現在、国内においては空前の人手不足が到来しています。人手不足を解消するために、求人サイトを作りたい、求人用の動画を作成したいと考えている企業は多いかもしれません。しかし、ただサイトや動画を作っただけでは、思うような効果は得られません。
株式会社Reviveでは、これまでさまざまな求人サイトや求人動画の制作を手掛け、さらには企業の求人業務をサポートしてきました。そんな同社は、求人はきちんとした戦術を持って臨むべきであり、もしそうしたことに人手を割けないのであれば、採用人事を丸ごと外注してみてはどうかという画期的な提案をしています。同社代表である熊野 拓人氏にお話を伺いました。
空前の人手不足の中、企業が取れる人手不足解消に向けた対策とは?
―― 株式会社Revive様はどのような事業を展開されているのでしょうか。
Revive 熊野氏: 私たち株式会社Reviveは、転職支援・業務委託などの人材サービスや、動画・Webサイトなどのメディア制作を行う東京の会社です。企業PRをはじめ、インタビュー動画やCM、各種イベントの撮影などを手掛けており、動画制作を通してプロモーション活動や思い出作りをサポートしています。
モデルやタレントといった芸能関係者を起用した企画動画を得意とし、話題性のあるコンテンツで、企業・商品のイメージアップに貢献しており、クライアント企業のイメージをより的確に具現化するため、ヒアリングを特に重視し、さまざまなニーズや課題に耳を傾けることで、目標達成に向けた最適な動画づくりを行っています。
―― 転職支援ということですが、現在、さまざまな分野で人手不足が叫ばれています。中途採用をしたくても、なかなか人が集まらないと悩まれている企業も少なくありません。
熊野氏: 平成26年を境に有効求人倍率が逆転し、それまでの買い手市場から売り手市場に変わり、現在もなお人手不足が続いています。かつては求人広告さえ出しておけば人が集まってきましたが、今はもうそんな時代ではありません。企業の求人数のほうが、求職者数に比べて圧倒的に多い状況です。
―― ただ求人広告を出すだけでは集まらないということは、プラスαの策を講じる必要があるのでしょうか。
熊野氏: よほどの大手企業や有名企業であればネームバリューで人を集めることができるかもしれませんが、それはほんの一握りの企業に限られます。そうでなければ、他の企業あるいは他の求人との差別化を図る必要が生じます。
いちばん手っ取り早いのは賃上げでしょう。同じ仕事でも、こちらの方が給与のほうが良いとなれば人も集まりやすくなります。その次に有効なのが福利厚生の充実。労働環境の良さ、充実度が数値などで直接比較しやすいのがこの2つの条件です。
しかし、賃上げや福利厚生の充実は多くの企業にとって慎重にならざるを得ません。給与は固定費として毎月経費として計上されますし、新たに入社する従業員の賃上げをするならば、当然のように既存の従業員の給与も調整を図らなければなりません。また福利厚生も、固定費になる点では変わりません。
体力のある企業ならまだしも、中小零細企業では、こうした策を講じることは難しいのではないでしょうか。
―― 賃上げや福利厚生の充実以外の策を講じる必要があるのですね。
熊野氏: そうした求人に向け、サイトや動画の制作、SNSの活用などを通じた情報発信などを行うことで、数値で比べることが難しい、企業の魅力を発信していくという方法があります。当社がお手伝いをしているのは、まさにその領域です。
お金をかけずに手間をかけることで効果を上げることが可能になる。
―― 求人サイトや求人用の動画には、どのような効果があるのでしょうか。
熊野氏: 求人媒体の限られたスペースでは紹介し切れない企業の理念、会社の魅力、仕事の面白さなどを多角的に伝えられます。したがって、サイトや動画の内容も、会社のこと、業界のこと、仕事のことを深堀するものが効果的です。そうした部分をよく知ってもらい、共感してくれる人が集まってくれたほうが企業にとってもメリットになります。
―― たしかに、給与につられて転職してくる人は、給与につられてまた別の会社に転職してしまうという話もよく聞きます。理念や仕事内容に魅力を感じてくれる人が来てくれるのは嬉しいかもしれません。
熊野氏: 自社の製品やサービスについては、顧客に向けてとても詳しく紹介しており、問い合わせる必要がないほどの情報を揃えているのに、求人に関する情報はそこまで揃えていない企業がほとんどです。求人広告を出せば人が来る時代は終わっています。売上向上のため、自社の製品やサービスの他社のそれに対する優位性を前面に打ち出し、さまざまな情報を発信しているのに、採用においては、そうした努力がなされていないように見受けられます。
―― 採用サイトや動画の制作も、もっと積極的に取り組む必要がありそうですね。
熊野氏: その際にいくつかの注意点もあります。採用動画として、テレビCMやミュージックビデオのようにカッコイイものを作りたがる傾向がありますが、採用の確度を上げたいなら、社長の対談動画や従業員の声など、具体的なものの方が効果的です。
不特定多数をターゲットにした動画はイメージビデオのようなものでもよいかもしれませんが、採用においてはターゲット層をかなり絞り込めます。ペルソナを設定して、その層に響くような作り方ができます。そこを外してしまうと、誰にも何も伝わらない、自己満な動画が出来上がってしまうでしょう。
また、採用サイトや動画を制作する、あるいは求人媒体を使って求人広告を掲出する場合、無計画に行っても効果は薄く、そこにはある種のマーケティングが必要になります。求人媒体で見て興味を持ち、さらなる情報を得ようと会社のホームページを見に行ったら、採用や仕事についての情報が何もなかった、というのでは、せっかくの人材を取り損ねてしまうかもしれません。求人広告を出すからには、それに対応するランディングページも必要なのです。また求人媒体だけでなく、ターゲットによっては、動画共有サービスやSNS等への広告なども効果的で、どこに露出していくかといった戦略も重要です。
本来ならば、求人媒体への掲出期間、動画のコンセプト、どのような動線で採用サイトに呼び込むかなど、複数の戦術が足並みを揃えていなければ、想定した結果は得られません。賃上げのようにお金をかけることができないならば、手間をかけるというのが効果的な採用につながります。
しかし、多くの企業ではこうした採用業務を、総務・人事の担当者や、場合によっては社長自らが、他の業務の合間に行っているということが少なくありません。それだと、どうしても手がまわらない部分が出てきてしまいます。
採用業務を丸ごと外注する新提案! 月額20万円で人事部を設立するサービス「crescenDo」とは?
―― そうした緻密な採用活動に人手を割けない企業も多いと思います。どうすればよいでしょうか。
熊野氏: 多くの企業が採用において面接を重視しています。しかし採用業務全体の中で、面接にかかる時間はわずか16.1%程度という大手企業が調査したデータもあります。その面接に至るまでの間に、採用計画の立案、採用サイトや動画の制作、求人媒体の選定、プロモーションの実施、連絡・事務手続き、面接日程の調整など、さまざまな業務が発生します。
それならば、面接で着座するまでのプロセスを、すべて当社が引き受けましょうというのが、当社の提案する新サービス「crescenDo(クレッシェンド)」のコンセプトです。
crescenDoには、音楽で“だんだん強く”という意味で使われますが、ポルトガル語では“募る”という意味があります。つまり、新サービス「crescenDo」には「企業をだんだん強くしていくための採用を強化する」という思いが込められています。
これはたとえるなら、月額20万円で採用を専任担当する社員を一人雇うようなイメージ、人事部門を持たない企業ならば人事部そのものを設立するようなイメージです。
同サービスでは求人の企画立案から、サイトや動画の制作、求人広告のライティング、採用情報のとりまとめ、応募のスクリーニング、面接の日程調整など、上流から下流まで、細かな業務もすべてご対応します。
もちろん、事前の業務だけでなく、面接日程の決定率や応募からの着座率など、振り返りの検証なども行い、次回に向けた改善策も進めます。
―― 採用活動に不安を抱えている企業にとっては心強いサービスですね。
熊野氏: 当社のノウハウは自社内でも証明済みです。当社はアウトソーシング事業も展開しており、コールセンターや営業人員の貸出しなども行っています。稼働人員は120名ほどですが、現在3期目に突入し、その人数も着実に増やしています。
求人広告に頼らない採用を実現するのが理想形。そのための基礎体力を「crescenDo」で養えれば。
―― 「crescenDo」を利用するメリットはよく分かりました。「crescenDo」を利用することで、企業はどこを目指していくべきでしょうか。
熊野氏: 求人広告の掲出費用も高価であり、究極的には求人広告に頼らない採用が理想的です。そんな採用の理想形は大きく二つ考えられます。
一つは自社でメディアを持つことです。当社では「Second Spell」という転職情報サイトの運営も行っています。同サイトでブログやコラム、企業への取材記事なども掲載しており、そこで培ったノウハウをベースにお客様企業のサイトにおいても、さまざまなコンテンツを展開することが可能です。お客様のサイトがメディアとして周知されていけば、閲覧者の中から求職者も現れ、自ずと採用につながっていくでしょう。
もう一つはリファラル採用の積極化です。そのためには、従業員が、自身の知人や友人と一緒に働けたら楽しいなと感じてもらわなければなりません。もちろん社内環境が良くなければ、知人や友人を誘おうと思わないでしょう。したがって、リファラル採用を実現するには、先に従業員満足度を上げることが大切です。また、紹介者にインセンティブを与えるといった取り組みも効果を発揮します。
採用は単純な費用対効果が出にくい領域ですが、企業の基礎体力の形成につながります。「crescenDo」を利用しながら、効果的な採用ができる体力を養い、最終的には「crescenDo」に頼らなくても、自社で採用活動が行えるようになっていただければと考えています。
―― 「crescenDo」は、今後どのように進化していくのでしょうか。
熊野氏: 現在は採用の部分を支援していますが、これはあくまでも入口に過ぎません。今後は、入社時研修や早期離職を防ぐための研修なども手掛け、人材領域でトータルにサポートしていけるようになりたいと考えています。