Excelのワークシート運用で業務を進めていたものがビジネスの拡大により限界になり、システム導入の必要に迫られることは珍しくない。どのような事業を行う会社に発注すれば良いのか、自社のビジネスに合ったシステム開発が行える会社はどこなのか、分からなければ発注のしようもない。しかし、発注ナビを利用すれば、そうした悩みもすべて解決できる。
今回は、映像撮影に関する機材の貸出しアイテム数が増えて困っていた株式会社SHUHEIの代表である太田周兵氏と、そのニーズに見事に答えて機材管理システムを作り上げた価値ラボ株式会社の代表である渡邉勝之氏、同社開発担当の菅原龍太氏にお話を伺った。
1,300種類20,000点以上の在庫管理はExcelでは無理!初めてのシステム発注で業務担当者が見つけてきた発注ナビを利用。
――株式会社SHUHEI様は、どのようなビジネスを展開されているのでしょうか。
株式会社SHUHEI 太田氏:当社は映像制作における全ての技術の提供、およびコーディネートを行う会社です。映画やテレビ、CMなどを作る映像制作会社、イベント会社、広告代理店といったお客様を中心に、照明や撮影機材を貸出したり、照明技師や撮影技師を提供したりしています。さらに、当社では映像そのものの制作も行っています。
――今回、システムの開発を発注した背景を教えてください。
太田氏:会社設立当時は機材も少なく、貸出し時の管理もExcelのワークシートで管理していました。しかし昨年(2022年)の5月から7月にかけて急激に機材が増えた影響で、それまで10~15種類だったものが一気に1,200~1,300種類に増えてしまったのです。種類ごとに10台~20台ほどあるのでアイテム数が合計で20,000点以上になり、もはやExcelで管理するレベルではなくなってしまいました。一方、管理担当を複数人にしてしまうと発注ミスや出庫ミスが生じてしまう恐れがあるため、これを一元的に管理できるようにしたいというのが今回の課題でした。こうなると、業務用のシステムを導入するしかないという判断です。
――これまでにシステムを外部に発注したことはありましたか。
太田氏:いいえ。外部に発注してホームページを制作してもらったことはありますが、システムは発注したことがなく、どこにお願いすれば良いのか探しあぐねていました。
――発注ナビを選ばれたのはどのような理由からでしょうか。
太田氏:最終的に発注ナビを選んだのは、業務の担当者でした。私のほうからは「システムを作れる会社を探してほしい」と要望を出し、担当者自身がWeb等で調べた結果、発注ナビにたどり着き、利用に至りました。
巡り合ったのは発注ナビ利用開始1カ月の会社!決め手は機能面の提案とレスポンスの早さ。
――価値ラボ株式会社様は、どのような開発をしていらっしゃるのでしょうか。
価値ラボ株式会社 渡邉氏:私たち価値ラボ株式会社は、栃木県宇都宮市に拠点を置くWeb業務システムを得意とする開発会社です。地方のエンジニアがやりがいを持って働ける場所の提供を目指し、2016年に設立しました。当社では医薬品卸売業に特化した販売管理パッケージ「PRISM(プリズム)」の販売・サポートを行っており、そのナレッジを生かした受託開発を手掛けています。受託開発においてはWebブラウザ上で動く業務システムの実績が特に豊富で、製造業や自動車設計業に向けたシステムの開発が多いのですが、それ以外のお客様にも幅広く多様なシステムをご提供しています。
――発注ナビを利用し始めたのは最近のことですね。
渡邉氏:はい。今回の案件にエントリーしたのも発注ナビを使ってちょうど1カ月目でした。どう活用していくか試行錯誤していた段階で30~40件エントリーした中の1つがSHUHEI様の案件でした。結果として、当社にとって発注ナビで初めて受注した案件となりました。
――発注ナビからSHUHEI様へは、エントリーのあった開発会社から厳選し、価値ラボ様を含めた3社をご紹介しました。最終的に価値ラボ様に発注を決められたのは、どのような理由からだったのでしょうか。
太田氏:ご紹介いただいた3社とはそれぞれお話をさせていただきました。うち1社は『kintone』を活用した開発の提案をいただきました。初期費用は安かったのですが、ランニングコストが想定より高かったので候補から除外しました。もう1社は営業担当の方が話しやすく、開発は問題なくできるというお話でした。そこと価値ラボ様のどちらにしようか迷っていたため、業務担当者と話し合って決めようとしたところ、意見が割れてしまったのですが、実際に使うのは担当者なのでそちらの意見を優先させた方が良いと判断し、価値ラボ様に決めました。
――意見の違いは、どういったものでしたか。
太田氏:私の視点は主に印象面で、担当者の視点は主に提案内容や機能など実務面だったと思います。私がもう1社を推した理由は、地理的な距離です。価値ラボ様は栃木県にありもう1社は都内にあったので、近いほうが良いかなと思ったのですが、業務担当者から「どちらもZoomでの打ち合わせなので、距離ではなく内容で選んだ方が良い」と言われ、思い直しました。もう1社は手広く仕事している感じで話がしやすく、惜しい気持ちもありましたが、今回は価値ラボ様に依頼することになりました。
渡邉さんは、実際にお話ししてみるとすごくきちんとしている方だとも感じました。ご提案いただいた予算は両社ともほぼ変わらずで、システムの内容については私はよく分からなかったので、業務担当者に決めてもらいました。ただしメールのレスポンスについては価値ラボ様が早かったですね。これは私も業務担当者も共通した意見です。その後のお付き合いを考えると、レスポンスの早さは重要な評価項目です。
細かな機能の提案&実装にも工夫を凝らして対応してくれた! 業務上のミスも低減し、お客様からのクレームも減った。
――結果として価値ラボ様を選ばれていかがでしたか。
太田氏:資料の展開や在庫管理の話にとても説得力がありました。
渡邉氏:当社は医薬品卸売業のパッケージシステムも開発していて、多品種でアイテム数の多い商品管理には蓄積してきたノウハウがあります。
太田氏:大前提は簡単に数を管理できることでしたが、お話を進めていくうちに便利な機能もつけてもらえました。
――便利な機能とは、どのようなものでしょう。
太田氏:メインの部分ではないと思いますが、漏れが出ないようにしたいということで、貸出し状況が直観的に分かるように、画面をカレンダー表示にしてほしいというものです。業務担当者からあがってきた細かい要望でしたが、価値ラボ様にしっかりと対応いただけました。
渡邉氏:オプションでカレンダー表示と在庫を連動したいということでした。今回のケースではデータが細かく、たとえば「午前と午後で貸出しする機材が何個あるのか」も分かるようにしなければなりませんでした。これはシステム全体の動作スピードにも影響しますが、うまく実装することができたと思います。
太田氏:カレンダー表示は後から出てきて追加でお願いした機能なのですが、現状、カレンダー表示の画面を一番使っています。お客様から在庫状況についてのお問い合せをいただくことも多いのですが、カレンダーを見ればすぐに分かるのでベストな機能でした。
――カレンダー機能の実装で苦心した点はどのような部分でしたか。
菅原氏:日付の欄にマウスをフォーカスすると状況が表示されるようになっているのですが、マウスカーソルがはみ出して1マス隣にフォーカスがズレるだけでも、在庫確認のための通信が発生してしまいます。このちょっとしたことが、システム全体の動作を「重い」と感じさせてしまいます。
また、種類だけでも1,300以上あるので、すべての情報を一度に表示するというのは難しいです。そこでカレンダー表示画面が参照するデータを限定しています。SHUHEI様からも「見積もりでピックアップしたものだけ表示してほしい」というご要望があったので、それならメイン画面、見積もり画面など、それぞれからカレンダー画面表示に移行できるようにし、元画面がどこかにより表示する情報を変えています。
――カレンダー表示以外にも、工夫されたところはありますか。
菅原氏:貸出し機材を選ぶ際に直感的に分かるように、クリックして選んでいくという機能を実装しているのですが、このとき型番だけで選んでいると間違いが起きかねません。また、型番でそれがどの機材かを知っていないと操作できません。そうした属人化を避けるため、カテゴリーを開いて選んでいくツリー・リストビューを採用しました。
太田氏:管理担当や出荷担当それぞれに機材を選定するクセがあり、あらかじめこの機材を使おうと決めて見積もりを作る人もいれば、一覧を見ながら使う機材を決めて見積もりを作成する人もいる、というお話をしたら、それを汲んで提案・実装してくださいました。
また、業務担当者から、見積もりの表示順番を自由に並べ替えられるようにしてほしいという要望も出しました。基本的にはカテゴリーごとに追加するのですが、内容が変わった後から機材の追加をすると、追加機材は同じものなのに一番下に表示されてしまうのが見づらいためです。こちらも実装していただき、見積もりの見やすさがミスの低減につながっています。
菅原氏:見積もりには機材のカテゴリーごとに機材を並べるのですが、カテゴリーA、カテゴリーB、カテゴリーCの順で格納されているデータを、CBAに並べ替えるのは意外と考えなければならないことも多く、並べ替えの上下ボタンをクリックしたらきちんと機能するのかなど、慎重に検討しながら進めました。
また、SHUHEI様の在庫管理ではセット機材という概念があり、「Aという機材を見積もりに登録すると、付随してBCDといった関連した機材を一括で登録する」という機能があります。これは初めて考えた内容でしたが、うまくいきました。
システムのことも予算感も分からなかったが、ベストな開発会社を紹介してもらえ、満足のいくシステムを導入できた。
――完成したシステムはいかがでしたか。
太田氏:見積もり機材の入れ替えも、うまくできています。セット機材の自動登録は、この機材にはこのセットという知識が不要になり、出庫漏れの件数も減らせています。
渡邉氏:苦労して開発したシステムなので、使ってもらえれば嬉しいです。
太田氏:システムを導入して以降、お客様から「これがないよ!」というクレームが大幅に減りました。機材が一気に増えたところから、実際にシステムが稼働するまでに1カ月ほどの時期がありました。そのままだったら機材管理や出荷管理に人員を2~3人は増やさないと無理という感じでしたが、それがこれまでの人数でやっていけているどころか、ミスも減っています。支払った金額以上の効果があったと感じています。
――発注ナビを使ってみた感想はいかがでしたでしょうか。
太田氏:発注ナビを利用する段階では、システムのことが何も分かっていなかった上、予算感も分かっていませんでした。何も分からない状態でも「これぐらいの金額で」という要望に見合った開発会社を紹介してもらうことができました。何も分からなくても、満足のいくシステム、効果の出るシステムを導入することができました。発注ナビを利用して良かったと実感しています。
今後も開発が必要になったら、価値ラボ様に連絡していきたいですね。在庫管理以外の部分で、まだまだシステム化されていないところがありますので。
渡邉氏:当社としても良い機会をいただけました。実はこれまで県外のお客様との取引は経験が少なく、1度ご訪問した以外ずっとZoomで商談という形式は今回が初めてだったのですが、特に支障が無かったです。このような形で県外のお客様からでも受託開発を行えるという新たな気付きもありました。発注ナビを通じて、お客様に満足いただけるシステムをご提供できたことは、大きな自信につながっています。引き続き発注ナビを利用していきたいですね。
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