AI開発に必要なPCスペックは?GPUやメモリから選び方を解説

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AI開発に必要なPCスペックは?GPUやメモリから選び方を解説のイメージ図

「AIのニュースを目にしない日はない」と言っても過言ではないほど発展が目覚ましいAI(人工知能)分野。この勢いに続こうと、AI開発に乗り出そうと検討している企業・個人も多いのではないでしょうか。そうなると、どの程度のPCスペックが必要なのかという疑問が浮かぶはずです。高性能なGPUやCPUはもちろん、メモリやストレージもAI開発におけるポイントです。本記事で詳しく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

目次

 

新規案件開拓の課題は「発注ナビ」で解決システム開発に特化したビジネスマッチング

本気の発注者と最短1日でつながる

・コンシェルジュが依頼内容をヒアリング
・対応したい案件を選べるエントリー制
・エントリー時の見積作成は不要
・発注者の95%がエンドユーザー

 

AI開発におけるPC選びのポイント

AI開発のためのPC選びでは、GPU、CPU、メモリ、ストレージの4つが重要なポイントです。それぞれのスペックについて詳しく説明します。

 

●1. GPU(グラフィックボード)の重要性

AI開発、とりわけディープラーニングや機械学習のような高度なタスクでは、GPU(Graphics Processing Unit)のスペックが大切です。GPUが重視される理由は、CPUに比べて並列計算が得意であり、大量のデータ処理や複雑な計算を同時に高速に行えるためです。GPUは大量のデータを早く処理するための「エンジン」と考えるとわかりやすいでしょう。

AI開発においては、計算処理能力や処理スピードに優れたNVIDIA(エヌビディア)のGPUが業界をリードしています。NVIDIAのGPUには、描画処理に特化したCUDA(クーダ)コアと行列計算に特化したTensor(テンソル)コアがあり、AI開発であればTensorコアが向いているでしょう。

また、GPUにはVRAM(Video Random Access Memory:ビデオメモリ)という要素もあります。大きなデータや複雑なモデルを扱う際に必要で、VRAMが多いほど複雑なモデルや大規模なデータセットを一度に扱えます。AI開発をするのであれば少なくとも16GB、大規模なプロジェクトであればそれ以上が望ましいでしょう。なお、VRAMはグラフィックボードに搭載されたメモリで、あくまでもグラフィックの情報だけを保存するため、後述するパソコン本体のメモリとは異なります。

 

●2. CPUの性能

CPU(Central Processing Unit)は、PC全体の動作を司る「頭脳」であり、AI開発でも基本的な処理や制御を担当します。AI開発ではGPUが大きな役割を果たしますが、データの前処理やプログラム全体の管理、軽いタスクを処理する場面ではCPUが重要です。CPUの性能が低いと、GPUの性能を最大限に引き出すことができず、PC全体のパフォーマンスが低下する可能性があります。

また、AI開発では大量の処理が同時に行われるためCPUのコア数もポイントです。現在のCPUは基本的に複数のコアを持つマルチコアのCPUが使われています。その中でも、開発規模にもよりますがIntelの「Core i7」や「Core i9」、AMDの「Ryzen 7」や「Ryzen 9」などのモデルが推奨されています。

 

●3. メモリ容量

メモリは、PCが一時的にデータを保管する場所です。よく「作業机の大きさ」に例えられ、メモリ数が多いほど同時に複数のファイルを実行できます。AI開発では大量のデータやアルゴリズムを扱うため、メモリが多ければ多いほどスムーズに処理が進みます。少なくとも16GB、より高度な開発であれば32GB以上は用意すると良いでしょう。開発規模に対してメモリが少ないと、データの一時的な保持の能力が不足して処理が遅くなったり、処理ができずに途中でエラーが発生する可能性があります。

 

●4. ストレージ

ストレージは、データやプログラムを保存する場所です。AI開発では大量のデータを保存・処理するため、ストレージの容量と速度も重要です。HDD(ハードディスクドライブ)よりもSSD(ソリッドステートドライブ)のほうがデータの読み込みや書き込みが速いため、SSDが推奨されています。中でも読み書きが速いのは NVMe(Non-Volatile Memory Express)接続タイプのSSDです。一般的なSATA(シリアルATA)接続のSSDよりも価格は高めですが、性能や速度を求める方にはおすすめです。

容量については、AI開発であれば少なくとも512GB、できれば1TB以上のストレージを用意したいところです。

 

AI開発の目的別おすすめPCスペック

ここでは、入門、中規模、ハイエンドという3段階に分けてPCスペックを紹介します。

 

●入門者向け

AI開発をこれから始めるという初心者向けには、市販の10〜20万円程度のミドルクラスのPCで十分なこともあります。その中でも以下のポイントを押さえましょう。

 

GPU:NVIDIA GeForce RTX 3050

ハイエンドモデルであるRTX3090やRTX 4090よりは安価なGPUです。高度な開発でない場合には、後述するCPUを重視すると良いでしょう。なお、GPUの価格は時価によって変動があることも押さえておくとお得に購入できることがあります。

 

CPU:Intel Core i5 以上または AMD Ryzen 5以上

AI開発の初期段階では、GPUよりもCPUが処理の中心となるため、CPUの性能を重視しましょう。IntelのCore i5以上か、Ryzen 5以上であれば十分なパフォーマンスを発揮します。

 

メモリ:16GB~32GB

AI開発では大量のデータを処理することになるため、メモリは非常に重要です。8GBでも作業自体は可能ですが、開発が進むにつれて動作時にストレスを感じる可能性があります。そのため、少なくとも16GB以上を推奨します。余裕を持ちたい場合は32GBあると良いでしょう。

 

ストレージ:256GB~512GB(SSD)

AI開発には高速なデータの読み書きが必要なので、初心者であってもHDDよりSSDがおすすめです。最低でも256GB、ほかのツールも使う場合には512GBを用意しておきましょう。

 

●中規模プロジェクト向け

基礎を学び終え、本格的にAIを開発したい場合や、より複雑なモデルやデータを扱う場合、ミドルクラスのPCではパワー不足を感じるかもしれません。初級レベルのPCよりもより高性能なパソコンを検討しましょう。

 

GPU:NVIDIA GeForce RTX 4060などの中規模なタイプ

本格的なAI開発であれば、ある程度の性能を備えたGPUが不可欠です。特にディープラーニングでは大量の並列処理が行われるため、良いGPUがあることで処理時間が大幅に短縮できます。ハイエンドほどまではいかずとも、ある程度の開発規模に対応できるものを選びましょう。

 

CPU:Intel Core-i5~ Core i7、AMD Ryzen 7

中規模プロジェクトでは、より多くのデータを同時に処理できるCPUが求められます。Core i7やRyzen 7クラスのCPUは、複数のコアを持っており、マルチタスク処理にも優れています。AIモデルのトレーニングやデータ分析がより効率的に行えるでしょう。

 

メモリ:16GB以上~64GB

データセットが大きくなると、メモリの消費も増えるため、少なくとも16GB以上のメモリが必要です。特に、AIのモデルを繰り返しトレーニングする際には、メモリが不足すると処理が遅くなる可能性があります。64GBあれば、さらに快適に作業を進められます。

 

ストレージ:512GB以上(SSD)

データ量が増えるため、ストレージ容量も多めに確保することをおすすめします。少なくとも512GBのSSDを用意し、作業の快適さを追求したい場合には1TBあると良いでしょう。

 

●ハイエンドプロジェクト向け

企業や大規模なプロジェクトでAIを開発する場合は、さらに高性能なPCを用意しましょう。AI開発のために大量のデータを扱う場合、ワークステーションクラスのPCや、専用のハードウェアが必要になることがあります。

 

GPU:NVIDIA RTX 3090、RTX 4090、Quadroシリーズ または A100

ハイエンドのAIプロジェクトでは、GPUの性能が非常に重要です。NVIDIA RTX 3090やRTX 4090、さらに高性能なQuadroシリーズ、A100などは、AI開発向けの選択肢です。大規模なデータセットや高度なAIモデルを効率よくトレーニングするために役立ちます。

 

CPU:Intel Xeon、Core-i7~ Core i9、AMD Ryzen 9

高度な開発を目指す場合には、コア数の多いCPUが求められます。大規模なAIプロジェクトでは並列処理が多いため、Intel XeonやCore-i7~Core i9、AMD Ryzen 9のように、マルチコアで処理能力が高いCPUが必要です。これにより、AIモデルの学習が高速化され、同時に複数のタスクを処理できるようになります。

 

メモリ:64GB〜128GB

AIのディープラーニングでは非常に大量のデータを扱うため、メモリは少なくとも64GB以上が推奨されます。場合によっては128GB以上を搭載することで、大規模プロジェクトでも処理落ちを防ぎ、スムーズに作業が進められます。

 

ストレージ:1TB以上、2TB以上のNVMe SSD

容量は1TB以上が基本と考えて良いでしょう。大量のデータを効率的に保存し、すぐにアクセスするため2TB以上、NVMe接続のSSDが推奨されます。AIのトレーニングデータは非常に大きいため、大容量かつ高速な読み書き速度が求められます。

 

ノートPC vs. デスクトップPC

AI開発を行う際、ノートPCとデスクトップPCのどちらかを選ぶ必要があります。それぞれのメリットやデメリット、使い方から考えてみましょう。

 

●ノートPC

ノートPCのメリットとデメリットは以下のとおりです。

 

メリット

ノートPCのメリットとしては、持ち運びがしやすく、出張やカフェなど外での作業が多い方にとって非常に便利な点が挙げられます。省スペースで、自宅やオフィスなどの限られた作業スペースでも問題なく使用できるのも大きな魅力です。また、バッテリーで駆動するため、停電や電源がない場所でも作業を続けられる点は、移動の多い方にとっては使い勝手に優れています。

 

デメリット

ノートPCは性能面で限界があり、特に高性能なGPUやCPUが必要なAI開発では、デスクトップPCに劣ることがあります。

また、ノートPCはその構造上、後からスペックをアップグレードするのが難しいため、長期的に使用する場合の拡張性が低いのがデメリットです。ほかにも、高度な作業を行うと発熱しやすく、冷却性能がデスクトップに比べて劣るため、長時間の負荷作業では性能が落ちる可能性があります。

 

●デスクトップPC

デスクトップPCのメリットとデメリットは以下のとおりです。

 

メリット

デスクトップPCは高性能なGPUやCPUを搭載でき、AIモデルの大規模なトレーニングや、大量のデータを扱う作業に適しています。また、ノートPCと比べるとアップグレードが容易で、必要に応じてパーツを交換したり追加したりすることで、長期間にわたって高いパフォーマンスを維持できます。

そのほかにも、熱管理がしやすく長時間の高負荷作業でも安定した動作が期待できるため、大規模なプロジェクトや長時間のモデルトレーニングに向いています。

 

デメリット

デスクトップPCは持ち運びが難しいため、特定の場所での使用に限定されます。また、モニターやキーボード、マウスなどの周辺機器が必要で、設置にスペースが必要です。電源が必須なため、停電時や移動中には作業ができません。

両者の情報をまとめると、ノートPCは利便性や携帯性を重視したい場合、デスクトップPCは性能や拡張性を必要とする大規模なAI開発に適しています。それぞれのメリットとデメリットを考慮して、作業のスタイルや開発規模に合った選択をすると良いでしょう。

 

AI開発ならWindows? それともMac?

代表的なOSとしてはWindowsとMacがありますが、AIを開発する際はどちらが良いのでしょうか。以下でメリットと注意点を紹介します。

 

●Windowsのメリットと注意点

Windowsは、特に初心者にとって直感的なGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を提供しており、使いやすい環境です。MicrosoftはAI開発ツールのWindows対応を進めているため、設定やインストールも以前に比べると容易になっていると言えるでしょう。また、Windowsはカスタマイズ性が高く、GPUなどのハードウェアを拡張できるため、特にハードウェアリソースを必要とする深層学習のプロジェクトに適しています。

ただし、一部のAIツールやライブラリは、Linux系OSに最適化されていることがあり、Windowsで動作が制限される場合があります。

 

●Macのメリットと注意点

macOSは、開発者にとって使いやすく、多くのAI開発ツールやライブラリに対応しています。特にiOSアプリやApple製品向けのアプリケーションを開発する場合、macOSは必須です。macOSはLinuxに近いUnixベースのシステムであり、開発者が好む環境でもあります。

ただし、GPUのカスタマイズやメモリの増設といったハードウェアの拡張性は限られているため、ハードウェアリソースが必要なプロジェクトではWindowsやLinuxのほうが有利です。

 

自分に合ったPCで効率的なAI開発を始めよう

AI開発に適したPCを選ぶには、開発の規模や目的に応じてGPU、CPU、メモリ、ストレージなどのスペックを慎重に検討することが大切です。初級者向けのシンプルな構成から、大規模なプロジェクト向けのハイエンド構成まで、AI開発に必要な性能は様々です。この記事で紹介したポイントを参考に、効率的に開発を進めていきましょう。

また、システム開発の顧客獲得であれば「発注ナビ」がお役に立てます。発注ナビはシステム開発に特化したビジネスマッチングサービスです。コンシェルジュが電話でヒアリングを行い、発注のニーズが顕在化した状態のユーザーとのマッチングを支援するため、最短1日で発注者とのマッチングが可能。発注ナビは、企業が自社の専門性を活かし、最適なプロジェクトの受注を支援します。ぜひ以下よりご覧ください。

 

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