今回の記事では、社内で利用される業務システムのUI(インターフェース)の重要性とは?についてです。内容をざっくり言うと・・・・
業務システムのUIデザインの良し悪しは生産性に直結している
画面を見ただけで、操作方法がだいたいわかるようなUIを目指そう
スマホ、タブレットなどデバイスによっても画面の見え方が違うことに注意
UIはユーザビリティに直結している
UI(ユーザーインターフェース)とは、操作画面に表示される情報の表示方式のルールや、データ入力方式のルールのことです。
UIのデザインが優れていれば、ユーザーはマニュアルに頼ることなく直感的に作業を進めることができ、ミスも発生しにくくなります。このため、業務システムにおけるUIデザインは生産性を高めるうえで非常に重要な役割を持っています。
業務システムを開発するにあたっては、ユーザビリティ(使いやすさ)を念頭にUIのデザインを行うべきです。また、業務システム開発を外部委託する場合でも、UIデザインの重要性を理解した業者を選定するべきでしょう。
1.色・形・位置
業務システムのUIは、「画面の見やすさ・わかりやすさ」 のデザインが一番大切です。
「画面を見ただけで、操作方法がだいたいわかる」というくらい使いやすいものであれば、マニュアルを参照する時間は最短で済み、生産性に大きく貢献できます。
さて、UIデザインでは、画面に表示されるメニューやアイコン、文字などの色・形・位置などに大きな意味があります。 たとえば、緑や青といった色からは「安全」を連想しやすいので、「通常操作」や、「もっともひんぱんに使われるメニュー」などのアイコンにしばしばこの色が使われます。
これに対し、赤や濃い黄色・濃いピンクなどはユーザーに注意を喚起する色です。色にはこのような心理的メッセージがあるため、UIデザインにおいて色の選定は重要です。アイコンやメニューの形も、「一貫性のある作業に使用されるものは形状を統一する」「間違ってクリックしてはならないボタンは、一目見たらわかる」などの配慮が望まれます。
もちろんボタンやメニューの配置位置も重要で、「異なる性格のボタンを紛らわしい位置に配置しない」「重要なボタンは、他のボタンとは離れた場所に配置して押し間違いを防ぐ」などのデザインが必要でしょう。なお、これらのことはUI設計の段階で仕様にルールを盛り込み、システム全体のUIに一貫性を持たせることが重要です。
2.入力フォームについて
一般に、業務システムには多くの社員が毎日膨大なデータを入力するものです。
いかにすみやかにデータを入力できるかは、入力フォームのデザインにかかっています。 たとえば、2~4択のメニューは「プルダウンメニュー → 選択」という方法が効率的でしょう。
しかし、あまり多くの項目からメニューを選択する場合、プルダウンメニューはプルダウンリストが長くなるため効率的な入力フォームとは言えません。こういう場合はボタンパネルを表示し、該当するパネルをクリックするなどのデザインが有効でしょう。UIデザインにおける入力フォームは「ユーザーに、いかに正確に素早く入力してもらうか」という入力支援的な役割を持っていることを意識しましょう。
3.デバイスによるアピアランスの違い
最近は、Webシステムを利用した業務システムも増えました。Webシステムはブラウザ経由で業務システムにアクセスできるため、多くの拠点を持つ企業がシステムを一斉導入する場合や、遠隔地からシステムにアクセスしたい場合に便利です。
また、PCだけでなくスマートフォンやタブレットからもアクセスできるシステムも一般的になりつつあります。しかし、このようなマルチデバイス環境で使用される業務システムの場合、それぞれの機器ごとに、メニュー画面の見え方や見える範囲、そして入力のしやすさがすべて異なるということを理解しておく必要があります。
たとえばスクリーンのアスペクト比の異なるデバイスでは、「メニュー画面の一部が隠れて見えない」「ボタンが表示領域の外にはみ出して、押せない」などの問題が発生する場合があります。
UI設計の段階で、「どんなデバイスに対応するか」といった仕様を策定しておくことによって、こうしたトラブルを防ぐことができます。