経営コンサルティングの視点を活かしたシステム開発を得意とするKUSSHU(クッシュ)合同会社。顧客の課題を解決するシステムを設計・構築できるだけでなく、システムの導入効果を具体的な数字で示せることが同社の強みだ。そんな実力派スタートアップといえる同社は、発注ナビを利用して約8か月の間に4件の新規案件を獲得した。高確度での成約を継続・連発している同社のITコンサル部マネージャー 大橋丘実氏に、発注ナビを選んだ理由や利用の工夫、新規顧客開拓のポイントなどについて伺った。
社名 | KUSSHU合同会社 |
---|---|
所在地 | 東京都港区海岸1-2-20 汐留ビルディング3F |
従業員数 | 1 – 30名 |
事業内容 | システム開発、コンサルティング |
掲載カテゴリ |
- 導入前の課題
設立から2か月間は、既存顧客からの仕事はあったものの新規顧客の獲得に苦戦していた。技術力と提案力には自信があり、商談の機会さえあれば案件を取れると考えていたが、新規顧客との接点をどう獲得するかというポイントで躓いた。スタートアップだけに営業専任などを配置する人的リソースの余裕がなかったため、マッチングサービスを利用した新規顧客の開拓を決める。複数のサービスを比較検討の末、口コミや同業他社からの評判をもとに発注ナビを選定した。
- 導入後の効果
2023年9月に発注ナビと契約。それから2024年5月までの約8か月間で4件の新規案件を獲得した。技術や人的リソースの面で対応できそうな案件には全てエントリーする方針を継続したことで、対面での商談の機会(顧客接点)を増やすことに成功。システム導入の効果を具体的な数値で示す経営コンサルティング視点のシステム開発という強みを新規顧客にアピールできたことで、新たな接点が線につながるような営業活動を展開できている。
大手コンサルファーム出身者が立ち上げたスタートアップが直面した課題
KUSSHU合同会社は2023年9月設立のスタートアップ企業だ。顧客の要望に応じた最適なシステムを設計・構築することはもちろん、「このシステムを導入することで業務効率を〇〇%アップできます」、「導入効果を費用に換算すると、システム投資にかけた費用を約〇年間で回収できます」といった見通しまでを含めた経営コンサルティングの視点を活かしたシステム開発を得意としている。
同社のITコンサル部マネージャーである大橋丘実氏は「当社には、大手コンサルティングファームでの経験を積んだプロフェッショナルと、多彩な技術スキルを持つテックエキスパートが在籍しています。ビジネス視点を大切にしながら、最適なシステムソリューションを提案できるのです」と自社の強みを示す。
こうした明確な強みを持つスタートアップは、その強みを武器として一定数の顧客を事前に確保したうえで会社を立ち上げる、いわゆる『満を持しての起業』というパターンもあるのだが、同社の場合はそうではなかったようだ。
コンサルティングファーム時代の顧客は大手企業が中心だ。以前からつながりがあったとしても、設立間もないスタートアップである同社に対し、具体的な開発を依頼することには慎重にならざるを得ないというのが正直なところだろう。同社の場合は、過去のつながりによる新規案件の受注はある程度獲得はできていたが件数としては少ないもので、新規案件の獲得でカバーしようと尽力するも、うまく獲得に至らない状況だった。
「当社のことをよく知らない方々に当社のことを知っていただき、そして案件を発注していただく。自分たちの力で新規顧客を開拓していかなくてはならなかったのです」(大橋氏)。多くのスタートアップが直面する新規顧客の開拓という課題に、同社も直面していたのだ。
発注者の『本気度』がとにかく高い、それが発注ナビを選んだ決め手
それでは、どうやって新規顧客を開拓していけば良いのか。同社の場合は、自らの強みである『コンサル力』に焦点を当てたのだという。
「お客様に、システム導入による具体的なメリットを数字で示せる提案力を活かせれば、新規に顧客を獲得できる自信はありました」(大橋氏)。そうなると、商談の機会を得ることさえできれば、新規顧客開拓という課題は解決できるはずだ。大橋氏は、一つでも多く商談の機会を獲得するというその一点を集中して考えていたと当時を振り返る。
ただし、商談のチャンスを獲得するという方針が明確になったとしても、同社のようなスタートアップは新規顧客の開拓に割けるほど人的リソースに余裕がないのが一般的だ。同様に、営業専門の部署を作ったり、営業専任の担当者を配置したりすることもなかなか難しいのが実情だろう。
こうした壁にぶつかったスタートアップは、インサイドセールスやテレアポの代行サービスを導入して解決を図ろうとすることも多い。ただし、苦い実体験を持っているシステム開発会社やスタートアップであれば、そうしたサービスがうまく機能するケースは少ないという現実も分かっているだろう。
同社も新規顧客開拓を代行させるのではなく、マッチングサービスの利用を検討した。顧客との新たな接点の獲得を営業専任担当者やインサイドセールスに任せるのではなく、人的リソースが最小限で、しかも効率的にできるようなサービスを探そうと考えたからだ。そしてさまざまなリサーチの末に発注ナビにたどり着き、2023年9月から利用を開始した。
発注ナビを選定した決め手となったのは、総合的に評価した結果だという。同社は他のマッチングサービスとの比較段階で「どのくらいの金額帯の案件情報が多いのか」、「発注者が本当にシステム開発を依頼したいと考えている案件情報はどれくらいありそうか」、「実際に商談ができる案件はどのくらいありそうか」といった情報を中心に検討していた。
さらに、各サービスの口コミなどの評判も入念にチェックした。「その結果、案件の金額帯、発注者の本気度(案件の質)、商談につながる件数(紹介数)などを総合的に考え、発注ナビが一番バランスが取れていたのです。いってみれば、適切な利用料金で質が高いサービスでした。それが発注ナビを選んだ大きな理由です」(大橋氏)。
口コミについて、ほかのマッチングサービスでは、「紹介されたリード情報をもとに発注者に連絡をしても返信がない」、「発注する気のない案件だった」といった内容が多かったものの、発注ナビではそういった評判を目にすることがほぼなかったという。ほかのマッチングサービスと比べると「本気で発注したいというお客様が断トツで多いと感じました」(大橋氏)。そこが決め手になったのだ。
発注ナビの利用開始から8か月で4件。高確度成約の理由は?
同社は2023年9月の発注ナビの契約後、2024年6月までに4件の新規案件の獲得に成功した。契約から約8か月という短期間にもかかわらず、かなりの高確度で新規顧客の獲得に成功している。その理由はどこにあるのだろうか。発注ナビの利用法に工夫があるのではないか、聞いてみた。
大橋氏の説明は、「システム導入による具体的なメリットをお客様に数字で提示できるという当社の強みを前面に打ち出すように心掛けて、新規顧客を開拓していきました」というものだった。冒頭に説明した、『経営コンサルティングの視点を活かしたシステム開発』である。そのためには、発注ナビを利用して商談の機会を増やすことを徹底した。そのうえで、最初の商談では可能な限り顧客と直接会い、対面で説明することを重視したのだという。
実は、同社が初回の商談で対面にこだわったのは、自社の強みを発注者に伝えるためだけではない。同社は、システム開発とは顧客と二人三脚でやるものと考えているからだ。そのため発注者と体面で会うことにより、これからの数か月を一緒に仕事をする相手として、自分たちが相応しいかどうかをきちんと確認してもらっているのだそうだ。
また、実際に発注ナビを使ってみた感想としては、発注ナビの専任アドバイザーからの情報共有が非常に助かったという。
たとえば同社の場合なら、複数社が競合した案件において、商談が終わった時点で専任アドバイザーが発注者に連絡を入れ、同社が競合他社と比べてどの程度の評価なのかを確認する、といったケースだ。「それによって当社が受注できる確度を予測することもでき、確度が高いと思えたらさらにワンプッシュをしてみたり、反対に確度が低いと思えたら別の案件に注力したりと戦略を考えられます。そこがすごく助かっています」(大橋氏)。
毎月20件程度を目標に、できる案件には全てエントリーしていく
現在の同社は、対応できそうな案件であれば、全てにエントリーしているという。まだ立ち上げから日の浅いスタートアップであり、今は実績を一つでも多く作っていきたいからだ。「1日1件しかエントリーできない日もありますが、案件の規模にはあまりこだわらず、毎月20件程度を目標にエントリーしています。小さい案件でも後続で追加案件を獲得できる可能性もあるからです。発注ナビを利用したことで、新規に開拓した顧客接点が、単なる点で終わらず線としてつながっていくような営業活動を展開できるようになりました」(大橋氏)。
そして、『案件を紹介された後にはレスポンスは速く』、『送信、返信メールは極力、丁寧に』、『メールで返事がもらえないなら電話をかける』など、専任アドバイザーから受けた助言を忘れずに実行しているという。大橋氏は「相手に『嫌がられない程度』にしつこくやりとりしています(笑)」と話す。
「当社は起業してから1年程度のスタートアップで、まだまだ新規顧客開拓の方法、発注ナビの利用方法についても試行錯誤です」と大橋氏は話す。まずは実績を数多く積み上げて、その実績をもとに発注者に信頼され、安心して発注してもらえるシステム開発会社を目指しているのだそうだ。
「発注ナビの紹介記事の実績の項目を沢山埋めていくことを目標に、これまで通りに『できる案件には全てエントリーしていく』姿勢で発注ナビを利用していこうと考えています」(大橋氏)。
エントリーを繰り返し、きちんとフォローすること。日々の地道な作業が、高い確度の案件獲得につながっているのだ。
新規案件開拓の課題は「発注ナビ」で解決!システム開発に特化したビジネスマッチング
■関連リンク
■導入事例インタビュー