フリーランスで活躍していたエンジニアが、その実績をもとにスタートアップを立ち上げるケースは多い。設立当初はそれまでのコネクションをベースに紹介(リファラル)案件を獲得できるが、案件が一巡する頃にはさまざまな課題が浮き彫りになる。tkmt design合同会社も、案件受注の『波』の平準化や新規のWeb制作案件の獲得に課題を感じていた。そんな同社は、発注ナビを利用してどう課題を解消したのか。同社代表である墳本 優太氏にお話しを伺った。
社名 | tkmt design合同会社 |
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所在地 | 神奈川県川崎市宮前区土橋2-4-3 キャピタル102 |
従業員数 | 1 – 30名 |
事業内容 | Webサイトの企画(通販などのECサイトを含む) |
掲載カテゴリ |
- 導入前の課題
2022年6月の設立当初から、フリーランス時代のコネクションなどをもとに紹介案件を継続的に獲得してきたが、案件受注に『波』があるのが悩みだった。案件が集中し多忙となる月もあれば、案件が少なく空き時間が増える月もあり、自社で仕事量をコントロールできないことから、経営基盤をより強固にした将来の『青写真』を描きにくいことに課題を感じていた。
- 導入後の効果
2023年6月から発注ナビのベーシックプランを契約。エントリーする案件の絞り込みや、商談に進んだ際の提案方法の工夫により、利用開始から約1年間で6件の新規案件を獲得。しかも、そのうち4件は発注ナビのカスタマーサクセス担当からのアドバイスをもとにした、直近半年間での成果となる。自社にマッチした案件に対してタイミングを調整しながらエントリーできる発注ナビのメリットを活かし、自社で仕事量のコントロールが可能になった。
案件受注の『波』を平準化しようとマッチングサービスを検討
クオリティの高いWeb制作、グラフィックデザイン、映像制作などに強みを持つtkmt design合同会社。代表である墳本氏が、15年以上のフリーランス経験をもとに2022年6月に立ち上げたスタートアップだ。Webやグラフィックデザイン、動画、写真など、それぞれの分野で経験を積んだフリーランスのクリエイターたちが墳本氏のディレクションのもと、お客様からの案件に応じてチームを構成して制作にあたる。
同社のようなスタイルで事業を展開する制作会社は多い。特にスタートアップであれば尚更だろう。それぞれのプロフェッショナルが持つコネクションからWeb制作やクリエイティブの制作案件を獲得し、それらをこなしていくことで事業を軌道に乗せていく。同社も設立当初は、いわゆる紹介(リファラル)案件をベースに事業を展開していた。
しかし同社はそこで、『獲得できる案件数が安定しない』という課題に直面したという。「案件が多くて忙しすぎる月もあれば、少ない月もありました。仕事量を自社でコントロールできない状況では、将来を見据えた事業拡大の『青写真』をうまく描けません。仕事量を平準化して経営基盤を固め、次のステップを踏み出す足がかりを作りたいと考えていました」(墳本氏)。
同社はもうひとつ、感じていた課題がある。それはWebサイト制作の新規案件の獲得だ。同社では、墳本氏やフリーランスのメンバーが従来から持っていたつながりもあり、Webデザインや映像制作といった分野の個別案件は受注できていたが、新規のWebサイト制作案件を安定的に獲得するのが難しかったのだ。Webサイト制作では、制作会社が顧客から一括して制作を請け負い、Webサイトを構築するうえで必要となる写真素材や映像素材、記事コンテンツなどをフリーランスのクリエイターなどに発注するケースが多い。同社もWebサイトのデザインや映像制作、写真撮影などを請け負うことは多くあったが、顧客からWebサイト制作の案件を丸ごと受注し、元請けとして立ち回れるコネクションはなかったのだ。
こうした課題解決のため、同社では一時期、案件紹介サイト(自社を登録しておくと、それを閲覧した企業からオファーが届くサービス)を利用したことがあるという。ただしそれでも、『オファーが来るタイミングを自社でコントロールすることはできない』、『そもそも仕事を受注できることが少ない』、『いつ仕事が来るかもわからない』といった課題ばかりが積み重なり、正直にいえばあまり効果はなかったのだという。それから墳本氏は、安定的かつ継続的に案件を受注できるような方法を探した。
やがて同社はマッチングサービスの利用を検討し、複数のマッチングサービスを比較・検討した中で、発注ナビの利用を決めた。
『自社に本当にマッチした案件だけを狙える』、そこが大きな魅力だった
数あるマッチングサービスの中で発注ナビを選定したポイントについて、墳本氏は自社のリソースの状況に応じて、「大きな案件も手頃な案件も、自分たちで、これは獲得したいと思った案件を選んでエントリーできることが大きな魅力でした」と話す。案件紹介サイトや他のマッチングサービスでは、必ずしも自分たちがやりたいと思った案件だけを紹介してもらえるとは限らず、むしろ気乗りしない案件を紹介されるケースも多い。また、紹介された案件を断ったら、次にいつ紹介されるかもわからず、サービス利用のために支払った費用を回収できるかどうかもわからなくなってしまうという懸念点がある。その点、発注ナビは、開発会社が本当にやりたいと思えない案件を紹介することはない。
加えて墳本氏は、「小規模な案件から大規模な案件まで、自分たちが獲得したいと思える案件が数多く送られてくることも選定の決め手になりました」という。同社が比較・検討していたあるマッチングサービスでは、高額・大規模案件が多いという魅力があったが、一方で同社のリソースでは対応しきれないような案件とマッチングしてしまうリスクもあった。「発注ナビなら、自社のリソースの状況に応じて、大きな案件にも手頃な案件にも自分たちで判断してエントリーできます。やりたいと思える案件か、自社に現在の状況から対応できる案件かといったことを確認しながら『自社に本当にマッチした案件を狙える』、そこが大きな魅力だったのです」(墳本氏)。
利用開始約1年で6件、そのうち直近半年で4件の新規案件獲得に成功!
こうした経緯から同社は2023年6月から発注ナビを利用開始した。契約したのは12カ月間、エントリー数や商談件数などに制約がなく、使い放題となるベーシックプランだ。自社のリソースの状況や案件獲得状況などを見極めつつ、通年でコンスタントに新規のWeb制作案件を獲得していきたいという同社の意向にマッチしたプランといえる。また、利用にかかる費用を毎月定額で支払うことも可能なため、固定費としてコスト計上すれば費用対効果も可視化できる。墳本氏はその点でも利用しやすいと感じたという。
さて、発注ナビを利用して同社はどのくらいの成果を挙げているのか。同社はこれまでに6件の新規案件を獲得しており、案件ごとに幅があるものの、受注額は1件あたり20~80万円程度となる。注目すべきは、6件中4件が直近半年間に集中していることで、2024年に入ってからの受注が増えていることだ。何か理由があるのだろうか。
墳本氏によれば、最初こそ対応できそうな案件には全てにエントリーしていたが、発注ナビの担当者から『闇雲にエントリーすると、取りたくない案件を紹介されてしまうリスクが高くなること』や『自社の強みを発揮できる案件、ぜひとも受注したいと思えるような案件に絞ってエントリーすること』といった利用のポイントをアドバイスされたことで、利用方法を変えたのだという。
具体的には、まず、闇雲にエントリーするような乱れ打ちの受注をやめた。そして、発注者に『この案件をきちっと成し遂げたい』というモチベーションを感じられる案件かどうかを気にするようになったのだという。例えば、『会社のホームぺージ制作、予算〇〇万円』というように、案件の詳細の記載がなく金額だけしか書いていないような案件では、モチベーションを感じることは難しい。墳本氏はこういった視点で、案件を絞り込んでエントリーするようにしたのだ。
また、エントリー方法だけでなく、実際に紹介企業に選ばれたときにも案件を成約させるための工夫をしているという。「まず、紹介を受けた発注者様への連絡はできる限り素早くして、可能であれば電話で商談の日程まで決めてしまいます。また、発注者様によっては、メールで連絡を入れてから数日経過してもレスがないケースもあります。そうしたときには電話でフォローすることもあります」。
また、発注者に連絡する際には、同社の過去実績を幅広く網羅したポートフォリオも必ず送るようにしているという。墳本氏はこれまでの実績を送る意味合いについて、「発注者様がある程度具体的に『こういうことをやりたい』と考えられていたとしても、当社のポートフォリオを見て、『本当はこういうのを考えていた』と思いつくことがあるかもしれないからです」と説明する。幅広く実績を見せることで、より広く可能性を探るという考え方だ。
発注ナビは担当者が介在するサービス。人の温かみや人間味があるところがいい
同社では、実際に発注ナビを利用してサポートが手厚いと感じているという。「マッチングサービスというと、システムで自動的にマッチングされるイメージがあると思います。実際、多くのマッチングサービスは機械的でシステマティックという印象です。ところが発注ナビはかなり『人間的』です」(墳本氏)。
人間的とは、同社のような加盟社と発注者との間に、発注ナビの担当者という『人の存在』があり、きちんと介在しているということだ。墳本氏は、「発注ナビの担当者にチャットで発注者について知りたいことを質問すると、可能なかぎり発注者にヒアリングをしてきちんと返答してくれます。人の温かみや人間味を感じさせてくれるサービスです」と話す。
今後は発注ナビの担当者にも相談しながら、『Webサイト制作×映像制作』など、同社が得意とするクリエイティブを掛け合わせた案件も獲得していくことを目標としており、すでに次の一歩を踏み出しているようだ。
新規案件開拓の課題は「発注ナビ」で解決!システム開発に特化したビジネスマッチング
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