かつて導入したホームページが、半ば放置状態で公開されたまま、という企業も少なくないのではないだろうか。社内の体制に余裕ができたので、再び活用しようという機運が高まっても、10年以上前に制作したホームページでは、制作者や制作会社と連絡がとれないといったことも珍しくない。
書籍の校正などを行う株式会社鷗来堂も、会社設立の頃から20年近くにわたり使い続けてきたホームページをリニューアルするために発注先探しの必要が生じた。発注ナビを利用することで、予算的にもリーズナブルなWeb制作会社である株式会社ぎんカフェグループと出会うことができたという。
そこで今回は、株式会社鷗来堂の管理本部 情報技術担当 鶴岡眞屋子氏、株式会社ぎんカフェグループ WEBソリューション事業部の長谷川博一氏の両名にお話を伺った。
20年来利用してきた会社ホームページをリニューアルへ。一社ずつ探していくのは早々にあきらめ、発注ナビを利用
――株式会社鷗来堂様は、どのようなビジネスを展開されているのでしょうか。
株式会社鷗来堂 鶴岡氏:当社は書籍の校正業務を中心に展開しています。校正の仕事を扱ったテレビドラマがヒットしたこともあり、かつてに比べると世の中にも知られるようになりました。取引先の多くは出版社で、BtoBのビジネスです。また、校正以外に、版面設計に合わせて文章を流し込み、ページを作り上げていく組版の仕事も行っています。
――今回、御社のホームページをリニューアルされるということでご依頼をいただきました。
鶴岡氏:当社では、これまで自社のWebサイトにあまり力を注いでおらず、会社設立の頃に制作したものを、ずっと使い続けてきました。かれこれ20年ほどになります。技術的にもPHPの古いバージョンが使われており、不安もあったのですが、制作当時の担当者も残っておらず、手を入れられない状況が続いていました。
とはいえ、組織内の人員も50名ほどに増え、事業もある程度安定しましたので、長らく懸案だったホームページのリニューアルも、そろそろ本格的に取り組もうということになりました。
――鶴岡様は社内Web担当というお立場なのでしょうか。
鶴岡氏:社内にはWeb担当部門がなく、専任のWeb担当者もおりません。私は校正者として当社に入社しましたが、社内にPCに詳しい者がおらず、趣味でHTMLをかじっていた私が社内のPC周りのことを少しずつ任されるようになり、昨年(2023年)から正式に社内の情報システム担当になりました。
――今回、発注ナビをご利用くださいましたが、利用に至るまでの経緯を教えてください。
鶴岡氏:実は、私のほかにもWordPress(ホームページ上のコンテンツを管理するシステム)の利用経験者が社内にいましたので、書籍のデザイナーと合わせて3名で、最初は全て内製でできないかと検討しました。ただ、運用はともかく、サイトの構築は思った以上に難しいと分かり、外部に発注することにしました。
とはいえ、何から手を付ければ良いのかも分からなかったので、まずは相場を調べるために、さまざまなブログや制作会社のホームページなどをチェックしていこうとしました。しかし、対象となるブログやホームページがあまりにも多過ぎて早々にあきらめ、マッチングサービスを探すことにしました。
ネットで検索すると、結果の上位に発注ナビが載っていました。マッチングサービスの利用も初めてで不安もあったのですが、発注ナビは利用者側が無料で、かつ経営母体がソフトバンクグループであることなど安心できる要素がいくつかあったので使ってみることにしました。
――ほかのマッチングサービスと比較検討はされましたか。
鶴岡氏:いいえ。まずは発注ナビで紹介してもらって、それでうまくいかなかったら次のサービスを探すつもりでいました。
「本当に困っているお客様の力になりたい」ぎんカフェグループWEBソリューション事業部
――株式会社ぎんカフェグループ様は、Web制作だけでなく幅広いビジネスを展開されていますね。
株式会社ぎんカフェグループ 長谷川氏:はい。当社は店舗運営やイベント企画・展開、さらに催事出店やキッチンカービジネスを展開するぎんカフェプロモーション事業、法人のみなさま向けにさまざまな食材やフードビジネスリソースを流通させるコーポレートセールス事業、日本全国の地方にある素晴らしい食材・食品・サービスの架け橋となる地方創生支援事業、そして、私が所属するWEBソリューション事業という、大きく分けて4つの事業を展開しています。
WEBソリューション事業においては、美容、不動産、製造、建設、飲食、医療、サービス業など、それぞれの業種を対象に、これまで2500社以上のホームページを制作してきた実績があります。私自身もWeb制作には20年ぐらい携わってきました。
――発注ナビでは、主にどのような案件にエントリーされているのでしょうか。
長谷川氏:当社はお客様の業種・業界は問いませんが、多くの場合、ホームページのみというお客様をターゲットにしています。システム開発も伴って数百万円という規模の案件には、あまりエントリーしていません。
エントリー数もいたずらに増やすことはせず、納期などを考慮して毎月どれぐらい制作できそうかを算出しながら絞り込んでいます。具体的には月間10エントリー程度でしょうか。
――ホームページのみというお客様をターゲットにされているのはなぜでしょうか。
長谷川氏:ホームページ制作のみをご希望されているお客様は、予算が限られていたり、システム導入以前の段階で困っていたりするケースが少なくありません。当社は、本当に困っていらっしゃるお客様に寄り添って、力になっていきたいと考えております。
――鷗来堂様はWordPressを使ったホームページの構築を希望されていました。
長谷川氏:そこも今回エントリーした理由の一つです。当社では、お客様がご自身でコンテンツを更新しやすいようにホームページ制作案件の8~9割で、WordPressを使った構築をご提案しています。WordPressで手軽に更新作業ができるようになれば、内製化により運用コストを抑えられます。
安いのではなく、それが適正価格。「必要なことは全てやります!」という安心感が決め手になりました
――発注ナビから5社ほど紹介差し上げました。その中から、ぎんカフェグループ様を選ばれた決め手はどこにあったのでしょうか。
鶴岡氏:ご紹介いただいた5社全てと1回はミーティングを持ちました。そのうち3社は、第一印象でしっくりこない感触を得ました。当社の要望を受け止めてくれておらず、担当者とも話がかみ合わない感じがしたので、早い段階で候補から外しました。
残る2社、ぎんカフェさんともう1社でかなり迷いました。実際にぎんカフェさんには迷っている旨をメールしたほどです。
最終的にぎんカフェさんに決めた理由は、予算をかなり抑えてくださったところにあります。ほかの4社は当初の見積額が80万円程度でしたが、ぎんカフェさんだけが圧倒的に安く、半額に近い見積額でした。驚いたのと同時に疑ってしまい「これは後から増えるパターンですか?」「ここはやってもらえないのですか?」など、長谷川さんに次から次へと質問を浴びせてしまいました。
その結果、必要なポイントはきちんと押さえてくださっていることが分かりました。長谷川さんからも「必要なことは全部やらせていただきます」という心強い言葉を頂きました。これが決め手になりました。
――ぎんカフェグループ様は、どうしてそこまで価格を抑えることができるのですか。
長谷川氏:まず、自社内制作という点が大きいと思います。デザイナーやコーダーも全て自社内で抱えています。デザインやコーディングを外部に依存している制作会社だと、その分が経費として上乗せされるため、どうしても価格は高くなってしまいます。全て内製している当社は、最初から安いということです。
ただし「安い」というと、足りないところ、手を抜いているところがあるのではないか、と思われるかもしれませんが、そのようなことはありません。当社がご提示するのは、あくまでも「適正価格」なのです。
鶴岡さんから、ページ数や内容について詳しく伺っていたので、通常の当社規定の料金を当てはめてご提示しただけのことです。
――ランニングコストについてはどうなりますか。
長谷川氏:月額1万円などとサポート料金を定め、毎月のサポート契約を結ぶ制作会社もありますが、当社はそうした月額制のメニューは用意していません。
当社は、何かあればいつでも相談してもらって、作業が発生する場合には、その都度、見積をご提示していくスタイルを採用しています。もちろん相談は無料ですので、お気軽に持ち込んでいただければと思います。
鷗来堂さんは、専任のWeb担当者がいらっしゃらないということでしたので、公開後もちょっとした更新などでご相談があるのではないかと思い「コストを抑えながらも長くお付き合いできる」というお話をさせていただきました。
鶴岡氏:その点もぎんカフェさんを選んで良かった点ですね。
――ホームページは現在制作中ということですね。
鶴岡氏:今は、ぎんカフェさんにトップページのデザインラフを出してもらっているところです。「シンプルなデザインで」と、ふんわりとしたオーダーしか出せなかったのですが、とても素敵なラフが上がってきたので喜んでいます。
長谷川氏:WordPressは管理ページのカスタマイズも可能なので、鷗来堂さんが使いやすいように、業務プロセスや現場の動線なども考慮しながら、一旦こちらから提案していこうと考えています。
発注ナビは、サービスの利用が初めてでも使いやすいと感じた。アフターケアにも力を入れている印象で安心感がある。
――発注ナビの利用についてはいかがでしたか。
鶴岡氏:こういうマッチングサービスの利用そのものが初めてなのでほかとの比較はできませんが、サービス全体は使いやすく、サイトの構造も分かりやすいと感じました。利用中もコンシェルジュの方が電話などで折に触れ様子を確認してくださるのも好印象でした。
申し込み当初は、コンシェルジュの方が「発注内容を固める」部分もサポートしてくれるかと思っていたのですが、実際にはこちらの現状や要望など制作する上で重要な情報を洗い出し、それがそのまま受注候補の企業に伝わる形でした。
(発注ナビに案件相談すると各社に提供される)マイページ機能は良くできていると思います。アポイントメントをとる機能は便利だなと思いました。ただ、送り方が良く分からず活用できませんでした。
アフターケアについては、その後の状況の聞き取りなどもあり、きちんと気にかけてもえている安心感があります。
――ぎんカフェグループ様は、今回の案件を振り返られて、いかがでしたか。
長谷川氏:鷗来堂さんとは、とても良いご縁ができました。公開後も良い関係のお付き合いができればと願っています。
発注ナビでは、今後もホームページをご希望のお客様を中心にエントリーしていきたいですね。ページ数であれば10ページから、最大でも15ページ程度でしょうか。お客様にご迷惑をお掛けしないよう、納期なども踏まえた上で、自社のキャパシティで対応できる案件に絞り込んでエントリーできればと考えています。
ホームページ制作で本当に困っているお客様、何も分からないというお客様も、イチから分かりやすくご説明し、コスト面でも適正な価格をご提案できると思います。
――ありがとうございました。
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