形ある商品を取り扱う企業は、物流システムを導入することで業務の効率化をはかることができます。
業務システムの導入を検討している企業担当者も少なくないですが、物流システムの導入は失敗するとかえって業務効率を悪くしてしまうリスクもあります。
そのため、正しいプロセスを踏んで導入を進めていくのが欠かせません。
今回は物流システムの導入を検討している企業の担当者向けに、物流システムの種類や導入のメリット・デメリット、導入方法などについて解説します。
目次
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物流システムとは?
物流は「物的流通」のことで、端的にいえば商品を生産者から消費者へ渡す一連の流れのことを意味しています。
物流システムはこれをスムーズに進め、業務の効率化をはかるために導入されるシステムのことです。物流システムの導入をおすすめする企業というのは明確にはありませんが、取り扱う商品の種類が多い業界はなるべく導入を検討しておいた方が良いでしょう。業務効率化の改善だけでなく、トラブルの発生も抑えられて便利です。
物流システムが必要な業界の例を挙げると、日用品や食品を取り扱う業界、宅急便を取り扱う業界などが挙げられます。また、取り扱う商品の種類だけでなく、企業の運営形態によっても導入すべきかどうか変わってきます。例えば、ECサイトを運営していて在庫管理も行う企業であれば、物流システムを導入した方が好ましいでしょう。
業界の物流の特徴や運営形態をよく理解したうえで、物流システムを導入すべきかどうか検討してみてください。
物流システムの種類
物流システムといっても物流の業務は幅が広く、1つのシステムだけですべての業務を管理しきるのは困難です。そのため、業務別にそれぞれで異なるシステムが存在します。
そのシステムは大きく分けて以下の3つがあります。
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生産管理システム:商品製造における納期や在庫、工程、原価を総合的に管理するシステム
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在庫管理システム:商品の在庫状況を主に管理するシステム
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配送管理システム:商品の出荷から配送を完了するまでの配送情報を管理するシステム
●生産管理システム
生産管理とは、「商品の製造の工程における商品や情報の流れ」の管理を意味しています。生産管理システムはその管理に必要となるシステムです。商品の製造の工程では、納期、在庫、工程、原価の4つの要素を意識して管理することが重要です。この4つの要素をどう考えるかで生産管理システム導入の目的も変わってきます。納期スケジュールの観点で考える場合、今の商品の製造スピードでは予定通りに製造できない企業であれば、納期スケジュール通りに製造することが生産管理システム導入の目的となります。
一方で、より生産性を高めていきたい企業であれば、納期スケジュールを短縮して別の商品の生産にも着手することが生産管理システム導入の目的となります。他の3つの観点でも同様に、今の生産管理の現状を踏まえて目的を定め、その目的に合ったやり方で生産管理システムを導入していくことが大事です。
●在庫管理システム
在庫管理とは「商品の在庫を管理すること」を意味し、在庫管理システムはその管理に必要となるシステムです。
在庫管理は、商品を取り扱う企業であれば、在庫を持たない企業を除くほとんどの企業で求められる業務です。商品はうまく管理できていないと、在庫数が合わないといったトラブルが起こりやすく、無駄に時間や労力、お金を取られてしまうリスクがあります。最近では消費者のニーズが多様化していて、それに対応して商品の種類も増えてきました。
そういった点も相まって、在庫管理システムの重要性は大きくなってきています。商品の種類が増えていったとしても、在庫管理システムを導入していれば、Webブラウザあるいは自社のサーバを介して在庫状況をいつでも確認できます。わざわざ商品を目視で確認する必要がなくなるため、利益を直接生み出さないプロセスに対する手間を減らし、その分利益を生み出す部分にソースを割くことが可能です。そうなれば利益を向上させやすくなり、労働者としても負担を減らすことができるため、優れた労働環境で働きやすくなります。
●配送管理システム
配送管理とは、商品の出荷から配送を完了するまでの配送情報を管理することを意味しています。配送管理システムはその管理に必要となるシステムです。
配送ドライバーと連携して、配送状況を購入者に伝えたり、配送指示を出したりすることはもちろん、配送にかかってくる帳票の作成や日報、月報の管理も行います。生産管理や在庫管理は企業の内側だけで完結することの多い業務ですが、配送管理は外部との連携や情報共有が求められる業務であるため、予想外のトラブルが起こりやすいのです。そのリスクを少しでも最小限に抑えるために、モバイルで稼働できる配送管理システムも活用されています。
配送管理システムだけでもトラブルを減らすことはできますが、生産管理と在庫管理にもアプローチできる大々的なシステムを構築することで、より組織全体の業務の効率化やコストカットにつなげやすくなります。なお先に挙げたシステムの中でも、管理システムや生産管理システムは以下のページでも詳しく説明しています。導入を検討する企業担当者の方であれば、ぜひご参照ください。
物流システム導入のメリット・デメリット
物流システム導入のメリット・デメリット | |
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メリット | 配車計画をデフォルト化できる |
入出荷情報や在庫情報をリアルタイムで管理できる | |
さまざまなデータ分析ができる | |
デメリット | 導入に時間やコストがかかる |
物流システムが浸透するのに時間がかかる |
物流システムを導入することで、商品の製造から購入者に商品を届けるまでのプロセスで、業務効率やコスト、人員などの視点からさまざまな効果が得られます。企業で物流システムを導入することで得られるメリットやデメリットについて具体的に解説します。
●メリット
物流システムを導入することには以下のようなメリットがあります。
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配車計画をデフォルト化できる
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入出荷情報や在庫情報をリアルタイムで管理できる
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さまざまなデータ分析ができる
物流システムを導入することで、一番大きな恩恵を受けるのは配送管理業務です。従来は事業プランナーが自らトラック輸送の配車計画を立てていましたが、物流管理システムでは配車計画がデフォルトで搭載できるため、そこに対する人材のコストカットができるようになりました。トラック輸送の配車計画が効率的に行動できるように作られているものであればあるほど、トラック輸送の事業者の業績が上がります。
この配車計画がこれまでの実データを基に物流管理システムで練り上げられるため、効率の良い配車計画がいつでも実現でき、コストカットしつつ利益を高められるようになります。
また、商品の入出荷情報や在庫状況がリアルタイムで見られるようになるため、取り扱う商品の種類が増えても状況が確認しやすくなります。確認の手間が省ける分、なるべく人員を利益が生み出せる業務に配置したりすることが可能です。データとして在庫状況が見られるだけでなく、各工程の作業時間やそれによって生み出させる成果が簡単に数値化できるようになります。データがすぐに出そろえば早い段階でデータ分析を行い、効率が悪かったり、問題点が見られたりする業務が明確になります。そうなれば、時期を逃すことなく、改善していくべき業務にどのような対策を講じていくか考えて、実行まで結びつけることが可能になります。
●デメリット
一方で、物流システムを導入することには以下のようなデメリットがあります。
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導入に時間やコストがかかる
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物流システムが浸透するのに時間がかかる
物流システムを導入する際、自社でシステム開発ができる人材がいればある程度融通がききますが、そうでなければアウトソージングする必要があります。そうなると、自社のニーズや既存のサービス内容などのさまざまな視点から外注先と擦り合わせをして、実際にシステムを作成してもらい、仮運用という工程が必要になります。既存のサービス内容とのすり合わせという手順を踏む必要も考えられます。この手順を踏む時間やコストの大きさがどうしても大きくなってしまう点は避けられません。
物流システムの具体的な導入方法は?
物流システムを実際に導入するとなった場合、以下の手順で導入を進めていきます。
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1.物流に対する課題の発見
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2.課題解決に向けた方針の決定、経営陣と現場の理念の統一化
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3.課題解決に必要な機能の搭載
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4.物流システムの導入・運用コストの設定
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5.サポート体制の充実化
1.物流に対する課題の発見
コストカットや作業の効率化を求めて物流管理システムを導入するだけでは、パフォーマンスを最大限に発揮することはできません。まずは物流に対する課題を明確にして、それに合わせた独自の物流システムを導入する必要があります。
2.課題解決に向けた方針の決定、経営陣と現場の理念の統一化
物流に対する課題が明確になったら、その課題をどういったアプローチの仕方で解決させていくかを明らかにしていきます。アウトソーシングするか、内製で作り上げるかに関わらず、物流管理システムを構築するうえで、作り手に対して物流に対する課題と課題解決の方法を共有することはかなり重要です。
また、システム構築をする人が物流に詳しいとは限りません。もしクライアントがよく理解していないままシステム構築を行うと、想定と違うと感じる部分が出てきます。そのため、物流の中では当たり前の知識でも、一般常識的に考えて当たり前の知識ではないと感じることは、細かく全部伝えるようにした方が良いでしょう。
それに加えて、経営陣と現場の理念のすり合わせを行うことも重要です。経営陣にとっては求めていた物流システムができても、現場の労働者たちにとっては違和感を覚えてしまうものになっていることもあります。経営陣と現場の意見をすり合わせないままシステムを構築してしまうと、その効果を十分に発揮できないまま終わってしまっています。物流システムを一番使用するのは現場の人たちなので、経営陣と現場の代表とで話し合いの場を設けて、課題の発見と課題解決の方針を固めてください。
3.課題解決に必要な機能の搭載
課題の解決の方針が明らかになったら、その課題解決にどんな機能を搭載したらいいかを明らかにしていきます。物流システムは必要な機能を自由に搭載して、多くの作業を自動化できます。物流システムだけでなく、外部のサイトと連携させることで、さらに機能を拡張することも可能です。
使える機能は日々アップデートされていくため、より効率的に作業を自動化できるものを搭載した方が好ましく、それらの事情を理解しているのはシステム構築をする担当者や外注先です。どの機能を搭載するのがベストなのかを明らかにするためにも、システム構築の担当者や外注先とすり合わせを行うことが重要です。
4.物流システムの導入・運用コストの設定
搭載する機能まで決まったら、物流システムの導入や運用コストの目安を設定します。業務を効率化し利益を上げるために導入するのに、見込み利益が物流システムにかかるコストを上回るのに何年もかかっては意味がありません。明確な予算を出して、無理のない物流システムの導入かどうか判断してください。
5.サポート体制の充実化
物流システムが完成したら、使いこなすまでには時間がかかります。少しでもその時間を短縮するために、サポート体制を整えておくことも大切です。現場の意見を採用したとしても、肝心の現場の労働者が使えなければ意味がないので、早めに物流システムの使い方を指導できる体制作りを心掛けた方が良いでしょう。
物流システムの開発を得意とする企業
自社に合った物流システムを開発するためにアウトソーシングするとなると、それだけ実績のある物流システム開発に強い企業に依頼すれば安心感があります。物流システム開発に強い10社の詳細が以下のページにまとめてあります。参考にしてみてください。
物流システムの導入は適切な段階を踏んで
物流システムを導入することで、商品の製造から管理、配送に至るまで、作業の自動化や大幅なコストカット、雇用の調整などの多くのメリットが得られるのでおすすめです。しかし、経営陣と現場、そして外注先と十分な意見のすり合わせがないままシステムが構築されてしまうと、失敗に終わってしまうリスクが高いのも事実です。
物流システムを導入する際は、よく話し合ったうえで物流における課題やその解決方法、それにあった搭載すべき機能を明確にして、適切なプロセスを踏んで導入を進めるようにしていってください。
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