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テレワークシステムを安全に活用するには?環境構築の方法から詳しく紹介

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テレワークをしている人のイラスト

新型コロナウイルスの感染拡大により、現代では企業や労働者に対してテレワークが推奨されています。
大手企業では早い段階でテレワークを取り入れていますが、中小企業においては導入が進んでいません。理由としては、設備にかかるコストの問題やITに詳しい人材の不足などが挙げられます。ですが、テレワーク環境の構築方法は1つではありません。今回は、テレワークの導入方法やテレワークシステムの運用方法などをご紹介します。

 

目次

 

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テレワーク環境を構築する4つの方法

テレワーク環境の構築には、主な方法が4つあります。それぞれの方法を簡単にご説明します。

  • リモートデスクトップ方式

  • 仮想デスクトップ方式

  • クラウド型アプリ方式

  • 会社パソコンを持ち帰る方式

 

●リモートデスクトップ方式

リモートデスクトップ方式とは、パソコンやタブレットを使用してテレワーク端末から遠隔で閲覧・操作するシステムを指します。操作しているのはオフィスにあるパソコンなので、作業を同じ環境で行うことが可能です。専用のアプリケーションや認証キーを用意すればスタートできるため、導入コストを抑えることができます。ただしオフィスのパソコンは、常時電源をオンにしておかなければなりません。また導入コストはかかりませんが、多少電気代がかかります。保存したファイルはオフィスにある端末に保存されるため、情報漏洩しにくいというメリットもあります。一方、リモートデスクトップ環境の構築方法によっては、VPN装置を導入する必要があるのでご注意ください。

 

●仮想デスクトップ方式

仮想デスクトップ方式とは、オフィスに設置されているサーバ上から提供される仮想デスクトップに、手元にある端末から遠隔でログインして利用するシステムのことです。初期コストはかかるのですが、セキュリティレベルの向上が期待できるというメリットがあります。初期コストとは仮想デスクトップを管理するためのサーバを設置する費用です。

仮想デスクトップ方式はリモートデスクトップ方式と同様に、保存したファイルはオフィスにある端末に保存されるため、情報漏洩しにくいというメリットがあります。社員のパソコン環境を一括で管理できるため、ウイルス対策やパソコンのメンテナンスを行うのも容易です。

 

●クラウド型アプリ方式

インターネットからクラウドサーバ上にあるアプリケーションにアクセスし、作業を行うシステムをクラウド型アプリ方式といいます。インターネットに接続できる環境であれば、どこからでも同じ環境で作業ができるのは大きなメリットです。設備コストは不要ですが、クラウドサービス利用料がかかります。テレワークのためにシステム導入の必要はなく、初期費用は抑えることができます。ただし、業務データは作業したパソコンとクラウド上に保存されるため、セキュリティ面にリスクがあります。社外から業務を行うことを考えて、情報漏洩対策はしっかりと行わなければなりません。

 

●会社パソコンを持ち帰る方式

名前の通り、会社で使用しているパソコンを社外に持ち出して使用する方式です。リモートデスクトップ方式と同様に、主にVPN装置などを経由して社内システムにアクセスし、業務を行います。普段から会社で使っているパソコンを持ち帰って使用するだけなので、わかりやすいでしょう。従来通りの環境が利用可能です。ただし、持ち運びができるのはノートパソコンに限られるため、普段デスクトップパソコンを使用しているケースでは、実行が難しいかもしれません。パソコンを持ち出すため、盗難や紛失に注意が必要です。

 

操作が簡単なテレワーク環境はどれ?

先の項で、テレワーク環境の構築方法を4つご紹介してきました。その中で、最も操作が簡単な環境構築の方法はどれなのでしょうか?

結論からいえば、リモートデスクトップ方式が最も簡単でおすすめです。理由としては、社内で使うパソコンと同じ操作ができるためです。コンピュータ同士をネットワークで接続するだけなので、環境構築も簡単にできます。面倒なネットワーク設定を変更する必要もありません。社内外を問わず従業員が同じ環境で作業ができるため、操作が最も簡単な方法といえます。パソコンのスペックが低くても利用可能な点も、導入を検討する上で嬉しいポイントです。

ただし、作業をするには常にパソコンをつけっぱなしにしたり、社員複数人が会社に在籍したりしなければなりません。電源をつけっぱなしの状態が続くと、故障のリスクも高まるので注意しましょう。

 

快適・安全にテレワークシステムを活用するには

テレワークの問題点として、環境設定とコストの次に課題となるのはセキュリティです。セキュリティを盤石にすれば、テレワークを安全に行いやすくなります。このセキュリティ対策は、ルールの策定をはじめ技術や物理などの面から対策を強化できます。

 

●ルールによるセキュリティ対策

テレワークを安全に行うためには、ルールを作ることが対策の1つになります。

 

●セキュリティガイドラインの策定

セキュリティに関する基本方針や行動方針となるセキュリティガイドラインの策定は、テレワークだけでなくIT社会において必要といえます。現状のセキュリティガイドラインがある場合には見直し、新たに作成するのも良いでしょう。

 

●セキュリティルールや情報管理ルールなどの策定

セキュリティに関するルールは、パソコンやサーバに保管されているデジタルに関するものだけでなく、紙媒体の資料などにも適用されなければなりません。これは、紙資料の紛失もセキュリティ問題に含まれるからです。社員全員で共通の認識を持つためには、ルール作りが有効です。テレワークマニュアルとして、セキュリティや情報管理ルールの策定を行いましょう。

 

●ガイドラインとルールの遵守・浸透

ガイドラインとルールを策定しても、遵守と浸透をしなければ意味がありません。テレワークをしていない方も含め、社員全員に遵守するよう通知しましょう。ルールを徹底させるため、定期的な研修を行うのも良い方法です。

 

●技術的なセキュリティ対策

ルールの策定だけでなく、技術的なセキュリティ対策も必要不可欠です。人の意識や認識だけでは守り切れない点は、技術面でしっかりとガードする必要があります。

 

●アクセスの管理・制限

パスワードや人の認証によって、アクセスの管理を行います。ほとんどのパソコンやアプリケーションの利用には、アクセス権が必要です。利用者の本人認証や、あらかじめ登録されている端末からしかアクセスができないように設定します。不正アクセスの防止対策として有効です。システム管理者を設置し、社員に貸与しているパソコンを一元管理するのも大切です。

 

●暗号による管理

暗号による管理はパソコンやタブレット、スマートフォンなどの紛失や盗難にあった際に、情報を守ることにとても効果があります。ログイン認証だけでは破られてしまう危険性がありますが、ハードディスクや端末本体の暗号化をすれば二重のセキュリティ対策になります。ハード面だけでなく、USBメモリを使う場合にも暗号化機能が付与されたものを使用してください。

ほかにもメール、添付ファイル、Excelなどのファイルも暗号化しておくと安心です。セキュリティ対策は、多いに越したことはありません。ただし認証方法が多いと管理が面倒になり、1つ情報を忘れると肝心な時に利用できなくなるデメリットもあります。管理方法の構築は、厳重に行いましょう。

 

●運用のセキュリティ

ここでいう運用セキュリティとは、ウイルス対策のソフトをインストールして侵入者からデータを守ることです。インターネットへの接続、外付けの記録媒体へのアクセスをする場合に、ウイルスに感染するリスクがあります。OSやソフトは、最新の状態にアップデートしましょう。ファイルの原本・データは、バックアップを保存しておくとセキュリティ対策になります。

 

●ネットワークのセキュリティ

リモートワークをする以上、外部から社内のネットワークへのアクセスは必須です。ほかにもWebページの閲覧やメールの送受信など、外部のインターネット回線を使うことになります。外部のインターネットを使用するということは、ウイルス感染・盗聴・不正アクセスの危険にさらされます。情報のやりとりを安全に行うためには、ネットワーク上のセキュリティ対策が必要です。

ネットワーク上のセキュリティ対策はさまざまですが、VPN回線に接続して暗号化通信を行うと良いでしょう。VPN回線とは、インターネット上に仮想の専用線の設定を行い、特定の人物のみが利用可能な専用ネットワークです。通信を暗号化できるため、外部から情報を読まれにくくなります。リモートで社内ネットワークへのアクセスが可能で低コストという利点があります。ただし、通信速度が遅くなることがあり、セキュリティを意識して初期設定を行わなければ情報漏洩のリスクが生まれるので注意が必要です。

 

●物理的なセキュリティ対策

最後に、物理的なセキュリティ対策も行う必要があります。物理的面は、従業員個人の認識が重要です。パソコンやサーバなどのハードウエア盗難防止のため、「保管場所には必ず施錠をする」といった誰にでもできる対策です。誰もが当たり前にできる環境構築が重要となります。

 

テレワークシステムを簡単に導入する方法

社内にITに詳しい人材がいない、テレワーク導入に自信がないという方は、システム開発会社が導入をサポートしてくれる場合があります。

 

●導入の手順

テレワークの導入は、次のように行います。

  1. 企業の現状を把握します。テレワークシステムを導入する理由、予算、ネットワーク環境、社内制度などを確認してください
  2. 導入範囲の選定を行います。対象社員と対象業務、テレワークの実施頻度や導入形態などを明確にする必要があります
  3. 導入計画・セキュリティガイドラインの策定をします。完成したガイドラインは、従業員への共有が必須です
  4. テレワーク環境の構築を開始します。手順にそって準備ができたら、テレワークの環境構築を行いましょう

 

予算が足りないなら補助金・助成金を活用してみよう

テレワークの導入を行いたくても導入予算が足りない場合は、地方自治体や国が運営する補助金・助成金制度の活用をおすすめします。

 

●事業継続緊急対策(テレワーク)助成金とは

新型コロナウイルス感染症の拡大により、テレワークの導入が推進されています。ウイルスの拡大防止や緊急時における企業の事業継続対策としてテレワークを導入しようとする東京都内の中堅・中小企業への助成金が、「事業継続緊急対策(テレワーク)助成金」です。具体的には、テレワーク導入のために必要なパソコンやサーバなどの機器、ソフトウエア塔の経費を助成するものです。

 

●事業継続緊急対策(テレワーク)助成金の内容

助成金の対象となる企業は、以下の条件をクリアしている事業者に限られます。

  1. 常時雇用する労働者が2名以上999名以下の企業で、東京都内に本社または事業所がある中堅・中小企業など
  2. 東京都が実施している「2020TDM推進プロジェクト」に参加していること

 

助成対象費は、以下の通りです。

  • パソコンやタブレットなど、機器等にあたるものの購入費

  • VPNルーターなどの機器の設置や設定作業費

  • 導入した保守委託等の業務委託料・機器の保守費用

  • 導入機器等の導入時に操作説明マニュアルの作成費や運用サポート費

  • パソコンなどの機器のリース料

  • クラウドサービス等ツール利用料

上記のように、テレワークに必要な設備の大半が対象となるため、導入を検討している企業担当者の方であれば、助成金の利用を検討しても良いでしょう。テレワークによって働きやすい環境づくりができれば、従業員の満足度向上や採用強化につなげることも可能です。

 

自社に合わせたテレワークの環境構築を

新型コロナウイルスの感染が収まっても、テレワークの導入数は増加が予想されています。これは企業にとっても働く側の社員にとっても、テレワークを行うことにメリットが多いためです。初期費用こそ必要になりますが、助成金などを上手に利用すると出費を抑えることができます。テレワーク環境の構築にはいくつか方法があるので自社に合ったものを選びましょう。一方、会社の財産である情報を守るためにも、ルール策定や技術対応などでセキュリティを確保しておきましょう。

 

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