銀行や証券取引所のように「お金のやりとり」を行う場所では、連日さまざまな取引が行われています。
例えば、ATMからお金を引き出したり、インターネットを通じて株式の売買を行ったり、個人や企業を問わずあらゆる取引を行うことが可能です。
これらの取引を円滑に進めるためには、金融システムが必要になります。
今回は、金融システムについて詳しく知りたい企業担当者に向けて、金融システムの基本情報や開発方法などを詳しくご紹介しましょう。
中には、金融機関だけではなく一般企業でも使用可能なシステムもあります。金融システムの導入を検討している方は、当コンテンツをぜひご参照ください。
目次
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金融システムとは?
金融システムとは? | ||
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言葉 | 意味 | |
金融 | お金を融資すること、または借りること。 | |
金融システム | 金融市場や株式市場など、お金の取引を処理する仕組み(またはインフラ)のこと。 銀行や保険会社、証券会社など金融業界で使用されるアプリやソフトウェアのこと。 |
そもそも金融とは「お金の貸し借りを行うこと」を指す言葉ですが、金融システムには2つの意味が含有されています。
1つは、「お金の取引を処理する仕組み(またはインフラ)」のことで、金融市場や株式市場そのものを指す言葉として使用されます。この金融システムが維持できているかどうかで、景気動向が左右されると言っても過言ではありません。平成中期に発生した「リーマン・ショック」などは、世界規模の金融システムが揺らいだ事件として、記憶している人も少なくないでしょう。
もう1つの金融システムは、「金融業界で使用されるアプリやソフトウェア」です。コンピュータやインターネットを通じてお金の取引を行うには、取引を担うコンピュータシステムが必要になります。システムごとにさまざまな機能を有し、銀行や証券取引所などで導入されています。金融機関の規模に合わせて、扱うシステムの規模も大きくなるのが特徴です。
企業によっては混同して使用されることもありますが、紛らわしいため当コンテンツでは後者の「金融業界で使用されるアプリやソフトウェア」を金融システムとして扱っています。以下では、この金融システムに該当するアプリやソフトウェアについて詳しく解説しましょう。
金融システムに該当するアプリやソフトウェアとは?
金融システムの種類 | ||
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種類 | 概要 | |
勘定系システム | 預金残高管理や利息計算など、「お金の勘定処理を行うシステム」のこと。 | |
営業店システム | 銀行をはじめとした金融機関の窓口業務で使われる機器・端末のこと。 | |
対外接続系システム | 金融機関と外部のサービスを繋ぐシステムのこと。 | |
オンライン決済システム | インターネット上で何かを購入する際に使用する決済システムのこと。 | |
暗号資産(仮想通貨)取引システム | 「暗号資産」の取引に使用されるシステムのこと。 |
●勘定系システム
勘定系システムは、その名の通り「お金の勘定処理を行うシステム」のことで、銀行をはじめとした金融機関で導入されています。顧客の預金残高を管理したり、残高や融資の金額から利息計算を行ったり、金融機関の屋台骨を支える大規模なシステムがほとんどです。システムが停止してしまうと、銀行の業務も止まってしまうため、勘定系システムには極めて高いセキュリティ性や安定性が求められます。ちなみに、金融業界だけにかかわらず、経理や会計業務を担うシステムを指して勘定系システムと呼ぶこともあります。
●営業店システム
営業店システムも、勘定系システムと同じく金融機関で使用されるシステムです。わかりやすく言えば、「銀行の窓口業務で使われる機器や端末」という認識で良いでしょう。紙幣や硬貨を扱う「現金処理機(キャッシャー)」や、通帳の記入を担う「通帳伝票プリンタ」なども営業店システムに該当します。電子的な勘定系システムに対し、物理的なシステムが営業店システムなのです。
●対外接続系システム
対外接続系システムとは、金融機関と外部のサービスを繋ぐシステムを指します。例えば、銀行と各収納機関を繋いで公共料金を支払ったり、クレジットカード会社と繋いで決済を行ったりできるのも、対外接続系システムのおかげです。
●オンライン決済システム
オンライン決済システムは、商品やサービスをインターネット上で購入する際に使用する決済システムです。銀行振り込みやクレジットカード決済、電子マネー決済など、現代では「決済の方法」をひとつ取っても、数多くの種類が存在します。これらの決済を導入するために、オンライン決済システムの存在が役に立ちます。ECサイトまたはオンラインサービスなどを運営したいケースにおいては、必須とも言えるシステムです。
●暗号資産(仮想通貨)取引システム
暗号資産(仮想通貨)取引システムは、オンラインで取引を行う実物のない資産こと「暗号資産」の取引に使用されるシステムです。ビットコイン(Bitcoin)やイーサリアム(Ethereum)など、多くの暗号資産が台頭してきたことをきっかけに、円滑な取引を担う暗号資産(仮想通貨)取引システムの開発が行われています。
これら金融システムの多くは、銀行や証券取引所の業務に密接にかかわるケースが多く、金融業界の「基幹システム」として扱われることもしばしばです。この基幹システムについては、以下のページでも詳しく紹介しています。基幹システムの基本情報や開発方法について知りたい方は、ご参照ください。
一般企業でも導入できる金融システムはある?
繰り返しになりますが、金融システムはその特性から「金融業界」を中心に導入されています。しかし、中には一般企業で導入可能なシステムもあります。例えば、一般企業でも経理や会計業務などは発生するため、これらの業務を担う勘定系システムは役に立ちます。
この他、インターネットを通じて商品やサービスの販売を手掛ける企業であれば、さまざまな決済方法を導入できるオンライン決済システムが役立ちます。ひと口に金融システムと言っても、業界を問わず導入できるシステムも数多く存在するのです。
金融システムエンジニアとは?
金融システムの概要や種類を解説したところで、システムを支える「金融システムエンジニア」についても簡単に紹介しておきましょう。金融システムエンジニアとは、その名の通り「金融システムの開発や運営を担うエンジニア」のことです。略して「金融系SE」と呼ばれることも多く、主に銀行や証券会社、保険会社などが活躍のフィールドです。あらゆる業務をコンピュータが担う金融業界にとっては、運営に役立つ存在と言えます。
大手の銀行では、ATMの大規模なメンテナンスを行う場合がありますが、このメンテナンスを担うのも金融系SEの仕事です。金融システムに該当するアプリやソフトウェアは数が多く、金融系SEが携わる仕事も多岐にわたります。金融業界の中でも規模の大きい企業では、システムを円滑に運用管理するために、多数の金融系SEを抱えていることもあるほどです。
また、金融システムは不具合による被害の規模が大きいケースが多い分、常に高品質のシステムが求められます。そのためシステムエンジニアの中でも、金融系SEは高度なスキルが求められる仕事です。この他、新しい金融システムの設計開発を担うことも多く、働く場所によって業務内容が異なる特徴があります。
金融システムを開発する方法は?
金融システムを開発するには、先に挙げた金融システムエンジニアの存在が役立ちます。ですが、金融システムの開発方法といっても、手順自体は一般的なシステム開発と大きく変わりません。企業で「金融システムを作ろう」という話が決まった後は、以下のような手順で開発が行われます。
システム開発の主な手順として、まずはシステムに搭載したい機能をまとめる「要件定義」を行います。その後、システムの外的要素を決める「外部設計」や、コーディングを行う「内部設計」を経て、システムの全体像ができあがる仕組みです。その後は、動作確認や本番環境でのテストを経て、問題がなければ晴れてシステムがリリースされます。システムのリリース後も、システムの保守運用や改修などを金融システムエンジニアが担います。金融システムは規模の大きい開発になりやすいため、開発前の要件定義をしっかり行っておくことが必要です。事前に要件定義を固めておけば、開発の長期化や開発費用の肥大化を防ぎやすくなります。
ちなみに、金融システムエンジニアを抱えていない企業であっても、金融システムを開発すること自体は可能です。金融ならではのセキュリティ要件をクリアしてさえいれば、アプリやソフトウェア開発を得意とするシステム開発会社に外注することで、自社に開発のノウハウがなくても望み通りに金融システムを開発できます。
とくに、システム開発を手掛けている会社の中には、金融システムの開発を得意とする企業も少なくありません。実績のある企業ほど品質の高いシステムを開発しやすいため、金融システムに限らず外注をする際は、「何を得意とする企業か」を確認してから発注するようにしましょう。以下のページでは、「金融システム開発におすすめのシステム開発会社」を紹介しています。
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