日々の開発作業やパソコンのセットアップで「ソフトのインストールが面倒」「バージョン管理が大変」と感じたことはありませんか?そんな悩みをシンプルに解決してくれるのが、macOSやLinuxで使えるパッケージマネージャー「Homebrew」と、その中心となるbrewコマンドです。この記事では、brewの基本から使い方、便利なコマンドやトラブル解決法までをやさしく解説します。初心者でもすぐ実践できる内容になっていますので、これからパソコン環境を効率化したい方はぜひ参考にしてください。
目次
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brewの定義
日々のパソコン作業や開発現場では、さまざまなソフトウェアをインストールしたり、バージョンを管理したりする必要が出てきます。brewとは、その手間を大きく減らしてくれる「Homebrew」と呼ばれるインストール管理ツール(パッケージマネージャー)です。そして、その中心となるのがbrewコマンドです。brewはmacOSやLinuxで動作し、パソコン上で必要なツールやアプリケーションを簡単に管理できます。公式サイトを探してダウンロードする手間や、複雑な設定ファイルを編集することなく、誰でも直感的に扱える仕組みになっています。brewコマンドは、ターミナルと呼ばれる黒い画面で操作するツールです。このbrewを使うと、PythonやNode.js、Gitなどの開発に役立つツールをコマンドひとつで追加できます。brewという名前には「自家醸造」という意味が込められており、自分に合った開発環境を気軽に“仕込める”ことをイメージしています。実際に、brewを使えば複雑な作業も一気に効率化できるので、多くの開発者やIT担当者から選ばれています。
●パッケージマネージャーとしての役割
Homebrewが持つ最大の特徴は、パッケージマネージャーとして動作する点です。パッケージマネージャーとは、パソコンにさまざまなソフトウェアやツールを導入する際、必要なファイルや設定、さらに“依存関係”までまとめて自動で管理してくれる仕組みです。例えば、あるソフトを動かすのに別のツールも必要な場合、その“依存関係”も自動で解決してインストールします。これにより、手作業によるミスや混乱を防ぎ、常にクリーンな環境を維持できます。さらにbrewはユーザースペースにインストールされるため、PCの大切なシステム領域を壊す心配もありません。
brewの主な使い方
brewコマンドは、シンプルで覚えやすいものが多いです。代表的な使い方をおさえておくと、普段の作業が格段にラクになります。ターミナルで操作するのが初めての方でも、安心して使い始めることができます。
●brew installでソフトを導入する
新しいソフトウェアをインストールするときは、brew install
コマンドを使います。例えば、Webからファイルをダウンロードできる「wget」というツールを導入したい場合は、次のように入力します。
brew install wget
このコマンドひとつで、必要なファイルのダウンロードから設置まで全て自動で行われます。さらに、そのソフトを動かすために必要なものも自動で用意されるので、迷わずセットアップが可能です。
●brew listでインストール済みを確認する
パソコンに今どんなツールが入っているかを知りたい場合は、brew list
を使います。これを実行すると、brewでインストールされたソフトウェアの一覧が表示されます。より「自分で指定して入れたものだけ知りたい」ときは、brew leaves
コマンドが便利です。こうしたコマンドを使い分ければ、パソコンの状態をスムーズに把握できます。
●brew update・upgradeで最新化できる
パッケージを常に新しい状態に保つのも、brewならとても簡単です。brew update
でパッケージリストを最新にし、brew upgrade
でインストール済みのソフトを一括でアップデートできます。これらを活用すれば、古いバージョンによるトラブルも未然に防げます。次のような流れでアップデートするのがおすすめです。
操作手順 | コマンド例 |
---|---|
パッケージ情報を最新化 | brew update |
アップデート可能なものを確認 | brew outdated |
すべてを最新化 | brew upgrade |
Homebrew Caskとは?GUIアプリもまとめて管理
brewは、ターミナルから使うCLIツールだけでなく、普段マウスで操作するようなアプリもまとめて管理できます。これが「Homebrew Cask」という仕組みです。
●brew install –caskでアプリを導入する
例えば、Google ChromeやSlackなどのGUIアプリも、brew install --cask
コマンドで一発インストールできます。
brew install --cask google-chrome brew install --cask slack
これらのコマンドを使うことで、Webサイトからファイルを探してダウンロードする手間も省けます。インストールから設定まで全て自動で終わるので、特にパソコンの初期セットアップ時にとても役立ちます。
●brew caskとは何か?
brew caskは、もともとCLIツールだけだったbrewの管理対象をGUIアプリまで広げるための拡張でした。現在ではbrew install --cask
コマンドに統合され、より直感的にアプリを扱えるようになりました。これにより、開発者だけでなく、一般のMacユーザーも手軽に活用できるようになりました。
brewのインストール手順
brewを使うためには、まずインストールが必要です。導入はとてもシンプルで、PCの初期セットアップ時に済ませておくと、後からの管理が大幅に楽になります。
●brewの導入方法
インストールには特別な準備は要りません。公式サイト(brew.sh)に記載されているコマンドをターミナルにコピー&ペーストして実行するだけです。コマンドの内容はセキュリティや仕様変更の都合で時々変わるため、必ず公式サイトから最新のものを取得してください。インストールが完了すると「Installation successful!」と表示されます。念のためbrew --version
でバージョン確認をすると良いでしょう。
●PATHの設定について
インストール後には、brewコマンドをどこからでも呼び出せるよう「PATHを通す」作業が必要な場合があります。これはターミナルで「Next steps:」と表示された指示に従ってコマンドを実行するだけでOKです。Apple Silicon搭載Macでは「/opt/homebrew」、Intel搭載Macでは「/usr/local」にインストールされます。PATHの設定が済んだら、brewコマンドがいつでもどこでも使えるようになります。
brewで管理できるものとその種類
brewは、開発に役立つコマンドラインツールだけでなく、GUIアプリ、フォント、プラグインなど幅広いソフトウェアを一元管理できます。
●formulaとcaskの違い
Homebrewで管理できるものは大きく2つ、「formula」と「cask」に分かれます。以下のような違いがあります。
種類 | 管理対象 | インストール方法 | 代表例 |
---|---|---|---|
formula | コマンドラインツール、ライブラリ | brew install <名前> | git, node, python |
cask | GUIアプリ、フォント、プラグイン | brew install --cask <名前> |
google-chrome, slack |
formulaはターミナルで使うツールや開発用ライブラリに、caskは普段使いのアプリやフォントなどに使われます。
●tapの活用で幅が広がる
brew tapコマンドを使えば、公式リポジトリ以外のソフトウェアも追加できます。専門的なツールや企業内の独自アプリなども、brewで簡単に管理できるようになります。tapの追加は次のように行います。
brew tap <リポジトリ名>
tapを活用することで、選択肢がさらに広がります。
brewを活用するメリット
brewを日常的に使いこなすことで、多くのメリットを得ることができます。セットアップの手間が省けるだけでなく、環境管理や自動化も進めやすくなります。
●必要なソフトをすぐに導入できる
brewでは、コマンド一つで必要なツールをすぐに導入できます。特に新しいパソコンのセットアップ時には、時間を大幅に短縮できるでしょう。
●バージョン管理がしやすい
brewを通してインストールしたソフトは、brew upgrade
でまとめてアップデートできます。バージョンを固定したいときはbrew pin
コマンドも利用できるので、特定のバージョンを保ちたい場合にも便利です。
●不要なソフトの整理もスムーズにできる
使わなくなったソフトはbrew uninstall
で簡単に削除できます。さらにbrew autoremove
やbrew cleanup
を使えば、依存関係や不要なファイルもまとめて整理できます。これにより、常にパソコンをクリーンな状態に保てます。
●スクリプト化や自動化にも対応できる
brew bundle
を活用すれば、インストールしたいツールのリスト(Brewfile)を作成し、まとめてセットアップできます。例えば、新しいパソコンへの移行やチーム内で同じ環境を揃えたい時にも役立ちます。
brew bundle dump # 現在のインストール状況をBrewfileに書き出し brew bundle install # Brewfileの内容で一括インストール
●トラブル時の解決サポートも充実
何か問題が発生した場合は、brew doctor
コマンドが強力な助けになります。このコマンドはパソコンやHomebrewの状態を診断し、解決に向けたアドバイスを表示してくれます。エラー内容や警告が出たときも、案内にしたがって対応すれば問題解決しやすくなります。
よくあるbrew関連の疑問と便利なコマンド集
brewを使い始めると「この機能はどう使うの?」「何か困った時どうする?」という疑問も出てきます。便利なコマンドを知っておくと、より安心して活用できます。
●brew searchでパッケージ検索できる
インストールしたいツールがHomebrewにあるかどうか調べたいときは、brew search
コマンドが便利です。例えば
brew search <キーワード>
と入力すれば、そのキーワードを含むパッケージを一覧で表示してくれます。
●brew infoで詳細情報がわかる
各パッケージの説明や依存関係、公式サイトへのリンクなどを確認したい場合は、brew info
コマンドが役立ちます。
brew info <パッケージ名>
これで、そのソフトについての詳しい情報が得られます。
●brew doctorでトラブルチェック
Homebrewの調子が悪いと感じたときは、brew doctor
を使ってみてください。このコマンドは、パソコンやHomebrewに潜む問題を自動で診断し、対策方法を提案してくれます。特にエラーや不具合が起きた時に有効です。
brew活用で快適な開発・業務環境を手に入れる
brewを活用することで、パソコンの環境構築やソフト管理が格段に楽になります。まずは、使いたいソフトやアプリをbrewコマンドで導入するところから始めてみましょう。便利さを実感できたら、Brewfileによる環境管理や自動化にも挑戦してみてください。
このように、Homebrewは誰でも簡単に扱えるツールでありながら、業務の効率化やパソコン環境の最適化に大きく役立ちます。もしまだ使ったことがなければ、まずは公式サイトをチェックし、導入から始めてみることをおすすめします。あなたの作業環境がもっと快適になること間違いありません。
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