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トレーサビリティシステムとは?製造・食品・建設業界の活用例をご紹介

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トレーサビリティシステムのイメージ図

トレーサビリティとは、商品における流通の全プロセスを把握するために追跡ができる状態にすることです。近年、SDGsが浸透しつつある状況に伴い、製品の品質や安全性を重視するユーザーが増えたことから、トレーサビリティシステムの導入を進める企業が増加傾向にあります。実際、これから導入を検討しているけれど、どのようなシステムを選べば良いか迷っている方も多いでしょう。今回は、トレーサビリティシステムの概要を説明するとともに、メリットや活用例などにも触れていきます。

 

目次

 

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トレーサビリティシステムの概要

トレーサビリティシステムは比較的新しい仕組みで、名前は知っているけれど詳しい概要を知らない方も多いでしょう。トレーサビリティシステムは商品の品質向上や安全性の担保、業務効率の改善など様々な面で活躍する仕組みです。導入を考えている場合は、しっかりと概要を把握しておく必要があるでしょう。まずは、トレーサビリティシステムについて詳しく解説します。

 

●トレーサビリティシステムとは

トレーサビリティは「trace(追跡)」と「ability(能力)」を組み合わせた言葉で、追跡可能性とも呼ばれます。トレーサビリティシステムは生産者から消費者、消費者から生産者の双方向における流通の様子を追跡する仕組みです。生産者や流通業者は、製品に付けられたバーコードやIC タグを読み取ることで、そこに集積した製品の情報を把握することができます。

原材料の産地はもちろん消費状況や破棄に至るまですべてのプロセスが明らかになることから、当初は食品業界で多く見られるシステムでした。しかし、近年は安全性に関する意識が高まっている背景もあり、医薬品や工業製品など様々な業界で広く普及しています。

 

●「トレースフォワード」と「トレースバック」

トレーサビリティには「トレースフォワード」および「トレースバック」の2つの考え方があります。トレースフォワードは「追跡」ともいわれ、商品が製造され出荷に至るまでの時間経過に沿って情報を特定する方法です。例えば部品を製造している段階で不備が発覚した場合でも、トレースフォワードによってその部品を使用している商品の特定が容易になり、狙いを定めて回収できます。

一方、トレースバックは「遡及」といわれ、トレースフォワードとは反対に時系列を遡る仕組みです。すでに出荷した商品にトラブルが起こった場合に、その商品の製造工程を遡ることで、問題を的確に探ることができます。トレーサビリティシステムではロットや工程を確実に特定できるため、万が一の事態でもスピーディーな品質改善が可能です。

 

●使われる情報伝達媒体

トレーサビリティシステムでは、様々な情報伝達媒体が使用されています。主に「紙」「バーコード」「二次元コード」「RFID」で、商品の種類によって使い分けられています。例えば紙媒体では、商品が入った段ボールに貼られたラベルに納品日や製品名を手書きで記載します。すぐにでも取り入れられる方法ですが、人為ミスが起こりやすく情報量も制限されるため効率的とはいえません。

一方、バーコードや二次元コード、RFIDでは、紙媒体のようなエラーが少ないため重宝されています。特にICタグを活用するRFIDは、一度に複数の情報を読み取ることができるうえに、個体の識別も瞬時に行えるため、作業効率をよりアップできる手段です。しかし、紙媒体に比べると単価が高く、野菜や文具など商品自体の単価が低いものに利用すると、情報伝達媒体のほうが高くなるため導入しづらいデメリットがあります。

 

トレーサビリティシステムの種類

トレーサビリティと一括りにしても捉え方は様々で、何を調べるために導入したいのか用途によってトレーサビリティの種類を選ぶことが大切です。そのうち主な捉え方として「チェーントレーサビリティ」および「内部トレーサビリティ」の2つが挙げられます。続いては「チェーントレーサビリティ」「内部トレーサビリティ」それぞれの特徴について解説します。

 

●チェーントレーサビリティ

一般的にトレーサビリティといわれれば「チェーントレーサビリティ」のことを指します。チェーントレーサビリティは、企業間における流通の状況を把握できるのが特徴で、原材料や部品の調達や加工、流通、販売などサプライチェーンにおけるすべての段階で追跡が可能です。

生産者は自社の製品に関する状況が明確につかめるため、万が一問題が生じたとしても原因究明が容易に行えます。一方、消費者側も購入した製品の詳細を確認でき、安心安全な製品を選ぶ際に参考になるでしょう。

 

●内部トレーサビリティ

工場や企業内など、特定の拠点ごとに行われるトレーサビリティを内部トレーサビリティといいます。1つの製品を作るためには、パーツの仕入れや納品など様々な工程があります。内部トレーサビリティではそれぞれの工程で追跡を行うため、企業内での流れを把握できるのが特徴です。作業効率や品質の向上を図るうえで課題を見出しやすくするほか、問題が発生した際にもスムーズに対処できます。

 

トレーサビリティシステムが必要な理由

企業は商品の不具合や品質問題が起こった場合、速やかな対策を求められます。対応が遅くなればなるほど、消費者や取引先に対して不信感を与える結果につながり、最悪の場合、経営自体が立ち行かなくなることもあるでしょう。また、近年では消費者を保護するための法律が整えられており、問題が起きた場合の速やかな対処は企業の義務でもあります。

トレーサビリティシステムの導入により、万が一の事態が起こっても速やかな原因解明や回収作業が可能です。企業が持つ信頼を損なわないためにも、大切な仕組みといえるでしょう。

トレーサビリティシステムは、商品やサービス内容に合わせて適した仕組みを導入することが大切です。開発会社を探すにあたってどこに依頼すれば良いのかわからない時は、開発会社とのマッチングサービスを行っている発注ナビがおすすめです。発注ナビでは、専門のコンシェルジュが要望をしっかりとヒアリングし、最適な開発会社のをご紹介します。まずは気軽に相談してみてください。

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トレーサビリティシステムのメリット

消費者や取引先からの信頼を保持し、消費者が安心して商品を使うためにも必要なトレーサビリティシステムですが、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。メリットを理解しておくと、システムを導入した際に、より効果的に利用することが可能です。続いては、トレーサビリティシステムのメリットを4つ紹介します。

それぞれの導入形態について解説していきます。

 

●一括した物品管理ができる

トレーサビリティシステムでは商品に関する生産から流通、破棄に至るまですべての流れを一括で管理します。そのため、万が一品質に問題が発生した場合でも、原因を突き止めるのに時間がかかりません。また、回収に関しても流通先が明確になっているため、非常に効率的な作業が可能です。さらに、ロットごとの管理やシリアルナンバーを付けることで、無駄な回収を食い止めピンポイントで不具合のある商品を見つけ出せる点もメリットといえます。

 

●製品の品質が上がる

生産した製品の中で、状態の良いものの割合を「歩留まり」と呼びます。歩留まりが低いと不良品が複数出ていることになり、全体的な製品の品質も見直さなければなりません。トレーサビリティシステムの導入により、どの工程で問題が発生しているのかを突き止めやすくなります。スピーディーに問題を解決することで製品自体の品質が上がり、生産率のアップにもつながるでしょう。

 

●リスク管理ができる

消費者にとって「安心安全」は、商品選びの重要ポイントです。企業側は消費者のニーズに応えるためにも、万が一の事態に備える努力が求められます。トレーサビリティシステムの導入によって、問題に対する責任の所在が明らかになり速やかな対応が可能です。また、明確なリスク管理ができていれば「安心安全」な商品を提供している企業というイメージを消費者に持ってもらいやすくなるでしょう。結果的に同業他社との差別化につながり、売上アップにも直結します。

 

●信頼度が上がる

トレーサビリティが浸透しつつある昨今、消費者の中でも商品の流通に関する意識が高まっています。生産者や製造元が不透明な商品に対しては不信感を抱かれる可能性があり、企業側としては開示する努力が必要です。トレーサビリティシステムの導入によって明確な情報を与えられるため、消費者からの信頼度アップが期待できます。

 

トレーサビリティシステム導入時の課題

リスク管理や消費者の信頼を得るうえで、トレーサビリティシステムは大切な仕組みです。しかし、闇雲に導入しても十分に活用できず、トラブルの対処につながらなかったというケースもあります。

トレーサビリティシステムを効果的に利用するためには、原材料に関する情報から流通、破棄に至るまであらゆるデータを収集する必要があります。つまり、流通に関するインフラが整備されていないと正しい情報が得られないため、効果的にトレーサビリティシステムを使うことができません。加えて、スムーズにシステムを整備するためには、自社の各部門はもちろん企業間の連携も必要です。

また、実際に現場でシステムを使ううえでバーコードや二次元コード、RFIDタグなど使用するシステムに合わせた端末機器も必要になります。誰もが管理しやすい仕組みを作り、端末も操作しやすいタイプを選ぶことが大切です。

 

トレーサビリティシステムの業界別活用例

近年、トレーサビリティシステムは様々な業界に導入されるほど広く浸透しています。しかし、その活用方法は業界によって異なり、状況を知らずにシステムだけを導入しても効果を発揮することができません。効果的にトレーサビリティシステムを使うためには、業界ごとのメリットや活用方法を把握することが大切です。続いては、トレーサビリティシステムの業界別活用例を「製造業・メーカー」「食品業界」「建設業界」の3パターンで紹介します。

 

●製造業・メーカー

製造業やメーカーでは原材料や部品を調達する段階から、加工・組立・流通・販売に至るまで、すべての流れをトレーサビリティシステムで管理します。例えば製造工程で使う工具や治具をデータ化できるため、状態の悪いものを破棄する時期の見極めも可能です。また、製造者や仕入先、販売元に関するデータを記録し残すことで、問題が起きた際もスピーディーな原因究明が可能です。

 

●食品業界

2001年に起きたBSE(狂牛病)問題は記憶に新しいでしょう。日本ではBSE問題をきっかけに、牛や牛肉に関するトレーサビリティが義務付けられました。そのほか、米や米を主原料とする米飯類・米菓に関しても、米トレーサビリティ法が設けられています。また、2021年6月1日 には、厚生労働省によって原則としてすべての食品等事業者に対するHACCPに沿った衛生管理の実施が義務付けられました。このように、食品業界におけるトレーサビリティはほかの業界よりも厳しく、消費者側の意識も高いのが現状です。なお、食品業界のトレーサビリティシステムでは生産者や生産地、流通先の情報に加えて、生産ラインや冷凍処理の温度に関するデータも収集できます。

 

●建設業界

建設業界においてもトレーサビリティシステムが活躍しています。例えば既存のインフラ構造物を維持するための工事では、作業スペースが手狭であり、小規模施工で使用する補修材料を活用するケースが一般的です。とはいえ、大量の材料を使用するため、搬入数量や使用量など使用した箇所ごとに記録しなければなりません。また、複数の材料を同時に使うケースも多く、これまでは情報の管理が煩雑になりやすい課題がありました。しかし、トレーサビリティシステムを導入することで補修にかかわる材料を一元管理することができ、施工管理記録の作成もスムーズになっています。

 

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