ビジネスで使用されるソフトウェアの中には、業務管理システムや給与計算システムなど、「〇〇システム」と呼ばれるソフトウェアやアプリケーションが数多く存在します。
この業務の中で何気なく使っている「システム」には、どのような意味が込められているのでしょうか。日常的に使用されるIT用語ほど、ITに精通したエンジニアであっても正確な意味を知らないというケースも少なくありません。
今回は、IT初心者の企業担当者に向けて、「システム」の基本情報と種類に詳しく紹介します。業務に合ったシステムを導入することで、作業の効率化や企業の利益の向上に繋げることも夢ではありません。
目次
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システムとは?
システムとは? | |
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言葉 | 意味 |
システム | 組織、制度、機構、仕組み |
サブシステム | システムの一部分を構成する要素 |
メカニズム | 機械の装置、仕掛け |
ストラクチャー | 事業や企業の構築または構造 |
ユニット | 全体を構成する一つひとつの要素 |
システム(system)という言葉は、直訳すると「組織」や「制度」のほか、「機構」「仕組み」などを指す言葉として使用されます。システムをさらに小さな単位に分けたものを「サブシステム」とも呼ぶほか、上図のように似た意味合いを持つ言葉も少なくありません。こと企業や業務において、システムは「〇〇をする仕組み」という意味で使用されることが多くなっています。
例えば「業務の際に使用する仕組み」であれば業務システム、「インターネット上で利用する仕組み」はWEBシステム、など、システムの名を冠したIT用語は数多く存在します。以下では、ビジネスや開発業務で主な使用されるシステムの種類について解説します。
システムにはどんな種類がある?
システムの種類 | |
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種類 | 概要 |
勤怠管理システム | 従業員の勤怠管理を担うシステム |
人事給与システム | 雇用形態に合わせて従業員の給与計算を行うシステム |
販売管理システム | 商品の売上管理や在庫管理を行うシステム |
配送管理システム | 出荷から配送完了までのプロセスを管理するシステム |
営業支援システム | 営業をサポートする機能を備えたシステム |
業務システム | 業務で使用するシステム全般 |
基幹システム | 業務を行うのに絶対必要となるシステム |
情報系システム | コミュニケーションや意思決定の支援などを目的としたシステム |
ビジネスや開発業務で使用される主なシステムは上図の通りです。システムの大半は、機能や特徴を指して「〇〇システム」という名前が付けられています。システムによっては複数の種類に該当するケースもありますが、種類別の機能を把握しておけば、企業で求めるシステムを導入しやすくなるでしょう。
●勤怠管理システム
勤怠管理システムは、従業員の勤怠管理を担うシステムのことです。従業員の打刻時間を集計して月の勤務時間や遅刻回数などを割り出したり、有給日数を管理したり、総務・人事の仕事をサポートする役目を担っています。「働き方改革」という言葉が普及した現代では、労働者ごとに雇用形態なども大きく異なるため、管理が複雑化しやすいという特徴があります。そんな時に、従業員の勤怠状況をまとめて管理できる勤怠管理システムが重宝するでしょう。
●人事給与システム
労働時間や勤務日数、役職手当などを加味して、従業員の給与計算を行ってくれるのが人事給与システムです。査定内容に合わせて従業員の基本給を変更したり、ボーナスの額面を算出したり、給与計算と管理を楽に行える特徴があります。先に挙げた勤怠管理システムの一機能として、この人事給与システムが搭載されているケースもあります。
●販売管理システム
販売管理システムを使えば、商品の売上管理や在庫管理を行うことができます。ECサイトや実店舗を運営している企業にとっては、販売管理システムはなくてはならない存在です。データを参考に、販売が好調な店舗や人気商品などを割り出して、事業計画や新商品の開発などに役立てることも可能です。中には、「在庫数が一定数以下になったら自動的に発注する」といったように、業務の効率化に役立つ機能が備わっている販売管理システムもあります。
●配送管理システム
荷物の出荷から配送完了までのプロセスを管理するシステムのことを、配送管理システムと言います。運輸業にとっては、生命線とも言えるシステムで、膨大な数の配送物をまとめて管理することができます。この配送管理システムは、配送会社のオフィシャルサイトと連動していることも少なくありません。ユーザーが注文番号を入力することで、「注文した品物がどこにあるのか」がひと目で分かる仕組みです。
●営業支援システム
営業支援システムは、営業をサポートする機能を備えたシステムのことです。顧客情報や案件の進捗管理、名刺管理などを行うことができます。企業によっては膨大な数の企業に対して営業をかけるケースも多いため、顧客ごとに情報を管理できる営業支援システムが欠かせません。
●業務システム
業務システムは、その名の通り「業務で使用するシステム」を指す言葉です。先に挙げた、販売管理システムや営業支援システムなどが当てはまります。業務システムは数多くのシステム会社からリリースされていますが、企業の中には事業内容に合わせてオリジナルの業務システムを開発することもしばしばです。
●基幹システム
基幹システムも、業務システムと同じく「業務で使用するシステム」を指します。ですが、業務システムが「業務を行うのに役立つシステム」であるのに対し、基幹システムは「業務に絶対必要となるシステム」という違いがあります。例えば、小売業の販売管理システムや運輸業の配送管理システムなどが当てはまるでしょう。ちなみに、複数の基幹システムを組み合わせたシステムのことを、ERP(統合基幹業務システム)と呼ぶこともあります。
●情報系システム
情報系システムとは、コミュニケーションや意思決定の支援などを目的としたシステムです。具体的には、メールソフトやオフィスソフト、グループウェア、社内SNSなどが該当します。とはいえ、情報系システムも基幹システムも「業務で使用する」という点に変わりありません。そのため、「ビジネスで使用するシステム」のことを総括して、業務システムと呼ぶこともあります。
業務にシステムを導入するメリットは?
上記のように、システムごとに用途や機能が大きく異なるのが特徴です。業務でシステムを導入すると、「仕組み」によって、業務を効率良く進めやすくなるため、業務効率の改善や人的コストの削減に寄与します。業務にかかわりのないシステムを導入しても、恩恵は受けられないため、繰り返しになりますがシステムごとに「何ができるか」を把握しておくのが理想です。
一方、業務にシステムを導入すると相応のデメリットが発生することを留意しておきましょう。例えば、どのようなシステムであっても、障害やエラーによってシステムが稼働しなくなれば、業務に大きな支障を来します。万が一、基幹システムのように「業務に欠かせないシステム」が停止してしまえば、業務そのものが続けられません。場合によっては、企業の経営や信頼性に悪影響を及ぼすでしょう。
そのためシステムを導入する際は、システムの運用保守についても検討しておく必要があるのです。定期的なメンテナンスを設けて、「システムを常に使い続けられる状態」を保つことを念頭におきましょう。
システムとプログラムは何が違う?
ここで、システムとよく混同される「プログラム」との違いについてカンタンに解説します。基本情報の項で紹介した通り、システムが「仕組みそのもの」を指す言葉なのに対し、プログラムは「コンピューターに対する命令」を指す言葉として使用されます。業務システムや基幹システムなどを作る際に、プログラム(プログラミング)が必要となるのです。
システムとプログラムのどちらも開発業務に使用されることの多い言葉なので、違いを覚えておくことをおすすめします。以下ではシステム開発の具体的な手順について紹介します。
システム開発はどのように行われる?
システムの販売開発を担う企業のことを、「システム開発企業」と呼びます。リリースされているシステムに「業務に最適なシステムがない」というケースにおいても、システム開発会社に発注をすることでオリジナルのシステムを開発が可能です。システム開発は、図のような段階を踏んで進んでいきます。
ここで言う要件定義とは、システムに搭載したい機能をまとめる作業のことです。この「要件定義」にはじまり、システムの外的要素を決める「外部設計」や、プログラミングを行う「内部設計」、プログラムのパーツごとに動作確認を行う「単体テスト」と開発が進んでいくのです。最後は、実務環境でのテストを経てシステムがリリースされます。
ただし、システム開発はウォーターフォール型やアジャイル型などの開発手法し、方法によっては手順や内容が異なるケースもあります。より詳しい情報は以下のページでも掲載しているので、開発手順について知りたい企業担当者であればご参照ください。
この手順を踏む前段階として、「こんなシステムを作りたい!」という目的を立てる必要があります。例えば、「自社の業務に合わせた営業支援システムが欲しい」「スマホで操作できる配送管理システムが必要」などの目的を基に、要件定義を作る仕組みです。
業務にシステムを導入したい企業担当者であれば、先に挙げた手順を参考にシステム開発を行うと良いでしょう。もしも、「社内に開発できる環境がない」「従業員がいない」というケースであれば、システム会社のマッチングサービスを利用するのも手です。マッチングサービスであれば、企業ごとに実績や強みなどが掲載されているため、目的に合わせて最適な企業に依頼ができます。システム開発の外注を検討している方であれば、システム会社に特化したマッチングサービスである「発注ナビ」をご利用してみてはいかがでしょうか。
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