文書管理システムは企業にある膨大な資料や文書をデジタル化し、効率良く管理するためのサービスです。紙媒体で管理していると必要な時に必要な文書が見つからず、無駄な時間を費やしてしまいます。特に企業では長期保管する書類が多く、中には不要になった文書も少なくありません。文書管理システムがあれば、いつでも手軽に閲覧でき検索もスムーズに行えます。また、セキュリティ面も長けているため、大事な文書を管理するのにも向いているでしょう。今回は、文書管理システムの概要やメリット・デメリット、導入する際のポイントなどを解説します。これから文書管理システムを利用したいと考えている方は、ぜひご参照ください。
目次
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文書管理システムとは?紙の書類と何が違うの?
文書管理システムとは、文書をデジタル化したものを格納・管理するコンピュータ上のシステムのことを指します。紙で保存している書類を、デジタル化してデータを保管できるのが最大の特徴です。
文書管理システムを使うと、社内の資料の一部、または全部を電子化し、社内情報を効率良く管理できるようになります。そのため、文書管理システムは、業界を問わず様々な企業で活用されています。例えば、期限のある契約書類の場合に、期限が近づくと自動で通知される設定にしておけば、契約の更新手続きを忘れるといったミスを減らすことができます。
また、文書管理システムの導入によって、大量の図面や技術関連の文書を扱う製造業では文書の保管を効率的に行えるようになり、個人情報を扱う医療機関では病院内の文書の管理や電子カルテとの連携に活用されるようになっています。
紙の書類で文書を保管していると、コストがかかります。紙の文書にかかるコストは、用紙の代金だけではありません。自社で印刷する場合は、トナー代やインク代、印刷機の電気代といった費用がかかります。そのうえ、文書を保管するのに収納スペースや備品も必要となるため、間接的なコストも発生してしまいます。
さらに、必要な文書を探すのが大変という検索性の問題もあります。文書自体に目次や見出し、索引などがあっても、必要な書類や情報をすぐに見つけられるとは限りません。特に大量の文書の中から目当ての記述を探すのは、時間と労力がかかってしまいます。
そして、長期にわたって紙の書類を管理する場合、劣化は避けられません。湿気や温度、紫外線などの影響を受けて情報が読めなくなったり、不特定多数の方が扱うことで破れたり、紛失したりする可能性もあります。万が一、災害が起こった場合も、紙の書類は復旧できません。火事や浸水などの自然災害による紛失・消失が起きた際には、企業の情報が完全に失われてしまう恐れがあります。
文書管理システムとファイルサーバーの違いは管理機能の有無
文書管理システムと類似する方法として、ファイルサーバーがあります。ファイルサーバーとはファイルの保管や共有する機能を持ったシステムで、大量のデータを保管する際に便利なシステムですが、データ管理をすることはできません。
一方、文書管理システムはファイルサーバーより機能が多く、文書の活用や破棄に関する管理もできます。保管ルールの決定やワークフロー機能なども併せ持つのが文書管理システムです。一見すると、いずれも「文書のデジタル化と保管」という機能を持っていますが、文書管理システムは保管だけでなく、管理もできるという違いがあることを覚えておきましょう。
文書管理システムの6大機能
文書管理システムには、様々な機能が搭載されています。主な機能として挙げられるのが、以下の6つです。
- 文書登録
- 検索
- バージョン管理
- セキュリティ
- 保管期限・更新日の管理
- ワークフロー
ただ文書をデジタル化して保管するだけが文書管理システムの機能ではありません。単に登録するだけではなく、必要な文書を検索する機能もあります。また、アクセス権限やファイル暗号化機能もあるため、セキュリティレベルが高い文書でも安心です。加えて、文書に透かし文字を入れる機能や重要事項が社外に漏れるのを防ぐ機能もあります。
そのほか、文書を更新した際に最新版と従来の文書を管理できるなど、業務効率化につながるツールといえます。
【メリット】文書管理システムを導入したほうが良い5つの理由
ファイルサーバーと比べて多くの機能があり、業務効率化につながる文書管理システムには以下のようなメリットがあります。
- ペーパーレス化を実現できる
- 目的の文書を探しやすくなる
- どこにいても文書を確認可能
- 文書の共有や承認にも便利
- 厳重なセキュリティのため内部統制や情報漏洩防止にも効果的
リットを把握したうえで、文書管理システムを使えば、より特性を活かすことができるでしょう。続いては、文書管理システムのメリットのうち、押さえておきたい5つをご紹介します。
●ペーパーレス化を実現できる
文書管理システムを導入すると、文書をデジタル化してコンピュータ内に保管するため、あらゆる書類を紙媒体で保存する必要がなくなり、ペーパーレス化を実現できます。不要になった文書をシュレッダーで破棄する手間もなくなるため、文書が多い業種や企業ほど費用対効果が期待できます。
また、これまで文書を保管していたスペースが不要になるため、ワークスペースの有効活用にもつながります。
●目的の文書を探しやすくなる
文書管理システムには、必要な文書を探し出す検索機能が備わっています。文書システムであれば簡単にフォルダ分けができます。条件を絞って検索すれば、瞬時に必要な文書を取り出せるのがメリットです。
紙媒体だと、膨大な文書の中から目視で探さなければなりません。いくら細かく管理していたとしても、日々増え続ける文書から探し出すのは大変困難です。特に、企業では長期保存が義務づけられた文書もあるため、古くなればなるほど見つけにくくなるでしょう。
●どこにいても文書を確認可能
文書管理システムの中には、クラウド型になっているタイプもあります。クラウドとは、オンライン上のサーバーで共有するシステムで、インターネット環境があれば、どこでもチェックできるのがメリットです。
例えば在宅ワークをしている方でも、会社にいる際と同じように文書をチェックできます。また、出張中やクライアント先で文書を確認したい場合でも、素早く確認できるため重宝します。
●文書の共有や承認にも便利
文書管理システムには、ワークフローという機能が搭載されていることが多く、上司の承認が必要な文書も手渡しをする必要がありません。クラウド型の文書管理システムを使えば、離れた場所での文書確認だけではなく共有や承認にも役立ちます。
承認をする立場においても場所を問わず承認を行えるため、双方にとってメリットがあるといえるでしょう。さらに承認フローが迅速になれば、業務全体の効率が上がります。
●厳重なセキュリティのため内部統制や情報漏洩防止にも効果的
文書管理システムには、セキュリティ機能があり、文書によって閲覧制限やアクセス権限の設定が可能です。企業で扱う文書の中には、社外秘のものや役職ごとに閲覧制限がかけられたものも少なくありません。このようなセキュリティレベルの高い文書を紙媒体で保管しておくと、紛失や盗難、流出などのリスクがあります。
文書管理システムならアクセスログの管理もできるため、万全なセキュリティの中で管理ができます。ダウンロードや印刷に関しても制限がかけられるため、不正利用や情報漏洩のリスクも避けられます。
【デメリット】文書管理システムで注意したいこと
文書の保存や管理、共有などメリットの多い文書管理システムですが、デメリットも少なからずあります。デメリットをしっかりと把握しておけば、文書管理システムをより効果的に運用できます。
文書管理システム導入に関する主なデメリットは、以下の4つです。
- 導入・運用コストがかかる
- 電子化に手間がかかる
- 運用管理が必要
- 使い方の周知とルールの徹底が必要
紙媒体での文書管理と比べて、大きなデメリットといえるのが導入や運用にかかるコストでしょう。システム自体にかかる費用だけではなく、使いこなすまでの教育コストも考えておく必要があります。
また、文書管理システムは導入したからといってすぐ使えるものではありません。導入後には、紙媒体を一枚ずつスキャンする必要があり、運用が始まった後も、セキュリティの設定や管理、フォルダの整理などの運用管理も発生します。そのほか、社員に対して使い方やルールの周知をしておくことも大切です。
文書管理システムの導入で意識したほうが良いポイント
文書管理システムを効率良く導入するためには、以下のようなポイントを把握しておくことが大切です。
- 導入前の紙媒体の段階で整理整頓する
- 文書管理システム導入の目的をしっかり決める
- 機能や利便性を確認する
無計画に導入すると文書管理システム本来の力が発揮されず、コストだけが増える恐れも考えられます。以下に導入時に意識すべきポイントの詳細を説明していきます。こちらを押さえておけば、導入後の作業もやりやすくなりますので、ご興味のある方はぜひご一読ください。
●導入前の紙媒体の段階で整理整頓する
文書管理システムを導入したら、まず紙媒体の段階でデジタル化するものと、しなくて良いものを仕分けしておきましょう。管理する文書をスキャンしデジタル化する必要があるため、すべての文書をデジタル化すると時間と手間がかかってしまうからです。
長年蓄積された紙媒体には、不要なものも少なくありません。もう使わない資料や古くなったデータなどは破棄して整理整頓をしておくと、デジタル化を円滑に進められます。
●文書管理システム導入の目的をしっかり決める
文書管理システムは非常に便利な機能を持っていますが、単純に導入しただけではその機能を活かしきれません。生産性や業務効率を上げるためには、事前に導入する目的を決めることが大切です。
文書と一括りにしても、社内文書や契約書など様々な種類があります。また、保管と活用だけするケースもあれば、作成段階の文書を扱うこともあるでしょう。作成段階の文書を扱うのであれば、ワークフロー機能も必要になります。文書の種類や目的によって文書管理システムに求める機能が変わってくるため、何を管理するのかを事前に確認してから導入しましょう。
●機能や利便性を確認する
文書管理システムには様々な種類があるため、導入する際にはそれぞれの機能の特性や利便性を確認することが大切です。例えば管理する文書が多い企業では、検索機能が高い文書管理システムを選びましょう。機密文書を扱うケースも多いため、セキュリティ権限やアクセス管理がどうなっているかをチェックすることも大切です。
また、出張先やクライアント先など、外部からアクセスすることが多い企業であれば、スマートフォンやタブレットでも閲覧可能なマルチデバイス対応のシステムを重宝します。
そのほか、法令や各種制度に対応しているかどうか、ワークフロー管理はできるかなど、自社が必要とする機能をリストアップしたうえで確認することをおすすめします。
文書管理システムは開発やカスタマイズが可能
文書管理システムによっては、事業形態や社内ルールに合わせて独自のシステムを開発することも可能です。例えば金融業や医療分野など、より高度なセキュリティレベルを要する業界では、システムのセキュリティ対策に注目しなければなりません。クリエイティブな現場では、文書だけではなく画像や動画、音声などのデジタルコンテンツも保管・管理できれば大変便利です。
このように、自社に最適な文書管理システムを開発する場合は、自社内でプロジェクトチームを立ち上げて、本当に必要な機能についての検討も必要になるうえ、カスタマイズや開発に関するスキルを持った人材も必要になります。
社内でのシステム管理や保守管理が難しい場合は、外注という手段もあります。専門業者に依頼すれば、本来の業務に影響を与えることなく、自社に見合ったシステム開発・導入が可能です。
文書管理システムは、従来の紙媒体による文書管理では考えられないほど、業務の効率化が図れます。また、コスト削減やセキュリティ対策の面でも大変重宝する仕組みです。効率良く文書管理システムを導入するためには、事前の準備が大切です。文書管理システムを導入する目的を明確にして、保管するべき文書を仕分けするように心がけましょう。整理整頓ができれば、必要とする文書管理システムの機能が見えてきます。
文書管理システムの導入は、システム管理やカスタマイズスキルを持った人材があれば自社でも可能です。しかし、通常の業務に支障が出るほか、導入後には社員全体に周知させるという手間も発生します。こうしたコストを抑えるためには専門家に外注するのも1つの手段です。
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