店舗管理システムは導入方法によって、費用相場や導入後のメリット・デメリットが異なります。クラウド型は初期費用が抑えられる場合が多い反面、ランニングコストがかかる場合があります。一方、オンプレミス型は初期費用が高くなる場合がありますが、導入後のランニングコストが抑えられることが多いです。また、安さだけでなく機能性や業務との親和性、アフターフォローなども重要なポイントです。導入を検討する際には、様々な観点から検討することが重要です。
そこで、本記事では店舗管理システムの費用相場と導入費用を抑えるポイントについて解説します。店舗管理システムの導入をご検討中の方は、予算組の参考にしてください。
目次
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店舗管理システムの概要
店舗管理システムとは、店舗の売上、従業員の勤怠管理などの店舗業務に必要な業務を一括管理するシステムです。店舗管理システムの導入により店舗全体の業務の効率化、コストを削減する効果が見込めます。また、データを集約し、分析することで、戦略的な経営判断や改善策を導き出すことができるなど、経営にも有効なシステムです。店舗管理システムの主な機能としては、売上や在庫の管理、発注や仕入れまで、様々な機能を備えており、異なるメーカーのPOS端末データの集約や不正処理チェックも可能です。これにより、店舗全体の作業を効率的に一元管理できます。
タイプ別にみる店舗管理システムの費用相場
店舗管理システムの導入方法は、オンプレミス型(フルスクラッチ/パッケージ)とクラウド型の2つの導入方法があります。ここからはオンプレミス型とクラウド型の費用相場とそれぞれのメリット・デメリットについて紹介します。
●オンプレミス型(フルスクラッチ/パッケージ)の費用相場
フルスクラッチ導入 | パッケージ導入 | |
---|---|---|
初期費用 | 数百万円~ | 数百万~ |
維持費用 | 数万円~数十万円/月額 | 数万円~数十万円/月額 |
オンプレミス型は、フルスクラッチ導入とパッケージ導入の2つの方法があり、それぞれメリット・デメリットがあります。フルスクラッチ導入は、0からオリジナルで店舗管理システムを開発するので、自社に合ったシステムを構築でOSのアップデートが必要になるというデメリットもあります。
オンプレミス型フルスクラッチ導入の費用相場は、利用する店舗の規模により異なりますが、数百万円程度の初期費用がかかります。さらに維持費用として月額数万円から数十万円の費用も必要になります。
パッケージ導入は、既にあるパッケージを自社で設置したサーバーにインストールして運用する導入方法です。またある程度、自社の店舗業務に合わせたカスタマイズができるパッケージもあります。
パッケージ導入は、フルスクラッチ導入と比べて費用を抑えて導入できるメリットがあります。しかし一方で、フルスクラッチと違い完全に自社店舗の業務に合わせた機能が搭載できないことから、導入後に従来の店舗業務ができなくなり、業務の見直しや、変更が必要になる可能性があります。
パッケージ導入の費用内訳としては、サーバーの設置費用やライセンス発行費用といった初期費用がかかります。さらに維持費用も必要になります。店舗の規模により異なりますが、数百万程度の初期費用と、維持費用として月額数万円から数十万円の費用が必要になります。
●オンプレミス型のメリット・デメリット
オンプレミス型のメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
自社の業務に合わせたカスタマイズが可能 | 自社でシステムを構築するため、自社の業務に合わせたカスタマイズが可能です |
---|---|
セキュリティが強固 | サーバーを自社で管理できるため、セキュリティレベルを自由に設定することができます |
インターネットに依存しない | ネットワークトラブルが発生しても、システムを稼働させることができます |
一方、デメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
導入コストが高い | サーバーの購入や設置、システムの開発など、初期費用が高額になる場合があります |
---|---|
メンテナンスが必要 | サーバーのメンテナンスやセキュリティ対策、バージョンアップなど、定期的なメンテナンスが必要です |
社外からアクセスできない | セキュリティ上の理由から社外からアクセスできないシステムが多いため、遠隔から店舗の状態の確認や業務ができない場合があります |
●クラウド型の費用相場
クラウド型導入の費用相場 | |
---|---|
初期費用 | 無料~数十万円 |
維持費用 | 月額数千円~数万円/ユーザー数 |
クラウド型とは、インターネット上で提供されている店舗管理システムです。オンプレミス型に比べると格安で利用ができます。クラウド型の費用相場は、サービスを提供するプロバイダーや、追加オプションにより異なりますが、初期費用は無料~数十万円、維持費用として月額数千円~数万円/ユーザー数が必要になります。例えば、店舗管理システムの維持費用が1万円の場合、利用者が20名であれば、1万×20名となり、月額維持費用は20万円となります。
●クラウド型のメリット・デメリット
クラウド型のメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
導入コストが低い | サーバーの購入や設置が不要で、導入コストを抑えることができます 開発工数も不要なため、導入までの期間も短く済みます |
---|---|
システムの利用が柔軟 | 必要な時に必要な分だけシステムを利用できるため拡張性が高く、柔軟に対応できます |
外出先からでもアクセス可能 | インターネットに接続していれば基本的にどこからでもアクセスが可能です そのため社外アクセス可能なシステムを選べば、遠隔地からリモートアクセスもできます |
一方、デメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
セキュリティに対する不安がある | 外部のサーバーにシステムを預けるため、セキュリティ面に不安が残る場合があります |
---|---|
メンテナンスやアップデートの負担がある | 外部のサーバーに頼るため、定期的なメンテナンスやアップデートに対する負担がある場合があります |
利用料が発生する | 月額利用料が発生するため、長期的に利用する場合は導入コストが低いオンプレミス型に比べ、総費用が高くなる場合があります |
ここまでオンプレミス型(フルスクラッチ/パッケージ)とクラウド型の費用相場やメリット・デメリットをご紹介しました。「店舗管理システム導入費用を抑えたい」と考えるならば、クラウド型が適しています。ただし、クラウド型ではカスタマイズの難しさや機能の多さによる操作の複雑さが問題となり、業務効率が低下することがあります。
このような状況を避けるために、社内でのヒアリングや業務の洗い出しを実施し、システムで解決したい課題や要望を明確化した要件定義を作成することが重要です。導入費用だけで判断するのではなく、自社の課題や希望を解決できるか、業務効率化を実現できるのかを考え店舗管理システムを選択しましょう。
店舗管理システム導入の費用を抑えるポイント
ここからは実際に店舗管理システムを導入するにあたって、費用を抑えるポイントについてご紹介します。
●初期費用と維持費用を抑えられるクラウド型
クラウド型は、サーバー購入やパッケージライセンスの発行手数料が不要なため、初期費用を抑えることができます。さらにサーバー機器の入れ替えや、パッケージのバージョンアップ、OSのアップデートなどで発生する費用も不要です。
クラウド型店舗管理システムの場合、利用者人数やストレージ容量などに応じた利用料が発生するため、維持費用を利用者数に応じて抑えることができます。ただし、一部のシステム提供者によっては、月額利用料のほかに使用回数や通信量などに応じた追加費用が発生する場合もあるため、事前に確認する必要があります。
また、クラウド型の店舗管理システムはカスタマイズができない点や、機能が豊富なあまり操作がわかりにくいなどの課題があり、導入後に業務の見直しや運用変更、操作ミスなど業務効率が低下するデメリットも考慮する必要があります。
●機能の必要最小限化
店舗管理システムの機能は、在庫管理や売上管理、顧客管理、POS機能など多岐にわたります。これらはすべて店舗経営において重要な機能です。しかし、システムを導入する際に一度にすべての機能を取り入れると、費用面だけではなく業務への負担も大きくなり、業務効率が低下することがあります。
そうならないため、在庫管理の負担軽減や売上管理業務の効率化など、自社の店舗における問題や課題を洗い出し、それらを解決するために必要な機能を絞り込むことが、店舗管理システム導入費用を抑えるうえで重要なポイントとなります。
●優先すべきポイントを明確にする
店舗管理システムの運用を開始すると、障害発生やイレギュラーな操作方法に関する問い合わせ、システムやOS、サーバー機器のアップグレードなど、様々な問題や課題が生じます。これらを解決するためには費用や時間がかかります。初期費用を抑えたとしても、導入後のランニングコストが高額になると意味がありません。
そこで重要なのは、初期費用とランニングコスト(アフターメンテナンス)を総合的に評価し、どちらを優先して抑えるべきかを決めることです。これが、店舗管理システムの費用を抑えるための重要なポイントとなります。
●補助金を活用する
IT補助金とは、中小企業・小規模事業者などが、抱えている課題やニーズに合ったITツールを導入する際、費用の一部(1/2以内、最大450万円)を補助し、業務効率化・売上アップをサポートする制度です。通常枠の補助額は、A類型で5万円~150万円未満、B類型で150万円~450万円以下と決まっています。
補助金対象経費としては、ソフトウェア購入費用、クラウド利用費用(最大2年分)、導入関連費です。通常枠のほかにも、独立行政法人情報処理推進機構が公表する「サイバーセキュリティお助けサービスリスト」に掲載されているサービス利用料金(1/2以内)上限額5万円~100万円を補助するセキュリティ対策枠や、会計・受発注・決済・ECソフトウェア購入費用・クラウド利用費用(最大2年)導入関連費用の一部(3/4~2/3以内)を下限なし~350万円を補助するデジタル化基盤導入型補助金などがあります。
詳しくは「IT導入補助金2023(一般社団法人 サービスデザイン推進協議会)」をご確認ください。
ここまで店舗管理システムの費用を抑えるポイントについて紹介しました。店舗管理システムの選定のポイントとしては、費用の安さだけでなく、自社の課題に合った機能が揃っているか、操作性がわかりやすくユーザビリティが高いかなど、総合的に判断して選定することが大切です。
外注先(開発会社)の選定ポイント
店舗管理システムの開発会社を外部に依頼する場合、重要となってくるのが外注先の選定です。開発実績や得意分野、アフターフォローなどを総合的に判断して選定することが大切です。ここからは、店舗管理システムの開発会社の選定ポイントについて詳しく解説します。
開発会社の選定ポイントとしては、以下の5つのポイントがあります。
●相見積もりをとる
店舗管理システムに限らず、開発会社を選定する際には、複数の開発会社から見積もりを取得しましょう。見積もりを比較するためには、指定した項目に基づいて見積もりを依頼し、金額の比較をしやすくすることが重要です。さらに、要件定義を作成して提出すると、より詳細な比較が可能になります。
●開発実績が豊富か
開発会社を決めるポイントとして、開発実績の豊富さは重要なポイントです。特に店舗管理システムの開発実績の多い開発会社であれば技術、知識を持っていると判断できます。この事で開発期間の短縮や費用を抑えての導入が可能になります。
●自社の希望するシステムに合う得意領域をもっているか
店舗管理システムの実績数を確認するほかにも、自社と近い業種や業態への開発実績も確認する必要があります。それらの実績があれば、業務に関する知識や導入背景の理解もある程度はあると判断できます。要件のすり合わせもスムーズに行うことができるため、開発途中での修正や、やり直しなど余分な費用をかかることなく、見積もり金額で導入ができます。
●開発後のサポートの有無
店舗管理システムの開発は、開発して終わりではありません。導入後も不具合や機能追加が必要なことがあるため、開発後のサポートが充実しているかどうかも重要なポイントです。また、運用を開始すると、特殊な操作方法に関する問い合わせやシステム障害、サーバー障害、システムやOSのアップグレードなど、様々な問題が発生することがあります。そのため、それらに迅速に対応できるサポート体制が整っているか、24時間365日対応が可能かなど、アフターサービス内容を確認することが重要です。また、開発会社が倒産した場合に、運用・保守を別の企業へ引き継いでもらえるかどうかも、状況に応じて確認が必要となります。
●コミュニケーションがとりやすいか
開発を進める際には、開発会社との打ち合わせが重要です。わかりやすく納得できる説明が受けられるかどうかは、選定基準の1つとなります。営業担当者だけでなく、開発を担当するエンジニアとのコミュニケーションも重要になるため、自社にIT知識がない場合にも、わかりやすい説明を受けられるかどうかを検討事項の1つとしましょう。
今回は店舗管理システムの開発会社を選定するポイントについて解説しました。 店舗管理システムは、業種や業態、業務内容により必要な機能が違います。また導入後は長期的な運用・保守が必要です。見積もりの安さだけでなく、今回解説した選定ポイントを参考に、自社の要望を叶えることができる開発会社を決めてください。
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