提案するシステムを考えて……となると、見積もり一つ取るだけでも時間と労力がかかります。つまり営業効率が良くなかったのです。そこで、真剣にシステム開発を検討しているお客様と効率的に出会う方法がないか考えました」(井上氏)。こうして同社は、マッチングサービスの利用を検討し、発注ナビの利用を決めた。
発注ナビを選定した理由について、井上氏は『マッチングの方法』と『料金体系』の2点を挙げる。発注ナビ以外のマッチングサービスでは、案件情報に対して『まずは見積もりを出して、安い順に早い者勝ちで決まっていく』という仕組みのところも多い。この方法だと、例えば、重要だが費用がかさむセキュリティ対策などを省くことで、脆弱だが安価なシステムの構築を提案する開発会社が案件を受注してしまうこともある。これに対して発注ナビは、案件情報毎にエントリー期限が設定されており、締め切り期間までに応募してきた開発会社の中から、実際に発注者との商談に進む『紹介企業』が選ばれる仕組みだ。井上氏は、「最初の見積もりありきの早い者勝ちのサービスでは、価格勝負になってしまいます。当社のように時間と労力をかけてヒアリングし、提案書に落とし込むシステム開発会社には、発注ナビのような仕組みがマッチすると感じました」と説明する。
2点目に挙げた料金体系についても、井上氏は次のように語る。「他社のマッチングサービスは、成約金額に対して手数料が取られるだけでなく、追加案件が発生するたびに取られる料金体系でした。発注ナビでは成約手数料もなく、もちろん追加案件を受注しても手数料は取られません。システム開発会社の立場から考えられたサービスだとわかりました」(井上氏)。
さらに井上氏は、発注ナビの料金プランが豊富な点も魅力だったという。同社では、行使する期間を自由に設定できるセレクトプランを選んだ。「案件を受注すると、その翌月から翌々月くらいまで手いっぱいになり、新規受注を取れなくなるので、発注ナビを利用しない期間も当然出てきます。その間に費用が発生してしまうのはもったいないので避けたいという思惑がありました。弊社のような、エンジニアリソースが多くないシステム開発会社には、ぴったりのプランだと思います」(井上氏)。
高い提案力を武器に総額約5000万円、単独で1000万円超の案件も獲得
同社では、2023年6月に発注ナビの利用を開始し、これまで6件、総額約5000万円もの新規案件の獲得に成功した。「こうしたお客様を紹介してもらえる発注ナビは、費用対効果はとても高いサービスです」(井上氏)。
また、同社で発注ナビを活用しているもう一人の担当者である阿野氏は、「紹介を受けて実際にお会いした発注者の方々は、どなたも作りたいものがしっかり決まっていて、熱量が高い企業ばかりでした」と、発注ナビの紹介案件の質の高さと、発注者の本気度を評価する。
さらに、同社は「当社のように、元々、中古ブランド品の売買など他の業種を手掛けていて、そこからシステム開発に新たに参入してきた企業にとって発注ナビは適したサービス」(井上氏)と語る。新規参入や新規顧客開拓だけでなく、他の事業から派生的にシステム開発を開始する場合も含めて、新たにシステム開発案件を獲得しようとすると、発注者からこれまでの実績の提示を求められる場面は多い。実績がないシステム開発会社の場合、最初はコスト割れギリギリでも安価に受注し、1件でも多くの実績を積み上げていくしかないというケースも多いだろう。井上氏は、「当社も最初はEC領域以外の実績が少なく、信頼していただけない、話を聞いてもらえないということが多くありました。やはり新規案件の開拓は難しいのです。そんな悩みに対して、『発注ナビからの紹介です』と言えるだけでハードルが一つ下がるのです。たとえ実績が多くなくても、『発注ナビが紹介してきたシステム開発会社なら話を聞いてみようか』となるのです。これは大きな効果だと感じました」と強調する。
『現場叩き上げの提案力』を武器に、今後も発注ナビを使い続ける
同社は今後も、リソースを調整しながら使いたい時に使えるセレクトプランの良さを活かして、継続して利用していきたいと考えている。「今は忙しいけれど来月にはエンジニアのリソースに余裕が出る、来年早々には大規模案件にも対応できるなど、未来予測に基づいて使えるのがセレクトプランです。今までの経験から、アポイントを取ってヒアリングして、発注していただけるまでには大体このくらいの期間だから、そこから設計するとこのくらいの日数が必要だ、といった予測が立てられるようになってきたので、そういったノウハウをベースにセレクトプランの良さを活用していきたいです」(井上氏)。
同社は、中古ブランド品の売買という実業を手掛け、その現場経験から必要なシステムを設計・開発してきた。井上氏は、「この『現場叩き上げの提案力』を武器に商談に持ち込めれば、受注できるという自信はあります」と力強く語る。阿野氏も、「相手が求めている以上のシステムを分かりやすく説明してご提案する、そのことを第一に心掛けています」と迷いがない。そのことが顧客に届き、総額5000万円もの実績に結びついているのだ。
新規案件開拓の課題は「発注ナビ」で解決!システム開発に特化したビジネスマッチング
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