「伝統・権威・信頼感」と「親しみやすさ」……矛盾した要素を両立したWebサイトを目指したい。そんな難易度が高い要件に対応できる制作会社はどう探せばよいのかと悩んでいたのが、公益財団法人 合気道養神会だ。養神会は、伝統があり多くの会員が通う道場であるが、100年先も続く道場であるためには、時代に即した新たな強みを打ち出す必要がある。そう考え、Webサイトのリニューアルを決断したものの、思い描く理想像はあまりにハードルが高かった。
この理想を実現したのが、発注ナビを介して出会ったundergraffiti.株式会社である。デザインだけでなく、WebサイトのUI設計や構成から見直しリニューアルを成功へと導いた。その詳細を合気道養神会の柏倉沙耶氏と、undergraffiti.株式会社の代表取締役 芦村拓哉氏、同社制作部門PM 長野誠氏に伺った。
伝統ある合気道道場の魅力を、広く伝えられるようWebサイトリニューアルを決意

公益財団法人 合気道養神会
国際部 柏倉沙耶氏
―― 合気道養神会様ならびに合気道養神館様について教えてください。
公益財団法人合気道養神会 柏倉氏:合気道養神館は、「生ける伝説」「不世出の達人」と謳われ、有名な漫画作品に登場する武道家のモデルにもなった塩田剛三先生が1955年に創設した道場です。養神館の合気道は警視庁にも採用されるほどの高い実践性を誇り、現在も警視庁専修生の指導に携わっています。東京都新宿区の本部道場には、小学1年生から80代の方まで、経験や年齢を問わず約250名の会員が通い、稽古に励んでいます。さらに、国内外に300カ所の認定道場があるため、アメリカ、ロシア、ポーランドなど海外の会員も多くいらっしゃいます。そのため本部道場は、塩田先生亡き後、その理念と技を世界へ、そして次世代へと伝える役割も担っています。
―― 今回、発注ナビへ相談された案件についてお聞かせください。
柏倉氏:約15年前に制作したホームページがあったのですが、信頼感はあるものの、入会の敷居が高く感じられてしまったり、デザインが古い印象があったりと、今の時代に合わせた強みを打ち出せていないものでした。養神館をこれから100年先も続く道場にするには、Webサイトにも変化を起こさなければという危機感が高まっていました。
ちょうどそのタイミングで、当会ホームページの制作・運用をお願いしていた会社が制作事業から撤退することが決まり、1年以内に対処しなければいけなくなったため、これを機に全面的なリニューアルを決断しました。
矛盾する要素を両立させる、難易度の高いデザインは果たして実現できるのか
―― それで制作会社を探すことにしたのですね。
柏倉氏:最初は自分でどうにか対応できないかと、低コストで使えるプラットフォームなどを調べました。しかし、旧ホームページはページ数も多く複雑化しており、自分の手に余ると考えたため、制作会社を探すことにしました。
ですが、インターネットで何気なく『ホームページ制作会社』と検索しても、無限に思えるほどの制作会社が出てきます。「この中からどうやって依頼先を選べばよいのだろうか。納得感のある意思決定なんて到底できそうにない」と悩んでいたところ、発注ナビの存在を知りました。自分の代わりに制作会社を探し、紹介してもらえるサービスがあることを初めて知り、すぐに相談して翌営業日にはundergraffiti.さんを紹介いただきました。
―― undergraffiti.様の事業内容について教えてください。

undergraffiti.株式会社
コーポレート部門 代表取締役・デザイナー
芦村拓哉氏
undergraffiti.株式会社 芦村氏:当社は2022年に設立し、今年で第3期を迎えます。主な事業として、Webサイトをはじめとする各種Webサービスの企画・制作を手掛けています。
私たちの強みは、お客様の経営戦略に寄り添った柔軟な提案力、そして商流全体を見据えた本質的な情報設計やUI/UXのご提案にあります。
Webサイトは、お客様にとって『顧客との重要なコミュニケーションチャネル』であり、単なるビジュアル面の美しさだけでなく、企業としての提供価値を適切に発信し、『お客様のお客様』のニーズに応える情報設計が重要だと考えています。こうした価値を実現するために、私たちはお客様への丁寧なヒアリングを重視し、そのうえで本質を捉えた企画・提案を行っています。
また、Webサイトは『作って終わり』ではありません。安全かつ安定的に運用していくための体制づくりが不可欠です。当社では、セキュリティを担保するインフラ構成の設計から、長期的なお付き合いを見据えた内製化支援、運営面でのサポートまで、幅広く対応しています。
当社はクライアント数を安定させるために発注ナビを活用しており、エントリーするのはWebアプリケーションの企画から運用支援まで行う案件が中心です。実は今回の案件は、私ともう1人の役員が憧れていたキャラクターのモデルになった方がまさに塩田先生なのだと、エントリー後のマッチングの際に判明した案件でした。そのような方の道場に対して自分たちが力になれるなら、これほど光栄なことはありません。
―― undergraffiti.様を選定した決め手はどのようなものでしたか。
柏倉氏:発注ナビからは5社紹介があり、undergraffiti.さん以外だと、システム開発が得意で安定感がある会社、ベトナムを本拠地としており東南アジア向けの制作が得意そうな会社、動画制作に特化した会社などがありました。それぞれ強みと特徴が明確で良かったのですが、その中でundergraffiti.さんは格別で、事前に制作事例の資料を見たときから、デザイン性が群を抜いていました。
当会は公益財団法人ですが、合気道の道場で公益財団法人なのは2カ所だけです。合気道の起源は数百年前まで遡ることのできるものであり、その信頼性はきちんと打ち出す必要があります。しかしその一方で、入会者を増やすためには「ちゃんとした道場だから、自分には無理そうだ」と畏縮されることは避けなければなりません。信頼性と親しみやすさという矛盾を共存させるデザインはあまりに難しく、「果たして実現できる会社は本当にあるのだろうか」と心臓が痛くなるような日々を過ごしていました。そんな中、undergraffiti.さんに出会い、制作事例を見て、初めて「ここなら可能かもしれない」と希望を感じました。
また、undergraffiti.さんには最初のミーティングから驚くほど高い熱量でご提案をいただきました。何万人もの関係者がいる中、Webサイトのリニューアルを私一人で担当することに重責を感じていた中、「こんなにも私たちのことを想ってくださるundergraffiti.さんとなら、何か月にも及ぶ制作作業を安心して共に進められる」と確信しました。デザインと熱量の両方が決め手でしたね。
大会にも足を運び、ターゲット像を明確に。伝えたいことと集客を両立させるUI設計を実現
―― 実際にデザインをしていかがでしたか。
芦村氏:本部道場としての権威性・信頼感を出しながら、入会者を増やす目的を両立させるのは確かに難しいです。デザインのためには、養神会様のターゲット層をより深く知る必要があると判断しました。
そこで養神会様へ、弊社が演武大会や稽古を見学させていただくことをご提案し、実際にその機会を作っていただけるようご協力をいただきました。日頃からお客様のオフィスに伺うことはあるものの、武道の大会に参加し、演武される様子を間近で見せていただいたのは初めてです。入会される方々の想いを汲み取りやすい環境へと柏倉様がうまく導いてくれたおかげで、貴重な経験ができました。お子様を連れて大会の見学にいらしている方や親子で道場に通われている方が多いという、見学で得た知見を活かしたクリエイティブにこだわり、最終的には良いものができたと思います。
―― そのほか、制作において工夫した点はありますか。
芦村氏:リニューアル前のホームページは、一般的なWebサイトよりページ数や情報量が多く、情報が散在していました。ユーザーの導線もターゲットが意識されていなかったので、ターゲットの行動原理を踏まえたUX設計に注力しました。
柏倉氏:公益財団法人ということで情報量が多い上に細かな制約が多く、私たちも情報の整理が十分にできていない状況でした。そのため、制約がある中、情報を整理し、なおかつ集客につなげられるように深く考えて再構成していただき、本当にありがたかったです。
undergraffiti.株式会社 長野氏:合気道養神会様のホームページは、これまでの歴史に関する部分と、今、道場に通う方に向けた部分の大きく2つに分けられます。歴史に関する部分も、威厳や歴史、伝統を伝えて終わるのではなく、そこからどう入会につなげるかを意識して設計しました。
―― 完成したホームページはいかがでしたか。
柏倉氏:最終的なデザインが送られてきたときには、「これだ!」と思ってテンションが上がりすぎて寝付けなくなるほどでした。Webサイトリニューアルは、作業が多く大変なこともありましたが、本当にundergraffiti.さんにお願いしてよかったと日々感じながら取り組むことができました。Webサイトを公開してから1ヶ月以上経ちますが、体験希望者が増えたり、今までリーチできていなかった層にも入会していただいたりと、リニューアルの効果を実感しています。
不安だった制作会社選びも、強みが明確な会社から納得したうえで判断できた
―― 発注ナビの印象をお聞かせください。
柏倉氏:Webサイトリニューアルで1番緊張したのが制作会社選びでした。ここを決めた瞬間から長いプロジェクトが始まるので、「もし選択を間違えたら取り返すことはできない」と、不安でいっぱいだったのをよく覚えています。この不安を、これ以上ない形で解消してくれたのが発注ナビでした。ほかにもいくつか同様のマッチングサービスを利用したのですが、発注ナビは個性や強みが明確な会社を紹介してくださり、「まさにここだ」と思える納得感と確信の持てる意思決定ができました。自分一人では決してundergraffiti.さんへ辿り着くことはできなかったので、本当に感謝しています。
それから、利用したマッチングサービスの中で1番スピード感があったのも発注ナビでした。案件を登録した後、すぐにヒアリングの電話をいただきましたし、紹介された会社とのアポイントが決まるのも1番早かったです。制作会社の事業撤退が決まっており、動かせない期日がある中でのプロジェクトでしたから、迅速かつ的確に紹介してもらえて非常に助かりました。
今後は、リニューアルしたホームページをベースにSNSや広告などの発信にも注力
―― 今後の取り組みについて、それぞれお聞かせください。
柏倉氏:ホームページは、興味を持った方がまず確認に訪れる“名刺”のような存在です。今回、この集客とブランディングの要となるホームページを、これ以上ない形で制作してもらえたので、今後はこれを土台にさらに道場の魅力を広く伝えていきたいです。私たちの道場では年齢、性別、体力を問わず幅広い方が稽古をされており、本格的に合気道へ取り組みたい方に向けた国際専修生コースもあります。今後は、ホームページを基盤としながら、それぞれのターゲット層に合わせたアプローチも行い、1人でも多くの方に塩田先生の技とスピリットを伝えていきたいと思います。
芦村氏:養神会様とは運用保守契約も結んでおります。制作したホームページの公開は完了したものの、今後も養神会様と末永くお付き合いをいただけるよう、更なる改善に向けて取り組んでいきたいと考えております。また、SNS発信や広告出稿についても、協力会社との連携や紹介が可能ですし、我々も徐々にできることを増やしていきたいと考えているので、制作以外にもいろいろな領域で力になれればと思います。
―― ありがとうございました。
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