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FileMaker(ファイルメーカー)とは?基礎知識やできることをわかりやすく解説

企業が、膨大な量のデータを管理するには「データベース管理ソフト」が必要となります。
数ある管理ソフトの中でも、Apple社の子会社、Claris International Inc.が提供するITの専門知識がなくても操作がしやすい「FileMaker(ファイルメーカー)」をご存知でしょうか。
今回は、FileMakerの基礎知識や導入方法などをわかりやすく解説します。

 

目次

 

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データベースとローコードとは

そもそもデータベース(database)とは、「収集したデータの集合体」のことです。この集めたデータを管理するツールやソフトウェアのことをデータベース管理システムと呼びます。IT社会の現代においては、顧客情報や注文履歴、社員名簿といった企業が扱う情報も膨大な量になりやすく、情報をデータベース化しなければ管理が困難です。

データベース管理ソフトを使えば、「名簿の中から都内の顧客だけを抽出したい」、「去年の注文履歴を売上順に確認したい」といった細かなデータ抽出も、簡単に実現できます。わかりやすく言えば、表計算ソフトとして馴染み深い「Excel」で作成した名簿やリストも、複数のデータをまとめて管理できるデータベースです。アナログな例を挙げれば、紙媒体の電話帳や求人情報誌なども、電話番号や求人情報のデータベースと言えるでしょう。

このデータベースは、システムやアプリケーション開発で使用される以外に、集めたデータを分析して販売戦略の立案やマーケティングに使われることもあります。拡張性の高さに優れる「Oracle database」や、検索エンジンの構築にも使用される「MySQL」など、世界的に高いシェアを誇るデータベース管理ソフトも少なくありません。

ただし、このようなデータベースを扱う場合には、SQL言語を習得するだけではなく、ユーザの操作画面(UI)を設計するために必要な VB.NET、HTML、 PHP言語などのほか、自動処理(スクリプト)を組み上げるためのJava、C#など、高度なプログラミング言語を習得して初めてアプリケーションを動かすことができます。開発者はコンピュータに理解できるようコードを記述するため、プログラミングのことをコーティングともいいます。プロの開発者が利用する言語をプロコードと表現するなら、プログラム言語をほとんど利用しないでコーディングする、つまりマウス操作(ドラッグ&ドロップ)や、一般的なキーボード操作でアプリ作成するツールはローコードツール、コードを一切書かないでアプリケーションを完成させるツールはノーコードツールと言えます。

ローコード・ノーコードのコンセプトは、ビジネスの現場を良く知っている現場の人たちが、自分たちの成果に貢献するアプリケーションを自分たちの手で作ろうという取り組みを手助けするものです。例えば、とある航空会社では現役パイロットが、訓練や審査を適切に行うためのアプリケーションをローコードで作成し、2,000名以上のパイロットがiPadを使って安全運航へ取り組んでいます。他にも、医師が自分の担当する診療科の問診票アプリを作成し、来院者がiPadで入力することでペーパーレスを実現したりしています。

 

FileMaker(ファイルメーカー)とは

FileMakerは、Appleの子会社であるClaris International Inc.が開発したデータベース管理システムのことです。1985年にリリースされた歴史のあるソフトウェアですが、令和の現代においてもバージョンアップが続けられており、日本国内では20万以上の組織で利用され、その人気の高さが伺えます。収集したデータの蓄積や管理ができる点は他のシステムと同様ですが、FileMakerは数あるシステムの中でも「操作が簡単」という特徴があり、初心者にも最適なデータベース管理システムとして定評があります。

FileMakerが初心者に適しているのは、「操作に必要となる専門知識が少ない」という理由からです。例えば、​​Excel で用意したデータを元に申し込みフォームを作成し、外部に公開してモバイル端末から入力してもらうような場合でも、プログラミング(コーディング)せずに簡単なマウスとキーボード操作だけで完成させることが可能です。これをノーコード開発といいます。

また、FileMaker の関数やスクリプトを使えば最小限のコーディングで、郵便番号を入れたら住所を自動的に表示したり、漢字を入力したらカナを自動入力したり、生年月日から年齢を自動表示したりすることもできます。これがローコード開発です。

さらに、SNSなどのツールと連携したり、AI(人工知能)、機械学習などのプログラムと連携させたり、開発言語である JavaScriptを用いて FileMaker と連携させるなど、FileMaker と開発言語を用いることで、プロの開発者もより早くアプリを完成させることができます。

先に挙げたOracleやMySQLをはじめとしたデータベース管理システムの多くは、システムを操作するために「データベース言語」と呼ばれる特殊な言語を使って操作します。さらに、データベースを使ってアプリケーションを開発するには、JavaやPHPといったプログラミング言語の知識や、コーディングを行う技術が必要となります。わかりやすく言えば、専門知識や技術がなければ、OracleやMySQLなどのデータベース管理システムを動かすこともできないのです。

そんな難しい印象を受けがちなデータベース管理システムの中でも、FileMakerの操作にはデータベース言語やプログラミング言語が必要ありません。直感的なマウス操作や日本語入力だけで、データベースやシステムを構築することができます。

 

FileMakerでできること

顧客名簿
顧客番号 会社名 住所 担当部署
001 〇〇株式会社 東京都〇〇市 システム開発部
002 △△運送 大阪府△△市 システム開発部
003 □□物産 神奈川県□□町 製作部
004 ××製作所 秋田県××村 製作部

FileMakerは、データベースの中でも「リレーショナルデータベース」という種類に区分されます。これは、図のように列(カラム)と行(レコード)を使ったデータベース管理システムで、「入力したデータの管理や抽出が行いやすい」特徴があります。データベースを作成後に、あとから情報を追加することも容易なので、日常的に使用する更新頻度の高い業務システムやモバイルアプリの開発に適しています。

  • 人事評価や労務管理を行う「人事管理システム」
  • 部署ごとの支出額や経費を管理する「予算管理システム」
  • 商談や自社の商品など顧客情報と一緒に整理する「顧客管理システム」
  • 外出先からリアルタイムに在庫状況や配送状況を確認する「在庫管理システム」

近年、社内で使用するオンプレミスと、クラウド環境にあるシステムが共存することが増えてきていますが、どちらも利用するハイブリット環境においても、FileMakerが役立ちます。単純に管理用のデータベースを作成するだけであれば、「Excelでも十分では?」と感じる人もいますが、Excelだと、管理の項目やデータ量が多くなるほど、データの入力や出力が煩雑化しやすくなります。個人の端末に保存されて新旧ファイルがわからなくなったり、複数人が同時にアクセスできないなど、結果として扱い辛いデータベースになりがちです。

その点FileMakerは、データの「取り込み条件」や「出力条件」といった細部の処理方法まで設定が可能です。また、マスタデータと様々な関連するアプリをリアルタイムに同期できます。例えば、マスタで社員情報を変更すれば、人事システムや経費精算、顧客管理システムの担当者、在庫管理システムの担当者などに自動的に反映させ、一括管理することができます。その他、権限設定をすれば、外出先からアクセスする場合も限られた人が限られた情報にのみアクセスできるようになり、データ流出などの心配もありません。簡単なデータベースであれば、Excelでも十分ですが、FileMakerを使ったほうが細かな希望に見合ったデータベースを作りやすいでしょう。

 

企業でFileMakerを導入するメリット

FileMakerで作成したデータベースやシステムは、複数人で共有できるので、部署やチーム内で同じデータベースを使うことも難しくありません。エンジニアやプログラマーなどのIT専門職を抱えていない企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現する場合は、ノーコード・ローコード開発に優れ、自由な画面設計と高い操作性を備えたFileMakerをおすすめします。

また、FileMakerは、WindowsやMacをはじめ、ウェブブラウザ、iPadやiPhone上でも操作ができるマルチデバイスに対応したデータベースです。CSVやXMLのような複数のファイル形式で保存されたデータであっても、FileMakerでスケジューラーを組んで自動的に取り込むこともできるので、シームレスな開発環境を求めている企業にとっても最適なデータベースと言えるでしょう。

さらにFileMakerは、「Google」などの Web APIなどと連携できる機能も備わっており、Excelでは実現が難しい外部のWebアプリケーションを利用した管理システム開発を行いたい際にも重宝します。おまけにFileMakerには、「従業員情報」や「請求書」などのデータベース別のテンプレートが用意されているので、項目を入力するだけでデータベースやシステムを簡単に作ることも可能です。製作にかかる工数や費用を削減しやすい点も、ExcelにはないFileMakerの利点と言えます。

【参考】業種・職種別サンプルテンプレート(https://content.claris.com/jpapps)

 

FileMakerのデメリットとは

技術的な敷居が低く、操作性の高さに定評があるFileMakerですが、完成したデータベースやシステムの細かい改修を加えるためには、専門的な知識や技術が必要となるケースもしばしばです。また、他のデータベースと比較をすると、FileMakerは数百万件のレコードを処理する場合など、処理速度が遅いというデメリットもあるため、コンビニのPOSシステムや銀行のATMなど即応性が求められるシステム開発や、数千人が同時にアクセスするウェブサイトの構築には不向きという側面もあります。

ビジネス環境の変化が激しい業界に置かれている企業や、開発段階では完成型を決めることができず試行錯誤を繰り返しながらアジャイル開発を進める組織、開発スピードが求められる企業においては、ローコード開発ツールとしてFileMakerを採用するのも手です。

FileMakerを利用することで、開発者はユーザーからのフィードバックを反映した開発プロセスを的確かつスピーディに進行できるようになります。アメリカの例では、開発に忙殺されなくなくなった分、短期間で自社の課題を解決する方法を検討したり、イノベーションの創出に時間を割くことができるようになった企業や、何か月も開発期間を要するOracle などでの本番開発を開始する前にFileMakerで開発してユーザテストを実施し、そのフィードバックを吸収している企業もあるそうです。

 

FileMakerの主な種類

種類 特徴
FileMaker Pro Windows / Mac 上で動作する基本の開発およびクライアントシステム
FileMaker Server FileMakerのデータを公開する専用のサーバーソフトウェア
FileMaker Go iPadとiPhone上でFileMakerを操作するシステム
FileMaker Cloud インターネット上(クラウド)で操作が可能なFileMaker
FileMaker WebDirect 作成したデータベースをWebブラウザで動かす機能

FileMakerは、1つアプリを作れば、それをさまざまな環境やデバイスで使用できるのも特徴です。Mac用、Windows用、iPhone用など、別々に作る必要はありません。アプリの開発はFileMaker Proで行います。それを 「iPad上で使いたい」という場合はダウンロード無料のFileMaker Goを使用し、「複数人で共有したい」という場合はFileMaker CloudまたはFileMaker Serverを使います。「WebブラウザやAndroid端末で操作したい」という場合は、WebDirectを使用します。

 

自社でFileMakerを導入する方法

FileMakerは公式サイトからシステムのダウンロードが可能ですが、入力フォームから名前や電話番号、メールアドレスなどを登録する必要があります。企業でFileMakerを導入する場合は、企業名(または団体名)や従業員数などを入力してください。FileMakerをリリースするClarisはアメリカ企業ですが、公式サイト上では日本語入力が可能なので、システムの入手自体に苦労はしないでしょう。

【参考】シングルライセンス購入サイト:https://store.claris.com/individuals
    ボリュームライセンス見積サイト:https://sales.claris.co.jp/v19/index.php

  Essentialsプラン Standardプラン
月間の利用料金(1ユーザ) ¥1,950 ¥4,000
ユーザ 5~10ユーザのみ 5~99ユーザ
共有 App 数の上限 3 125
ストレージ 年間 2 GB(1ユーザー) 年間 6 GB(1ユーザー)
API 使用量 月間 2 GB
アップグレード 不可
コンピュート 2CPU、8GBメモリ ユーザ数に応じて変動

参考: Claris FileMaker の購入方法

45日間であれば、無料でFileMakerを使用できるので、使用感を試したあとに本格導入を検討するのも手です。無料期間後に使い続ける場合は、上記のプランを選んだうえで契約をすることになります。企業の規模や使用人数によって、プランを選択するようにしましょう。ちなみに、個人でFileMakerを導入する場合においては、シングルライセンスという形で使用権を購入することになりますが、購入かアップグレードかで料金が変化するため、詳しくはFileMakerの公式サイトにてご確認ください。

FileMakerは、OracleやMySQLといった著名なデータベースと比較をすると、マイナーなイメージがある点は否めません。ですが、FileMakerは令和の現代でもバージョンアップが続けられており、機能の追加と改修が加えられています。「初心者向けのデータベース」というイメージを払拭しつつある昨今においては、優れた操作性から開発環境としてFileMakerを採用する企業も少なくないのです。

世の中には多くのローコード開発ツールがありますが、自分たちに適切なローコードプラットフォームを選ばないと、よりコストがかかることになりかねません。機能がシンプルで低価格のツールも多いですが、開発途中で必要な機能が足りずプロジェクト遂行の妨げにもなる可能性もありますし、電子化だけが目的になり本来目的とすべきDXの実現、効率性の追求に至らない可能性もあります。選ぶのであれば、機能の進化が継続しているプラットフォームを選択しましょう。

 

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