中小規模のシステム開発会社の多くは、安定的なリード獲得や新規案件の開拓に課題を抱えている。大手システム開発会社のように専任の営業社員や営業部門があるわけではなく、エンジニアと営業を兼務するメンバーが開発案件の合間を縫って、無料の案件紹介サービスなどを活用するケースも多い。株式会社ギャスも、そのような悩みを抱える中小規模のシステム開発会社の一つだ。 同社は発注ナビを利用することで、わずか半年で4件、総額2,000万円の新規開発案件の受注に成功した。同社の取り組みについて、代表取締役の島田 聖二氏にお話を伺った。
社名 | 株式会社ギャス |
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所在地 | 東京都千代田区神田鍛冶町3-7-21 天翔オフィス神田608 |
従業員数 | 1 – 30名 |
事業内容 | Web3・ブロックチェーンシステム開発、システム導入支援、システム開発支援 |
掲載カテゴリ |
- 導入前の課題
社内に専任の営業社員がおらず、営業部門もなかったため、かねてより営業にリソースを割くことができなかった。人手をかけず安定的に新規のリードやシステム開発案件を獲得する狙いから、無料の案件紹介サービスやマッチングサービスを利用したものの、単価の低い案件や、本気でシステム導入を検討しているとは言えない発注者が多く、期待した成果を得られなかった。
- 導入後の効果
発注ナビのセレクトプランを利用して、約半年間で4件、総額2,000万円以上の新規開発案件の受注に成功した。発注ナビは、受注を希望する開発会社からのエントリーに応じて、一定の割合で案件を配信する仕組みになっている。そのため、エントリーを継続することで、新規リードと新規システム開発案件を安定的に獲得できる体制を構築できた。さらに、中小規模のシステム開発会社ではなかなか出会えないような大手の発注者へも提案の機会を得られ、高額な新規案件の獲得につながった。
継続的、安定的に新規リードとシステム開発案件を獲得するには

代表取締役 島田聖二氏
株式会社ギャスは、2015年4月に設立された、東京都千代田区に本社を置くシステム開発会社である。『お客様の理想をシステムで形に』を信条とし、顧客の要望に寄り添ったシステム開発を行っている。
「エンジニアは、過去の事例や自身の開発イメージをもとに、システムを想定しがちです。しかし、当社ではその前に立ち止まり、『これはお客様が本当に求めているものか』を自問します。お客様の課題、システムで実現したいこと、導入の目的などを徹底的に見直すことで、お客様が本当に望むシステムを作り上げることができるのです」と、島田氏は強調する。
システム開発会社のイメージと、顧客が本当に求めているものがずれると、望んだシステムとは異なるものが出来上がり、費用と時間が無駄になってしまう。同社は、このような『システム開発における不幸』をなくすことを常に心掛けてている。
実際のシステム開発では、できるだけ早い段階でシステムのモックアップやプロトタイプを作成し、顧客に実際に触れてもらい、開発の方向性を確認する。これによりシステム開発の進捗状況を可視化し、完成形に向けた明確な目標を設定できると考えているためだ。
このような特徴を持つ同社だが、2015年の創業から間もない時期は、システム開発案件の安定的な獲得に苦労していたという。「当社のような規模のシステム開発会社には、新規案件獲得のための営業活動にリソースを割く余裕がありませんでした。かといって、費用をかけて営業代行やマッチングサービスを利用しても、本当に成果が出るのか分からず、本格的な利用には踏み切れずにいました」と、島田氏は当時を振り返る。
同社はやむなく、無料で利用できる案件紹介サービスで新規リードを獲得しようとしたが、単価の低い案件しか集まらず、希望する規模や予算の案件はほとんどなかったという。また、発注者側のシステム開発に関する理解不足も目立ち、「正直、この単価でこのレベルの開発は難しい」という案件も少なくなかった。紹介されるリードや開発案件は、発注者へのヒアリングなどが十分に行われておらず、本気でシステムを導入しようという意志があるかどうかを確認するのに多くの時間を要したという。
そもそも、同社が得意とするシステムの受託開発案件は、新規顧客を獲得するための営業活動が難しいという側面がある。通常の営業とは異なり、顧客の課題をヒアリングし、システムによる解決策(ソリューション)を提案する必要があるためだ。顧客の課題を聞き出すコミュニケーション能力はもちろん、システムに関する知識や経験も求められる。以上の点から、中小規模のシステム開発会社が安定的に新規リードや開発案件を獲得するのは容易ではない。このような課題を抱える中小規模のシステム開発会社は多いだろう。
中小規模のシステム開発会社にとって使い勝手の良い発注ナビ
このような状況の中、同社は2019年9月に発注ナビの利用を開始した。きっかけは、発注ナビの営業電話だ。電話での説明で料金体系やサービス内容に興味を持った同社は、後日、発注ナビの担当者から詳細な説明を受け、契約に至った。
発注ナビ利用の決め手について、島田氏はまず料金体系を挙げる。同社が選んだプランは、1年間や2年間といった一定期間内で、発注ナビを利用する月を任意で選択できるセレクトプランだ。例えば、『2年間のうち任意の6カ月間、発注ナビを利用する』といった使い方ができる。
島田氏は、「セレクトプランは、支払う費用があらかじめ決まっているため営業経費として計上しやすく、事業計画を立てやすい」と語る。また、利用する月を自由に選べるため、エンジニアが大規模案件に集中している期間には利用を見送ることも可能だ。もちろん、その期間中は費用が発生しない。「繁忙期を避けつつ、新規案件を獲得したい任意のタイミングで利用できるこのプランは、当社のようにエンジニアのリソースが限られているシステム開発会社にとって非常にありがたいです。しかも、利用する月内は発注ナビから配信される案件に何件でもエントリーできます。とても使い勝手の良いサービスだと感じました」と、島田氏は語る。
さらに、発注ナビが成約報酬型ではないことも選定のポイントとなった。他のマッチングサービスは、受注額の数パーセントを手数料や仲介料として支払う成約報酬型が多い。「成約報酬の場合、小規模な案件では利益がほとんど残りません。しかも、一度紹介された発注者から別の開発案件を受注した場合でも、手数料が発生することがあります。その点、発注ナビは成約報酬型ではなく、追加案件の受注や、紹介された発注者への別途提案に制約がありません。中小規模のシステム開発会社に寄り添ったサービスだと感じました」と、島田氏は語る。
そして、同社が感じたもう一つの魅力は、発注ナビがアイティメディアグループであることだ。「アイティメディアが運営する様々なWebメディアに、発注ナビに関連する記事や情報が掲載されることで、それを読んだお客様が発注ナビにアクセスすることが多いとのことでした。Webメディアを活用して発注者にアプローチする独自のルートを持ち、システム開発を真剣に検討している発注者を集められる点も、発注ナビの魅力でした」と、島田氏は語る。
安定的なリード獲得により、合計4件、総額2,000万円以上の新規案件獲得に成功
こうして発注ナビを使い始めた同社は、コロナ禍で一時利用を中断したものの、2024年8月から再度セレクトプランの利用を開始。その結果、2024年8月からこれまでに合計4件、総額2,000万円以上の新規案件獲得に成功している。
半年で4件というハイペースでの受注について、島田氏は「提案資料や見積書をできるだけ早く、質の高いものにするよう心掛けています」と説明する。具体的な取り組みとしては、顧客との初回のミーティングを重視しているという。発注ナビから提供される事前情報をもとに、顧客の要望を実現するシステムのイメージが伝わる資料やデモ画面などを用意して、ミーティングに臨んでいるとのことだ。「同規模で同程度の技術力を持つシステム開発会社であれば、提案できるシステムや費用は似通ってくるでしょう。その中で当社を選んでいただくには、お客様に当社の熱意や真剣さを理解していただき、『ここなら安心して任せられる』と感じていただく必要があります。そのため初回のミーティングに力を入れ、様々な工夫を凝らしています」と、島田氏は語る。
また、同社は新規案件の獲得に加え、発注ナビの継続利用によってリードや商談の機会を安定的に得られるようになったと話す。「どんなに実力があっても、リードがなければ挑戦も提案もできません。提案しなければ、当社の考えがお客様にとって本当に良いものかどうかも判断できません。発注ナビによってリードを安定的に得られるようになったことは、大きな効果だと感じています」と、島田氏は語る。
最初は受注できなくても、発注ナビの担当者に相談しながら継続すれば成果は出る
さらに、発注ナビを利用することで同社は『営業の無駄』がなくなったという。案件の中には、発注確度が低く、依頼内容がまとまっていないものもあるが、「発注ナビの担当者が間に入ってヒアリングしてくれるので、案件の内容やスケジュール感だけでなく、お客様が本気でシステム導入を検討しているかどうかも分かります」と、島田氏は語る。これにより提案すべき案件かどうかを事前に判断できるため、リソースを最適化させた効率的な営業ができるようになったとのことだ。
さらに、効率的な営業によって生まれた時間を顧客への提案活動に充てられるようになったことも、大きなメリットだ。「通常であれば当社の規模やブランドでは出会えないような、大手の発注者にも提案の機会をいただけます。このチャンスを逃さないよう、提案活動に注力しています」と、島田氏は語る。これも、発注ナビの利用による副次的な効果といえるだろう。
発注ナビの利用により、継続的なリード獲得と新規案件の受注に成功した同社。島田氏は、「発注ナビは、当社のような中小規模のシステム開発会社にぜひ利用していただきたいサービスです」と語る。特に、同社は2019年の利用開始から一時中断し、2024年から利用を再開している。その経験を踏まえ、「使い始めてしばらくの間は、全く受注に繋がらないこともあるかもしれません。しかし、すぐに『サービスが良くない』と判断するのではなく、担当者に相談しながら継続して利用することをおすすめします」とアドバイスする。
同社も最初の利用時には手当たり次第にエントリーし、受注確度の低い発注者に多くの時間を費やしたり、逆に、受注確度の高い発注者に対して、十分な準備をせずに初回のミーティングに臨んでしまったりするなど、「振り返ると、受注率向上のために改善できる点が多かった」という。
最後に島田氏は、「最初は成果が出なくても、発注ナビの担当者と相談しながら継続することで、必ず成果が出ると思います」と締めくくった。発注ナビの継続的な利用を通じて、確かな成果とノウハウを獲得した同社は、これからもさらに営業リソースを最適化させていくようだ。
新規案件開拓の課題は「発注ナビ」で解決!システム開発に特化したビジネスマッチング
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