発注慣れしていないお客様から、「数ある開発会社・制作会社の中から、発注先をどこにすればよいのかわからない」というお声をよく耳にします。どのような会社を選ぶべきなのか、その見極めポイントや判断基準はどこにあるのでしょうか。Web制作やWebマーケティングで定評のある株式会社リッチウィンで代表を務める辻 翔太氏にお話を伺いました。
見積りは絶対的な金額の大小だけでなく、適切な金額かどうか、そもそも本当にその見積項目の一つ一つがお客様の思い描く内容に対して適切かどうかが大切。
―― 発注慣れしていないお客様は、ホームページの発注先としてどういう会社を選べば良いのかわからないという話を良く聞きます。
リッチウィン 辻氏: そうですね。社内にWebに詳しい人がいらっしゃらないケースだと、なかなか難しいかもしれません。見積金額で選ぶにしても、見積項目に書かれている内容が理解できていなければ金額が適切なのかどうか、そもそも必要な項目なのかどうかの判断がつきません。結論から言えば、お客様のご要望とビジネスを理解し、最適な提案をしてもらうことに尽きるのですが、そうはいかないケースもあります。
―― どういうことでしょうか。
辻氏: 一般的な制作会社ですと、営業がいて、ディレクターがいて、コーダー等の作業者がいます。この作業者はほとんどの場合フロントに出てきません。ある程度の規模の会社では、こうした「分業制」を敷いているケースがほとんどでしょう。このとき営業に制作実務に関する知識があれば良いのですが、そうでなければ、見積にどんな項目内容が必要か、そして見積に書かれた作業内容をきちんと説明することができません。
―― 確かに、お客様のビジョンに対してどの見積項目が本当に必要で、追加した作業内容を説明できないのに、この部分は値引きしますから、と言われたら品質面での不安も湧きますね。何か大切な作業工程をスキップしてしまうのではないか、と考えてしまうかもしれません。
辻氏: 専任の営業だとノルマを課されているケースもあるので、単価を上げ、その上高確率で受注することのみが目的になりやすく、現場のディレクターや作業者との乖離が生じてしまうことも少なくありません。内情が良く分からないまま、コストや納期が切り詰められれば、制作現場への負荷が増大し、互いの関係もギクシャクとしたものになってしまいます。また、不要な内容を盛り込んで契約したことでお客様が不利益を被ってしまうこともあります。
もちろん営業専任の人でも、しっかり制作現場の知識を持っていれば問題はありませんし、制作現場上がりの人やビジネススキルが高い経営者の方ならば、そうした部分も熟知しているでしょう。
―― 御社では辻様ご自身がフロントに立たれることが多いですね。
辻氏: 私が営業をし、さらにディレクターとしてディレクションも行います。現場の個々の作業も熟知しているので、プロジェクト全体を俯瞰的に見てお話ができ、制作のみならず運用面での個別作業も把握した上で、お客様に最適なご提案ができます。お客様とのお打ち合わせにより本当に必要な見積項目をお出し出来るので、技術面や作業工程、見積項目、見積金額などの乖離もなくせます。
いろいろな視点から意見を出してくれるような、良い相談相手になってくれる発注先を選ぶのがベスト!
辻氏: それだけではありません。技術面や運用面も知る人物が商談の場に出てくることは、お客様にとってもメリットがあります。特に、社内にWeb担当者を置いていないお客様にとっては大きいと思います。
―― 詳しく教えてください。
辻氏: 技術面や運用面を知っているからこそ「この機能が、なぜ欲しいのか?」といったことを多角的な視点で深堀りできます。お客様にはWebサイト制作により展開するビジネスの
たとえば、お客様が「Webサイトからの問い合わせを増やしたい」ということで、サイト上にいろいろなページを作り、多様なコンテンツの展開をご希望されたとします。ページやコンテンツが増えれば、当然ですが予算もどんどん膨れ上がっていきます。
営業が技術や運用に詳しくない場合、お客様の意向をそのまま「はい、はい」と受けてしまうかもしれません。そのほうが受注金額も大きくなりますから。
ところが、もし運用面の知識があれば、むやみにページの階層を増やしたり、コンテンツを増やしたりすると離脱率の上昇や本当に見て欲しいコンテンツの希薄化を招いてしまうことを知っています。そのため「もともと、お客様のご希望は何だったっけ?」という原点に立ち返り、別の視点から、本質的なゴールに向けたアドバイスや提案ができるのです。
―― なるほど。商談の場で技術面や運用面の意見も聞けたら助かりますね。
辻氏: Webサイト制作を成功させる決め手は、価格だけでなく、いろいろな視点からレスポンス早く無料で相談に乗ってくれる担当者が付いてくれる発注先を探せるかどうかにかかっていると言っても良いかもしれません。
技術や運用という面でのたとえを出しましたが、ビジュアルデザインやWebマーケティングの面でも同じことが言えます。そうしたことを相談したり、アドバイスしてくれたりする部署が社内にない、あるいは担当者が社内にいない、という場合は無料で良い相談相手になってくれる担当者が付いてくれる発注先を選ぶと良いでしょう。
より良い相談相手を見極めるには話してみること。事前に自社のビジネスの内容や意図をしっかり確認して商談に臨むことも大事!
―― そうした相談できる発注先を見極めるには、どうすれば良いでしょうか。
辻氏: 実際にいろいろな開発会社や制作会社と話をしてみるということに尽きると思います。このとき注意が必要なのは、何でも言った通りに応じてくれる会社が良い発注先とは限らないということでしょう。
開発や制作をする側としては、お客様の期待値を上げておいたほうが受注しやすいため、お客様のご要望に対して「できます、できます」と請け合いがちです。しかし、そうしていると、本来なら不要な機能、無用なデザインまで盛り込まれてしまうかもしれません。
技術的にはできるけれど、予算面や運用面では最適解でないというケースがあった場合に、その理由をきちんと説明してもらえるか、別の提案がもらえるかといった点は大きな見極めのポイントになるのではないでしょうか。
―― いくつかの会社と商談をするにあたって、発注企業として事前に準備しておくべきことは何でしょうか。
辻氏: これから発注されるお客様は、自社のビジネスの内容はもちろんですが、Webサイト制作の意図、ターゲットとなる顧客層などをしっかりと把握しておくことが大切でしょう。そこがブレていると、発注先の開発会社や制作会社も誤ったメッセージを受け止めてしまいかねず、結果として意図したものとは違ったシステムやサイトが出来上がってしまいかねません。
発注が初めてというお客様にも安心な、リッチウィンの取り組みとは?
―― リッチウィン様は商談で相談を持ちかけられることも多いと思いますが、そうした時に心がけていることはありますか?
辻氏: まずはお客様のお話を徹底的に聞くことを心がけております。
お客様の今回のご依頼の要望、ご依頼の意図、お客様のビジネスの事、Webサイト制作により叶えたい未来等をお伺いしたうえで、自分事に落とし込みお客様の目線に立つように心掛けております。
お客様の目線に立つ事で、お客様の要望に対してWebサイトを活用した最適解を”わかりやすくシンプルに”ご提案させて頂きます。
また基本的なことですが、連絡は「即レス」を旨としています。メールも、電話も、LINEも、仕事の連絡はすぐにお返事を返すようにしています。また、見積書も即出すようにしている。こうしたことが安心感につながり、お客様からも高い評価をいただいています。
それから、事前にマーケティングについての無料アドバイスも行うようにしています。Web上でビジネスを展開していくなら、サイトを構築するだけでなく、世の中への周知やサイトへの集客など、運用開始後のマーケティングの視点は欠かすことができません。サイト構築の予算とは別に、マーケティングの予算も必要になります。そうした基本的なことも、ご案内しています。
―― これは、発注が初めてというお客様にも安心ですね。
辻氏: 発注が初めてのお客様にとっては「納品前の修正回数無制限」という当社の料金体系も安心材料の一つかもしれません。Web制作において、納品前の修正は2回まで無料とか、1回当たりいくらとか、回数に応じて料金を設定している制作会社が多いと思います。しかし当社では、納品前であれば何回でも無料で修正します。これは業界でも珍しいと言われています。
―― 修正が何十回になっても、別途料金が発生しないのですか?
辻氏: はい。発注慣れしていないお客様が1回で着地するのは難しいものです。慣れてくればイメージと完成品とのギャップを小さくできますが、最初のうちはそうはいきません。「出来上がったら、思っていたのと違っていた」という場合にも、きちんとご対応しています。当社の負荷は高まりますが、それでお客様満足度は高まります。「良いものが出来た」ということが、クチコミや紹介で広まれば、結果的に当社の利益につながります。
Web制作やWebマーケティングを「売る」のではなく、お客様の課題を「解決する」のが当社のスタンス。まずはご相談ください!
―― 複数の会社と商談をして、各社の見積書が上がってきました。見ておくべきポイントはありますか?
辻氏: 月額保守管理費用は、よく見ておくべきでしょう。制作費が20万円+保守管理費が月額2万円の業者と、制作費用50万で保守管理費用がゼロの業者があったとしたら、どう判断すれば良いでしょうか。
月額2万円の保守管理費ということは年間で24万円、5年で120万円です。サイトを維持していくにはサーバの使用料、ドメイン維持管理料、さらには月何回かの修正費用などが含まれていると考えられます。月額の保守管理費をお支払いするだけのサービス内容にバリューがあるかどうかを判断しておくべきでしょう。
たとえばサーバ使用料とドメイン維持管理料は、月数百円のレンタルサーバを利用すれば、それで済んでしまうケースもあります。あとは修正費用ですが、毎月そんなに修正回数が発生するのかどうかが判断基準になります。たとえばコンテンツ管理システムと呼ばれる、Web上のコンテンツを簡単に更新できるシステムを組み込んだサイトならば、ちょっとした修正はPowerPoint感覚で行えます。
当社では、コンテンツ管理システムWordPressを組み込むことで、簡単な修正ならば、お客様側でも行えるようにしています。お客様側で手に負えないような修正の場合は、その都度料金をいただいていますが、それでも1回数千円という単位です。毎月、有償の修正が発生するようなお客様は、今のところいらっしゃいません。
また、当社としては、納品前の修正が何回まで無料かも見て欲しいところです(笑)。2~3回まで無料とか、修正1箇所につきいくら、というところ多いと思います。
―― Webマーケティングも、初めて発注するお客様にとっては難しいテーマです。
辻氏: そうですね。広告一つをとってもいろいろなものがあり、ターゲットや効果に応じて使い分けるため、全体を把握するのは難しいかもしれません。
当社は「受注する」というよりも「お客様の課題を解決する」というのが基本的なスタンスです。お客様の課題が解決できるのであれば、究極は当社が受注しなくてもかまいません。当社はホームページやWebマーケティング商材を「売る」ための会社ではありません。
実際に、お客様の課題を聞いてみたら「それはWebよりもオフラインのチラシのほうが効果的だ」というご提案をさせていただいたこともあります。こうしたスタンスが「他社と違う」とよく言われます。
Webマーケティングは、お客様のビジネスを理解して、ピッタリと寄り添えないと効果を出すことができません。
Web上に掲出するバナー広告や、動画の途中に掲出する動画広告、検索エンジンの上位に表示させるSEOなど、使っている媒体や手法は世に出ているものですので、どのマーケティング会社でも基本的には同じです。それでも効果に違いが生じるのは、それらの運用方法が違うからです。
どれぐらいの効果を求めるのか、目標をクリアする時期はいつか、どういうターゲット層を狙うのか、ゴールはどこに定めるのかといったことを踏まえ、効果的な広告を展開していきますが、お客様のビジネスをどれだけ深く理解するかにかかっています。そしてそれはフロント側に立つ人間によって違いが生まれます。
自分たちがお客様の立場に立ったときに「こうだったら良いのに」ということを実践していくのが当社のスタンス。もし発注に際して不安に思うことがあれば、真っ先に当社にご相談ください。また、いくつかの発注先を検討したけれど決めかねているというお客様は、最後の相談先として当社をお選びください。
当社が目指すのは受注することではなく、あくまでも「お客様の課題が解決されること」です。お客様のより良い相談相手として、必ずお役に立てるはずです。
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