
システム開発会社の中には、創業当初は二次請け・三次請けやSESを中心に事業を展開し、軌道に乗った段階でスクラッチによる受託開発に注力していきたいと事業計画を立てるところも多いのではないだろうか。ところが、実際に受託開発に舵を切ろうとすると、新規顧客をどうやって開拓するかという壁にぶつかる。広島市を拠点とするシステム開発会社の株式会社Shared Valueも、その課題に直面した一社だった。しかし同社は2023年12月から発注ナビを利用し、業務コンサルができるという自社の強みを活かした提案で、これまでにトータル5件の比較的大規模な新規案件の獲得に成功した。具体的な取り組みについて、株式会社Shared Value 代表取締役 石原振一郎氏にお話を伺った。
| 社名 | 株式会社Shared Value |
|---|---|
| 所在地 | 広島県広島市中区大手町2-1-6 大手町高橋ビル3F |
| 従業員数 | 1 – 30名 |
| 事業内容 | システム開発・運用保守、DX戦略支援・業務改善支援、ハードウェアの企画・販売、SaaS事業(「Ordira オルディア」シリーズの開発・販売「Galleria ギャラリア」の開発・販売) |
| 掲載カテゴリ |
- 下請け構造による停滞:SESや二次請け中心で、自社にノウハウが蓄積されない。
- 営業力の不足:直接取引の受託開発へ転換を図るも、実績や営業経験がなく新規開拓が困難。
- 販路の拡大:幅広い業種の顧客と出会い、多様な開発知見の蓄積に成功。
- 強みの発揮:対面商談により、得意とする業務コンサル力を活かした提案が可能に。
- 大型受注の実現:新規案件5件、総額3,000万〜4,000万円以上を獲得。
二次請け・三次請け・SESから受託開発への転換で新規顧客開拓が課題に
株式会社Shared Valueは2022年9月設立の広島市に拠点を持つシステム開発会社だ。クラウド型の業務システム開発を得意とし、中でも小売業向けの発注管理システムや在庫管理システム、売上管理システムなど「基幹系の業務システムでは豊富な開発実績があります」(石原氏)という。しかし同社は、顧客の要望通りに作るだけのシステム開発会社とは一線を画す。石原氏は「当社の強みは業務コンサルができるところ。お客様の業務を深く理解し、どうしたら売上向上や業務効率化が図れるかをコンサルティングして、それを実現するためのシステムを設計・構築できるのです」と胸を張る。こうした一連のプロセスにワンストップで対応できるのが同社の大きな強みだ。
こうした特徴を持つ同社だが、創業当初から自社の強みを活かしたシステム開発の案件を獲得できていたわけではない。設立当初は二次請けや三次請けでの開発、もしくは客先常駐でエンジニアを派遣するSESが中心だったという。同社に限らず多くのシステム開発会社にいえることだが、二次請けや三次請け、SESの案件だけでは、自社に開発の知見やノウハウを蓄積していくことは難しい。その理由は、元請けのSIerや顧客から言われた通りの作業をこなすことがどうしても多くなるため『顧客の要望を丁寧にヒアリングして、ニーズを満たすシステムの設計から取り組む』という経験を積むことが難しいからだ。石原氏は「創業から1年程度が経過した頃、エンジニアの質をさらに高め、自社の開発スキルをもっと向上させるには『お客様と直接にやり取りしながらシステムを作り上げる受託開発案件の獲得が必須』と考えるようになりました」と振り返る。
「使い甲斐のあるサービスだな」とピンときて発注ナビの利用を開始
代表取締役 石原振一郎氏
ただし受託開発の新規顧客開拓は簡単ではなく、壁にぶつかるシステム開発会社も多い。同社が新規獲得を狙っていたのは、比較的規模の大きな基幹系業務システムの開発だった。「費用感で言えば約500万円~1000万円前後の開発案件です。こうした規模の新規案件を獲得しようと訪問営業やテレアポ代行、異業種交流会や経営者交流会などへの参加など、さまざまな営業活動をしました。それでも思うような結果とはなりませんでした」(石原氏)。
比較的大きな規模の基幹系の業務システムを開発できる技術を持ったエンジニアはすでに揃っているにも関わらず、新規顧客・新規案件を獲得できない。こうした課題に直面した同社はWeb検索で発注ナビを知り、2023年12月から利用を始めた。導入の決め手となったのは、第一に「創業間もない当社のようなシステム開発会社でも導入しやすい価格帯だったこと」(石原氏)だ。また、日々、発注ナビがお送りしている開発案件の情報の多さも決め手になった。「契約前に実際にどのような開発案件が、どのくらいの件数、送られて来るのかを確認できました。それを確認したときには『これは使い甲斐のあるサービスだな』とピンときました」(石原氏)。
さらに、同社が元々得意としていた小売業向けのシステム開発はもちろん、それ以外の業種・業界からの開発案件が多かったことも理由の一つだ。「これなら当社が狙いたかった幅広い業種・業界の基幹系業務システムの開発案件も獲得できるのではないか、そう期待して利用を決めました」(石原氏)という。
最初の半年は受注できず止めようかと思ったことも。しかし利用継続が成果につながる
こうして発注ナビを利用し始めた同社だが、実は最初の半年間は新規顧客を獲得できず、利用をやめようかと考えたこともあったという。しかし、転機となる出来事が起こった。石原氏は「あるお客様が、商談してからわずか1週間で当社に発注してくださったのです。この案件で、我々の『勝ちパターン』が見えた気がしました。業務コンサルができるという強みを活かした提案ができると受注につながるのではないかと感じたのです」と説明する。
どういうことか。あくまでも一般的なシステム開発プロジェクトでの話になるが、発注者側でも当然、「こういったシステムの開発を検討していて、そのための予算がこれくらい必要」といった説明を含む社内調整が必要になる。たいていのシステム開発会社は、提案書や見積書を提出した後は、顧客の社内調整は顧客の担当者に任せてしまうことが多い。「そこに業務コンサルができますと言って参画させてもらったのです。お客様の関連部署の現場の課題を聞き取り、その解決策を含めた提案をしたことで、お客様の社内調整がスムーズに進み、わずか一週間でのスピード発注に繋がったのだと思っています。『お客様に寄り添う』という当社の強みに改めて気付かせてくれたのが、この案件でした」(石原氏)。
この案件をきっかけに、同社ではオンラインでの商談をできる限り対面での商談に切り替えたという。対面で話しながら、顧客の課題を丁寧に聞き取り、場合によっては社内調整までを含めた提案をしていくというスタイルに変えたのだ。「私が発注者、つまりお客様側だったとしたら、1000万円規模のシステム開発をWebの打ち合わせと提案書だけで決めることは絶対にしません。そう考えると、しっかりとお客様と向き合うことが、やはり大切だと改めてわかったのです」(石原氏)という。
対面で会って信頼を獲得するという自社の『勝ちパターン』を確立してからというもの、同社は次々と大型案件を獲得している。「1700万円の大型案件をはじめ、直近でも1000万円の案件が決まりました。さらに要件定義とシステム開発とを合わせて3000万円規模になる案件もあり、すでに要件定義は当社にご発注いただいています。これらを合わせると、発注ナビで5件、総額3000万~4000万円以上の新規案件を獲得しています」(石原氏)と成果を強調する。
エンジニアリソースも拡充し、大規模から小規模まで幅広い案件に注力していきたい
発注ナビの活用で新規顧客獲得に成功した同社では、発注ナビを利用したことでの派生的な効果も感じているようだ。「発注ナビからは、本当に幅広い業種・業界の開発案件が送られてきます。その影響か、当社ではこれまで対応してこなかった業種・業界の開発案件にも『これやってみようか』とチャレンジするようになったのです」(石原氏)。
実際に、同社が受注した案件は、元々同社が得意としていた小売系の業務システムだけでなく、ECサイトのマーケティングを含む案件や不動産会社の業務システムなどへと領域が広がっている。石原氏は「自社だけだとお客様の業種・業界を広げようとしても限界を感じることは多くありました」と振り返る。そうした中、発注ナビを利用したことで「さまざまな業種・業界のお客様と『商談』というかたちでお話しができる機会を得ることができています。これは、受注や失注といった成果だけでは測ることのできない、大きな効果だと感じています」(石原氏)と派生効果を強調する。
同社では今後、「300万円前後の規模での開発案件にも積極的にエントリーして注力していきたい」(石原氏)と展望を示す。「これまでは、比較的大きな規模の案件に集中していました。これからは、フルスクラッチ以外のライトな案件にも注力していきたいと考えています。また、それに合わせてエンジニアのリソースも拡充していきます。小回りが利く開発体制を整え、大規模な案件から中小規模なものまで幅広く対応していきたいと考えています」(石原氏)。
今後も発注ナビを活用していくことで、同社のケイパビリティがますます広がっていきそうだ。
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