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OSS(オープンソースソフトウェア)とは?利用時のメリットと注意点

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OSSとは、ソースコードの改変や再配布が自由に認められている無償のソフトウェアです。プログラミング言語やOS、CMSの中には、OSSとして公開されているツールも多くあります。今回は、OSSの基礎知識や魅力、利用時のメリットなどについて解説いたします。

 

目次

 

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オープンソースソフトウェア(OSS)とは?

オープンソースソフトウェアは、ソースコードが公開されており、誰でも無償または廉価で改変・再配布できるソフトウェアです。「Open Source Software」の頭文字を取ってOSSと略されます。代表的なOSSには、オペレーティングシステム(OS)であるLinuxをはじめデータベース管理システムのMySQL、プログラミング言語のJava・PHP・Python、WebブラウザのFirefoxなどが挙げられます。OSSは手軽に使えるソフトウェアでありながら、高い性能を備えたものも多くみられます。企業が商用利用として、OSSをもとに開発するケースも少なくありません。特に、プログラミング言語や開発環境の分野には優秀なソフトウェアが多いため、OSSは開発者にとってなくてはならない存在といえます。なお、OSSに対してソースコードへのアクセスや改変が制限されているソフトウェアは「プロプライエタリソフトウェア」と呼ばれます。

 

●OSIのライセンス文書

OSSは無償、または廉価でソースが公開されているソフトウェアですが、利用条件や規約がないわけではありません。OSSの認定を行う非営利団体「The Open Source Initiative(OSI)」が、OSSのライセンスを管理しています。ソフトウェアがOSSであるかどうかは、ライセンス(使用条件)が「オープンソースの定義(The Open Source Definition)」に合致しているかどうかで決まります。OSIによってライセンスが承認されると、そのソフトウェアはオープンソースであると公式に認められ、「OSI認定マーク」が付与されます。

 

●OSSの定義(10項目)

OSSの定義として、以下の10項目が定められています。これらに準拠したライセンスを持つソフトウェアがOSSとして認定されます。

  1. 再配布を自由に認めること
  2. ソースコードを無償で配布すること
  3. 派生ソフトウェアの配布を許可すること
  4. ソースコードのどの部分が、作者オリジナルのコードかわかるようにすること(作者コードの完全性)
  5. 個人やグループに対する差別をしないこと
  6. 使用分野に対する差別をしないこと
  7. プログラムに付随する権利はすべての再頒布者に平等に与えられること(ライセンスの分配)
  8. 特定の製品だけに限定したライセンスにしないこと
  9. ほかのソフトウェアを制限するライセンスにしないこと
  10. ライセンスは技術的に中立であること

参考:Open Source Initiative(OSI)公式サイト

 

OSSの魅力と広まる理由

OSSは、誰でも自由に改良、再配布できるという特徴があります。そのため、世界中の有志とそのコミュニティによって開発や改良、バグの修正などが行われています。随時手が加えられるため必然的にソフトウェアの安定性が高くなり、低コストで高品質な開発を行える点が、OSSが広まる理由といえます。このように、製品の内容や情報を公開しながら開発を進める考え方は「オープンソースムーブメント」と呼ばれています。

 

OSSを利用するメリット

無償で利用できるという点をはじめ、OSSには幅広いメリットがあります。信頼性や安定性など、OSSを利用するメリットを以下でまとめました。

 

●信頼性と安定性がある

ソースコードが公開されていることで、脆弱性や不正なプログラムといった問題点を常に確認できます。これにより、バグや脆弱性の早期発見と早期修正につながり、ソフトウェアそのものの高い信頼性につながっています。くわえて、OSSはユーザーが主体となって開発やメンテナンスを行うソフトウェアです。提供ベンダーの事情でサービスが終了したり、サポートが打ち切られたりすることがないため、安定性も備えたソフトウェアだといえます。

 

●コスト削減が可能

OSSのライセンスは無償で使え、ライセンスにかかる費用もまるごとカット可能です。初期費用だけでなく、導入後のライセンス管理や定期的なリプレース費用なども削減できるため、ソフトウェア開発においては重宝されます。

 

●カスタマイズしやすい

OSSのソースコードは自由に改変できるほか、拡張機能も豊富に用意されています。必要な機能を開発して加えたり、システム同士を連携させたりといった改良もしやすく、開発の自由度が高いのが魅力です。開発したいシステムやツール、Webメディアの内容に合わせて、試行錯誤しながら改良を重ねられます。

 

●世界中に公開されているため情報を得やすい

特に、高品質で優れたOSS製品は世界中に利用者がいます。利用者同士のコミュニティが用意されているケースも少なくありません。Web上での情報収集がしやすく、トラブルが起こった際も解決策が見つけやすいという利点があります。くわえて、カスタマイズや開発のヒントも得やすいです。

 

OSSを使う際の注意点

OSSの使用するにあたり、注意しておくべきポイントもご紹介いたします。

 

●ライセンスに準拠する必要がある

OSSを導入する際は、ライセンスの種類とその制約内容を忘れずに確認しましょう。ここでいうライセンスとは、OSSを使用するうえで守らなくてはならない規約を定めたルールを指します。特に有名なライセンスとその制約内容として、「GPL」「MPL」「BSD License」の例を以下で挙げました。

 

ライセンスの種類 制約の内容
GPL ソースコードを改変して再配布する際は著作権を表示すること
再配布する際は同様のライセンス形式を指定すること
MPL ソースコードを改変して再配布する際は著作権を表示すること
ライブラリのソースコード開示は不要
BSD License ソースコードを改変して再配布する際は著作権を表示すること
改変部分やほかのソフトウェア、ライブラリのソースコードは開示不要

 

ユーザーは、ライセンスに準拠した利用が求められるため、使用する前には必ずOSSのライセンスを確認しましょう。ライセンスの内容をきちんと理解しておかないと、開発した製品の公開が停止されたり損害賠償を請求されたりするなど、大きなトラブルにつながる可能性も考えられます。

 

●「無償=OSS」ではない

OSSは無償で公開されていますが、無償で入手できるすべてのソフトウェアがOSSというわけではなく、特に「OSS」と明示されていない限りOSSではありません。OSSでなければ、無償であっても自由に改変や再配布することは規約違反となります。利用する際は十分に注意を払いましょう。

 

●派生物もOSSとなる

OSSにおける派生物とは、OSSを改良・再配布した二次的著作物です。OSSを使用した場合、その派生物の再配布も派生元のOSSと同じ条件を適用させなくてはなりません。例えば、AというOSSを利用してBというソフトウェアを開発・再配布したとします。この時、派生物であるBにもAと同様のライセンス内容を適用させなくてはなりません。この考え方に基づくOSSライセンスは、「コピーレフト型」と呼ばれます。

 

OSS(オープンソースソフトウェア)で公開されているプログラミング言語

プログラミング言語とは、コンピュータに対して指示を下すコンピュータ専用の言語です。プログラミング言語の中でも、特に有名なJava(ジャバ)やPHP(ピーエイチピー)などは、OSSとして公開されています。

 

●Java(ジャバ)

Javaは、デスクトップ向けのWebアプリをはじめ、金融機関の基幹システムや精密機械の組み込みシステムなど様々な場面で活用されているプログラミング言語です。現在は、ソフトウェア開発に必要なツールをひとまとめにしたオープンソースのパッケージ「Open JDK」が公開・配布されています。安定した処理速度と、対応OSを選ばない汎用性の高さを兼ね備えているのがJavaの魅力です。

 

●PHP(ピーエイチピー)

PHPとは、動的なWebページやWebアプリなどの開発によく使われるプログラミング言語です。動的なWebページ・Webアプリとは、アクセスした条件によって表示内容が変わるページまたはアプリを指します。例えば、ECサイトは商品の検索や購入をしたりすると表示画面が変化します。SNSや掲示板サイトなどは、ユーザーによる書き込みによって内容が更新されていきます。これらが動的なWebサイト・アプリの例です。ECサイトやSNSだけでなく、旅行予約システムや社内管理システムの構築にも適したプログラミング言語だといえます。

 

●Python(パイソン)

Pythonは、高度な計算処理能力を持つプログラミング言語です。また、膨大なデータをスムーズに収集・解析する作業も得意としています。高度な解析能力を活かして、AI開発の分野で特に高い支持を得ているのが特徴です。プログラミング言語の人気を測定している「TIOBE INDEX」のランキングによると、PythonはC言語やC++、Javaを抑えて第1位という結果でした(2023年10月時点)。Pythonが持つ将来性はもちろん、OSSとして無償でソースコードが公開されている点、必要な情報がWeb上で豊富に用意されている点などが、Pythonが支持される理由だと考えられます。

参考:TIOBE Index for October 2023

 

●Ruby(ルビー)

Rubyは、日本人エンジニアのまつもとゆきひろ氏によって開発されたプログラミング言語です。プログラミング初心者でも習得しやすい、シンプルな文法を特徴としています。くわえて、Ruby on Railsに代表されるフレームワーク(開発に必要な機能をひとまとめにした雛形)も充実しており、多様な分野でのWebサービスを開発可能です。例えば、料理レシピサイトである「クックパッド」、民泊情報を検索・予約できる「Airbnb」などは、Rubyによって開発されています。

 

OSS(オープンソースソフトウェア)で公開されているOS

OS(オペレーションシステム)とは、デバイスやアプリを操作するための基本ソフトウェアを指します。OSS(オープンソースソフトウェア)として公開されているOSを、以下で2つピックアップしました。

 

●Linux(リナックス)

Linuxは、1991年に最初のバージョンが公開されたオープンソースのOSです。当初はパソコン用OSとして開発されましたが、現在ではサーバや組み込みシステムの開発にも活用されています。また、専用のアプリやライブラリをひとまとめにした配布物「ディストリビューション」が豊富に用意されているのもLinuxの特徴です。ディストリビューションを活用することで、Linuxによる開発がさらに効率化されます。

 

●Android OS(アンドロイドオーエス)

Android OSは、スマホやタブレットなどのモバイルデバイス向けのOSです。オープンソースとしてコードが公開されているため、同じモバイルデバイス向けOSであるiOSと比較すると開発の自由度が高いのが魅力。ライセンスの制約内容に従えば、Android OSをベースとしたWebアプリを手軽に開発できます。

 

OSS(オープンソースソフトウェア)で公開されているCMS

CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)とは、Webサイトの管理や更新、編集を簡単に行えるツールです。企業の公式ホームページやブログなどを構築できるもの、ECサイト構築に特化したものなど様々な種類のCMSが登場しています。以下でご紹介するのは、無償で手軽に利用できるOSSのCMSツールです。

 

●WordPress(ワードプレス)

CMSツールの中でも、特に高いシェアを獲得しているのがWordPressです。個人ブログから企業・官公庁のホームページまで、幅広いシーンで活用されています。OSSのCMSツールであり、無料で利用できるというのが大きな強みです。さらに、シンプルな管理画面でページを作成・更新できるため、Web制作の知識がなくても操作しやすいという特徴もあります。

 

●EC-CUBE(イーシーキューブ)

EC-CUBEとは、ECサイトの構築や運営専門のCMSです。プラグイン(拡張機能)が充実しており、ほかの外部システムとの連携がしやすいという特徴があります。プラグインを活用すれば、リコメンド機能や定期購読機能、決済手段の追加など、様々な改良を手軽に加えられます。

 

●baserCMS(ベーサーシーシーエムエス)

日本発のCMSツールとして根強く支持されているのが「baserCMS」です。ブログ機能やメールフォーム機能など、Webサイトに必要な機能がデフォルトで搭載されており、手軽にWebサイトを構築できます。日本語を標準として管理画面が設計されているため、直感的に操作できるのも特徴です。くわえて、baserCMSユーザー同士の交流コミュニティも充実しています。トラブルシューティングや、カスタマイズのヒントが見つけやすいため安心感があります。

 

●Drupal(ドゥルーパル)

Drupalは、官公庁や大学、大企業などのWebサイト構築でよく採用されているCMSツールです。多言語機能を搭載し、約100語の言語に標準対応しています。Webコンテンツの翻訳やデフォルト言語の設定などを簡単に行えるため、多言語対応のWebサイトの構築に適しています。くわえて、30日間隔のアップデートや独自のセキュリティ対策チームによる活動なども行われているのもポイントです。

 

信頼性や汎用性の高さがOSSの魅力

OSSの魅力は、ライセンス内容に準拠したうえで自由に改変・再配布できる柔軟性にあります。OSSの考え方を取り入れたプログラミング言語やOS、CMSなども、手軽に導入・改変できるのが魅力。各種OSSを活用することで、システムやアプリ、Webサイトの構築がよりスムーズになります。

とはいえ、「どのようなOSSツールを選べば良いのか迷っている」「OSSのツールにカスタマイズを加えるだけの技術力がない」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。そんな時の選択肢の1つが、システム開発会社やWeb制作会社へ外注することです。外注先の選定には、ぜひ発注ナビにお任せください。全国5000社以上の開発会社の中から、ご要望や案件内容に沿った開発会社を厳選して紹介いたします。

 

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