「情報化社会」と謳われる現代では、ビジネスにおいてもあらゆる情報を扱います。得意先ごとに担当や連絡先をまとめた顧客情報、自社製品の原材料や販売数などを記録した商品情報など、その種類はさまざまです。そして、これらの情報は紙やノートのような物理的な媒体で管理することがほとんど不可能と言えます。
そんな時に役立つのが、「データベース」の存在です。今回はビジネスから日常生活に至るまで、さまざまな場所で目にするデータベースについて詳しく解説します。データベースを業務で使いたい方や、システム開発に役立てたい企業担当者であれば、当コンテンツをぜひご参照ください。
目次
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データベースとは?
データベースとは? | |
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広義のデータベース | データの基礎や土台、情報の集合体のこと |
ビジネスにおけるデータベース | データベース管理ソフトのこと |
データベースとは、直訳するとデータの基礎や土台、「情報の集合体」を指す言葉です。広義で言えば、紙媒体の電話帳やスーパーマーケットのチラシ、ショッピングサイトの商品ページなどもデータベースに該当します。「何かしらの情報がまとまったもの」であれば、データベースという認識でも構いません。
一方、ビジネスシーンで「データベース」と言う場合、社内のあらゆるデータを保存、管理する「データベース管理ソフト」を指すのが一般的です。こうしたソフトは業務のデジタル化や情報管理の要となっており、本記事では、データベース管理ソフトの具体的な用途や特長について紹介します。
データベースでできること5選
情報の蓄積と管理ができるデータベース管理ソフトは、具体的にどんな時に役立つのでしょうか。具体的な活用例を5つ紹介します。
- データの加工
- データの分析
- 複数人・複数システムでの同時利用
- セキュリティ・管理機能
- システム開発
●1.データの加工
データベース管理ソフトを使えば、蓄積したデータをカンタンに加工することができます。
例えば、企業の従業員情報を管理するソフトの場合、「特定の従業員の基本給を上げる」「正社員のみ有給を付与する」といった操作も一度に行うことが可能です。
データの加工に加え、必要な情報を必要な時に引き出せるというのは、データベースの大きな利点と言えます。
●2.データの分析
蓄積されたデータを分析すれば、企業の経営方針や商品の販売戦略に役立てることも可能です。
例えば、商品の売上情報などを分析することで、「売上が好調な商品は何か」「自社製品はどの年齢層に人気なのか」などの情報を割り出しやすくなります。分析された情報を基に新商品を開発したり、店舗の出店場所を決めたりすることも容易になるでしょう。
●3.複数人・複数システムでの同時利用
データベースは、複数のユーザーによる同時アクセスや編集ができるため、リアルタイムでの情報共有や共同作業が可能です。ファイルのダウンロードや上書きの手間が省け、業務効率が大きく向上します。
●4.セキュリティ・管理機能
データベースは、高度なセキュリティ機能を備えているものが多く、アクセス権限や認証設定による情報漏洩防止、バックアップ機能によるデータ保護などが行えます。
特に機密性の高いデータや個人情報の管理にも適しています。
●5.システム開発
データベースは、蓄積されたデータを基にソフトウェアやアプリケーションといったシステム開発にも利用されます。
システム開発においては、HTMLファイルや画像ファイルといったさまざまなデータを扱うため、それらを保管しておく場所が不可欠です。プログラムの要求に対して、保管したデータの受け渡しを行うのもデータベース管理ソフトの役目と言えます。
ちなみに、データベース管理ソフトはデータの管理方法によって「リレーショナル」や「分散型」、「階層型」などのいくつかの種類に分かれます。令和の現代ではリレーショナルが主流となっていますが、これらの詳しい情報は以下のページで解説しているので、詳しく知りたい方はご参照ください。
▷ データベースで情報をまとめて格納!エクセルにはないDBMSの優れた機能
システム開発に使われる主なデータベース管理ソフト5選
ここからはビジネスやシステム開発で使われることの多いデータベース管理ソフトを紹介します。それぞれのソフトで特徴が大きく異なるため、企業でデータベース管理ソフトを導入したい方であれば、細かい違いを把握しておくのが理想です。
主なデータベース管理ソフト | |
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名前 | 特徴 |
FileMaker | ・操作に必要となる専門知識が少ない ・大規模なシステム開発には不向き |
PostgreSQL | ・費用をかけずに導入可能 ・ほかのオープンソースのソフトウェアと連携しやすい |
MySQL | ・世界でもトップシェアを誇るデータベース ・大規模なシステム開発でも処理速度が低下しにくい |
SQL Server | ・データの復元や復旧が容易で拡張性も高い ・機能に合わせて有料版と無料版が選べる |
Access | ・Excelに似たリレーショナル型データベース ・テンプレートやフォーマットが豊富 |
●FileMaker(ファイルメーカー)
FileMakerは、Appleの子会社である「Claris International Inc.が開発したデータベース管理システムです。マウスやキーボードのみで直感的に操作できるため、ITが得意でない方でも簡単に使いこなせます。WebブラウザやiPadなど、さまざまなデバイスへの対応力も魅力です。
一方で、処理速度が遅めなため、大規模なシステム開発にはあまり向きません。シームレスな開発体験を重視される方や、小規模〜中規模の業務アプリにおすすめです。
▷FileMaker(ファイルメーカー)とは?基礎知識やできることをわかりやすく解説
●PostgreSQL
PostgreSQLは、オープンソースで無償提供されているデータベース管理ソフトです。コストを抑えつつ幅広いシステムで利用できる点が注目されています。
ほかのオープンソース製品との相性も良く、大規模なシステム開発にも対応できます。ただし、サポート体制は限定的で、障害発生時のトラブル対応は基本的に自力で行う必要があります。コスト重視の企業や、技術的な自走力があるチームに向いています。
▷PostgreSQLとは?これからデータベースに触れる人に知ってほしいこと
●MySQL
MySQLは、世界中で使用されており、トップクラスのシェアを持つデータベース管理システムです。GoogleやYahoo!など著名な検索エンジンでも使用されていることから、信頼性と実績が非常に高いソフトです。
大規模なシステム開発でも処理速度がうえ、MacやWindows、Linuxといったさまざまなプラットフォームにも対応しています。高い拡張性を求めるプロジェクトに最適です。
●SQL Server
SQL Serverは、Microsoftが提供するデータベース管理ソフトで、Windowsとの親和性が大きな強みです。高い拡張性に優れ、データの復元や復旧なども容易に行えるため、データの破損にも強いというメリットがあります。
また、Windowsとの相性に優れているため、Windowsで動作するシステム開発においては採用されることも多いのも特徴です。加えて、機能やニーズに応じて有料版と無料版が選べるので、段階的な導入や運用テストにも柔軟に対応できます。主にWindowsベースのシステム開発に多く採用されています。
●Access
Accessは、Microsoftが開発したデータベース管理システムになります。表計算ソフトとして知られるExcelと近い感覚で使えるのが特徴で、業務初心者でも取り組みやすい設計です。
より大規模なデータも管理でき、必要に応じて、多数のテンプレートやフォーマットを活用でき、開発工数を抑えやすいのがメリットとなっています。手軽にデータベースを構築したい場合や、Excelからステップアップしたいケースにおすすめです。
このほかにも、日本国内で高いシェアがある「Oracle(オラクル)」や、クラウドアプリ開発などに向いている「MongoDB」など、数多くのデータベース管理ソフトがあります。それぞれで特徴や操作性などが大きく異なるため、目的に合わせて選ぶことをおすすめします。
企業でデータベースを導入するメリット・デメリット
企業でデータベースを導入するメリット・デメリット | |
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メリット | 業務効率の向上に繋げやすくなる |
作業ミスを防ぎやすくなる | |
経営戦略の構築などを立てやすくなる | |
デメリット | 管理ソフトの使い方を従業員に周知させる必要がある |
情報漏洩の対策を万全にしておくことが必須 |
●データベースを導入するメリット
データベースを導入することで、顧客情報や製品情報など膨大な情報を一元的に管理できるようになります。導入することで、情報の登録や検索、更新が効率化されるため、業務の自動化や作業ミスの削減が実現し、現場の負担が軽減されます。
また、蓄積したデータを活用して経営判断やマーケティング戦略を練ることにも役立てることができます。ビジネスで何かしらの情報を扱う際は、データベース管理ソフトの導入を検討すると良いでしょう。
データベースを導入するデメリット
データベースの導入や運用には初期コストや維持費が必要であり、システムの選定や構築、運用にも時間や労力がかかります。さらに、ソフトの使い方や注意点などを従業員に周知させる必要があり、従業員が多いほどマニュアル整備や伝達方法に工夫が求められます。
また、大量の情報を一元管理することで、不正アクセスや情報漏洩のリスクも高まるため、、万が一情報が漏洩してしまった時のリスクについても考えておく必要があるでしょう。もしも、すべての顧客情報を保存したデータベースが外部に流失してしまえば、企業に甚大な被害をもたらすことは言うまでもありません。セキュリティ性の高い管理ソフトを使うことはもちろんのこと、セキュリティ対策や管理責任者の配置など、日常的な安全管理体制の構築が欠かせません。
●データベースの選び方のポイントを徹底解説!
データベース管理ソフトは、企業の業務効率や情報管理に直結する重要なツールです。自社に最適なものを選ぶためには、いくつかのポイントをしっかりと押さえておく必要があります。
ここでは、特に重要な選び方のポイントを5つ解説します。
- 保存できるデータ容量
- 使用料金
- 従業員の確保
- サポート体制
- セキュリティ性
●保存できるデータ容量
日々取り扱う情報が増え続ける現代において、管理ソフトウェアの保存容量や拡張性は以前にも増して重要な要素となっています。現時点での業務に必要な容量だけを考慮して導入すると、数年後に想定外の問題が発生することも珍しくありません。
将来的に扱うデータ量や事業の成長に合わせて、容量を柔軟に拡張できる機能があるソフトウェアを選ぶのもおすすめです。また、データ容量の上限や拡張について事前確認を行うのも良いでしょう。
こうした点に目を配り、自社の未来を見据えたシステム選びを進めてください。
●使用料金
ソフトウェアやシステムの選定時には、導入コストや月額・年額の運用コストを総合的に評価する必要があります。ライセンス料金や初期導入費だけでなく、システムの構築費用、日常的な保守・メンテナンス費用、さらにはアップグレードや機能追加の際に生じる追加コストまで、幅広く考慮することが欠かせません。
オープンソースで無償利用できるソフトもありますが、万が一の際のサポート体制や導入後に発生しうる他費用も忘れずチェックしましょう。有料製品の場合は、定期的なバージョンアップやサポート対応の質など、長く安心して利用できる体制が備わっているかも重要な判断ポイントとなります。
こうした点を踏まえ、費用対効果の高い選択を目指しましょう。
●従業員の確保
優れた機能を持つソフトウェアを導入しても、実際に活用するためには、そのソフトを使いこなせる人材が社内にいるかどうかがカギとなります。運用・管理には、専門的な知識や技術力が不可欠な場面も多いため、導入前に操作スキルを持った従業員が在籍しているか、あるいは将来的に育成できる体制が整っているか必ず確認しましょう。
もし不足している場合には、導入時の研修や外部講師による研修の活用を検討するのもおすすめです。システム導入直後は特に現場が混乱しがちなので、十分な準備と教育体制を整えておくことで、運用を円滑に進められるでしょう。
●サポート体制
システムの運用にトラブルはつきものです。予期せぬ障害や不具合が発生した場合、迅速かつ的確なサポートを受けられるかどうかは、安定した運用を続けるために非常に大切です。
ソフト提供元やベンダーによる問い合わせ対応の速さ、サポート範囲の広さ、実際のサポート対応実績などを事前にリサーチし比較しましょう。自社だけでシステムを維持・運営するのが難しい場合や、より専門的な対策が求められる場合は、運用保守などを含めた外部の専門会社と保守契約を結ぶ選択肢も検討してみるのもおすすめです。
万一のトラブル時もしっかりとバックアップしてもらえる体制があるか、安心感の観点でもしっかりと確認しましょう。
●セキュリティ性
企業が扱う情報の多くは大切な財産となるため、セキュリティ要件が満たされているかは必ず確認したいポイントです。アクセス権限のきめ細かな設定やデータの暗号化、不正アクセスを感知・防止する仕組みなどが整っているかなど、必要なレベルのセキュリティが確保されているか確認しましょう。
さらに、システム導入後は社内の管理体制や運用ルールも整え、内部からの情報漏洩リスクに対しても対策をすることが重要です。日常運用の中でセキュリティ意識を高めることで、安心して利用できる環境づくりに繋がります。
「データベース構築を担う企業を探したい」「複数の企業で比較検討をしたい」という方であれば、以下のページをご参照ください。データベース構築を得意とする企業一覧を掲載しているので、目的に合わせて企業選びをすることができます。中には、データベースの移行や運用保守などを依頼できる企業もあるので、必要に応じて相談してみてはいかがでしょうか。
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