
中小企業向けにITによる業務効率化や業務支援を提供しているシステム開発会社にとって、顧客企業にIT投資の必要性を理解してもらうこと自体は難しくない。しかし実際の導入となると、投資判断のタイミングや優先順位などの理由から、なかなか一歩を踏み出せない顧客企業も少なくない。特に、製造業が多い地域ではIT活用の効果を丁寧に伝えていく必要があり、新規顧客の開拓が課題となることもある。岐阜・名古屋を拠点に全国の中堅・中小企業のIT活用を支援してきた株式会社IT経営総合研究所も、まさにそうした課題に直面していた。同社は顧客開拓の新たな手段として発注ナビを導入し、実案件につながる企業との出会いに加え、営業ノウハウの蓄積という成果も得ている。その取り組みについて、代表の吉田 成一氏にお話を伺った。
| 社名 | 株式会社IT経営総合研究所 |
|---|---|
| 所在地 | 岐阜県海津市平田町今尾1027 |
| 従業員数 | 1 – 30名 |
| 事業内容 | 顧問IT経営サービス、業務システム開発 |
| 掲載カテゴリ |
-
導入前の課題
中小企業を対象とした、IT導入による経営支援を得意としている同社だが、新規顧客の獲得が課題だった。営業では中堅・中小企業をターゲットにIT活用やシステム化の重要性・必要性を訴える戦略だったが、理解はしてもらえても実際のIT投資には踏み切らない企業が多く、新規顧客の獲得には至らなかった。実際の営業活動ではテレアポや営業代行、他のマッチングサービスも使ったが、リード情報は提供してもらえても「情報だけが欲しい」、「費用感だけ知りたい」といった企業が多く、実案件に結び付く顧客とはなかなか出会えなかった。
-
導入後の効果
2020年12月からセレクトプランで利用を開始し、これまでに最大150万円の案件を含め2件の新規顧客開拓に成功した。ただし、同社では新規受注金額や件数よりも、発注ナビの担当者から受注のためのアドバイスをもらえたり、失注理由を説明してもらえたりということに大きなメリットを感じている。契約からこれまでの約5年間の利用で、今後の営業活動に活かせるアドバイスをノウハウとして蓄積でき、自社の営業力も向上した。今後は、蓄積したノウハウをもとに、『お客様に寄り添う』という自社の強みを活かした提案を積極的に展開できる体制を整えていきたい。
重要性は理解しつつもIT投資には踏み出せない、そんな企業にどうアプローチするかが課題
株式会社IT経営総合研究所は、2017年4月に設立されたシステム開発会社だ。社名には、ITと経営の橋渡しを目指すという意味と、経営戦略の立案からその実現に不可欠なシステムの設計・構築・活用までを一気通貫で『研究』していくという意味が込められている。同社代表の吉田 成一氏は、自社のポリシーを「顧客企業の業務改善、売り上げアップ、コストダウンを全力で支援すること」と話す。それを実践するためにPM(プロジェクトマネージャー)、SE(システムエンジニア)、プログラマーなどの人材を揃え、要件定義から設計、開発、実装、保守運用まで全ての工程に対しワンストップで対応できる体制を整えているのが特徴だ。
こうした特徴をもとに、同社は「ITのことは苦手」、「システム化したいけれど、どこから手を付けたらいいか分からない」、「IT投資の効果がよく分からない」といった顧客(主に中堅・中小規模の製造業)に対して、コンサルティングからIT導入やシステム化をサポートしてきた。顧客が抱く『こんなことをしてみたいが実現できるか』といった要望にも丁寧に耳を傾け、『ITのよろず相談屋』としてきめ細かく対応してきた。吉田氏は、「それが当社の強みともいえるのです」と語る。
代表取締役 吉田成一氏
こうした強みを持つ同社だが、設立当初はなかなか新規顧客が獲得できなかった。吉田氏は、「設立当初は、岐阜や名古屋を中心に地場の中小企業のIT化やシステム化を支援し、業務効率向上や生産性向上といった目に見える効果を体感していただくこと。そして、ITやシステムの活用で顧客企業の経営が改善していく、そんな支援をしたいと考えていました」と話す。しかし、地元の中堅・中小企業の多くは、IT活用やシステム化の必要性は感じつつも、実際にIT投資をするとなると、金額もそれなりに大きくなるのでなかなか一歩が踏み出せないところが多かったのだという。コンサルティングや顧問契約をしてくれそうな地元企業に営業をしていったが、ハードルが高くて挫折を感じたこともあったと吉田氏は振り返る。
もう一つ、顧客獲得の課題になったのが地域性だ。同社は岐阜県と名古屋市に拠点を持つが、中小の製造業が多い地域で、IT活用やシステム化に対する意識が必ずしも高い企業ばかりとはいえなかった。こうした中、同社は具体的にどのような効果があるのかを丁寧に啓蒙していく必要も感じたようだ。
案件の質と量、アイティメディアグループという信頼感が決め手に
こうした課題に直面していた同社は、自力での顧客開拓だけでは限界があると考え、マッチングサービスや営業代行サービス、テレアポなどの活用を検討した。このうちのいくつかについては実際に契約して利用してみたが、吉田氏はいずれも実案件には繋がらなかったと説明する。特に、システム開発やIT導入を検討している顧客企業を紹介してくれるマッチングサービスについては、「確かに新規のリード情報は提供してくれました。しかし、実際にそのリード情報の顧客企業にアプローチすると本気でシステム開発を考えているところはほとんどありませんでした」(吉田氏)という。つまり、『まだ、本当にシステムを作るかどうかは決めていない』、『実際に作るとするといくらぐらいかかるのか、費用感が知りたかった』といったケースが多かったのだ。その中には、発注者からシステム構築の提案書を求められたこともあったという。「結果的には、その提案書通りに『もっと安く作ってくれる』システム開発会社に発注されてしまいました。どんな営業活動をしてもなかなか成果が出ない、そんな焦りも感じ始めていました」(吉田氏)。
このように新規顧客の開拓に苦戦を強いられていた中で、吉田氏は「本気でシステム開発を考えている顧客企業をきちんと紹介してくれるサービスはないか、その視点でとにかくさまざまなマッチングサービスを調べました。そうした中で、たまたま発注ナビのご担当者からのダイレクトメールが届いたのです」(吉田氏)。早速、発注ナビの担当者からサービスについての詳細な説明を聞く機会を設け、発注ナビの導入を決めた。さまざまなマッチングサービスを検討してきた中で発注ナビを選定した理由について、吉田氏は「本契約の前に無料で利用できるお試しの期間があり、そのときに実際にどのような案件が紹介されるのかを確認できます。その際、日々、メールで知らされる発注案件の数が他のサービスと比べて多く、『質が良い』と感じました。どんな発注案件かの説明を読むと希望納期や予算感も書かれているものもかなりありました。『ああ、本気でシステム開発を検討している企業からの発注なんだ』とわかりました。このあたりが大きな決め手でした」(吉田氏)。
さらに、発注ナビが「アイティメディアグループであることの信頼感もありました」(吉田氏)と話す。「IT業界に身を置く人間なら誰もが知る大手メディアのグループ会社で、しかも発注側の企業を集めるときにアイティメディアのさまざまな媒体を使うこともあると知りました。だから本気でシステム開発を検討している発注者が集まるのだと納得できたのです。実案件につながるサービスだと思い、利用を決めました」(吉田氏)。
発注ナビの担当者からのアドバイスで営業力が向上したことも大きな効果
こうして同社は、2020年12月からセレクトプランで発注ナビの利用を開始した。セレクトプランとは、半年、1年、2年といった一定の契約期間の間で、発注ナビを『利用するタイミング』を自由に決めて使えるプランだ。例えば、一定の契約期間の中で『目先3カ月間は大規模案件にかかりきりなので新規の開発案件は受けられない』といったときには、3カ月間発注ナビを使わず、エンジニアリソースに余裕ができたら再び発注ナビを利用して顧客獲得に乗り出すといった使い方ができる。リソースが潤沢ではないケースも多い中小規模のシステム開発会社にマッチしたプランといえる。このセレクトプランの利用で、同社ではこれまで、最大150万円規模の案件を含む2件の案件を獲得するなどの成果を挙げている。しかし、吉田氏は「案件が取れることだけが発注ナビの良いところではない」と言い切る。
吉田氏は、新規案件が獲得できることと合わせて、「発注ナビの担当者によるフォローやサポートが充実していて、自社の新規顧客開拓のスキルが上がっていく、そんな派生的な効果を感じています」という。中小規模のシステム開発会社では、同社のように全員がエンジニアで営業経験者がいないというケースも多いだろう。そんなシステム開発会社にとっては、途中まで提案したのに顧客からの連絡が途絶えてしまった、プロジェクトが停滞して進まないといったときに『具体的にどのようなアクションを起こせばいいのか分からない』こともある。「そんなときに発注ナビの担当者に相談すると、発注者が何に悩んでいるのか、何に困っているのかなどはもちろん、今は予算承認の段階で正式発注までは少し時間がかかるなど、状況をきちんと共有・説明された上でアドバイスをもらえるのです。発注者が何を重視しているのか、失注した場合も別の開発会社が選ばれた理由などの貴重な情報もあります。これらは、どれもが次の商談に活かせるノウハウであり、営業力の強化や、提案力の向上などに繋がっています」(吉田氏)。
こうした発注ナビの導入効果を実感している同社だが、今後は使い方をさらに工夫していくという。これまでは案件や企業を選ばず『できそうなものは何でもエントリーする』というスタイルだったようだが、2024年10月からSaaSプランに変更したこともあり、今後は案件を絞り込んで利用していくようだ。「当社が得意としているのは、やはり中堅・中小企業のお客様に『寄り添うこと』です。派手な技術を提案するようなことは得意ではありませんが、お客様の要望を丁寧にお聞きして課題解決に繋がるシステムを提案していく。5年間発注ナビを使ってきて、情報やノウハウは溜まっているので、それをもとに提案も幅広くできるようになりました。今後は、そういった当社ならではのやり方を受け入れてくれるお客様と出会いたいと思っています。そんな想いで今後も発注ナビを利用していきます」(吉田氏)。
発注ナビの利用をベースとした同社の成長戦略は、さらに明確になったようだ。
新規案件開拓の課題は「発注ナビ」で解決!システム開発に特化したビジネスマッチング
■関連リンク
■導入事例インタビュー










